77 / 111
はれのちはるくん
213:02:28
しおりを挟む
あもんさんはまた3人で遊ぶ約束をしっかり取り付けて、夜からの仕事に向かった。
私と春馬くんはそのまま遊ぶ気もなかったので流れでなんとなく春馬くんの家に帰ってしまったけれど、春馬くんは全く気にする様子なくうたた寝し始めた。
暇になった私はソファーでごろつきながら本当なら今頃時音に会いに行ってたなと考えながら心臓にチクチク刺す痛みを感じていると、今日のブログが更新された。
今日の時音は大人数で焼肉を食べたらしい。
しかも本場のキムチや石焼ビビンバも楽しんだみたい。
同じものを食べたはずなのに体の中が満たされていない感じがするのは、隣にいるのが時音じゃなくて春馬くんだからなのかなと思っているとその空気の揺らぎに気づいたのか寝ていた春馬くんが起きた。
春馬「…きょう、とまってく?」
と、寝ぼけ半分で春馬くんは聞いてきた。
幸来未「んー…、泊まってこうかな。」
春馬「じゃ…、さきに風呂いいよ…。」
そう言って春馬くんはベッド下の収納から部屋着を取り出し、床に投げ捨ててまた寝だした。
久しぶりに体を動かして疲れてしまったのか私がシャワーを終えても春馬くんは寝ていて、相当あもんさんとはしゃいだことが分かる。
私はベッド横に座り、うつ伏せで寝ている春馬くんのふくらはぎをズボン上からグリグリとツボを押していると、春馬くんは久しぶりに甘い吐息を漏らし少し不服そうな顔を私に見せた。
春馬「…ひまなの?」
幸来未「疲れてるっぽいからマッサージしよっかなって。」
春馬「いい。こっちきて。」
と、春馬くんは壁側のベッドスペースを叩き、私を呼んだ。
私は誘われるがまま、ベッドに横になりずっと寝ぼけた顔をする春馬くんと一緒に布団を被る。
春馬「片想いの人ってあもん?」
そう聞いてきた春馬くんと目を合わせると、さっきまで垂れていた目がしっかりと張って私を一直線に見ていた。
幸来未「違うよ。」
春馬 「そっか…。」
それを聞いて春馬くんはどうするのって感じだし、それを聞くってことは“友達”って思ってくれてないってことなのかな。
春馬「今度2人で楠木坂のイルミネーション見にいかない?」
幸来未「…なんで。」
なんで、そんなとこに改まって誘うの…?
私、そういう春馬くんなら駆け落ちした後も会おうだなんて思わなかったんだけど。
春馬「あそこら辺に西宮が好きなケーキ屋がたくさんあるからさ、ケーキ屋巡りつつイルミネーション見て夜飯にさっぱり系のレモン鍋とかどう?」
…そんなしっかりデートプラン組んじゃってるんだ。
幸来未「レモン鍋、食べたことない。」
春馬「酸味が効いてるけど少し甘みもあって美味しいよ。行く?」
幸来未「うん。」
春馬「じゃあ来週の木曜でいい?」
幸来未「うん。」
春馬「分かった。楽しみ。」
そう言って春馬くんは私に背を向けてまた眠り出した。
私は布団の中に少し冷気が入ってくる隙間を感じながらベッド脇に寄り、寝相で春馬くんに触れないように気を張りながら眠りについた。
環流 虹向/23:48
私と春馬くんはそのまま遊ぶ気もなかったので流れでなんとなく春馬くんの家に帰ってしまったけれど、春馬くんは全く気にする様子なくうたた寝し始めた。
暇になった私はソファーでごろつきながら本当なら今頃時音に会いに行ってたなと考えながら心臓にチクチク刺す痛みを感じていると、今日のブログが更新された。
今日の時音は大人数で焼肉を食べたらしい。
しかも本場のキムチや石焼ビビンバも楽しんだみたい。
同じものを食べたはずなのに体の中が満たされていない感じがするのは、隣にいるのが時音じゃなくて春馬くんだからなのかなと思っているとその空気の揺らぎに気づいたのか寝ていた春馬くんが起きた。
春馬「…きょう、とまってく?」
と、寝ぼけ半分で春馬くんは聞いてきた。
幸来未「んー…、泊まってこうかな。」
春馬「じゃ…、さきに風呂いいよ…。」
そう言って春馬くんはベッド下の収納から部屋着を取り出し、床に投げ捨ててまた寝だした。
久しぶりに体を動かして疲れてしまったのか私がシャワーを終えても春馬くんは寝ていて、相当あもんさんとはしゃいだことが分かる。
私はベッド横に座り、うつ伏せで寝ている春馬くんのふくらはぎをズボン上からグリグリとツボを押していると、春馬くんは久しぶりに甘い吐息を漏らし少し不服そうな顔を私に見せた。
春馬「…ひまなの?」
幸来未「疲れてるっぽいからマッサージしよっかなって。」
春馬「いい。こっちきて。」
と、春馬くんは壁側のベッドスペースを叩き、私を呼んだ。
私は誘われるがまま、ベッドに横になりずっと寝ぼけた顔をする春馬くんと一緒に布団を被る。
春馬「片想いの人ってあもん?」
そう聞いてきた春馬くんと目を合わせると、さっきまで垂れていた目がしっかりと張って私を一直線に見ていた。
幸来未「違うよ。」
春馬 「そっか…。」
それを聞いて春馬くんはどうするのって感じだし、それを聞くってことは“友達”って思ってくれてないってことなのかな。
春馬「今度2人で楠木坂のイルミネーション見にいかない?」
幸来未「…なんで。」
なんで、そんなとこに改まって誘うの…?
私、そういう春馬くんなら駆け落ちした後も会おうだなんて思わなかったんだけど。
春馬「あそこら辺に西宮が好きなケーキ屋がたくさんあるからさ、ケーキ屋巡りつつイルミネーション見て夜飯にさっぱり系のレモン鍋とかどう?」
…そんなしっかりデートプラン組んじゃってるんだ。
幸来未「レモン鍋、食べたことない。」
春馬「酸味が効いてるけど少し甘みもあって美味しいよ。行く?」
幸来未「うん。」
春馬「じゃあ来週の木曜でいい?」
幸来未「うん。」
春馬「分かった。楽しみ。」
そう言って春馬くんは私に背を向けてまた眠り出した。
私は布団の中に少し冷気が入ってくる隙間を感じながらベッド脇に寄り、寝相で春馬くんに触れないように気を張りながら眠りについた。
環流 虹向/23:48
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
アンコール マリアージュ
葉月 まい
恋愛
理想の恋って、ありますか?
ファーストキスは、どんな場所で?
プロポーズのシチュエーションは?
ウェディングドレスはどんなものを?
誰よりも理想を思い描き、
いつの日かやってくる結婚式を夢見ていたのに、
ある日いきなり全てを奪われてしまい…
そこから始まる恋の行方とは?
そして本当の恋とはいったい?
古風な女の子の、泣き笑いの恋物語が始まります。
━━ʚ♡ɞ━━ʚ♡ɞ━━ʚ♡ɞ━━
恋に恋する純情な真菜は、
会ったばかりの見ず知らずの相手と
結婚式を挙げるはめに…
夢に描いていたファーストキス
人生でたった一度の結婚式
憧れていたウェディングドレス
全ての理想を奪われて、落ち込む真菜に
果たして本当の恋はやってくるのか?

社長室の蜜月
ゆる
恋愛
内容紹介:
若き社長・西園寺蓮の秘書に抜擢された相沢結衣は、突然の異動に戸惑いながらも、彼の完璧主義に応えるため懸命に働く日々を送る。冷徹で近寄りがたい蓮のもとで奮闘する中、結衣は彼の意外な一面や、秘められた孤独を知り、次第に特別な絆を築いていく。
一方で、同期の嫉妬や社内の噂、さらには会社を揺るがす陰謀に巻き込まれる結衣。それでも、蓮との信頼関係を深めながら、二人は困難を乗り越えようとする。
仕事のパートナーから始まる二人の関係は、やがて揺るぎない愛情へと発展していく――。オフィスラブならではの緊張感と温かさ、そして心揺さぶるロマンティックな展開が詰まった、大人の純愛ストーリー。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】
エンディングノート
環流 虹向
恋愛
出会って、付き合って、別れるまでのエンディングノート
[主人公]采原 明人/さいはら めりは、社会人2年目で毎日を多忙に過ごし癒しゼロ。
けれど、そんな明人にオアシスが現れた。
2021/09/30 完結しましたが改めて校正したいので一旦全話非公開にして、また順次投稿します。
11/27から19:00に更新していきます。
君と出会って
君と付き合って
君とお別れするまでが綴られている
私が書いた、もぐもぐノート
君がいる、あの時に戻りたいと思った時は
いつもこのノートに綴られたごはんを食べるんだ
そしたらあの日、君と食べたごはんが
1番美味しかったって思い出せるから
だから、このノートにはもうペンを走らせない
これは君と私のエンディングノートだから
他の人とのもぐもぐ日記はいらないの
だけど、また
始められるように戻ってきてほしいな
私はまだ、君をあの街で待ってるよ
君のじゃない、別のお家で
君じゃない人と一緒に
Ending Song
君がドアを閉めた後 / back number
転載防止のため、毎話末に[環流 虹向/エンディングノート]をつけています。

手を伸ばした先にいるのは誰ですか~愛しくて切なくて…憎らしいほど愛してる~【完結】
まぁ
恋愛
ワイン、ホテルの企画業務など大人の仕事、そして大人に切り離せない恋愛と…
「Ninagawa Queen's Hotel」
若きホテル王 蜷川朱鷺
妹 蜷川美鳥
人気美容家 佐井友理奈
「オークワイナリー」
国内ワイナリー最大手創業者一族 柏木龍之介
血縁関係のない兄妹と、その周辺の何角関係…?
華やかな人々が繰り広げる、フィクションです。
10 sweet wedding
国樹田 樹
恋愛
『十年後もお互い独身だったら、結婚しよう』 そんな、どこかのドラマで見た様な約束をした私達。 けれど十年後の今日、私は彼の妻になった。 ……そんな二人の、式後のお話。

包んで、重ねて ~歳の差夫婦の極甘新婚生活~
吉沢 月見
恋愛
ひたすら妻を溺愛する夫は50歳の仕事人間の服飾デザイナー、新妻は23歳元モデル。
結婚をして、毎日一緒にいるから、君を愛して君に愛されることが本当に嬉しい。
何もできない妻に料理を教え、君からは愛を教わる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる