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今日でこの別荘で作業するのは最後でノルマの色塗りが終わり、また学校に運搬するために道具を詰め始める。
明「あー…!あっという間に1週間過ぎちゃうね。」
奏「だね。でも結構出来上がってきたよね。」
と、奏は塗料を乾かしている完成間近のキャンバスに描かれた絵を見る。
きっと再来週の頭までには提出が出来るから音己ねぇの言う通り、夏休みで全てちゃんと終わらすことが出来そうだ。
海斗「夢衣さんは大丈夫そうか?」
隣で一緒に画材を整理する海斗が、今日の朝から自分の部屋から出てこない夢衣の事を心配して俺に聞いてきた。
一「なんか体がだるいらしい。病気ではないらしけど。」
海斗「せっかく遊びに来てくれたのに申し訳ないな。」
一「元々インドアだったけど最近無理に外で出させてたから、多分俺のせいだ。」
将「誰のせいでもない。自分の体は自分で守らないと。」
将が画材を詰めたダンボールを玄関に持って行くために俺のそばにあるダンボールを持ち上げながらそう言った。
一「…朝食ってないから昼は食べるように声かけてくる。」
俺はあと少しで終わる片付けを4人に任せて夢衣の部屋に行く。
夢衣の部屋は朝入った時と同じでカーテンが閉められていてとても寒く感じる冷房のついていて、夢衣は厚手の毛布に包まり布団の上でまだ寝ていた。
一「夢衣、もう昼になるけど起きれそうか?」
俺は毛布で隠れる夢衣の顔をそっと覗くとまぶたが腫れていて、1人泣いていた事が簡単に想像出来た。
一「夢衣、どうした…?」
俺はまだ目を覚まさない夢衣に聞くけれど、答えてくれないのは当たり前だ。
俺はベッドに座って夢衣が気持ちよく起きられるように涙が枯れた頬を親指で撫でていると、それに気づいた夢衣が重いまぶたを開き、まっすぐどこかを見たまま俺を見ずにまた布団に潜り込もうとする。
一「まだ寝るのか?」
夢衣「…寝るし。」
どうした?
眠くないのにまだ寝るって言うのか?
一「もうそろそろ昼飯だけど食べないのか?」
夢衣「…お腹減ってないし。」
ずっと嘘を言い続ける夢衣。
俺に会えば文句は言いつつも起きてくれるのに今日は嘘ばかり言葉にする。
一「どうしたんだよ。夢衣らしくないぞ?」
夢衣「…どの夢衣の事言ってる?」
夢衣はそう言い、俺を睨むように見てきた。
今日の夢衣はどうも怒りっぽいらしい。
俺は夢衣のご機嫌を取るために言葉を見繕う。
一「素直で笑顔が可愛い夢衣。」
俺は夢衣のご機嫌を取ろうと顔を近づけてキスしようとすると、夢衣の腕が俺の首に伸びてきてそのままベッドに叩きつけられる。
俺はなにが起こったのか分からずにいると、夢衣は俺の胸上に乗り近くにあったガウンのリボンを取って俺の腕をベッドに拘束する。
一「なにしてるんだよ。」
俺は脚を動かして逃げようとすると夢衣が俺にキスをしてきた。
そういうプレイをしようとしてるのかと俺は考え逃げるのを止めて、機嫌が悪い夢衣がしたいようにすることにした。
一「…体、だるいんじゃないの?」
夢衣「夢衣の事、心配してくれるんだ。」
いつもなら嬉しそうに言葉を返してくれるのに、夢衣が今日吐く言葉は全て寂しく聞こえる。
一「当たり前じゃん。」
夢衣「なんで心配してくれるの?」
一「…夢衣だから、かな。」
俺はやっぱり今の夢衣との関係を友達とは言えずに誤魔化した。
夢衣「…嫌いって言ったじゃん。」
一「え…?」
夢衣「夢衣、ひーくんの嘘、嫌いって言ったよ。」
そう言って、夢衣は俺の鼻を掴んで舌を絡めるキスをする。
一「…夢衣。手、どけて。」
