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おとなりあい
182:07:43
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稜平さんの機嫌が良くなった代わりに、次は春馬くんの機嫌が悪くなった。
けど、私は稜平さんに飛行船が出るアニメ映画のテーマソングが流れるオルゴールを買ってもらいご満悦だから気にしてられない。
そんな私だから春馬くんに『何がしたいの?』って聞かれちゃうんだよなと思っていると、春馬くんは稜平さんもいる社員さんたちのグループにカードゲームを誘われ、信号待ちの車内で席移動をしてしまった。
…今日家に行っていいか聞こうと思ったのに。
私は1人になった空間で時音のブログ更新を確認したけど、まだ更新もスタンプさえも来てなかった。
忙しいのは分かるけど、一方的に送るのもなんだか迷惑なんじゃないかなって思ってきちゃうよ。
今日は私のブログ更新も辞めとこうかなと思っていると、隣に凛太郎さんがやってきた。
凛太郎「迷子になったかと思って園内放送お願いしちゃいましたよ。」
と、凛太郎さんは春馬くんの不機嫌の理由を緩和するために私の行動を探ってきた。
幸来未「適当に散歩してたら外で焼き芋売ってたんで買いに行っちゃいました。」
凛太郎「食いしん坊なんですね。中でジンギスカン食べる予定だったのに我慢できなかったんですか?」
幸来未「紅はるかはさすがに我慢できないです。」
凛太郎「確かに。蜜芋なら僕も我慢できないかもしれないなー。」
私の意見にわざとらしく同意する凛太郎さんが私はどうしても好きになれなくて返しに困っていると、凛太郎さんがまたもや先手を取った。
凛太郎「これからみんなは恒例の〆会なんですけど、僕と一緒にクレープ食べに行きませんか?」
幸来未「…なんでですか?」
凛太郎「なんでだろう。西宮さんが魅力的だからかも。」
と、凛太郎さんは柔らかく笑ったけど、私は笑顔を返せなかった。
凛太郎「僕の周りはみんな西宮さんに夢中だから僕も仲間入りしちゃおっかなって。」
幸来未「それは悠雪だけじゃないですか…?」
凛太郎「そんなことないでしょ。」
そう言って凛太郎さんは自分が座った席の肘掛けを指で軽く叩き、私しか知らないはずの好意を当てた。
凛太郎「1回だけでいいんです。兄さんみたいに魅力的な人の隣でゆっくり過ごしてみたいんです。」
幸来未「…お兄さんはダメなんですか?」
凛太郎「兄さんはご覧の通り、取り巻きの相手で精一杯なので。僕が物心ついてからいつもああなんで隣にいてくれたことないです。」
…そうなんだ。
まあ、一緒にいて楽しい人だから色んな人が集まるんだろうな。
だからその一部だった私と春馬くんを自分のそばに置いてお兄さんに構ってもらおうとしたんだろう。
幸来未「ブリュレクレープがいいです。」
凛太郎「分かりました。みんなにバレないように、解散する駅の逆側の改札で待ち合わせしましょうか。」
幸来未「はい。」
その約束をすると凛太郎さんはすぐに私から離れてまた眠り始めた。
私はそれを見て、まだ疲れる1日に備えて軽く睡眠を取り東京に戻ったバスを降りる。
春馬「これからみんなでピザ食うんだって。西宮も行く?」
と、私は事前に知らされていた予定を春馬くんに聞かされる。
幸来未「私はいいや。春馬くんは行くでしょ?」
私は春馬くんの背後で私に嫌な目線を向けてくる女性社員たちと目を合わせないように春馬くんの体に隠れる。
春馬「んー…、西宮と稜平が行かないんだもんなぁ…。」
幸来未「え?稜平も行かないの?」
春馬「ちょっと用事済ませてからまた参加するらしいけど、確実に行けるか分からないんだって。」
稜平さんってなんだか慌ただしいな…。
けど、思ったよりちゃんと仕事してるすごい人だったんだ。
「船田さーんっ。そろそろ行きますよー。」
と、私に絶対的な悪意を持った女性社員の1人が春馬くんだけを呼んだ。
幸来未「行きなよ。私は疲れたからこのままタクシーで帰る。」
春馬「そっか。じゃあまた来週の新刊の時に。」
幸来未「うん。8時ね。」
私は分かりにくい冗談でもすぐに笑ってくれる変わらない春馬くんに手を振り、そのまま凛太郎さんと約束してた反対側の改札に向かった。
環流 虹向/23:48
けど、私は稜平さんに飛行船が出るアニメ映画のテーマソングが流れるオルゴールを買ってもらいご満悦だから気にしてられない。
そんな私だから春馬くんに『何がしたいの?』って聞かれちゃうんだよなと思っていると、春馬くんは稜平さんもいる社員さんたちのグループにカードゲームを誘われ、信号待ちの車内で席移動をしてしまった。
…今日家に行っていいか聞こうと思ったのに。
私は1人になった空間で時音のブログ更新を確認したけど、まだ更新もスタンプさえも来てなかった。
忙しいのは分かるけど、一方的に送るのもなんだか迷惑なんじゃないかなって思ってきちゃうよ。
今日は私のブログ更新も辞めとこうかなと思っていると、隣に凛太郎さんがやってきた。
凛太郎「迷子になったかと思って園内放送お願いしちゃいましたよ。」
と、凛太郎さんは春馬くんの不機嫌の理由を緩和するために私の行動を探ってきた。
幸来未「適当に散歩してたら外で焼き芋売ってたんで買いに行っちゃいました。」
凛太郎「食いしん坊なんですね。中でジンギスカン食べる予定だったのに我慢できなかったんですか?」
幸来未「紅はるかはさすがに我慢できないです。」
凛太郎「確かに。蜜芋なら僕も我慢できないかもしれないなー。」
私の意見にわざとらしく同意する凛太郎さんが私はどうしても好きになれなくて返しに困っていると、凛太郎さんがまたもや先手を取った。
凛太郎「これからみんなは恒例の〆会なんですけど、僕と一緒にクレープ食べに行きませんか?」
幸来未「…なんでですか?」
凛太郎「なんでだろう。西宮さんが魅力的だからかも。」
と、凛太郎さんは柔らかく笑ったけど、私は笑顔を返せなかった。
凛太郎「僕の周りはみんな西宮さんに夢中だから僕も仲間入りしちゃおっかなって。」
幸来未「それは悠雪だけじゃないですか…?」
凛太郎「そんなことないでしょ。」
そう言って凛太郎さんは自分が座った席の肘掛けを指で軽く叩き、私しか知らないはずの好意を当てた。
凛太郎「1回だけでいいんです。兄さんみたいに魅力的な人の隣でゆっくり過ごしてみたいんです。」
幸来未「…お兄さんはダメなんですか?」
凛太郎「兄さんはご覧の通り、取り巻きの相手で精一杯なので。僕が物心ついてからいつもああなんで隣にいてくれたことないです。」
…そうなんだ。
まあ、一緒にいて楽しい人だから色んな人が集まるんだろうな。
だからその一部だった私と春馬くんを自分のそばに置いてお兄さんに構ってもらおうとしたんだろう。
幸来未「ブリュレクレープがいいです。」
凛太郎「分かりました。みんなにバレないように、解散する駅の逆側の改札で待ち合わせしましょうか。」
幸来未「はい。」
その約束をすると凛太郎さんはすぐに私から離れてまた眠り始めた。
私はそれを見て、まだ疲れる1日に備えて軽く睡眠を取り東京に戻ったバスを降りる。
春馬「これからみんなでピザ食うんだって。西宮も行く?」
と、私は事前に知らされていた予定を春馬くんに聞かされる。
幸来未「私はいいや。春馬くんは行くでしょ?」
私は春馬くんの背後で私に嫌な目線を向けてくる女性社員たちと目を合わせないように春馬くんの体に隠れる。
春馬「んー…、西宮と稜平が行かないんだもんなぁ…。」
幸来未「え?稜平も行かないの?」
春馬「ちょっと用事済ませてからまた参加するらしいけど、確実に行けるか分からないんだって。」
稜平さんってなんだか慌ただしいな…。
けど、思ったよりちゃんと仕事してるすごい人だったんだ。
「船田さーんっ。そろそろ行きますよー。」
と、私に絶対的な悪意を持った女性社員の1人が春馬くんだけを呼んだ。
幸来未「行きなよ。私は疲れたからこのままタクシーで帰る。」
春馬「そっか。じゃあまた来週の新刊の時に。」
幸来未「うん。8時ね。」
私は分かりにくい冗談でもすぐに笑ってくれる変わらない春馬くんに手を振り、そのまま凛太郎さんと約束してた反対側の改札に向かった。
環流 虹向/23:48
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