54 / 97
BIRTHDAY
とことん屑男
しおりを挟む
あー…、だるいなぁ。
信之のために作るごはんはあんなウキウキで作れるのに、莉音と成くんが主になって食うって分かってるとどうもやる気が出ない。
明人「成くん、ガソリン買ってきて。」
成「え?冷蔵庫にいっぱい入ってるよ?」
と、お別れ会と言う名のただの呑み会のために準備されたお酒を成くんは見せてくる。
明人「ビールとサワー系しかないじゃん。ワインは?」
成「ないかも。」
明人「赤ワインと白ワイン、安いのでいいから買ってきてほしい。料理酒としても使うからお願いっ。」
私は慣れないぶりっ子風の声でお願いしてみると成くんは腕をうずうずさせてタコみたいな顔をした。
成「お礼は?」
明人「ごはん。」
成「それと“何か”くれないと行かないかも。」
明人「えー…。」
成「ハグ1分間チケットください。」
んー…、それも信之は嫌そうにしてたからしたくないんだよな。
でも、お金は全部成くん持ちで広いキッチンも使わせてもらっちゃってるし…。
明人「10秒。」
成「60秒。」
明人「12秒。」
成「58秒。」
明人「なんで1分?」
成「幸福ホルモンは1分過ぎてから分泌されるから1分で。」
ぱちんと手を合わせて成くんは私にお願いしてきた。
明人「他のことしたらダメだよ?」
成「え?俺の顔でおっぱいぱふぱふは?」
明人「ダメに決まってんじゃん。」
成「え…、お尻ぽにゅぽにゅは?」
どんな擬音使ってんだよ。
てか、それありだって最初から思ってたの?
明人「ダメ。私の肩に顔、腕は腰。静止で1分。」
成「ハグじゃないぃ…。それ、ただ捕まえただけじゃん。」
明人「…いいよ。もう、自分で買ってくる。」
成「ちょ、ちょ、ちょ。い、行きます!明人のハグでチケットください。」
明人「はーい。行ってらっしゃい。」
私はキッチンでフレッシュトマトをカットしながら成くんを見送ると、数分後に成くんから電話がかかってきた。
明人「買うもの忘れた?」
成『ううんー。鍵忘れたからインターフォン鳴らしたら出てちょうだい。』
明人「分かった。あと、バターとクリームなかったから買ってきてほしい。」
成『そんなに抜けてた?』
明人「うん。」
私の頭の中から。
成くんに送った買い物リストに書くの忘れてた。
成『はーい。買ってきまーす。』
明人「よろしく。」
私は成くんに電話を切ってもらい、作業に集中しているとあっという間にインターフォンが鳴った。
思ったより早く買い物が出来て優秀だなと思いながら私は玄関の扉を開けた。
明人「買い物、ありがとう。ハグ…」
「なんで明人がいんの?」
と、私は背格好が成くんと全く一緒の莉音にハグ券を使いそうになり、焦って扉を閉めようとすると莉音が玄関の扉に足を挟んでこじ開けた。
莉音「デートつまんな過ぎてゲームしに来たら、最高のプレゼント置いてあるじゃん。」
明人「なんでいるの。」
莉音「俺が聞きたいけど。…なんか作ってる?」
と、莉音は玄関に入り、しっかり鍵とドアチェーンをかける習慣をこなすと私の腕を掴んでたくさんの食材の香りがするキッチンに行った。
莉音「…さよなら会のご馳走って明人の飯?」
明人「成くんに最後の晩餐って言われたから…。」
莉音「成紀は?」
明人「成くんは…」
私は成くんがスーパーへ買い物に行っていることを言いかけて、口を噤む。
これ、2人って知られたらめんどくさいことになるよね?