俺は息が苦しくて少しの合間に入れられる酸素でどうにか伝える。
夢衣「やだ。ひーくんは夢衣の彼氏なの。」
夢衣はそのまま俺の口を閉じて涙を流しながらキスをし続ける。
…ダメだ。
夢衣が自分の事を名前で呼び出した。
俺の首を絞めて殺そうとした時に自分のことを名前呼びしていた事を思い出し、俺は逃げようと体を動かすが夢衣に体を抑えられてしまい呼吸が出来ず下半身に力が上手く入らない。
俺は夢衣の舌で抑えられる喉を必死に鳴らして助けを求めるが、家が良すぎてみんなの足音さえしない。
今、少しの隙間で浅く呼吸をなんとかするので精一杯。
夢衣の気分で開くその隙間は俺の肺の活動をだんだんと正常に機能させてくれなくなって死が俺の様子を覗き見してくるの感じ、俺は必死に散らす。
夢衣「ひーくん、大好きだよ。」
俺はその言葉に返す余裕なく息を整えようとしたが、そんな一瞬で戻ってくれたら今まで苦しい思いをしなかった。
俺は最後に飲んだ酸素で逃げようとベッドの上でのたうち回るが俺より小さい夢衣には勝てないほど、体には限界が来ていた。
俺は走馬灯のようにまだやりきれていない思い出を思い返して涙すると、それを薄目で見ていた夢衣が俺の涙を拭くことなく首に手を置き絞めてくる。
その手で俺は少しの隙間でもまともに息が吸えなくなり、夢衣の血の味がする舌ももう噛めなくなって口を限界まで開けて息を吸うことしか出来なった。
俺は自分とは思えない声を上げながら夢衣に止めるようにお願いするが、今の夢衣はもう止める気も起きないらしい。
それほど俺は夢衣に酷いことをしてしまったんだ。
俺は夢衣にしてしまった偽物の恋人ごっこを最後の息で謝り、後悔の涙を流す。
するとその言葉で夢衣が泣き出して少し手の力が弱まり、残り僅かな人生が長引くと同時に部屋の扉を誰かがノックする。
「夢衣さーん。ひとー?…いるかな?」
と、奏が昼飯が出来たことを伝えにやってきた。
俺が奏の名前を呼ぼうとした瞬間、夢衣に口を塞がれてしまい最後の抵抗に唇を噛むと夢衣は小さく叫び自分の唇を両手で抑える。
俺はすぐさま体をねじって夢衣から逃げるようにベッドに繋がれたまま転げ落ちるとその音で奏が部屋に入ってくる。
奏「一…?」
俺が咳をしながら体全身で息を整えているのを見て、奏が駆け寄り俺の腕の拘束を外して背中をさすってくれる。
奏「夢衣さ…」
と、奏が怒りをあらわにした声で夢衣を呼ぼうとすると夢衣は口を抑えながら部屋を出て行ってしまう。
一「…追い、かけないと。」
俺は肺を震わせながら立ち上がろうとすると奏がそれを止めた。
奏「何言ってんだよ!殺されかけてまだそんなこと言ってんのか!?」
奏は俺の頬に強烈なビンタをして朦朧とする視界のピントを合わせてくれる。
またあの日を繰り返してしまった。
俺はまた繰り返してしまった自分の不甲斐なさに涙を流していると、奏の声で海斗たちが集まってきたと同時に玄関が勢いよく閉まる音が聞こえた。
海斗「なにがあった?」
奏「またあった。」
奏の怒りに震える言葉で海斗は全てを理解したのか黙り込む。
将「…俺が夢衣さん追いかけるからみんなは家で待っててあげて。」
そう言って将は走り出し、夢衣を追いかけにいった。
明「一…?大丈夫?」
明は俺の背中を撫でて自分自身を責めて俯く俺の顔を覗き込んでくる。
「昼飯前にランニング行ったのか?」
と、扉の方から音己ねぇが話しながら俺たちがいる部屋に入ってきた。
音己「…なにがあった。」
音己ねぇは俺たちの様子を見て、一段と真剣に聞いてきた。
一「全部、俺のせいだ…。」
俺は自分の罪を認めて、こうなってしまった経緯を話した。
けれどずっと無言で聞くみんなの顔は全く見れなくて延々と涙で歪む床を見たまま、俺は顔を上げられずに話終えてしまった。
すると誰かが俺の前にやってきて両手で頭を鷲掴みし、俯き続ける顔を上げてくれる。
「自分がされて嫌な事、なんでしたんだ。」
と、目の前にいた音己ねぇが俺を目を見て聞いてきた。
一「…寂しくて。」
俺はその言葉しかその行動のきっかけを表す事が出来なかった。
音己「奏たちがいるだろ。」
一「夢衣も寂しそうで…。」
音己「寂しい者同士が穴の埋め合いをしても、出来合いのものでしか埋めてあげられないんだ。
一がもう少し、自分に余裕が持てたならむーこはここまでお前を傷つけない。」
一「俺、ずっと変われない…。」
あの日からずっと変われない。
変わる事で俺の今まで生きていた世界が壊れる。
それが嫌でどうしようも出来ない。
音己「変わっただろ。嘘しか言わない一に。」
俺の記憶にはもうずっと嘘をつき続ける俺しか見えなくて、素直に正直に心を交わしたのはいつだったかも思い出せない。
音己「一はあの日に戻れるから。もう、変わらなくていい。」
そう言って音己ねぇは俺の頭を抱きしめて背中を1度、肌が割れるほど強く叩く。
音己「全員で飯だ。」
その言葉に奏たちが返事をして動き出し、部屋を出ていく。
一「…俺、変わらなくていいの?」
みんながいなくなった部屋で俺は音己ねぇに聞く。
音己「変わりたいなら変わる。変わりたくないなら変わらない。変われないなら1歩戻って今までいた自分の周りを見てみる。それでどうしたいかまた決めればいい。」
そう言って音己ねぇは立ち上がり、俺の手を掴んで立ち上がらせる。
音己「一、行くよ。」
一「…うん。」
俺は音己ねぇに手を引かれながら家を飛び出してしまった夢衣をみんなで探しに行った。
→ ミスターパーフェクト
明「あー…!あっという間に1週間過ぎちゃうね。」
奏「だね。でも結構出来上がってきたよね。」
と、奏は塗料を乾かしている完成間近のキャンバスに描かれた絵を見る。
きっと再来週の頭までには提出が出来るから音己ねぇの言う通り、夏休みで全てちゃんと終わらすことが出来そうだ。
海斗「夢衣さんは大丈夫そうか?」
隣で一緒に画材を整理する海斗が、今日の朝から自分の部屋から出てこない夢衣の事を心配して俺に聞いてきた。
一「なんか体がだるいらしい。病気ではないらしけど。」
海斗「せっかく遊びに来てくれたのに申し訳ないな。」
一「元々インドアだったけど最近無理に外で出させてたから、多分俺のせいだ。」
将「誰のせいでもない。自分の体は自分で守らないと。」
将が画材を詰めたダンボールを玄関に持って行くために俺のそばにあるダンボールを持ち上げながらそう言った。
一「…朝食ってないから昼は食べるように声かけてくる。」
俺はあと少しで終わる片付けを4人に任せて夢衣の部屋に行く。
夢衣の部屋は朝入った時と同じでカーテンが閉められていてとても寒く感じる冷房のついていて、夢衣は厚手の毛布に包まり布団の上でまだ寝ていた。
一「夢衣、もう昼になるけど起きれそうか?」
俺は毛布で隠れる夢衣の顔をそっと覗くとまぶたが腫れていて、1人泣いていた事が簡単に想像出来た。
一「夢衣、どうした…?」
俺はまだ目を覚まさない夢衣に聞くけれど、答えてくれないのは当たり前だ。
俺はベッドに座って夢衣が気持ちよく起きられるように涙が枯れた頬を親指で撫でていると、それに気づいた夢衣が重いまぶたを開き、まっすぐどこかを見たまま俺を見ずにまた布団に潜り込もうとする。
一「まだ寝るのか?」
夢衣「…寝るし。」
どうした?
