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全身の筋肉痛で目が覚めて体を起こすと、天がミシンの傍で作業しながら寝落ちしてしまったのが目に入る。
俺は天をベッドに寝かせようと立ち上がり、持ち上げると変に熱を帯びていて嫌な感じがする。
一「おい、大丈夫か?」
天「…んぇ?」
まだ寝てるのか天は気持ち半分で俺の言葉に反応する。
俺は引きずりながら天をベッドの上に寝かせて、熱を測ってみると38度超えていた。
ここのところ慣れない夜更かしをして、勉強と浴衣作りをやっていたから体が悲鳴をあげてるんだろう。
一「今日は何もしないでゆっくりしてろ。」
天「やだ…。」
目を覚ましたのか、薄目を開けた天はしっかり言葉を返してくる。
一「38度だってよ。体が弱ってる時やったらいいもの作れないぞ。」
天は不服そうな顔をしながら咳をして鼻水をすすった。
一「…風邪か?」
天「昨日の夜からイガイガしてたんだけど、大丈夫かなって。」
自分の目的を果たすためなら厳しくいられるのに、体になるとガバガバな管理をする天に俺は呆れる。
一「自分の体は自分で管理しろ。それが出来ないなら夢なんて掲げるな。死ぬぞ。」
天「はー…い。」
俺は朝カフェに行く予定だった夢衣に今日行けなくなった理由を電話で説明する。
夢衣『えー…。でも、天ちゃん心配だもんね。』
俺の妹だからか意外とあっさりOKしてくれた。
一「ありがとう。だから…」
夢衣『じゃあ、明日お祭りあるから一緒に行こ。』
急に俺を祭りに誘ってきた夢衣。
明日か…。ちょうど仕事は休みにしてるけどJ ORICONNの作業が長引くかもしれないんだよな。
一「祭りって何時くらいまでやってんの?」
夢衣『えー…とね。』
と、夢衣は携帯を耳元から離したのか、声が遠くなってタップ音がしばらく聞こえる。
夢衣『21時までやってるって。』
一「コンクールの作業があるから20時くらいになるけどいい?」
夢衣『えー…?』
少し不機嫌そうな声で夢衣が答える。
一「明後日だったら俺は大丈夫だけど。」
夢衣『明後日もバイトだもん。休もうかな。』
一「それはダメだろ。なるべく早く終わるようにする。」
夢衣『18時?』
一「ギリ19時過ぎ。」
夢衣『分かったよー…。』
一「ありがとう。今日も仕事後に電話するから。」
夢衣『待ってる。』
一「うん。また後で。」
俺は夢衣との電話を終えて、天にコンビニに行ってくると言うと腕を掴まれる。
一「何?」
天「本…、返さないと。」
と、天は這いつくばりながらスクールバッグに近づいて本を2冊取り出す。
一「そんなんで学校なんか行ける訳ないだろ?」
天「でも…、今日行ったら会えるかも知れないし。」
一「そんなフラフラで会ったって嬉しくないだろ?」
天「…嬉しいもん。」
天は本を抱きしめながらうずくまる。
そこまでして会いたいのか。
…まあ、会いたくなるよな。
一「俺が返してまた新しいの借りてくる。」
天「私も行く。」
一「ダメだ。今日は寝てろ。」
天は唇を突き出して不機嫌を表に出すが、風邪でめまいがするのかベッドに戻った。
一「尚春先生ってどんな人?」
天「…ひぃ兄よりも背高くてカッコいい。」
一「チビブスで悪かったな。」
天「後は天パで左耳にピアスみたいなホクロある。」
きっと好きだからそんな細かいところまで覚えているんだろうな。
一「いたら写真撮っといてやるよ。」
天「イケメンに撮ってね。」
一「イケメンはどの画角でもイケメンだろ。」
俺は少しイラつきながらコンビニに行き、天の昼と夜用の飯を買いその後病院に連れて行ってゆっくり休んでもらうことにした。
昼休憩の間に俺は久しぶりの中学校に向かうことにした。
→ 栞
俺は天をベッドに寝かせようと立ち上がり、持ち上げると変に熱を帯びていて嫌な感じがする。
一「おい、大丈夫か?」
天「…んぇ?」
まだ寝てるのか天は気持ち半分で俺の言葉に反応する。
俺は引きずりながら天をベッドの上に寝かせて、熱を測ってみると38度超えていた。
ここのところ慣れない夜更かしをして、勉強と浴衣作りをやっていたから体が悲鳴をあげてるんだろう。
一「今日は何もしないでゆっくりしてろ。」
天「やだ…。」
目を覚ましたのか、薄目を開けた天はしっかり言葉を返してくる。
一「38度だってよ。体が弱ってる時やったらいいもの作れないぞ。」
天は不服そうな顔をしながら咳をして鼻水をすすった。
一「…風邪か?」
天「昨日の夜からイガイガしてたんだけど、大丈夫かなって。」
自分の目的を果たすためなら厳しくいられるのに、体になるとガバガバな管理をする天に俺は呆れる。
一「自分の体は自分で管理しろ。それが出来ないなら夢なんて掲げるな。死ぬぞ。」
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俺は朝カフェに行く予定だった夢衣に今日行けなくなった理由を電話で説明する。
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俺の妹だからか意外とあっさりOKしてくれた。
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夢衣『じゃあ、明日お祭りあるから一緒に行こ。』
急に俺を祭りに誘ってきた夢衣。
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と、夢衣は携帯を耳元から離したのか、声が遠くなってタップ音がしばらく聞こえる。
夢衣『21時までやってるって。』
一「コンクールの作業があるから20時くらいになるけどいい?」
夢衣『えー…?』
少し不機嫌そうな声で夢衣が答える。
一「明後日だったら俺は大丈夫だけど。」
夢衣『明後日もバイトだもん。休もうかな。』
一「それはダメだろ。なるべく早く終わるようにする。」
夢衣『18時?』
一「ギリ19時過ぎ。」
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一「ありがとう。今日も仕事後に電話するから。」
夢衣『待ってる。』
一「うん。また後で。」
俺は夢衣との電話を終えて、天にコンビニに行ってくると言うと腕を掴まれる。
一「何?」
天「本…、返さないと。」
と、天は這いつくばりながらスクールバッグに近づいて本を2冊取り出す。
一「そんなんで学校なんか行ける訳ないだろ?」
天「でも…、今日行ったら会えるかも知れないし。」
一「そんなフラフラで会ったって嬉しくないだろ?」
天「…嬉しいもん。」
天は本を抱きしめながらうずくまる。
そこまでして会いたいのか。
…まあ、会いたくなるよな。
一「俺が返してまた新しいの借りてくる。」
天「私も行く。」
一「ダメだ。今日は寝てろ。」
天は唇を突き出して不機嫌を表に出すが、風邪でめまいがするのかベッドに戻った。
一「尚春先生ってどんな人?」
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一「チビブスで悪かったな。」
天「後は天パで左耳にピアスみたいなホクロある。」
きっと好きだからそんな細かいところまで覚えているんだろうな。
一「いたら写真撮っといてやるよ。」
天「イケメンに撮ってね。」
一「イケメンはどの画角でもイケメンだろ。」
俺は少しイラつきながらコンビニに行き、天の昼と夜用の飯を買いその後病院に連れて行ってゆっくり休んでもらうことにした。
昼休憩の間に俺は久しぶりの中学校に向かうことにした。
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