81 / 97
TICKTACK
もぐもぐ日和
しおりを挟む
「じゃあまた後でね。」
そう言って信之は私を成くんの家に送ると、早番の仕事を済ませにスーパーに向かってしまった。
今日は綺咲さん主催の紅葉狩りだけど、信之はお昼過ぎまで仕事だから私は成くんと待ち合わせ時間までとりあえず散歩することになった。
成「今の時間、雑貨屋開いてるからスケジュール帳見にいこっか。」
明人「…うん。」
私は信之がいなくて沈みかけてる気持ちをなんとかして上げるために、いつもとは違う可愛いスケジュール帳を選ぶことにして成くんと一緒に雑貨屋に行った。
成「その手帳、洋書の古本みたいで可愛いね。けど、スケジュール帳じゃないよ?」
明人「知ってる。今度はちゃんとした手帳にレシピのメモ残しておこうかなって思って。」
私は目移りの結果、スケジュール帳よりもまだ3分の1残っているもぐもぐノートの新しい候補を眺めていた。
成「明人オリジナルのレシピ集?」
明人「前まではレコーディングダイエットのために書いてたけど、今は信之のごはんを作るために使ったもの書き出して忘れないようにしてるの。」
成「いいなぁ。俺にも作って。」
明人「今度、成くんがお休みの日に作るよ。いつも相手してくれてるお礼。」
成「えぇっ!?やったー!レシピ集から選んでいい?」
明人「それはダメ。日記みたいなものだから。」
私がそう言うと成くんは不貞腐れた顔をして、口をとがらせた。
成「日記って見られるのがお決まりじゃん。」
は?
人の日記は見ちゃいけないものだろ。
私が久しぶりに成くんにイラッとすると、成くんは嬉しそうな顔をして笑った。
成「久しぶりにその顔見た。なに考えた?」
明人「…知らない。」
ムキになった私はなんだか恥ずかしくなり、成くんを無視していつものスケジュール帳でも今年だけのオリジナルデザインを取り、清算を済ませた。
成「このあとなにしよっか。時間になるまで俺の家でドラマ見る?」
明人「うん。あと、3話で終わるから時間的にもちょうどいいかも。」
成「そうだね。じゃあコンビニ寄って飲み物とつまみ買おっと。」
成くんは私の腕にするりと抱きつきコンビニに歩いていく。
明人「腕。」
成「人多いから見失わないように。」
人が多いって言ってもこの間より人通りが少なくて、スムーズに歩けてるのになに言ってんだ。
力強い腕を離せない私は心の中で信之に謝り、腕を組んだ代償にいいオレンジジュースと割高なじゃがりん3つを成くんに買ってもらった。
私は果肉入りのオレンジジュースが飲めることが嬉しくて、今日MGRで朝ごはんを食べられなかった憂さ晴らしが出来きて気分が上がって口角も上げていると、成くんの口角も上がっていた。
成「そんなに楽しみ?」
明人「うん。」
成「はあ…。まだまだだなぁ。」
そう言って家に着いた成くんは鍵を開けて私を先に家に入れた。
明人「なにが?」
成「俺の話。先にベッド行ってて。この間出張で韓国行った時に買ってきたお菓子持ってくる。」
明人「分かった。」
私は手洗いを済ませて成くんに渡された買い物バッグと一緒にベッドに寝転がり、不慣れながらもシアターを起動していると成くんが大きな袋を抱えてやってきた。
明人「そんなに食べられないけど。」
成「後でみんなに配る分も入ってるから。」
なるほどと思っていると、成くんは私が手間取っていたシアターをものの数秒でいつもの画面にさせ、いつも見ているドラマを選択した。
成「これ、ハニーアーモンド。信之さん好きそうならいっぱいあげる。」
私が見る支度を整えるためにベッドに座ると、すでに飛び乗っていた成くんは大きな袋から可愛いらしいハチのイラストが描かれたスナックを見せてきた。
明人「食べてから決める。」
私は成くんの間にいつも通りおつまみを置き、ドラマを見ながら甘々なアーモンドを大量プレゼントしてもらうことを決めて、信之のいない時間を少し楽しんだ。
…………
朝・昨日余ったお鍋
間・おつまみフィーバー
このだらだら好き。
うちにもシアター欲しいけど、壁側にいろんな物があるから無理だなぁ。
…………
環流 虹向/エンディングノート
そう言って信之は私を成くんの家に送ると、早番の仕事を済ませにスーパーに向かってしまった。
今日は綺咲さん主催の紅葉狩りだけど、信之はお昼過ぎまで仕事だから私は成くんと待ち合わせ時間までとりあえず散歩することになった。
成「今の時間、雑貨屋開いてるからスケジュール帳見にいこっか。」
明人「…うん。」
私は信之がいなくて沈みかけてる気持ちをなんとかして上げるために、いつもとは違う可愛いスケジュール帳を選ぶことにして成くんと一緒に雑貨屋に行った。
成「その手帳、洋書の古本みたいで可愛いね。けど、スケジュール帳じゃないよ?」
明人「知ってる。今度はちゃんとした手帳にレシピのメモ残しておこうかなって思って。」
私は目移りの結果、スケジュール帳よりもまだ3分の1残っているもぐもぐノートの新しい候補を眺めていた。
成「明人オリジナルのレシピ集?」
明人「前まではレコーディングダイエットのために書いてたけど、今は信之のごはんを作るために使ったもの書き出して忘れないようにしてるの。」
成「いいなぁ。俺にも作って。」
明人「今度、成くんがお休みの日に作るよ。いつも相手してくれてるお礼。」
成「えぇっ!?やったー!レシピ集から選んでいい?」
明人「それはダメ。日記みたいなものだから。」
私がそう言うと成くんは不貞腐れた顔をして、口をとがらせた。
成「日記って見られるのがお決まりじゃん。」
は?
