102 / 188
8/3
12:00
しおりを挟む
少し早めに休憩を入れて、全員で近辺の山をドライブすることになった。
俺はいつも通り助手席に座って海斗を待ってると、運転席になぜか音己ねぇが乗ってきた。
一「音己ねぇ、車もいけんの?」
音己「リムジン乗り回した事ある。」
奏が言う通りなんでも出来るスーパーマンだなと思っていると、一緒に服選びをしていた明と夢衣がやってきた。
夢衣「またひーくんの隣じゃないの?」
夢衣は俺が開けていた窓越しに文句を垂れる。
一「景色見るの好きって言ったじゃん。」
夢衣は唇を突き出し、今日1番の拗ねた顔をした。
夢衣「…行かないっ。」
夢衣はそう言って家に戻ろうと俺に背を向けて歩き始める。
明「夢衣さん!行こうよ?」
夢衣「やだ!」
明の制止を聞かずに夢衣はそのまま家に入ってしまった。
音己「全員で行くんだ。」
一部始終を見ていた音己ねぇもわがままを言う。
一「…けど、俺ここに座りたい。」
音己「全員で山頂の山かけうどん食べに行くんだ。早く呼んでこい。」
一「…分かったよ。」
俺は2人のわがままに呆れながら車を降りて玄関に行くと、ばらけた夢衣のサンダルと靴を脱ごうとしてる奏たちがいた。
奏「なんか夢衣さん、怒ってたけど…。」
一「俺が隣じゃないと嫌だって。」
将「可愛いな。」
海斗「夢衣さんは運転出来るのか?」
一「免許はあるらしいけどゴーカート破壊した事ある。」
その言葉で3人とも無言になる。
一「とりあえず、呼んでくるから俺の席開けといて。」
俺は靴の脱ぎ散らかし、夢衣の部屋に行くがいない。
もしかしてと思い、俺は自分の部屋に行くと夢衣は俺のベッドの上でうつ伏せに寝転がっていた。
一「夢衣、みんなで昼飯食べるぞ。」
俺は夢衣の脚を揺らし、なんとか起きてもらう。
夢衣「…ひーくんの隣がいいの。」
夢衣はうつ伏せのまま、布団と前髪の隙間から俺を見てくる。
一「飯の時は隣になればいい。」
夢衣「車は?」
一「俺の後ろの席にいればいい。」
夢衣「ひーくんの顔見えないっ…。」
一「……今日の夜、一緒に寝るか?」
俺はしょうがなく別の案を出して夢衣の興味を別に惹く。
夢衣「…ダメだって言ってたじゃん。」
一「車の中の数十分と1晩一緒にいるの、どっちがいい?」
俺は夢衣を抱き起こして座らせ、擦れたマスカラを指で拭う。
夢衣「どっちも…。」
一「どっちか。俺は1晩の方がオススメかな。」
俺は俯く夢衣の顔を持ち、唇に軽くキスをするが俺の口元に少し痛みが走る。
一「昨日の続きしよ?」
俺は痛みに耐え、夢衣の目を見つめて最後の一押しをした。
夢衣「…うん♡」
機嫌が直ったら夢衣は嬉しそうに俺の手を引き、車に向かう。
音己「遅い。2人の奢りな。」
夢衣「…お財布忘れた!」
音己「じゃあ、一の奢りな。」
そんな時間をかけた覚えがないがここはしょうがなく、みんなを待たせたお詫びに奢ることにした。
全員乗った車の中では音己ねぇが好きなバンドの曲が大音量で流され、叫ぶように歌う後部座席にいるみんな。
けれど音己ねぇはそんなこと構わずいつも通り鼻歌を歌い、曲を楽しんでる。
俺はその中で時々見える海を見て、心躍らせているとあっという間に目的地のうどん屋に着いた。
俺たちは河原が見えるとても涼しげな席に通されて、品物を注文し終える。
俺は河原が見える1番端のいい席で川の煌めきを見ていると、隣にいる夢衣がテーブルの下で手を繋いできた。
夢衣「こっち向いてよぅ…。」
一「分かったって。」
俺は後ろ髪を引かれながら夢衣を見つめ話していると、驚くスピードで山かけうどんが届いた。
そのうどんは一本一本が綺麗に揃えられて艶めき、俺の背後にある川と同じくらい輝いて見えるような気がした。
俺たちはのど越し最高なうどんを食べ終えて、トイレ後に俺は食事の代金を払おうと店員さんに声をかけると『もう頂きましたよ』と、にこやかに言ってテーブルを片付けに行ってしまった。
俺は驚きながら、先に外で待つ奏と音己ねぇの元に行く。
奏「美味しかったねー。」
音己「毎年来るだけのことはある。」
一「誰が払ってくれたの?」
奏「あれ?一じゃないの?」
一「いや、もう貰ったって言われた。」
奏と一緒に頭の上に?を浮かべていると、トイレを済ませたみんなが戻ってくる。
音己「じゃあ、食後のアイスよろしく。」
と、音己ねぇは外にあるテイクアウト用の売店に向かい、選び始める。
俺は全員に精算のことを聞いたが誰も知らないらしく、店員にもう1度確認すると1番最初に店を出た女性が払っていったと教えてくれた。
どうやら音己ねぇが払ってくれたらしい。
自分から奢れと言っておいて忘れてしまったのかと、困惑していると音己ねぇが俺を呼び、みんなのアイスを奢らせた。
一「俺、うどん奢るんだと思ってた。」
音己「主食と嗜好品は別だ。」
音己ねぇは自分の好きな抹茶に練乳とあんみつをかけたアイスを見つめ、目を輝かせながら言った。
やっぱり音己ねぇの考えてることは分からないなと思いつつ、俺はミルクアイスを食べながら車に戻り、軽くドライブをしてから別荘に帰った。
→ 高嶺の花子さん
俺はいつも通り助手席に座って海斗を待ってると、運転席になぜか音己ねぇが乗ってきた。
一「音己ねぇ、車もいけんの?」
音己「リムジン乗り回した事ある。」
奏が言う通りなんでも出来るスーパーマンだなと思っていると、一緒に服選びをしていた明と夢衣がやってきた。
夢衣「またひーくんの隣じゃないの?」
夢衣は俺が開けていた窓越しに文句を垂れる。
一「景色見るの好きって言ったじゃん。」
夢衣は唇を突き出し、今日1番の拗ねた顔をした。
夢衣「…行かないっ。」
夢衣はそう言って家に戻ろうと俺に背を向けて歩き始める。
明「夢衣さん!行こうよ?」
夢衣「やだ!」
明の制止を聞かずに夢衣はそのまま家に入ってしまった。
音己「全員で行くんだ。」
一部始終を見ていた音己ねぇもわがままを言う。
一「…けど、俺ここに座りたい。」
音己「全員で山頂の山かけうどん食べに行くんだ。早く呼んでこい。」
一「…分かったよ。」
俺は2人のわがままに呆れながら車を降りて玄関に行くと、ばらけた夢衣のサンダルと靴を脱ごうとしてる奏たちがいた。
奏「なんか夢衣さん、怒ってたけど…。」
一「俺が隣じゃないと嫌だって。」
将「可愛いな。」
海斗「夢衣さんは運転出来るのか?」
一「免許はあるらしいけどゴーカート破壊した事ある。」
その言葉で3人とも無言になる。
一「とりあえず、呼んでくるから俺の席開けといて。」
俺は靴の脱ぎ散らかし、夢衣の部屋に行くがいない。
もしかしてと思い、俺は自分の部屋に行くと夢衣は俺のベッドの上でうつ伏せに寝転がっていた。
一「夢衣、みんなで昼飯食べるぞ。」
俺は夢衣の脚を揺らし、なんとか起きてもらう。
夢衣「…ひーくんの隣がいいの。」
夢衣はうつ伏せのまま、布団と前髪の隙間から俺を見てくる。
一「飯の時は隣になればいい。」
夢衣「車は?」
一「俺の後ろの席にいればいい。」
夢衣「ひーくんの顔見えないっ…。」
一「……今日の夜、一緒に寝るか?」
俺はしょうがなく別の案を出して夢衣の興味を別に惹く。
夢衣「…ダメだって言ってたじゃん。」
一「車の中の数十分と1晩一緒にいるの、どっちがいい?」
俺は夢衣を抱き起こして座らせ、擦れたマスカラを指で拭う。
夢衣「どっちも…。」
一「どっちか。俺は1晩の方がオススメかな。」
俺は俯く夢衣の顔を持ち、唇に軽くキスをするが俺の口元に少し痛みが走る。
一「昨日の続きしよ?」
俺は痛みに耐え、夢衣の目を見つめて最後の一押しをした。
夢衣「…うん♡」
機嫌が直ったら夢衣は嬉しそうに俺の手を引き、車に向かう。
音己「遅い。2人の奢りな。」
夢衣「…お財布忘れた!」
音己「じゃあ、一の奢りな。」
そんな時間をかけた覚えがないがここはしょうがなく、みんなを待たせたお詫びに奢ることにした。
全員乗った車の中では音己ねぇが好きなバンドの曲が大音量で流され、叫ぶように歌う後部座席にいるみんな。
けれど音己ねぇはそんなこと構わずいつも通り鼻歌を歌い、曲を楽しんでる。
俺はその中で時々見える海を見て、心躍らせているとあっという間に目的地のうどん屋に着いた。
俺たちは河原が見えるとても涼しげな席に通されて、品物を注文し終える。
俺は河原が見える1番端のいい席で川の煌めきを見ていると、隣にいる夢衣がテーブルの下で手を繋いできた。
夢衣「こっち向いてよぅ…。」
一「分かったって。」
俺は後ろ髪を引かれながら夢衣を見つめ話していると、驚くスピードで山かけうどんが届いた。
そのうどんは一本一本が綺麗に揃えられて艶めき、俺の背後にある川と同じくらい輝いて見えるような気がした。
俺たちはのど越し最高なうどんを食べ終えて、トイレ後に俺は食事の代金を払おうと店員さんに声をかけると『もう頂きましたよ』と、にこやかに言ってテーブルを片付けに行ってしまった。
俺は驚きながら、先に外で待つ奏と音己ねぇの元に行く。
奏「美味しかったねー。」
音己「毎年来るだけのことはある。」
一「誰が払ってくれたの?」
奏「あれ?一じゃないの?」
一「いや、もう貰ったって言われた。」
奏と一緒に頭の上に?を浮かべていると、トイレを済ませたみんなが戻ってくる。
音己「じゃあ、食後のアイスよろしく。」
と、音己ねぇは外にあるテイクアウト用の売店に向かい、選び始める。
俺は全員に精算のことを聞いたが誰も知らないらしく、店員にもう1度確認すると1番最初に店を出た女性が払っていったと教えてくれた。
どうやら音己ねぇが払ってくれたらしい。
自分から奢れと言っておいて忘れてしまったのかと、困惑していると音己ねぇが俺を呼び、みんなのアイスを奢らせた。
一「俺、うどん奢るんだと思ってた。」
音己「主食と嗜好品は別だ。」
音己ねぇは自分の好きな抹茶に練乳とあんみつをかけたアイスを見つめ、目を輝かせながら言った。
やっぱり音己ねぇの考えてることは分からないなと思いつつ、俺はミルクアイスを食べながら車に戻り、軽くドライブをしてから別荘に帰った。
→ 高嶺の花子さん
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
ひと夏の恋
環流 虹向
恋愛
一夏の恋日記。
主人公の彼方 夏/かなた なつは、女性専門風俗店で働きお金を稼いでいく。
そのお金で美術専門学校に通い、新しい友達も出来たけれど、高校生の時に付き合っていた彼女の莉李が忘れられずにふとした思い出で寂しくなる。
けれどその寂しさを埋めるために誰かを代わりに置こうとは思わず1人で過ごしていると、ある子に手を引かれ自分の隠していた気持ちを見せるお手本を見せてもらい、自分の気持ちを伝えたい子に伝え始める。
ひとなつの恋にひかれるよ。
もう一度、この手で描くために。
将来のため、君のため、自分のために。
自らの身体だけでなんとかしてきた主人公。
けれど何も芽生えないあの身体に触れることで自分の本心は溶け出し、空気に触れ死んでいく。
批判されると分かっていても、自分がやりたい事のため、生きていくためにはそれをしないといけない。
そして、今日もまた
何でもない人たちと脆く儚い愛を語り、
大切な人たちには砕けても煌めき残り続ける愛を届けられずに日々を過ごしていく。
1話ずつ、オススメの曲を紹介しています。
Spotifyにプレイリスト作りました。
https://open.spotify.com/playlist/08yh0OwB5etrXXEC5LuMJY?si=N-f-0URyRPimdYKj-A2myw&dl_branch=1
サイドストーリーの«一なつの恋»もあります!
・カクヨム
・小説家になろう
・魔法のiらんど
・ノベルアップ+ にも掲載しています。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ミックスド★バス~家のお風呂なら誰にも迷惑をかけずにイチャイチャ?~
taki
恋愛
【R18】恋人同士となった入浴剤開発者の温子と営業部の水川。
お互いの部屋のお風呂で、人目も気にせず……♥
えっちめシーンの話には♥マークを付けています。
ミックスド★バスの第5弾です。
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
【R18】もう一度セックスに溺れて
ちゅー
恋愛
--------------------------------------
「んっ…くっ…♡前よりずっと…ふか、い…」
過分な潤滑液にヌラヌラと光る間口に亀頭が抵抗なく吸い込まれていく。久しぶりに男を受け入れる肉道は最初こそ僅かな狭さを示したものの、愛液にコーティングされ膨張した陰茎を容易く受け入れ、すぐに柔らかな圧力で応えた。
--------------------------------------
結婚して五年目。互いにまだ若い夫婦は、愛情も、情熱も、熱欲も多分に持ち合わせているはずだった。仕事と家事に忙殺され、いつの間にかお互いが生活要員に成り果ててしまった二人の元へ”夫婦性活を豹変させる”と銘打たれた宝石が届く。
極上の一夜で懐妊したらエリートパイロットの溺愛新婚生活がはじまりました
白妙スイ@書籍&電子書籍発刊!
恋愛
早瀬 果歩はごく普通のOL。
あるとき、元カレに酷く振られて、1人でハワイへ傷心旅行をすることに。
そこで逢見 翔というパイロットと知り合った。
翔は果歩に素敵な時間をくれて、やがて2人は一夜を過ごす。
しかし翌朝、翔は果歩の前から消えてしまって……。
**********
●早瀬 果歩(はやせ かほ)
25歳、OL
元カレに酷く振られた傷心旅行先のハワイで、翔と運命的に出会う。
●逢見 翔(おうみ しょう)
28歳、パイロット
世界を飛び回るエリートパイロット。
ハワイへのフライト後、果歩と出会い、一夜を過ごすがその後、消えてしまう。
翌朝いなくなってしまったことには、なにか理由があるようで……?
●航(わたる)
1歳半
果歩と翔の息子。飛行機が好き。
※表記年齢は初登場です
**********
webコンテンツ大賞【恋愛小説大賞】にエントリー中です!
完結しました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる