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はれのちはるくん
224:19:46
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私は春馬くんと一緒に20分近く歩いた場所にある公園で、いつの間にか入れられていたストーカーアプリを消しやっと一息つき、時音にお祝いメッセージを送ったけど朝方近いからかすぐに返信は来なかった。
春馬「あそこに忘れ物あるなら俺が取りに行くけど、なんかある?」
幸来未「…服とか下着とかあるけど、諦める。」
春馬「そっか…。まあそのスウェットは俺がポストに詰め込んでおくから。」
幸来未「ありがと…。」
春馬「腹減ったからラーメン食うか。」
幸来未「…マンション裏の喜多方?」
春馬「そう。ここら辺、そこくらいしかない。」
と、春馬くんは笑いながら私のお腹を満たしにラーメン屋に連れてってくれた。
春馬「ここの煮卵うますぎな。」
幸来未「だね。1個あげる。」
私は半分に割れた煮卵をレンゲですくい、春馬くんの器に入れる。
春馬「え!?いいの?」
幸来未「うん。」
お礼っていうのにはショボすぎるけど、今はこれしか出来ないからしょうがない。
けど、春馬くんはとても嬉しそうにしてラーメンを食べ終え、本棚が増えた部屋に通してくれた。
幸来未「あれ?これ捨てちゃったんじゃないの?」
私は前の部屋からは無くなっていた漫画たちを指し、お湯を沸かす春馬くんに聞く。
春馬「捨てるわけないじゃん。置ける場所なかったし、なかなか読む時間ないから一旦実家に預けてた。」
…そうなんだ。
私の早とちりだったんだ。
なんか、ごめん。
私は心の中で春馬くんに謝り、戻ってきた漫画を選びすぐそばにあるベッド脇に座って読んでいると甘い香りがする緑茶を作った春馬くんが隣に座った。
春馬「…聞いていい?」
幸来未「何を?」
私は主語のない質問に首を傾げ、読んでいた漫画を一旦自分の膝に置く。
春馬「紀莉哉が50万搾り取ったって…言ってたの、気になってて…。」
幸来未「ああ、それは悠雪と別れるため。さっきポストに入れた封筒はそのお金だよ。」
春馬「悠雪は片想いの相手だったんじゃないの?」
幸来未「前に違うって言ったじゃん。」
春馬「んー…、そっか…。まあ、ちょっとおかしくなってたしな…。」
と、春馬くんは今日の2人を見て自分の知ってる2人とは別人な行動に頭を悩ませる。
幸来未「私は片想いを忘れるために悠雪を使った。悠雪は自分だけに服従する彼女が欲しくて私の髪まで切った。お互い自分のことしか考えてない恋人同士だったからこんな風になってなくても別れてた。」
春馬「…別れられてるのかな。」
幸来未「さすがに…、別れたと思ってくれるはず…。」
春馬「あの嫉妬と執着を見たらまだ付き合えてると思ってそうだけど…。」
…確かに。
別れるって言って勢いで家を飛び出して、ヘアカットして悠雪さんに会いに行った時、悠雪さんは平然と私を抱きしめて新しい髪型を褒めてキスをしてきた。
自分の言ったように行動してくれる“彼女”が機嫌を直して帰って来てくれた。
そう思ったのかもしれない。
幸来未「疲れたから寝よ…。」
私はベッド端にある毛布に手を伸ばしてソファーに行こうとすると春馬くんがそれを止めた。
春馬「ベッド。使っていいよ。」
幸来未「…いい。」
春馬「疲れてる時はちゃんとしたとこで寝ないと。」
そう言って春馬くんは私を無理矢理ベッドに寝かせて自分はベッド端で私に背を向けるように横になって電気を消した。
春馬「家まで送るから。出る前に起こして。」
幸来未「…うん。」