人の日記は見ちゃいけないものだろ。
私が久しぶりに成くんにイラッとすると、成くんは嬉しそうな顔をして笑った。
成「久しぶりにその顔見た。なに考えた?」
明人「…知らない。」
ムキになった私はなんだか恥ずかしくなり、成くんを無視していつものスケジュール帳でも今年だけのオリジナルデザインを取り、清算を済ませた。
成「このあとなにしよっか。時間になるまで俺の家でドラマ見る?」
明人「うん。あと、3話で終わるから時間的にもちょうどいいかも。」
成「そうだね。じゃあコンビニ寄って飲み物とつまみ買おっと。」
成くんは私の腕にするりと抱きつきコンビニに歩いていく。
明人「腕。」
成「人多いから見失わないように。」
人が多いって言ってもこの間より人通りが少なくて、スムーズに歩けてるのになに言ってんだ。
力強い腕を離せない私は心の中で信之に謝り、腕を組んだ代償にいいオレンジジュースと割高なじゃがりん3つを成くんに買ってもらった。
私は果肉入りのオレンジジュースが飲めることが嬉しくて、今日MGRで朝ごはんを食べられなかった憂さ晴らしが出来きて気分が上がって口角も上げていると、成くんの口角も上がっていた。
成「そんなに楽しみ?」
明人「うん。」
成「はあ…。まだまだだなぁ。」
そう言って家に着いた成くんは鍵を開けて私を先に家に入れた。
明人「なにが?」
成「俺の話。先にベッド行ってて。この間出張で韓国行った時に買ってきたお菓子持ってくる。」
明人「分かった。」
私は手洗いを済ませて成くんに渡された買い物バッグと一緒にベッドに寝転がり、不慣れながらもシアターを起動していると成くんが大きな袋を抱えてやってきた。
明人「そんなに食べられないけど。」
成「後でみんなに配る分も入ってるから。」
なるほどと思っていると、成くんは私が手間取っていたシアターをものの数秒でいつもの画面にさせ、いつも見ているドラマを選択した。
成「これ、ハニーアーモンド。信之さん好きそうならいっぱいあげる。」
私が見る支度を整えるためにベッドに座ると、すでに飛び乗っていた成くんは大きな袋から可愛いらしいハチのイラストが描かれたスナックを見せてきた。
明人「食べてから決める。」
私は成くんの間にいつも通りおつまみを置き、ドラマを見ながら甘々なアーモンドを大量プレゼントしてもらうことを決めて、信之のいない時間を少し楽しんだ。
…………
朝・昨日余ったお鍋
間・おつまみフィーバー
このだらだら好き。
うちにもシアター欲しいけど、壁側にいろんな物があるから無理だなぁ。
…………
環流 虹向/エンディングノート
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
十年越しの溺愛は、指先に甘い星を降らす
和泉杏咲
恋愛
私は、もうすぐ結婚をする。
職場で知り合った上司とのスピード婚。
ワケアリなので結婚式はナシ。
けれど、指輪だけは買おうと2人で決めた。
物が手に入りさえすれば、どこでもよかったのに。
どうして私達は、あの店に入ってしまったのだろう。
その店の名前は「Bella stella(ベラ ステラ)」
春の空色の壁の小さなお店にいたのは、私がずっと忘れられない人だった。
「君が、そんな結婚をするなんて、俺がこのまま許せると思う?」
お願い。
今、そんなことを言わないで。
決心が鈍ってしまうから。
私の人生は、あの人に捧げると決めてしまったのだから。
⌒*。*゚*⌒*゚*。*⌒*。*゚*⌒* ゚*。*⌒*。*゚
東雲美空(28) 会社員 × 如月理玖(28) 有名ジュエリー作家
⌒*。*゚*⌒*゚*。*⌒*。*゚*⌒* ゚*。*⌒*。*゚
【完結】やさしい嘘のその先に
鷹槻れん
恋愛
妊娠初期でつわり真っ只中の永田美千花(ながたみちか・24歳)は、街で偶然夫の律顕(りつあき・28歳)が、会社の元先輩で律顕の同期の女性・西園稀更(にしぞのきさら・28歳)と仲睦まじくデートしている姿を見かけてしまい。
妊娠してから律顕に冷たくあたっていた自覚があった美千花は、自分に優しく接してくれる律顕に真相を問う事ができなくて、一人悶々と悩みを抱えてしまう。
※30,000字程度で完結します。
(執筆期間:2022/05/03〜05/24)
✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
2022/05/30、エタニティブックスにて一位、本当に有難うございます!
✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
---------------------
○表紙絵は市瀬雪さまに依頼しました。
(作品シェア以外での無断転載など固くお断りします)
○雪さま
(Twitter)https://twitter.com/yukiyukisnow7?s=21
(pixiv)https://www.pixiv.net/users/2362274
---------------------
結婚直後にとある理由で離婚を申し出ましたが、 別れてくれないどころか次期社長の同期に執着されて愛されています
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「結婚したらこっちのもんだ。
絶対に離婚届に判なんて押さないからな」
既婚マウントにキレて勢いで同期の紘希と結婚した純華。
まあ、悪い人ではないし、などと脳天気にかまえていたが。
紘希が我が社の御曹司だと知って、事態は一転!
純華の誰にも言えない事情で、紘希は絶対に結婚してはいけない相手だった。
離婚を申し出るが、紘希は取り合ってくれない。
それどころか紘希に溺愛され、惹かれていく。
このままでは紘希の弱点になる。
わかっているけれど……。
瑞木純華
みずきすみか
28
イベントデザイン部係長
姉御肌で面倒見がいいのが、長所であり弱点
おかげで、いつも多数の仕事を抱えがち
後輩女子からは慕われるが、男性とは縁がない
恋に関しては夢見がち
×
矢崎紘希
やざきひろき
28
営業部課長
一般社員に擬態してるが、会長は母方の祖父で次期社長
サバサバした爽やかくん
実体は押しが強くて粘着質
秘密を抱えたまま、あなたを好きになっていいですか……?
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
糖度高めな秘密の密会はいかが?
桜井 響華
恋愛
彩羽(いろは)コーポレーションで
雑貨デザイナー兼その他のデザインを
担当している、秋葉 紫です。
毎日のように
鬼畜な企画部長からガミガミ言われて、
日々、癒しを求めています。
ストレス解消法の一つは、
同じ系列のカフェに行く事。
そこには、
癒しの王子様が居るから───・・・・・
カフェのアルバイト店員?
でも、本当は御曹司!?
年下王子様系か...Sな俺様上司か…
入社5年目、私にも恋のチャンスが
巡って来たけれど…
早くも波乱の予感───
イケメンエリート軍団の籠の中
便葉
恋愛
国内有数の豪華複合オフィスビルの27階にある
IT関連会社“EARTHonCIRCLE”略して“EOC”
謎多き噂の飛び交う外資系一流企業
日本内外のイケメンエリートが
集まる男のみの会社
唯一の女子、受付兼秘書係が定年退職となり
女子社員募集要項がネットを賑わした
1名の採用に300人以上が殺到する
松村舞衣(24歳)
友達につき合って応募しただけなのに
何故かその超難関を突破する
凪さん、映司さん、謙人さん、
トオルさん、ジャスティン
イケメンでエリートで華麗なる超一流の人々
でも、なんか、なんだか、息苦しい~~
イケメンエリート軍団の鳥かごの中に
私、飼われてしまったみたい…
「俺がお前に極上の恋愛を教えてやる
他の奴とか? そんなの無視すればいいんだよ」
あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~
けいこ
恋愛
カフェも併設されたオシャレなパン屋で働く私は、大好きなパンに囲まれて幸せな日々を送っていた。
ただ…
トラウマを抱え、恋愛が上手く出来ない私。
誰かを好きになりたいのに傷つくのが怖いって言う恋愛こじらせ女子。
いや…もう女子と言える年齢ではない。
キラキラドキドキした恋愛はしたい…
結婚もしなきゃいけないと…思ってはいる25歳。
最近、パン屋に来てくれるようになったスーツ姿のイケメン過ぎる男性。
彼が百貨店などを幅広く経営する榊グループの社長で御曹司とわかり、店のみんなが騒ぎ出して…
そんな人が、
『「杏」のパンを、時々会社に配達してもらいたい』
だなんて、私を指名してくれて…
そして…
スーパーで買ったイチゴを落としてしまったバカな私を、必死に走って追いかけ、届けてくれた20歳の可愛い系イケメン君には、
『今度、一緒にテーマパーク行って下さい。この…メロンパンと塩パンとカフェオレのお礼したいから』
って、誘われた…
いったい私に何が起こっているの?
パン屋に出入りする同年齢の爽やかイケメン、パン屋の明るい美人店長、バイトの可愛い女の子…
たくさんの個性溢れる人々に関わる中で、私の平凡過ぎる毎日が変わっていくのがわかる。
誰かを思いっきり好きになって…
甘えてみても…いいですか?
※after story別作品で公開中(同じタイトル)
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる