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タイムオーバー
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時音から貰ったチケットをしっかりお財布に入れてきた私は、差し入れのココアと板チョコを持って楽屋入りする時音たちが来るはずの施設裏で待っていると列最後尾に押し出されていた私は嫌がらせなのか背中に小石を当てられた感覚を背中に感じ、振り向いてみると金平糖が落ちていた。
もったいないなぁと思いつつ、落ちた金平糖を踏んでアリが寄り付かないように軽く蹴ろうとするとその少し先にも金平糖が落ちていることに気づく。
私は思わず首を傾げ、目線を上げると金平糖がポロポロと後ろにある施設に続いていることに気づいてそこに顔を上げると茂みの間からTVで何度か見て覚えた顔があった。
それに私が気づくと、その顔の持ち主は私に小さく手招きしながら静かにやってくるように唇の上に人差し指を置いたので、私はいまかいまかとその人を待っているファンたちに気づかれないように忍足で近づき、その人が隠れていた茂みに一緒に隠れる。
「はじめー…、じゃないね。この間ぶり。」
と、前期のドラマ全てに各1人出ていた俳優グループのナオさんが私に握手を求めてきた。
私は恐る恐る手を出し、握手をするとナオさんは私の手を持ったままそばにあった施設の中に入りスタッフが忙しそうに準備している中を糸のようにくぐり抜けてある一室に飛び込んだ。
ナオ「ふぁぁ…、ツツイさんいなくてよかったぁ…。」
幸来未「えっと…、ここは?」
ナオ「時音の楽屋。」
そう言ってナオさんはまだ誰も来た形跡がない楽屋を指差して私を小上がりの玄関に座らせた。
ナオ「時音の彼女でしょ?なんであの群れにいたの?」
と、ナオさんは私のそばにしゃがみ、上目遣いで聞いてきた。
私はその顔立ちの良さに少し動機を感じたけれど、一度生唾を飲み込んで気持ちを落ち着かせる。
幸来未「彼女ではないので、正当法で会うしかないかなって。」
ナオ「んー…、ストーカーではないよね?」
幸来未「一応、時音とのメッセージはあります。」
私は時音とのメッセージチャットをナオさんに軽く見せて、誤解を解いてもらう。
ナオ「ここ2週間くらい連絡してないね。なんで?」
幸来未「…ちょっと、喧嘩しちゃって。」
ナオ「時音の女関係?」
幸来未「え?…違いますけど。」
ナオ「ふーん、残念。」
ナオさんは立ち上がり、片手に持っていた大粒の金平糖が入った袋を私に手渡した。
ナオ「あとちょっとで…」
「あれ、人いる。」
ナオさんが何かを言いかけると、後ろにあった扉が開いてナオさんが押し出されてしまい、私に覆いかぶさるように倒れてきた。
けれど、ナオさんは持ち前の身体能力で私の頭と自分の顔を守った。
ナオ「あーんっ、痛い。」
幸来未「お怪我ないですか…?」
「え?なんで幸来未ちゃんいるの?」
「え?幸来未ちゃん?」
「ここみんいるの?見たい!」
「幸来未、何してるの?」
私は一気にTVで知った声が耳にいっぱい入ってきて頭の中がパンクしかけていると、ナオさんの背後から手が伸びてきて私を抱き上げてくれた。
時音「…何してるの?」
と、時音は私を抱いたまま、散らばった金平糖と床に寝そべったまま金平糖を食べてるナオさんを指した。
幸来未「ナオさんがここに連れてきてくれて…、少し話してただけ…。」
時音「幸来未はモテモテだね。」
「お、おい。時音、そういうのじゃないだろ?」
「そうだよ。ナオくんが前日入りしてたからたまたま声掛けただけでしょ?」
「ナオも時音の誤解といて。」
ナオ「時音がそう思うならそうなんじゃん?」
「「「おい!」」」
と、3人がナオさんに怒る中、時音は私を抱きしめながら寝転んでいたナオさんのお腹に土足のまま足を置いた。
時音「僕、潔癖なの知ってるでしょ。早く出ていって。」
ナオ「幸来未ちゃんが零しちゃった金平糖もったいな…」
時音「出てけっていってるじゃん。いますぐ出ないと今まで食った金平糖全部吐かせるよ。」
そう言って時音はナオさんのお腹の上に置いていた足に体重を乗せて、ナオさんの顔を少し歪めた。
幸来未「…ね、ねえ。時音、痛そうだからやめて。」
ナオ「幸来未ちゃーん…ぅ、助けてぇ…。」
時音「幸来未の名前、もう1回呼んだら殺す。」
ナオ「ここ…」
「ストップストップ!」
「はい!ナオくん、さっさと起きて部屋戻ろうねー。」
「いつもの冗談だから、幸来未ちゃんもそんな顔しないで。」
そう言ってこの場を物理的に納めてくれた3人はナオさんを連れて別室に移動しにいった。
すると時音は全ての力がなくなったように地べたに座り込んで、私を強く抱きしめた。
時音「…もうやだ。」
幸来未「嫌ならやめてもいいよ。」
時音「うるさい。」
幸来未「……ごめんね。」
私は言葉で時音に突き放されてしまってけれど、体ではまだ抱きしめられ続けているからそのまま私も時音を抱きしめて交わしたい言葉を伝えられない時間を過ごした。
環流 虹向/23:48
もったいないなぁと思いつつ、落ちた金平糖を踏んでアリが寄り付かないように軽く蹴ろうとするとその少し先にも金平糖が落ちていることに気づく。
私は思わず首を傾げ、目線を上げると金平糖がポロポロと後ろにある施設に続いていることに気づいてそこに顔を上げると茂みの間からTVで何度か見て覚えた顔があった。
それに私が気づくと、その顔の持ち主は私に小さく手招きしながら静かにやってくるように唇の上に人差し指を置いたので、私はいまかいまかとその人を待っているファンたちに気づかれないように忍足で近づき、その人が隠れていた茂みに一緒に隠れる。
「はじめー…、じゃないね。この間ぶり。」
と、前期のドラマ全てに各1人出ていた俳優グループのナオさんが私に握手を求めてきた。
私は恐る恐る手を出し、握手をするとナオさんは私の手を持ったままそばにあった施設の中に入りスタッフが忙しそうに準備している中を糸のようにくぐり抜けてある一室に飛び込んだ。
ナオ「ふぁぁ…、ツツイさんいなくてよかったぁ…。」
幸来未「えっと…、ここは?」
ナオ「時音の楽屋。」
そう言ってナオさんはまだ誰も来た形跡がない楽屋を指差して私を小上がりの玄関に座らせた。
ナオ「時音の彼女でしょ?なんであの群れにいたの?」
と、ナオさんは私のそばにしゃがみ、上目遣いで聞いてきた。
私はその顔立ちの良さに少し動機を感じたけれど、一度生唾を飲み込んで気持ちを落ち着かせる。
幸来未「彼女ではないので、正当法で会うしかないかなって。」
ナオ「んー…、ストーカーではないよね?」
幸来未「一応、時音とのメッセージはあります。」
私は時音とのメッセージチャットをナオさんに軽く見せて、誤解を解いてもらう。
ナオ「ここ2週間くらい連絡してないね。なんで?」
幸来未「…ちょっと、喧嘩しちゃって。」
ナオ「時音の女関係?」
幸来未「え?…違いますけど。」
ナオ「ふーん、残念。」
ナオさんは立ち上がり、片手に持っていた大粒の金平糖が入った袋を私に手渡した。
ナオ「あとちょっとで…」
「あれ、人いる。」
ナオさんが何かを言いかけると、後ろにあった扉が開いてナオさんが押し出されてしまい、私に覆いかぶさるように倒れてきた。
けれど、ナオさんは持ち前の身体能力で私の頭と自分の顔を守った。
ナオ「あーんっ、痛い。」
幸来未「お怪我ないですか…?」
「え?なんで幸来未ちゃんいるの?」
「え?幸来未ちゃん?」
「ここみんいるの?見たい!」
「幸来未、何してるの?」
私は一気にTVで知った声が耳にいっぱい入ってきて頭の中がパンクしかけていると、ナオさんの背後から手が伸びてきて私を抱き上げてくれた。
時音「…何してるの?」
と、時音は私を抱いたまま、散らばった金平糖と床に寝そべったまま金平糖を食べてるナオさんを指した。
幸来未「ナオさんがここに連れてきてくれて…、少し話してただけ…。」
時音「幸来未はモテモテだね。」
「お、おい。時音、そういうのじゃないだろ?」
「そうだよ。ナオくんが前日入りしてたからたまたま声掛けただけでしょ?」
「ナオも時音の誤解といて。」
ナオ「時音がそう思うならそうなんじゃん?」
「「「おい!」」」
と、3人がナオさんに怒る中、時音は私を抱きしめながら寝転んでいたナオさんのお腹に土足のまま足を置いた。
時音「僕、潔癖なの知ってるでしょ。早く出ていって。」
ナオ「幸来未ちゃんが零しちゃった金平糖もったいな…」
時音「出てけっていってるじゃん。いますぐ出ないと今まで食った金平糖全部吐かせるよ。」
そう言って時音はナオさんのお腹の上に置いていた足に体重を乗せて、ナオさんの顔を少し歪めた。
幸来未「…ね、ねえ。時音、痛そうだからやめて。」
ナオ「幸来未ちゃーん…ぅ、助けてぇ…。」
時音「幸来未の名前、もう1回呼んだら殺す。」
ナオ「ここ…」
「ストップストップ!」
「はい!ナオくん、さっさと起きて部屋戻ろうねー。」
「いつもの冗談だから、幸来未ちゃんもそんな顔しないで。」
そう言ってこの場を物理的に納めてくれた3人はナオさんを連れて別室に移動しにいった。
すると時音は全ての力がなくなったように地べたに座り込んで、私を強く抱きしめた。
時音「…もうやだ。」
幸来未「嫌ならやめてもいいよ。」
時音「うるさい。」
幸来未「……ごめんね。」
私は言葉で時音に突き放されてしまってけれど、体ではまだ抱きしめられ続けているからそのまま私も時音を抱きしめて交わしたい言葉を伝えられない時間を過ごした。
環流 虹向/23:48
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