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SUPERMARKET
ぺこぺこ終電
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…はあ。
やっと9連勤が終わった。
けど、明日はCLUBで出会った脈あり気な自称高学歴のイケメンくんとデートなのに全く気乗りがしない。
私的にそんなよく分かってない人に時間を使うなら自分の家で溜め録りしているドラマを一気見する時間に充てればよかったと今更後悔しながら、今日はシンデレラタイムを過ぎた時計を見て坂上にあるコンビニに行く。
最近疲れが取れなくてタクシー出勤をしてる私にコンビニ飯は結構痛い出費だけど、お昼まで寝れるという最高な睡眠時間が確保されているので今日は食べたいものを食べたい。
そう思った私はコンビニに置いてあるお母さんの台所シリーズのちょっといいお惣菜を見て、サバの味噌煮か肉じゃがにするか迷う。
うちの冷凍庫にはこの前の休みに炊いた1合分の白米があるから味がしっかりとある2つの惣菜で悩んでいると、ラスト1つだったサバの味噌煮が白灯ライトで照らされ真っ白で骨張った大きい手にさらわれてしまった。
どうせなら2つ買ってやろうかとも思っていた手前、先に取られたことにショックを隠しつつしょうがなく肉じゃがを取り、まだ隣でカット野菜を選んでいた男性の背後を横切ろうとするとバチっと目が合った。
「あ、お疲れ様です。午前様なんですね。」
と、昨日の警備員さんがこの秋終わりかけの気候には少し寒そうな半袖シャツと気だるけなスウェットパンツ姿で私に挨拶した。
明人「今日は祝日でバタついてたので。警備員さんもですか?」
警備員「俺は腹減ったけど家に何もなくて来た感じです。」
明人「そうだったんですね。この時間ってお腹減りますよね。」
私は軽く会話をしながら手早くごはんを持って、警備員さんを前にレジに並ぶ。
その警備員さんは私がなんの身にもならない話するのに、ずっと笑顔で話を聞いてくれて昨日の焦りと困惑顔を見せた人とは思えない穏やかな人に見えた。
「次の方、どうぞ。」
警備員「あ、先どうぞ。」
明人「え?」
警備員「お仕事でお疲れの人が先に帰れるように。今日もお疲れ様です。おやすみなさい。」
明人「…あ、ありがとうございます。おやすみなさい。」
私は警備員さんの横を通り、レジで会計を終えて隣のレジでまだ会計途中の警備員さんと目を合わせ、会釈をしてからコンビニを出て家に向かう。
…久しぶりに男性に優しくされたな。
いつも、身長が高いだけで筋力と持久力があると思われて、男性扱いばっかりされている私だからああやって急な優しさに触れるとドキッとする。
警備員さんはただ単純に仕事で疲れていた私を労っての行動だったけど、その行動が私には新鮮で身長が高い私が7㎝ヒールを今履いていても頭が上にあるのだからきっと180㎝以上の身長なんだろうなと、優しくしてもらった警備員さんのことをふわふわ考えながら家に着き、肉じゃがをレンジで温める。
そのレンジから漏れ出す肉じゃがのあまじょっぱい匂いを感じて、お腹を鳴らしながら明日のデートで行くと言われたごはん屋さんを検索してみると、少し奥まったところにある隠れ家的和食店らしい。
駅から遠いなら、パンプスじゃなくてローファーのぺたんこ靴でいいかと私は明日のデート服を考えながらごはんを食べる。
そういえば、最近は手料理なんか作る暇がなくなっちゃったな。
一人暮らしを始めた18歳の頃は頑張っていたけど、もう今はフライパンに埃が被ってる状態。
…明日、デートを早めに切り上げて作り置きでもしようかな。
私は節約を兼ねて作り置きをするためにごはんを食べ終わった後、ベッドの上で寝転がってレシピサイトを見ていたらそのまま寝落ちしてしまった。
…………
朝・シーフードカップラーメン
昼・チョコビスケット 1箱
夜・白米 お母さんシリーズの肉じゃが
