78 / 188
7/26
12:00
しおりを挟む
昼前から夢衣と一緒にサイクリングがてら、フードデリバリーの仕事をしていく。
俺はただ夢衣の後をついて行くだけで仕事自体はやってないけど、結構いい運動になる。
一応作った動画をどんどん投稿していくつもりだけど、振込は1ヶ月後だからその間のちょっとした金稼ぎのために始めたは良いものの、ずっと暑いと言ってる夢衣の言葉でさらに汗をかく。
一「今は昼時だからピーク過ぎたら家帰ろう。」
夢衣「もう家帰りたーい。」
と言いながらも、ある程度自由があるこの仕事は夢衣に向いているのか天気に対しての愚痴は言うけど、仕事に対しての愚痴は言うことはなく仕事を終えた。
近場にレンタサイクルを返し、夢衣の家に涼みに行くと夢衣が冷蔵庫から冷えたトマトを出して子ども用のプラスチック包丁で切り始めた。
一「え?夢衣って料理するの?」
夢衣「この頃、奏くんに貰ったこの包丁で料理してるよー。すごく切りにくくてイラつく。」
夢衣は少し機嫌が悪そうに少し日焼けした頬を赤く染めながら調理を始めた。
あの子ども用の包丁は奏が俺の命の危機を感じて勝手にすり替えた包丁で、夢衣はそんなことも知らずまだ使ってるらしい。
夢衣は切りにくいと言ってる割には使いこなしていて、少し乱雑な切り方をしたトマトに砂糖をパラパラとかけた。
夢衣「ママが夏休みのおやつでいつも作ってくれたんだ。」
と言って、俺の目の前にトマト5つ分入った皿を置く。
一「俺、砂糖かけたことない。」
夢衣「え!?すっごい美味しいよ!食べてー♡」
あーん、と言いながら夢衣は2口分のひとかけトマトを俺の口に詰め込む。
俺は若干トマトで溺れながらも、普段より増した甘みが口いっぱいに広がり感動する。
野菜に砂糖をかけるなんてことあるのか、と思ったけどこれは美味すぎる!
俺は夢衣に詰め込まれるまま、トマトを食べるがその美味しさに文句はなかったので腹一杯食べさせてもらった。
一「夢衣ってカップ麺しか食べないんだと思ってた。」
俺は腹一杯になって、ソファーに横になりながら余ったトマトを食べる夢衣の髪の毛を三つ編みにして遊ぶ。
夢衣「元彼のために料理教室行ってたもん。」
この間から意外な夢衣の生活力に俺は驚く。
俺が思ってるより、夢衣はもう危ない奴じゃないのかもしれない。
一「すごいじゃん。もっと作ってよ。」
夢衣「えー?今トマトしかないよ。」
どう買い物したらそうなるんだと思ったが、この間久しぶりに再会した時よりだいぶいろんなことに前向きに取り組んでくれていて嬉しい。
一「今度一緒に行く旅行でいっぱい美味いの作ってくれるか?」
夢衣「うん!女の子って私だけ?」
一「ううん。音己ねぇいる。」
夢衣「…ねこねぇ?」
一「奏の姉ちゃん。夢衣の2つ上で今は同じくニート。」
夢衣「クビにされたの?」
一「エロじじい成敗したらクビにされたんだって。」
夢衣「本当、上の人って理不尽だよね。」
一「夢衣のクビはまた別の話だろ?」
夢衣「違くないし。」
そう言うと夢衣は拗ねたのか俺に寄りかかり、天井を見上げる。
夢衣「音己ねぇはいつから一緒にいるの?」
一「えー…っと、奏と出会ってからだから3歳くらいの時から。」
夢衣「…ずるい。」
一「って言っても、俺が5歳の時ヘマやらかして音己ねぇに嫌われてからまともに話すことあんまりないよ。」
夢衣「そうなの?」
一「あんまり目合わして話してくれないし、いつも自分優先だから外で会ってもすぐにどっかに行っちゃう。」
夢衣「音己ねぇは彼氏いる人?」
一「仕事はないけど彼氏はいるっぽい。」
この間、俺と海を見たときに彼氏と電話してたことを軽く話す。
夢衣「…私もひーくんと海行きたい。」
夢衣は唇を尖らして不機嫌を表す。
一「コンクールの絵、提出し終わったら行こう。」
夢衣「うん!」
夢衣はそれだけで機嫌を直し、最後のトマトを食べて俺の脚の間に入りドラマを見始める。
その後、少し涼んだ俺は夢衣と別れて学校にいる奏と海斗と一緒に絵を進めた。
→ Looking your eyes
俺はただ夢衣の後をついて行くだけで仕事自体はやってないけど、結構いい運動になる。
一応作った動画をどんどん投稿していくつもりだけど、振込は1ヶ月後だからその間のちょっとした金稼ぎのために始めたは良いものの、ずっと暑いと言ってる夢衣の言葉でさらに汗をかく。
一「今は昼時だからピーク過ぎたら家帰ろう。」
夢衣「もう家帰りたーい。」
と言いながらも、ある程度自由があるこの仕事は夢衣に向いているのか天気に対しての愚痴は言うけど、仕事に対しての愚痴は言うことはなく仕事を終えた。
近場にレンタサイクルを返し、夢衣の家に涼みに行くと夢衣が冷蔵庫から冷えたトマトを出して子ども用のプラスチック包丁で切り始めた。
一「え?夢衣って料理するの?」
夢衣「この頃、奏くんに貰ったこの包丁で料理してるよー。すごく切りにくくてイラつく。」
夢衣は少し機嫌が悪そうに少し日焼けした頬を赤く染めながら調理を始めた。
あの子ども用の包丁は奏が俺の命の危機を感じて勝手にすり替えた包丁で、夢衣はそんなことも知らずまだ使ってるらしい。
夢衣は切りにくいと言ってる割には使いこなしていて、少し乱雑な切り方をしたトマトに砂糖をパラパラとかけた。
夢衣「ママが夏休みのおやつでいつも作ってくれたんだ。」
と言って、俺の目の前にトマト5つ分入った皿を置く。
一「俺、砂糖かけたことない。」
夢衣「え!?すっごい美味しいよ!食べてー♡」
あーん、と言いながら夢衣は2口分のひとかけトマトを俺の口に詰め込む。
俺は若干トマトで溺れながらも、普段より増した甘みが口いっぱいに広がり感動する。
野菜に砂糖をかけるなんてことあるのか、と思ったけどこれは美味すぎる!
俺は夢衣に詰め込まれるまま、トマトを食べるがその美味しさに文句はなかったので腹一杯食べさせてもらった。
一「夢衣ってカップ麺しか食べないんだと思ってた。」
俺は腹一杯になって、ソファーに横になりながら余ったトマトを食べる夢衣の髪の毛を三つ編みにして遊ぶ。
夢衣「元彼のために料理教室行ってたもん。」
この間から意外な夢衣の生活力に俺は驚く。
俺が思ってるより、夢衣はもう危ない奴じゃないのかもしれない。
一「すごいじゃん。もっと作ってよ。」
夢衣「えー?今トマトしかないよ。」
どう買い物したらそうなるんだと思ったが、この間久しぶりに再会した時よりだいぶいろんなことに前向きに取り組んでくれていて嬉しい。
一「今度一緒に行く旅行でいっぱい美味いの作ってくれるか?」
夢衣「うん!女の子って私だけ?」
一「ううん。音己ねぇいる。」
夢衣「…ねこねぇ?」
一「奏の姉ちゃん。夢衣の2つ上で今は同じくニート。」
夢衣「クビにされたの?」
一「エロじじい成敗したらクビにされたんだって。」
夢衣「本当、上の人って理不尽だよね。」
一「夢衣のクビはまた別の話だろ?」
夢衣「違くないし。」
そう言うと夢衣は拗ねたのか俺に寄りかかり、天井を見上げる。
夢衣「音己ねぇはいつから一緒にいるの?」
一「えー…っと、奏と出会ってからだから3歳くらいの時から。」
夢衣「…ずるい。」
一「って言っても、俺が5歳の時ヘマやらかして音己ねぇに嫌われてからまともに話すことあんまりないよ。」
夢衣「そうなの?」
一「あんまり目合わして話してくれないし、いつも自分優先だから外で会ってもすぐにどっかに行っちゃう。」
夢衣「音己ねぇは彼氏いる人?」
一「仕事はないけど彼氏はいるっぽい。」
この間、俺と海を見たときに彼氏と電話してたことを軽く話す。
夢衣「…私もひーくんと海行きたい。」
夢衣は唇を尖らして不機嫌を表す。
一「コンクールの絵、提出し終わったら行こう。」
夢衣「うん!」
夢衣はそれだけで機嫌を直し、最後のトマトを食べて俺の脚の間に入りドラマを見始める。
その後、少し涼んだ俺は夢衣と別れて学校にいる奏と海斗と一緒に絵を進めた。
→ Looking your eyes
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
甘い束縛
はるきりょう
恋愛
今日こそは言う。そう心に決め、伊達優菜は拳を握りしめた。私には時間がないのだと。もう、気づけば、歳は27を数えるほどになっていた。人並みに結婚し、子どもを産みたい。それを思えば、「若い」なんて言葉はもうすぐ使えなくなる。このあたりが潮時だった。
※小説家なろうサイト様にも載せています。
エンディングノート
環流 虹向
恋愛
出会って、付き合って、別れるまでのエンディングノート
[主人公]采原 明人/さいはら めりは、社会人2年目で毎日を多忙に過ごし癒しゼロ。
けれど、そんな明人にオアシスが現れた。
2021/09/30 完結しましたが改めて校正したいので一旦全話非公開にして、また順次投稿します。
11/27から19:00に更新していきます。
君と出会って
君と付き合って
君とお別れするまでが綴られている
私が書いた、もぐもぐノート
君がいる、あの時に戻りたいと思った時は
いつもこのノートに綴られたごはんを食べるんだ
そしたらあの日、君と食べたごはんが
1番美味しかったって思い出せるから
だから、このノートにはもうペンを走らせない
これは君と私のエンディングノートだから
他の人とのもぐもぐ日記はいらないの
だけど、また
始められるように戻ってきてほしいな
私はまだ、君をあの街で待ってるよ
君のじゃない、別のお家で
君じゃない人と一緒に
Ending Song
君がドアを閉めた後 / back number
転載防止のため、毎話末に[環流 虹向/エンディングノート]をつけています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
アンコール マリアージュ
葉月 まい
恋愛
理想の恋って、ありますか?
ファーストキスは、どんな場所で?
プロポーズのシチュエーションは?
ウェディングドレスはどんなものを?
誰よりも理想を思い描き、
いつの日かやってくる結婚式を夢見ていたのに、
ある日いきなり全てを奪われてしまい…
そこから始まる恋の行方とは?
そして本当の恋とはいったい?
古風な女の子の、泣き笑いの恋物語が始まります。
━━ʚ♡ɞ━━ʚ♡ɞ━━ʚ♡ɞ━━
恋に恋する純情な真菜は、
会ったばかりの見ず知らずの相手と
結婚式を挙げるはめに…
夢に描いていたファーストキス
人生でたった一度の結婚式
憧れていたウェディングドレス
全ての理想を奪われて、落ち込む真菜に
果たして本当の恋はやってくるのか?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる