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はれのちはるくん
208:05:04
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キラキラしたシャンデリア。
雑音多い小洒落たシックな内装。
ドレスコードなしという暗黙のセミフォーマル。
そんなめんどくさいことをしてきても欲しかったのが時音と一緒に住む家にいるお金。
だから李代さんに人数合わせでお願いされたギャラ飲みでもすぐにOKを出した。
けど、男を持ち上げる会話をしないといけないから本当にストレスで胃に穴が空きそう。
そう感じた私は一度席を外し、トイレに向かうと顔合わせで久しぶりに会った元バイトの憂蘭さんもついて来た。
憂蘭「幸来未と会えるなんて思いもしなかったよー。」
幸来未「私も。李代って顔広いんだね。」
憂蘭「たまたまBARで知り合った人だったんだけど、飲みのペースが合うからよく遊ぶようになったんだ。」
李代さん、私と2人で少し遅れた憂蘭さんを待ってた時にハプバーで会ったって言ってたけど。
まあ、BARはBARだから間違いじゃないのか。
私は久しぶりにキンキンうるさい憂蘭さんの一方通行の会話を流しながら席に戻ると、李代さんはしっかりと席替えをしていて男2人の間で楽しそうに会話をしていた。
私は自分の席がタバコ臭い人に取られて少しイラつきながらも、そばを通った店員さんにストローなしのザクロジュースを頼んで気持ちを入れ直す。
そうやって無意味な時間を2時間少し過ごして手に入れたのはネットで調べた相場よりだいぶ多い5万円と1つの名刺。
憂蘭「んー…、今日は思ったより稼げなかったね。」
李代「あとどのくらい欲しいの?」
憂蘭「今月けっこう厳しいからこれ入れてあと12万。」
李代「一応呼べる人はいるけど、多分朝までコース。」
憂蘭「私は休みだから大丈夫。」
李代「幸来未はどうする?」
幸来未「え…っと…」
お金は困ってるわけじゃない。
けど、時音と一緒に暮らす家分は足りてないって感じ。
…でも、これ以上無駄にお世辞を撒き散らすのは自分が自分でいられなくて嫌になる。
幸来未「行ったとしてどのくらい貰えそう?」
李代「んーと、今回は2時間で9万分割だったから朝までだと30万分割かな。」
と、李代さんは携帯をいじりながら今日のお給料の配分を口にした。
憂蘭「2時間3万ってみみっちいよね。」
李代「底辺の売春婦でもオプつけてもう少し稼いでるよ。」
憂蘭「はあ…、今回外れすぎ…。幸来未、残念だったね。」
…2人は3万で私は5万?
どういうこと?
李代「今のとこ来てくれそうなのは5人。増えたら増えた分だけギャラも増えると思うけど幸来未は明日大丈夫そう?」
と、まだ返事していなかった答えを李代さんが催促してきた。
幸来未「…明日、朝から用事あるからやめとく。」
李代「そっか。じゃあまた時間が空いてる時に呑みに行こうね。」
憂蘭「またね。」
幸来未「うん。ばいばい。」
私は繁華街に残る2人に手を振って自分だけ駅に向かう。
その中でお金が入った封筒から名刺を取り出してみると、そこには私と憂蘭さんの隣にいた男の人の名前が書いてあった。
そして、なんとなくその名刺を裏返して見てみると、
『お時間が合えば今度2人で食事でもいかがでしょうか。』
というとても丁寧な言葉で色欲ダダ漏れなお誘いの文字の下に次の謝礼の値段も書いてあり、私は0の桁1つ違うのに目が飛び出そうになって急いで名刺をカバンにしまう。
気に入られたはいいけど、“2人で”っていうのがなんだか怖い。
今回はあの2人がいるから大丈夫っていう安心感があって呑めていたけど、次回は1人でなんとかしないといけない。
…少し、考えさせてもらおう。
私は一旦メッセージを通して仲良くしてさせてもらうことにした。
環流 虹向/23:48
雑音多い小洒落たシックな内装。
ドレスコードなしという暗黙のセミフォーマル。
そんなめんどくさいことをしてきても欲しかったのが時音と一緒に住む家にいるお金。
だから李代さんに人数合わせでお願いされたギャラ飲みでもすぐにOKを出した。
けど、男を持ち上げる会話をしないといけないから本当にストレスで胃に穴が空きそう。
そう感じた私は一度席を外し、トイレに向かうと顔合わせで久しぶりに会った元バイトの憂蘭さんもついて来た。
憂蘭「幸来未と会えるなんて思いもしなかったよー。」
幸来未「私も。李代って顔広いんだね。」
憂蘭「たまたまBARで知り合った人だったんだけど、飲みのペースが合うからよく遊ぶようになったんだ。」
李代さん、私と2人で少し遅れた憂蘭さんを待ってた時にハプバーで会ったって言ってたけど。
まあ、BARはBARだから間違いじゃないのか。
私は久しぶりにキンキンうるさい憂蘭さんの一方通行の会話を流しながら席に戻ると、李代さんはしっかりと席替えをしていて男2人の間で楽しそうに会話をしていた。
私は自分の席がタバコ臭い人に取られて少しイラつきながらも、そばを通った店員さんにストローなしのザクロジュースを頼んで気持ちを入れ直す。
そうやって無意味な時間を2時間少し過ごして手に入れたのはネットで調べた相場よりだいぶ多い5万円と1つの名刺。
憂蘭「んー…、今日は思ったより稼げなかったね。」
李代「あとどのくらい欲しいの?」
憂蘭「今月けっこう厳しいからこれ入れてあと12万。」
李代「一応呼べる人はいるけど、多分朝までコース。」
憂蘭「私は休みだから大丈夫。」
李代「幸来未はどうする?」
幸来未「え…っと…」
お金は困ってるわけじゃない。
けど、時音と一緒に暮らす家分は足りてないって感じ。
…でも、これ以上無駄にお世辞を撒き散らすのは自分が自分でいられなくて嫌になる。
幸来未「行ったとしてどのくらい貰えそう?」
李代「んーと、今回は2時間で9万分割だったから朝までだと30万分割かな。」
と、李代さんは携帯をいじりながら今日のお給料の配分を口にした。
憂蘭「2時間3万ってみみっちいよね。」
李代「底辺の売春婦でもオプつけてもう少し稼いでるよ。」
憂蘭「はあ…、今回外れすぎ…。幸来未、残念だったね。」
…2人は3万で私は5万?
どういうこと?
李代「今のとこ来てくれそうなのは5人。増えたら増えた分だけギャラも増えると思うけど幸来未は明日大丈夫そう?」
と、まだ返事していなかった答えを李代さんが催促してきた。
幸来未「…明日、朝から用事あるからやめとく。」
李代「そっか。じゃあまた時間が空いてる時に呑みに行こうね。」
憂蘭「またね。」
幸来未「うん。ばいばい。」
私は繁華街に残る2人に手を振って自分だけ駅に向かう。
その中でお金が入った封筒から名刺を取り出してみると、そこには私と憂蘭さんの隣にいた男の人の名前が書いてあった。
そして、なんとなくその名刺を裏返して見てみると、
『お時間が合えば今度2人で食事でもいかがでしょうか。』
というとても丁寧な言葉で色欲ダダ漏れなお誘いの文字の下に次の謝礼の値段も書いてあり、私は0の桁1つ違うのに目が飛び出そうになって急いで名刺をカバンにしまう。
気に入られたはいいけど、“2人で”っていうのがなんだか怖い。
今回はあの2人がいるから大丈夫っていう安心感があって呑めていたけど、次回は1人でなんとかしないといけない。
…少し、考えさせてもらおう。
私は一旦メッセージを通して仲良くしてさせてもらうことにした。
環流 虹向/23:48
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