眠くないのにまだ寝るって言うのか?
一「もうそろそろ昼飯だけど食べないのか?」
夢衣「…お腹減ってないし。」
ずっと嘘を言い続ける夢衣。
俺に会えば文句は言いつつも起きてくれるのに今日は嘘ばかり言葉にする。
一「どうしたんだよ。夢衣らしくないぞ?」
夢衣「…どの夢衣の事言ってる?」
夢衣はそう言い、俺を睨むように見てきた。
今日の夢衣はどうも怒りっぽいらしい。
俺は夢衣のご機嫌を取るために言葉を見繕う。
一「素直で笑顔が可愛い夢衣。」
俺は夢衣のご機嫌を取ろうと顔を近づけてキスしようとすると、夢衣の腕が俺の首に伸びてきてそのままベッドに叩きつけられる。
俺はなにが起こったのか分からずにいると、夢衣は俺の胸上に乗り近くにあったガウンのリボンを取って俺の腕をベッドに拘束する。
一「なにしてるんだよ。」
俺は脚を動かして逃げようとすると夢衣が俺にキスをしてきた。
そういうプレイをしようとしてるのかと俺は考え逃げるのを止めて、機嫌が悪い夢衣がしたいようにすることにした。
一「…体、だるいんじゃないの?」
夢衣「夢衣の事、心配してくれるんだ。」
いつもなら嬉しそうに言葉を返してくれるのに、夢衣が今日吐く言葉は全て寂しく聞こえる。
一「当たり前じゃん。」
夢衣「なんで心配してくれるの?」
一「…夢衣だから、かな。」
俺はやっぱり今の夢衣との関係を友達とは言えずに誤魔化した。
夢衣「…嫌いって言ったじゃん。」
一「え…?」
夢衣「夢衣、ひーくんの嘘、嫌いって言ったよ。」
そう言って、夢衣は俺の鼻を掴んで舌を絡めるキスをする。
一「…夢衣。手、どけて。」
俺は息が苦しくて少しの合間に入れられる酸素でどうにか伝える。
夢衣「やだ。ひーくんは夢衣の彼氏なの。」
夢衣はそのまま俺の口を閉じて涙を流しながらキスをし続ける。
…ダメだ。
夢衣が自分の事を名前で呼び出した。
俺の首を絞めて殺そうとした時に自分のことを名前呼びしていた事を思い出し、俺は逃げようと体を動かすが夢衣に体を抑えられてしまい呼吸が出来ず下半身に力が上手く入らない。
俺は夢衣の舌で抑えられる喉を必死に鳴らして助けを求めるが、家が良すぎてみんなの足音さえしない。
今、少しの隙間で浅く呼吸をなんとかするので精一杯。
夢衣の気分で開くその隙間は俺の肺の活動をだんだんと正常に機能させてくれなくなって死が俺の様子を覗き見してくるの感じ、俺は必死に散らす。
夢衣「ひーくん、大好きだよ。」
俺はその言葉に返す余裕なく息を整えようとしたが、そんな一瞬で戻ってくれたら今まで苦しい思いをしなかった。
俺は最後に飲んだ酸素で逃げようとベッドの上でのたうち回るが俺より小さい夢衣には勝てないほど、体には限界が来ていた。
俺は走馬灯のようにまだやりきれていない思い出を思い返して涙すると、それを薄目で見ていた夢衣が俺の涙を拭くことなく首に手を置き絞めてくる。
その手で俺は少しの隙間でもまともに息が吸えなくなり、夢衣の血の味がする舌ももう噛めなくなって口を限界まで開けて息を吸うことしか出来なった。
俺は自分とは思えない声を上げながら夢衣に止めるようにお願いするが、今の夢衣はもう止める気も起きないらしい。
それほど俺は夢衣に酷いことをしてしまったんだ。
俺は夢衣にしてしまった偽物の恋人ごっこを最後の息で謝り、後悔の涙を流す。
するとその言葉で夢衣が泣き出して少し手の力が弱まり、残り僅かな人生が長引くと同時に部屋の扉を誰かがノックする。
「夢衣さーん。ひとー?…いるかな?」
と、奏が昼飯が出来たことを伝えにやってきた。