レジ譲ってもらった。感謝。
おやすみ、明人。
…………
環流 虹向/エンディングノート
やっと9連勤が終わった。
けど、明日はCLUBで出会った脈あり気な自称高学歴のイケメンくんとデートなのに全く気乗りがしない。
私的にそんなよく分かってない人に時間を使うなら自分の家で溜め録りしているドラマを一気見する時間に充てればよかったと今更後悔しながら、今日はシンデレラタイムを過ぎた時計を見て坂上にあるコンビニに行く。
最近疲れが取れなくてタクシー出勤をしてる私にコンビニ飯は結構痛い出費だけど、お昼まで寝れるという最高な睡眠時間が確保されているので今日は食べたいものを食べたい。
そう思った私はコンビニに置いてあるお母さんの台所シリーズのちょっといいお惣菜を見て、サバの味噌煮か肉じゃがにするか迷う。
うちの冷凍庫にはこの前の休みに炊いた1合分の白米があるから味がしっかりとある2つの惣菜で悩んでいると、ラスト1つだったサバの味噌煮が白灯ライトで照らされ真っ白で骨張った大きい手にさらわれてしまった。
どうせなら2つ買ってやろうかとも思っていた手前、先に取られたことにショックを隠しつつしょうがなく肉じゃがを取り、まだ隣でカット野菜を選んでいた男性の背後を横切ろうとするとバチっと目が合った。
「あ、お疲れ様です。午前様なんですね。」
と、昨日の警備員さんがこの秋終わりかけの気候には少し寒そうな半袖シャツと気だるけなスウェットパンツ姿で私に挨拶した。
明人「今日は祝日でバタついてたので。警備員さんもですか?」
警備員「俺は腹減ったけど家に何もなくて来た感じです。」
明人「そうだったんですね。この時間ってお腹減りますよね。」
私は軽く会話をしながら手早くごはんを持って、警備員さんを前にレジに並ぶ。
その警備員さんは私がなんの身にもならない話するのに、ずっと笑顔で話を聞いてくれて昨日の焦りと困惑顔を見せた人とは思えない穏やかな人に見えた。
「次の方、どうぞ。」
警備員「あ、先どうぞ。」
明人「え?」
警備員「お仕事でお疲れの人が先に帰れるように。今日もお疲れ様です。おやすみなさい。」
明人「…あ、ありがとうございます。おやすみなさい。」
私は警備員さんの横を通り、レジで会計を終えて隣のレジでまだ会計途中の警備員さんと目を合わせ、会釈をしてからコンビニを出て家に向かう。
…久しぶりに男性に優しくされたな。
いつも、身長が高いだけで筋力と持久力があると思われて、男性扱いばっかりされている私だからああやって急な優しさに触れるとドキッとする。
警備員さんはただ単純に仕事で疲れていた私を労っての行動だったけど、その行動が私には新鮮で身長が高い私が7㎝ヒールを今履いていても頭が上にあるのだからきっと180㎝以上の身長なんだろうなと、優しくしてもらった警備員さんのことをふわふわ考えながら家に着き、肉じゃがをレンジで温める。
そのレンジから漏れ出す肉じゃがのあまじょっぱい匂いを感じて、お腹を鳴らしながら明日のデートで行くと言われたごはん屋さんを検索してみると、少し奥まったところにある隠れ家的和食店らしい。
駅から遠いなら、パンプスじゃなくてローファーのぺたんこ靴でいいかと私は明日のデート服を考えながらごはんを食べる。
そういえば、最近は手料理なんか作る暇がなくなっちゃったな。
一人暮らしを始めた18歳の頃は頑張っていたけど、もう今はフライパンに埃が被ってる状態。
…明日、デートを早めに切り上げて作り置きでもしようかな。
私は節約を兼ねて作り置きをするためにごはんを食べ終わった後、ベッドの上で寝転がってレシピサイトを見ていたらそのまま寝落ちしてしまった。
…………
朝・シーフードカップラーメン
昼・チョコビスケット 1箱
夜・白米 お母さんシリーズの肉じゃが
レジ譲ってもらった。感謝。
おやすみ、明人。
…………
環流 虹向/エンディングノート
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