なんとか成くんが来るまで時間稼ぎをしよう。
明人「成くんお腹痛くてトイレこもってる。」
莉音「なんだ、いんのか。」
と、やっぱり何か考えてたらしい莉音は私から手を離すと作りかけの食材を見ながら手を洗い始めた。
莉音「トマト煮?」
明人「うん。約束したから。」
莉音「ありがと。」
そう言って手を洗い終えた莉音が1歩近づいてきたので私は反射で顔の前に両手を広げる。
莉音「…なんだよ。昔は欲してたじゃん。」
明人「今は信之いるし、莉音とは無理。」
莉音「あっそ。」
莉音は不機嫌な顔をしてテレビがあるリビングに行くと我が物顔でだらけ始めた。
まさかこんなお昼前から莉音が来るなんて思わなかった…。
私は莉音が横目に入るオープンキッチンで下手に刺激をしないように、料理を手早く作ることにした。
…………
ごまかせるっておもってたけど
…………
環流 虹向/エンディングノート
信之のために作るごはんはあんなウキウキで作れるのに、莉音と成くんが主になって食うって分かってるとどうもやる気が出ない。
明人「成くん、ガソリン買ってきて。」
成「え?冷蔵庫にいっぱい入ってるよ?」
と、お別れ会と言う名のただの呑み会のために準備されたお酒を成くんは見せてくる。
明人「ビールとサワー系しかないじゃん。ワインは?」
成「ないかも。」
明人「赤ワインと白ワイン、安いのでいいから買ってきてほしい。料理酒としても使うからお願いっ。」
私は慣れないぶりっ子風の声でお願いしてみると成くんは腕をうずうずさせてタコみたいな顔をした。
成「お礼は?」
明人「ごはん。」
成「それと“何か”くれないと行かないかも。」
明人「えー…。」
成「ハグ1分間チケットください。」
んー…、それも信之は嫌そうにしてたからしたくないんだよな。
でも、お金は全部成くん持ちで広いキッチンも使わせてもらっちゃってるし…。
明人「10秒。」
成「60秒。」
明人「12秒。」
成「58秒。」
明人「なんで1分?」
成「幸福ホルモンは1分過ぎてから分泌されるから1分で。」
ぱちんと手を合わせて成くんは私にお願いしてきた。
明人「他のことしたらダメだよ?」
成「え?俺の顔でおっぱいぱふぱふは?」
明人「ダメに決まってんじゃん。」
成「え…、お尻ぽにゅぽにゅは?」
どんな擬音使ってんだよ。
てか、それありだって最初から思ってたの?
明人「ダメ。私の肩に顔、腕は腰。静止で1分。」
成「ハグじゃないぃ…。それ、ただ捕まえただけじゃん。」
明人「…いいよ。もう、自分で買ってくる。」
成「ちょ、ちょ、ちょ。い、行きます!明人のハグでチケットください。」
明人「はーい。行ってらっしゃい。」
私はキッチンでフレッシュトマトをカットしながら成くんを見送ると、数分後に成くんから電話がかかってきた。
明人「買うもの忘れた?」
成『ううんー。鍵忘れたからインターフォン鳴らしたら出てちょうだい。』
明人「分かった。あと、バターとクリームなかったから買ってきてほしい。」
成『そんなに抜けてた?』
明人「うん。」
私の頭の中から。
成くんに送った買い物リストに書くの忘れてた。
成『はーい。買ってきまーす。』
明人「よろしく。」
私は成くんに電話を切ってもらい、作業に集中しているとあっという間にインターフォンが鳴った。
思ったより早く買い物が出来て優秀だなと思いながら私は玄関の扉を開けた。
明人「買い物、ありがとう。ハグ…」
「なんで明人がいんの?」
と、私は背格好が成くんと全く一緒の莉音にハグ券を使いそうになり、焦って扉を閉めようとすると莉音が玄関の扉に足を挟んでこじ開けた。
莉音「デートつまんな過ぎてゲームしに来たら、最高のプレゼント置いてあるじゃん。」
明人「なんでいるの。」
莉音「俺が聞きたいけど。…なんか作ってる?」
と、莉音は玄関に入り、しっかり鍵とドアチェーンをかける習慣をこなすと私の腕を掴んでたくさんの食材の香りがするキッチンに行った。
莉音「…さよなら会のご馳走って明人の飯?」
明人「成くんに最後の晩餐って言われたから…。」
莉音「成紀は?」
明人「成くんは…」
私は成くんがスーパーへ買い物に行っていることを言いかけて、口を噤む。
これ、2人って知られたらめんどくさいことになるよね?