俺が奏の名前を呼ぼうとした瞬間、夢衣に口を塞がれてしまい最後の抵抗に唇を噛むと夢衣は小さく叫び自分の唇を両手で抑える。
俺はすぐさま体をねじって夢衣から逃げるようにベッドに繋がれたまま転げ落ちるとその音で奏が部屋に入ってくる。
奏「一…?」
俺が咳をしながら体全身で息を整えているのを見て、奏が駆け寄り俺の腕の拘束を外して背中をさすってくれる。
奏「夢衣さ…」
と、奏が怒りをあらわにした声で夢衣を呼ぼうとすると夢衣は口を抑えながら部屋を出て行ってしまう。
一「…追い、かけないと。」
俺は肺を震わせながら立ち上がろうとすると奏がそれを止めた。
奏「何言ってんだよ!殺されかけてまだそんなこと言ってんのか!?」
奏は俺の頬に強烈なビンタをして朦朧とする視界のピントを合わせてくれる。
またあの日を繰り返してしまった。
俺はまた繰り返してしまった自分の不甲斐なさに涙を流していると、奏の声で海斗たちが集まってきたと同時に玄関が勢いよく閉まる音が聞こえた。
海斗「なにがあった?」
奏「またあった。」
奏の怒りに震える言葉で海斗は全てを理解したのか黙り込む。
将「…俺が夢衣さん追いかけるからみんなは家で待っててあげて。」
そう言って将は走り出し、夢衣を追いかけにいった。
明「一…?大丈夫?」
明は俺の背中を撫でて自分自身を責めて俯く俺の顔を覗き込んでくる。
「昼飯前にランニング行ったのか?」
と、扉の方から音己ねぇが話しながら俺たちがいる部屋に入ってきた。
音己「…なにがあった。」
音己ねぇは俺たちの様子を見て、一段と真剣に聞いてきた。
一「全部、俺のせいだ…。」
俺は自分の罪を認めて、こうなってしまった経緯を話した。
けれどずっと無言で聞くみんなの顔は全く見れなくて延々と涙で歪む床を見たまま、俺は顔を上げられずに話終えてしまった。
すると誰かが俺の前にやってきて両手で頭を鷲掴みし、俯き続ける顔を上げてくれる。
「自分がされて嫌な事、なんでしたんだ。」
と、目の前にいた音己ねぇが俺を目を見て聞いてきた。
一「…寂しくて。」
俺はその言葉しかその行動のきっかけを表す事が出来なかった。
音己「奏たちがいるだろ。」
一「夢衣も寂しそうで…。」
音己「寂しい者同士が穴の埋め合いをしても、出来合いのものでしか埋めてあげられないんだ。
一がもう少し、自分に余裕が持てたならむーこはここまでお前を傷つけない。」
一「俺、ずっと変われない…。」
あの日からずっと変われない。
変わる事で俺の今まで生きていた世界が壊れる。
それが嫌でどうしようも出来ない。
音己「変わっただろ。嘘しか言わない一に。」
俺の記憶にはもうずっと嘘をつき続ける俺しか見えなくて、素直に正直に心を交わしたのはいつだったかも思い出せない。
音己「一はあの日に戻れるから。もう、変わらなくていい。」
そう言って音己ねぇは俺の頭を抱きしめて背中を1度、肌が割れるほど強く叩く。
音己「全員で飯だ。」
その言葉に奏たちが返事をして動き出し、部屋を出ていく。
一「…俺、変わらなくていいの?」
みんながいなくなった部屋で俺は音己ねぇに聞く。
音己「変わりたいなら変わる。変わりたくないなら変わらない。変われないなら1歩戻って今までいた自分の周りを見てみる。それでどうしたいかまた決めればいい。」
そう言って音己ねぇは立ち上がり、俺の手を掴んで立ち上がらせる。
音己「一、行くよ。」
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