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はれのちはるくん
213:10:12
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自分が何度も空を切る中、春馬くんとあもんさんは気持ち良い芯の音とホームランメロディを鳴らす。
私は無駄にカードを消費してから室内に戻って水分補給をしながら見てるだけで気持ちいいスイングをする2人と時間を過ごしていると、この時間には珍しく時音のブログが更新された。
けど、私が思っていたブログ更新ではなかったので思わず眉が寄る。
『1ヶ月ちょっと韓国行くことになった。』
その1つのメッセージと一緒にふてくされた顔を作る時音がベンチに座りながら大きなキャリーバックに抱きついている写真が送られていた。
きっとマネジャーさんか誰かが撮ったんだろうけど、もう空港なんだ。
私はもっと前から教えてほしかったと思ったけど、悠雪さんのことで精一杯だったから時音への返信が遅くなるのが嫌だけど当たり前になってしまった。
だから今こそ時音と会いたかったけど無理っぽい。
『体調に気をつけて。頑張ってね。』
行かないでとは言えないし、1ヶ月ちょっとは具体的に何日なのか聞きたいけどそれは自分の誕生日を祝えとわがままを言っているみたいで嫌だ。
自分でめんどくさい人が嫌いって言っていたのに、自分がめんどくさい人になりかけているのを感じていると最後にダブルホームランを打った2人が私の元に来た。
春馬「あもんさんすごいですね!部活入ってなかったんですよね?」
あもん「一応入ってたけど運動部ではなかったね。」
春馬「これぞ素質って奴ですね。」
と、私と一緒にお礼を言いに来たはずの春馬くんはあもんさんにしっかりごますりしてお金持ちの知識をインプットする準備をする。
あもん「幸来未は何部やったことある?」
幸来未「やったことないです。」
あもん「え?中学とか必ず入れって言われない?」
春馬「西宮は部活がめんどくさいから委員会2つ掛け持ちしてた時期があるらしいです。」
あもん「え!?何と何?」
幸来未「…保健と選挙管理です。」
私はずっと昔に一度だけ春馬くんに言ったことをおぼえられていて内心とても驚く。
春馬「高校も興味惹かれるものなかったから内緒でバイトしてたんだよね?」
幸来未「うん。お金あれば好きなもの買えるし。」
なんでそんなこと覚えてるんだろう…。
あんまり自分のことを話してこなかった分、このくらいしか話題にする情報がないってことかな。
あもん「へー。じゃあ仕事歴は俺より長いね。」
春馬「あもんさんっておいくつですか?」
あもん「今年で24だよ。」
え…?
私たちと同い年なの…?
あもん「みんなと同い年だよ。だから敬語使ってほしくないんだけどなんか言う機会逃しちゃうんだよねー。」
そう言ってあもんさんが近場のUFOキャッチャーの景品を見て飛びつく中、私と春馬くんは目を見合わせて驚きを共有する。
あもん「だから2人も敬語とさん付けやめてくれない?悠雪と紀莉哉みたいに俺の下で働いてるわけじゃないんだから。」
…そっか。
2人も同い年だけどあもんさんはオーナーだから敬語だったのか。
春馬「ちょっと抵抗あるけど…、改めてよろしく。」
あもん「うん!よろしく。幸来未もね。」
幸来未「あ…、うん。よろしく。」
あもん「久しぶりに同い年の友達出来て嬉しいっ。今日は焼肉食い放題行こっか。」
春馬「いいね。ここから10分かからないとこの牛丸行く?」
あもん「うわぁ…っ、懐かしい!行く!」
と、あもんさんはしっかりUFOキャッチャーで食いついていた柴犬のキーホルダーを取り、牛丸の食べ放題に目を輝かせる。
私はお金持ち同士で学生が通う焼肉店に行くとは思ってなかったけど、この2人のノスタルジーに合わせて今日を過ごすことにした。
環流 虹向/23:48
私は無駄にカードを消費してから室内に戻って水分補給をしながら見てるだけで気持ちいいスイングをする2人と時間を過ごしていると、この時間には珍しく時音のブログが更新された。
けど、私が思っていたブログ更新ではなかったので思わず眉が寄る。
『1ヶ月ちょっと韓国行くことになった。』
その1つのメッセージと一緒にふてくされた顔を作る時音がベンチに座りながら大きなキャリーバックに抱きついている写真が送られていた。
きっとマネジャーさんか誰かが撮ったんだろうけど、もう空港なんだ。
私はもっと前から教えてほしかったと思ったけど、悠雪さんのことで精一杯だったから時音への返信が遅くなるのが嫌だけど当たり前になってしまった。
だから今こそ時音と会いたかったけど無理っぽい。
『体調に気をつけて。頑張ってね。』
行かないでとは言えないし、1ヶ月ちょっとは具体的に何日なのか聞きたいけどそれは自分の誕生日を祝えとわがままを言っているみたいで嫌だ。
自分でめんどくさい人が嫌いって言っていたのに、自分がめんどくさい人になりかけているのを感じていると最後にダブルホームランを打った2人が私の元に来た。
春馬「あもんさんすごいですね!部活入ってなかったんですよね?」
あもん「一応入ってたけど運動部ではなかったね。」
春馬「これぞ素質って奴ですね。」
と、私と一緒にお礼を言いに来たはずの春馬くんはあもんさんにしっかりごますりしてお金持ちの知識をインプットする準備をする。
あもん「幸来未は何部やったことある?」
幸来未「やったことないです。」
あもん「え?中学とか必ず入れって言われない?」
春馬「西宮は部活がめんどくさいから委員会2つ掛け持ちしてた時期があるらしいです。」
あもん「え!?何と何?」
幸来未「…保健と選挙管理です。」
私はずっと昔に一度だけ春馬くんに言ったことをおぼえられていて内心とても驚く。
春馬「高校も興味惹かれるものなかったから内緒でバイトしてたんだよね?」
幸来未「うん。お金あれば好きなもの買えるし。」
なんでそんなこと覚えてるんだろう…。
あんまり自分のことを話してこなかった分、このくらいしか話題にする情報がないってことかな。
あもん「へー。じゃあ仕事歴は俺より長いね。」
春馬「あもんさんっておいくつですか?」
あもん「今年で24だよ。」
え…?
私たちと同い年なの…?
あもん「みんなと同い年だよ。だから敬語使ってほしくないんだけどなんか言う機会逃しちゃうんだよねー。」
そう言ってあもんさんが近場のUFOキャッチャーの景品を見て飛びつく中、私と春馬くんは目を見合わせて驚きを共有する。
あもん「だから2人も敬語とさん付けやめてくれない?悠雪と紀莉哉みたいに俺の下で働いてるわけじゃないんだから。」
…そっか。
2人も同い年だけどあもんさんはオーナーだから敬語だったのか。
春馬「ちょっと抵抗あるけど…、改めてよろしく。」
あもん「うん!よろしく。幸来未もね。」
幸来未「あ…、うん。よろしく。」
あもん「久しぶりに同い年の友達出来て嬉しいっ。今日は焼肉食い放題行こっか。」
春馬「いいね。ここから10分かからないとこの牛丸行く?」
あもん「うわぁ…っ、懐かしい!行く!」
と、あもんさんはしっかりUFOキャッチャーで食いついていた柴犬のキーホルダーを取り、牛丸の食べ放題に目を輝かせる。
私はお金持ち同士で学生が通う焼肉店に行くとは思ってなかったけど、この2人のノスタルジーに合わせて今日を過ごすことにした。
環流 虹向/23:48
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