春馬「おやすみ。」
幸来未「おやすみ…。」
私はすぐに寝息を立て始める春馬くんに近づき、時音よりも少し肉づきがよく大きな背中を抱き枕にして眠りについた。
環流 虹向/23:48
春馬「あそこに忘れ物あるなら俺が取りに行くけど、なんかある?」
幸来未「…服とか下着とかあるけど、諦める。」
春馬「そっか…。まあそのスウェットは俺がポストに詰め込んでおくから。」
幸来未「ありがと…。」
春馬「腹減ったからラーメン食うか。」
幸来未「…マンション裏の喜多方?」
春馬「そう。ここら辺、そこくらいしかない。」
と、春馬くんは笑いながら私のお腹を満たしにラーメン屋に連れてってくれた。
春馬「ここの煮卵うますぎな。」
幸来未「だね。1個あげる。」
私は半分に割れた煮卵をレンゲですくい、春馬くんの器に入れる。
春馬「え!?いいの?」
幸来未「うん。」
お礼っていうのにはショボすぎるけど、今はこれしか出来ないからしょうがない。
けど、春馬くんはとても嬉しそうにしてラーメンを食べ終え、本棚が増えた部屋に通してくれた。
幸来未「あれ?これ捨てちゃったんじゃないの?」
私は前の部屋からは無くなっていた漫画たちを指し、お湯を沸かす春馬くんに聞く。
春馬「捨てるわけないじゃん。置ける場所なかったし、なかなか読む時間ないから一旦実家に預けてた。」
…そうなんだ。
私の早とちりだったんだ。
なんか、ごめん。
私は心の中で春馬くんに謝り、戻ってきた漫画を選びすぐそばにあるベッド脇に座って読んでいると甘い香りがする緑茶を作った春馬くんが隣に座った。
春馬「…聞いていい?」
幸来未「何を?」
私は主語のない質問に首を傾げ、読んでいた漫画を一旦自分の膝に置く。
春馬「紀莉哉が50万搾り取ったって…言ってたの、気になってて…。」
幸来未「ああ、それは悠雪と別れるため。さっきポストに入れた封筒はそのお金だよ。」
春馬「悠雪は片想いの相手だったんじゃないの?」
幸来未「前に違うって言ったじゃん。」
春馬「んー…、そっか…。まあ、ちょっとおかしくなってたしな…。」
と、春馬くんは今日の2人を見て自分の知ってる2人とは別人な行動に頭を悩ませる。
幸来未「私は片想いを忘れるために悠雪を使った。悠雪は自分だけに服従する彼女が欲しくて私の髪まで切った。お互い自分のことしか考えてない恋人同士だったからこんな風になってなくても別れてた。」
春馬「…別れられてるのかな。」
幸来未「さすがに…、別れたと思ってくれるはず…。」
春馬「あの嫉妬と執着を見たらまだ付き合えてると思ってそうだけど…。」
…確かに。
別れるって言って勢いで家を飛び出して、ヘアカットして悠雪さんに会いに行った時、悠雪さんは平然と私を抱きしめて新しい髪型を褒めてキスをしてきた。
自分の言ったように行動してくれる“彼女”が機嫌を直して帰って来てくれた。
そう思ったのかもしれない。
幸来未「疲れたから寝よ…。」
私はベッド端にある毛布に手を伸ばしてソファーに行こうとすると春馬くんがそれを止めた。
春馬「ベッド。使っていいよ。」
幸来未「…いい。」
春馬「疲れてる時はちゃんとしたとこで寝ないと。」
そう言って春馬くんは私を無理矢理ベッドに寝かせて自分はベッド端で私に背を向けるように横になって電気を消した。
春馬「家まで送るから。出る前に起こして。」
幸来未「…うん。」
春馬「おやすみ。」
幸来未「おやすみ…。」
私はすぐに寝息を立て始める春馬くんに近づき、時音よりも少し肉づきがよく大きな背中を抱き枕にして眠りについた。
環流 虹向/23:48
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