なんとか成くんが来るまで時間稼ぎをしよう。
明人「成くんお腹痛くてトイレこもってる。」
莉音「なんだ、いんのか。」
と、やっぱり何か考えてたらしい莉音は私から手を離すと作りかけの食材を見ながら手を洗い始めた。
莉音「トマト煮?」
明人「うん。約束したから。」
莉音「ありがと。」
そう言って手を洗い終えた莉音が1歩近づいてきたので私は反射で顔の前に両手を広げる。
莉音「…なんだよ。昔は欲してたじゃん。」
明人「今は信之いるし、莉音とは無理。」
莉音「あっそ。」
莉音は不機嫌な顔をしてテレビがあるリビングに行くと我が物顔でだらけ始めた。
まさかこんなお昼前から莉音が来るなんて思わなかった…。
私は莉音が横目に入るオープンキッチンで下手に刺激をしないように、料理を手早く作ることにした。
…………
ごまかせるっておもってたけど
…………
環流 虹向/エンディングノート
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
お知らせ有り※※束縛上司!~溺愛体質の上司の深すぎる愛情~
ひなの琴莉
恋愛
イケメンで完璧な上司は自分にだけなぜかとても過保護でしつこい。そんな店長に秘密を握られた。秘密をすることに交換条件として色々求められてしまう。 溺愛体質のヒーロー☓地味子。ドタバタラブコメディ。
2021/3/10
しおりを挟んでくださっている皆様へ。
こちらの作品はすごく昔に書いたのをリメイクして連載していたものです。
しかし、古い作品なので……時代背景と言うか……いろいろ突っ込みどころ満載で、修正しながら書いていたのですが、やはり難しかったです(汗)
楽しい作品に仕上げるのが厳しいと判断し、連載を中止させていただくことにしました。
申しわけありません。
新作を書いて更新していきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
お詫びに過去に書いた原文のママ載せておきます。
修正していないのと、若かりし頃の作品のため、
甘めに見てくださいm(__)m
UNDEAD・L・L・IVE
環流 虹向
恋愛
過激表現多々有〼。
転載防止のため、毎話末に[環流 虹向/UNDEAD・L・L・IVE]をつけています。
私はいつも指先ひとつで殺される
あの日も
今日も
いつまでも
だけど、君だけは
私を唯一生かしてくれた
だから私は生きてる限り
君が欲している物を全て贈り届けるよ
Co Addiction
Sweet Little Lies / bülow
隠れ御曹司の手加減なしの独占溺愛
冬野まゆ
恋愛
老舗ホテルのブライダル部門で、チーフとして働く二十七歳の香奈恵。ある日、仕事でピンチに陥った彼女は、一日だけ恋人のフリをするという条件で、有能な年上の部下・雅之に助けてもらう。ところが約束の日、香奈恵の前に現れたのは普段の冴えない彼とは似ても似つかない、甘く色気のある極上イケメン! 突如本性を露わにした彼は、なんと自分の両親の前で香奈恵にプロポーズした挙句、あれよあれよと結婚前提の恋人になってしまい――!? 「誰よりも大事にするから、俺と結婚してくれ」恋に不慣れな不器用OLと身分を隠したハイスペック御曹司の、問答無用な下克上ラブ!
最後の恋って、なに?~Happy wedding?~
氷萌
恋愛
彼との未来を本気で考えていた―――
ブライダルプランナーとして日々仕事に追われていた“棗 瑠歌”は、2年という年月を共に過ごしてきた相手“鷹松 凪”から、ある日突然フラれてしまう。
それは同棲の話が出ていた矢先だった。
凪が傍にいて当たり前の生活になっていた結果、結婚の機を完全に逃してしまい更に彼は、同じ職場の年下と付き合った事を知りショックと動揺が大きくなった。
ヤケ酒に1人酔い潰れていたところ、偶然居合わせた上司で支配人“桐葉李月”に介抱されるのだが。
実は彼、厄介な事に大の女嫌いで――
元彼を忘れたいアラサー女と、女嫌いを克服したい35歳の拗らせ男が織りなす、恋か戦いの物語―――――――
ウブな政略妻は、ケダモノ御曹司の執愛に堕とされる
Adria
恋愛
旧題:紳士だと思っていた初恋の人は私への恋心を拗らせた執着系ドSなケダモノでした
ある日、父から持ちかけられた政略結婚の相手は、学生時代からずっと好きだった初恋の人だった。
でも彼は来る縁談の全てを断っている。初恋を実らせたい私は副社長である彼の秘書として働くことを決めた。けれど、何の進展もない日々が過ぎていく。だが、ある日会社に忘れ物をして、それを取りに会社に戻ったことから私たちの関係は急速に変わっていった。
彼を知れば知るほどに、彼が私への恋心を拗らせていることを知って戸惑う反面嬉しさもあり、私への執着を隠さない彼のペースに翻弄されていく……。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
10 sweet wedding
国樹田 樹
恋愛
『十年後もお互い独身だったら、結婚しよう』 そんな、どこかのドラマで見た様な約束をした私達。 けれど十年後の今日、私は彼の妻になった。 ……そんな二人の、式後のお話。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる