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将と明が付き合うことになったお祝いを居酒屋でしていたらこんな時間になってしまった。
俺は将と一緒に最寄り駅に着き、天を迎えに将の家に向かう。
一「今度デートするの?」
将「まあ、夜飯とかは一緒に食いたいよな。」
と、そんなに欲のない将の答えに俺は驚いた。
一「どっか行きたいとかないんだ?」
将「俺はそういう幸せより、一緒にいられる幸せの方が嬉しいんだ。だから今も幸せ。」
そう言って俺に笑いかける将は俺より大人っぽく見えてしまい、ちょっと悔しくなった。
将「そういえば、ストーカーって解決してないのか?」
と、俺と天を心配するように聞いてくる将。
一「ああ、まだ。けど、俺が帰ってきてから何もないんだよな。」
将「…天ちゃん狙い?」
一「そうだとしたら実家に帰した方がいいか…。」
俺はまだ浴衣を作り続けている天を今後どうするか、一緒に考えていると将の家に着いた。
天「2人ともおかえりー。アイスあるよ。」
と、天は将の家をもう自分の家のように使い始めていた。
俺は少し将の家で涼んだ後に天と一緒に自分の家に帰る中、将と話した1番の候補を天に出してみることにした。
一「家の往復面倒だろ。実家帰るか?」
天「それはやだ!…絶対捨てられるもん。」
そう言って天はしょげた顔する。
一「でもなぁ…。将に迷惑かけすぎてるからな。」
天「…掃除してるし、ゴミ出しもしてご飯も作ってるけどダメかな。」
一「そんなことしてたのか。」
天「だってそれくらいしかお返しできないし。」
天なりに将に恩返しをしてたのかと今知り、どうしても実家に帰りたくない意思を俺に伝えてくる。
一「引っ越すにしても金がないからなぁ。…どうすっかな。」
俺たちは今後のことを考えながらあと少しで家に着く道の脇から人が飛び出してきた。
「あー!ひーくん、おかえり♡」
と、手さげ袋を1つ持ったモモちゃんが俺の家がある角から出てきた。
すると天はそれに驚いたのか、俺の腕を掴み背後に隠れた。
桃汰「夜遊びし過ぎると狼さんに食べられちゃうぞ♡」
つまらない冗談を言うモモちゃんはいつも以上に笑顔で少し怖く感じてしまった。
一「何でここにいるんですか?」
モモちゃんに俺の家は教えたはずがないのに、何でこの付近をうろついていたんだろう。
夢衣が天から聞いて教えたんだろうか。
桃汰「これ!ひーくんのパンツとかもろもろ返しに来たんだ。」
と言って、モモちゃんが持っていた手提げ袋を俺に渡してきた。
桃汰「もう夢衣ちゃんの家には来ないと思うし、来ないでほしい。」
一「…え?」
桃汰「だって、元彼でセフレだった人に俺の彼女と一緒にいてほしくないもん。」
…まあ、そうか。
うん、そう思うのは当然だよな。
桃汰「あと、夢衣ちゃんの連絡先消してくれない?」
一「…なんでですか?」
桃汰「俺以外の番号が入ってるの嫌だし、元彼が元彼の連絡先持ってるのって未練ありまくりじゃん。そういうの浮気に繋がるから断ち切っときたい。」
そう言ったモモちゃんの目は自分の意見が正しいかのように俺の目を見てくる。
一「元彼でももう友達ですよ。この間、付き合いたいと思ってないって言ったじゃないですか。」
桃汰「男女に友達って言葉、通用するって思ってるの?」
…モモちゃんの笑顔が怖い。
胸が金網で絞られるように痛めつけられて、息が浅くなるのを感じる。
一「男も女も人なんで友情はあると思いますよ…。」
桃汰「へぇ…。遊び人のいっくんがそんなこと言うんだ。」
…は?
なんで、その名前知ってんだ?
桃汰「まあ、いいや。夢衣ちゃんの携帯に入ってた連絡先、俺以外のブロックしてるから手出さないでね。」
そう言ってモモちゃんは残り少ない電車に向かうことなく、どこかへ行ってしまった。
俺はモモちゃんの異常性にもっと早く気づいてあげられたら、あの朝飯の時に止めてられていたのにと後悔していると天が俺の手を引きとても焦った様子で家に入り全ての鍵を閉める。
一「…どうした?」
天「あの人…。」
一「あの人、夢衣の今彼。」
俺がそう言うと天が首を振り、震える手で俺の手を掴む。
天「あの人がここの家にいたずらしてた人。」
一「…え?」
だって、モモちゃんに俺の家を教えた記憶はない。
一「…夢衣にこの家の住所、教えた?」
天「ううん。」
奏たちは俺の家の住所は知ってるけど、夢衣のことは分かってるから俺に黙って教えないはずなんだ。
…ってことは、モモちゃんが勝手に動いてるってことなのか?
一「天、本当にあの人があの扉の傷つけたのか?」
天「うん…。刃物持ってこっちに向かって走ってくる時に顔見えたし、ポストにゴミ入れてくるのもドアスコープ越しに見た。」
…夢衣が危ない。
どうしよう。今の俺には何が出来る?
まず俺は天の荷物を全てまとめて奏の家にタクシーで向かい、相談することにした。
→ 24 Hours
俺は将と一緒に最寄り駅に着き、天を迎えに将の家に向かう。
一「今度デートするの?」
将「まあ、夜飯とかは一緒に食いたいよな。」
と、そんなに欲のない将の答えに俺は驚いた。
一「どっか行きたいとかないんだ?」
将「俺はそういう幸せより、一緒にいられる幸せの方が嬉しいんだ。だから今も幸せ。」
そう言って俺に笑いかける将は俺より大人っぽく見えてしまい、ちょっと悔しくなった。
将「そういえば、ストーカーって解決してないのか?」
と、俺と天を心配するように聞いてくる将。
一「ああ、まだ。けど、俺が帰ってきてから何もないんだよな。」
将「…天ちゃん狙い?」
一「そうだとしたら実家に帰した方がいいか…。」
俺はまだ浴衣を作り続けている天を今後どうするか、一緒に考えていると将の家に着いた。
天「2人ともおかえりー。アイスあるよ。」
と、天は将の家をもう自分の家のように使い始めていた。
俺は少し将の家で涼んだ後に天と一緒に自分の家に帰る中、将と話した1番の候補を天に出してみることにした。
一「家の往復面倒だろ。実家帰るか?」
天「それはやだ!…絶対捨てられるもん。」
そう言って天はしょげた顔する。
一「でもなぁ…。将に迷惑かけすぎてるからな。」
天「…掃除してるし、ゴミ出しもしてご飯も作ってるけどダメかな。」
一「そんなことしてたのか。」
天「だってそれくらいしかお返しできないし。」
天なりに将に恩返しをしてたのかと今知り、どうしても実家に帰りたくない意思を俺に伝えてくる。
一「引っ越すにしても金がないからなぁ。…どうすっかな。」
俺たちは今後のことを考えながらあと少しで家に着く道の脇から人が飛び出してきた。
「あー!ひーくん、おかえり♡」
と、手さげ袋を1つ持ったモモちゃんが俺の家がある角から出てきた。
すると天はそれに驚いたのか、俺の腕を掴み背後に隠れた。
桃汰「夜遊びし過ぎると狼さんに食べられちゃうぞ♡」
つまらない冗談を言うモモちゃんはいつも以上に笑顔で少し怖く感じてしまった。
一「何でここにいるんですか?」
モモちゃんに俺の家は教えたはずがないのに、何でこの付近をうろついていたんだろう。
夢衣が天から聞いて教えたんだろうか。
桃汰「これ!ひーくんのパンツとかもろもろ返しに来たんだ。」
と言って、モモちゃんが持っていた手提げ袋を俺に渡してきた。
桃汰「もう夢衣ちゃんの家には来ないと思うし、来ないでほしい。」
一「…え?」
桃汰「だって、元彼でセフレだった人に俺の彼女と一緒にいてほしくないもん。」
…まあ、そうか。
うん、そう思うのは当然だよな。
桃汰「あと、夢衣ちゃんの連絡先消してくれない?」
一「…なんでですか?」
桃汰「俺以外の番号が入ってるの嫌だし、元彼が元彼の連絡先持ってるのって未練ありまくりじゃん。そういうの浮気に繋がるから断ち切っときたい。」
そう言ったモモちゃんの目は自分の意見が正しいかのように俺の目を見てくる。
一「元彼でももう友達ですよ。この間、付き合いたいと思ってないって言ったじゃないですか。」
桃汰「男女に友達って言葉、通用するって思ってるの?」
…モモちゃんの笑顔が怖い。
胸が金網で絞られるように痛めつけられて、息が浅くなるのを感じる。
一「男も女も人なんで友情はあると思いますよ…。」
桃汰「へぇ…。遊び人のいっくんがそんなこと言うんだ。」
…は?
なんで、その名前知ってんだ?
桃汰「まあ、いいや。夢衣ちゃんの携帯に入ってた連絡先、俺以外のブロックしてるから手出さないでね。」
そう言ってモモちゃんは残り少ない電車に向かうことなく、どこかへ行ってしまった。
俺はモモちゃんの異常性にもっと早く気づいてあげられたら、あの朝飯の時に止めてられていたのにと後悔していると天が俺の手を引きとても焦った様子で家に入り全ての鍵を閉める。
一「…どうした?」
天「あの人…。」
一「あの人、夢衣の今彼。」
俺がそう言うと天が首を振り、震える手で俺の手を掴む。
天「あの人がここの家にいたずらしてた人。」
一「…え?」
だって、モモちゃんに俺の家を教えた記憶はない。
一「…夢衣にこの家の住所、教えた?」
天「ううん。」
奏たちは俺の家の住所は知ってるけど、夢衣のことは分かってるから俺に黙って教えないはずなんだ。
…ってことは、モモちゃんが勝手に動いてるってことなのか?
一「天、本当にあの人があの扉の傷つけたのか?」
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…夢衣が危ない。
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