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今からひらけた野原で、愛子ちゃんが作ってきてくれた弁当を海斗は食べるらしい。
俺は羨ましいなと思いながら、近くの売店で買った昼飯の焼きそばを食べて木の影から2人を見守る。
その様子は、俺がこの2人の関係性を知らなければきっと恋人同士と思ってしまうほど、2人の空間には笑顔と愛が溢れている。
前に会った時よりも痩せていて少し不安げな表情をたまに見せている愛子ちゃんだけれど、きっと次のデートもOKしてくれるかもしれない。
俺は1人で勝手に次のデートの作戦を立てていると、背後で突如鳴った自転車の急ブレーキ音が鼓膜を刺す。
後ろを見ると、俺より数歳年上だと思われる男が怒り狂った顔で携帯とにらめっこしながら乗っていた自転車を放り投げ、2人がいる野原に向かってずんずん進んでいく。
こんなに穏やかな場所でよくそんなにも怒れるなと思っていると、男は2人の姿を見て走り出す。
「愛子!てめぇ、俺の電話にはワンコールで出ろって言ってんだろ!」
男がそう叫びながら愛子ちゃんに殴りかかろうとするのを海斗が寸前で止めた。
何事かと思いながら、俺は食べかけだった焼きそばを地面に置いて3人の元に駆け出す。
海斗「落ち着いてください!俺が誘っただけなんです。愛子を殴ろうとしないでください。」
海斗は自分よりも大きい男の動きを必死に止めようとしていた。
俺はその男の腹を抱き、力任せに地面にぶん投げる。
海斗「一!なんでここにいるんだよ。」
一「今そんなことどうでもいい!早く…」
逃げろと言おうとした瞬間、俺の後頭部に当たった強い打撃で俺は地面に倒れる。
その男の行動に愛子ちゃんは泣きながら謝り、男の元へ近寄ろうとするのを海斗が止める。
俺は目の前が歪む中、海斗に殴りかかろうとする男の足にしがみつき転ばせる。
愛子「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい…!」
一「愛子ちゃんは悪くない!力で繫ぎ止めるこいつが悪いんだ!謝る必要はない!」
「愛子、二股じゃなくて三股なのか?」
男が俺を蹴散らし、脅すように愛子ちゃんに尋ねる。
海斗「俺が無理に誘ったんです。殴るなら俺にしてください。」
「いつお前を殴らねぇって言ったんだよ!」
男が海斗の顔面を殴ろうとした時、愛子ちゃんの背中が間に入り苦しそうな声をあげる。
俺は拳を強く握りしめて男の背後に立ち、頭に殴りかかろうとすると出入り口の方からパトカーのサイレンが聞こえる。
目と鼻の先に交番がある公園だったからか、誰かが呼んだ警察がすぐ来た。
「チッ。愛子、帰るぞ。」
愛子「う、うん…。」
海斗「ダメだ!あと1時間は俺と愛子の時間だ。」
海斗は愛子ちゃんを抱きしめて男の手から無理矢理引き離す。
「てめぇ!人の女に手ェ出しといてまだ反省しねぇのか!?」
また殴りかかろうとする男を俺は地面に押させつけ、必死に時間を過ごしていると警察官たちが俺らの元に駆け寄ってきて、俺と男の身柄を拘束した。
海斗「すみません!一は俺たちを守ってくれたんです!」
警察「…とりあえず、皆さんで署までご同行ください。」
海斗が必死にお願いするも聞いてはもらえず、俺たちは話をするため警察署に連れてかれた。
→ 人生最高の日
俺は羨ましいなと思いながら、近くの売店で買った昼飯の焼きそばを食べて木の影から2人を見守る。
その様子は、俺がこの2人の関係性を知らなければきっと恋人同士と思ってしまうほど、2人の空間には笑顔と愛が溢れている。
前に会った時よりも痩せていて少し不安げな表情をたまに見せている愛子ちゃんだけれど、きっと次のデートもOKしてくれるかもしれない。
俺は1人で勝手に次のデートの作戦を立てていると、背後で突如鳴った自転車の急ブレーキ音が鼓膜を刺す。
後ろを見ると、俺より数歳年上だと思われる男が怒り狂った顔で携帯とにらめっこしながら乗っていた自転車を放り投げ、2人がいる野原に向かってずんずん進んでいく。
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何事かと思いながら、俺は食べかけだった焼きそばを地面に置いて3人の元に駆け出す。
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海斗は自分よりも大きい男の動きを必死に止めようとしていた。
俺はその男の腹を抱き、力任せに地面にぶん投げる。
海斗「一!なんでここにいるんだよ。」
一「今そんなことどうでもいい!早く…」
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その男の行動に愛子ちゃんは泣きながら謝り、男の元へ近寄ろうとするのを海斗が止める。
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