65 / 111
おれたちともだち
259:06:43
しおりを挟む
私はあもんさんに入れ知恵され、凛太郎さんとあもんさんにボコボコに蹴られている悠雪さんに駆け寄り即興劇を終わらせる。
あもん「言っただろ。俺の弟コケにすんなって。」
凛太郎「一応顔で買った従業員なんで、顔だけは許しますよ。」
と、ゲロまみれの悠雪さんの顔に2人は唾を吐き、中へ戻っていった。
悠雪「…ここみぃ、いたぁ…いっ。」
幸来未「殴られて痛くない人なんていないよ。だからこれからはやっちゃダメ。約束ね。」
私は悠雪さんの顔を拭きながら小指を出すと悠雪さんはすぐに両手で掴んできた。
悠雪「ここみ…、すき…っ。」
幸来未「…人を殴る人は好きじゃない。だから今からやめて。」
悠雪「おれのこと…、きらいなの…。」
と、悠雪さんは殴られても涙を流さなかったのに今更になって涙で地面を濡らした。
幸来未「次に誰か殴ったらそうなるかも。だから殴らない約束して。」
悠雪「…わかったぁ。」
そう言って悠雪さんは吐きそうな声で指切りげんまんを歌い、喉奥に残っていただろうものを全て吐くとゆっくりと自分の力で立ち上がった。
悠雪「はぁ…。つかれた…。」
こっちのセリフだよ…。
なんで好きじゃなくなった人の介抱しないといけないんだろう。
そう思いながら私は悠雪さんに肩を貸し事件のあったロビーに戻ると、紀莉哉さんがど真ん中のソファーを1人で陣取りこちらを見ていた。
悠雪「紀莉哉…、疲れた…。」
紀莉哉「だろな。とりあえず帰るぞ。」
と言って紀莉哉さんは私も一緒にタクシーに乗せて悠雪さんの家に行き、悠雪さんのゲロ臭い服を脱がせベッドに寝かせた。
紀莉哉「話。時間あるだろ?」
紀莉哉さんはいつもの顔は見せず、私にとても冷たい態度を取ってリビングに入った。
私はまた嫌な時間が始まると分かりながらも、逃げることはできずにリビングに行き紀莉哉さんが座ったソファーの端に座った。
紀莉哉「なんでああなった?」
幸来未「…悠雪から聞いてないの?」
紀莉哉「ずっと幸来未が店長とキスしたって騒いでてちゃんとは知れてない。」
友達の言葉は鵜呑みにしないんだ…。
ってことは、こう言うの何度かあったってことなのかな…。
幸来未「悠雪がトイレでしたいって言ってきたの断ったら首と舌噛まれて、悠雪が抜くって言ったからトイレから出たらたまたま凛太郎さんと会って口をゆすぎに行こうって駐車場裏に引っ張られてたら悠雪がそれ見て勘違いしたんだと思う。」
紀莉哉「なんでそれでキスしたって勘違いするんだよ。」
幸来未「凛太郎さんは私とぶつかった時に口を切ったと思ってたから『僕のせい』って言っちゃったのを悠雪が勘違いしたんだと思う…。」
紀莉哉「…なるほどな。」
紀莉哉さんは大きなため息をついてソファーに寝転がり、足1つを私の膝の上に置いた。
紀莉哉「悠雪のこと、嫌い?」
幸来未「…嫌いっていうか、怖いかな。」
紀莉哉「けど、悠雪は幸来未に一途だよ。心配かけなければあんな事にならないよ。」
幸来未「…別れたいかも。」
私が甘栗程度の大きさで本音を呟くと、紀莉哉さんは足で私の顎を少し強めに突き上げた。
紀莉哉「それ、悠雪の前では禁句な。毎回別れ話で揉め事起きんのになんで今回は暴れたんだろな…。」
と、紀莉哉さんは考え事をしながらしれっと私の胸を足で突き、柔らかさを確かめるように撫で終えると体を起こした。
紀莉哉「一応別れさせることは出来るけど、今は無理。一旦、悠雪と仲直りしてからな。」
幸来未「…どうやって別れられるの?」
紀莉哉「…別れたいんだ?」
私は本音を言いすぎた紀莉哉さんに冷たい目で見られ心臓が凍りつきそうになると、リビングの扉が開く音がした。
悠雪「…みず。」
と、パンツ1枚の悠雪さんが意識朦朧気味に部屋に入ってきた。
紀莉哉「スポドリと水は冷蔵庫に入れておいたから。俺は一旦帰る。」
幸来未「じゃあ、私も…」
紀莉哉「仲直り。」
と、立ち上がろうとした私の肩を紀莉哉さんは押さえつけてソファーに座らせた。
悠雪「ありがとう…。明日のシフト…」
紀莉哉「分かってる。俺が代わるから2人でゆっくりしなよ。」
そう言う紀莉哉さんは私に嫌な笑顔を見せて、私を頷かせた。
悠雪「2人とも、ありがとう。大好きっ。」
悠雪さんは嬉しそうに私と紀莉哉さんを抱きしめて頬にキスをした。
紀莉哉「その続きは幸来未とね。」
と、紀莉哉さんはわざとらしくその言葉を残し、私を置いていった。
悠雪「したいけど、疲れてるから…。」
幸来未「大丈夫。今日はゆっくり寝よ?明日の朝、ご飯食べれそうだったら私が作るよ。」
悠雪「…いいの?」
幸来未「うん。いつも作ってもらってるし。」
悠雪「幸来未…、好きっ。」
そう言って悠雪さんは私を力強く抱きしめてくれたけど私は同じくらいの気持ちで抱きしめ返すことはできなかった。
環流 虹向/23:48
あもん「言っただろ。俺の弟コケにすんなって。」
凛太郎「一応顔で買った従業員なんで、顔だけは許しますよ。」
と、ゲロまみれの悠雪さんの顔に2人は唾を吐き、中へ戻っていった。
悠雪「…ここみぃ、いたぁ…いっ。」
幸来未「殴られて痛くない人なんていないよ。だからこれからはやっちゃダメ。約束ね。」
私は悠雪さんの顔を拭きながら小指を出すと悠雪さんはすぐに両手で掴んできた。
悠雪「ここみ…、すき…っ。」
幸来未「…人を殴る人は好きじゃない。だから今からやめて。」
悠雪「おれのこと…、きらいなの…。」
と、悠雪さんは殴られても涙を流さなかったのに今更になって涙で地面を濡らした。
幸来未「次に誰か殴ったらそうなるかも。だから殴らない約束して。」
悠雪「…わかったぁ。」
そう言って悠雪さんは吐きそうな声で指切りげんまんを歌い、喉奥に残っていただろうものを全て吐くとゆっくりと自分の力で立ち上がった。
悠雪「はぁ…。つかれた…。」
こっちのセリフだよ…。
なんで好きじゃなくなった人の介抱しないといけないんだろう。
そう思いながら私は悠雪さんに肩を貸し事件のあったロビーに戻ると、紀莉哉さんがど真ん中のソファーを1人で陣取りこちらを見ていた。
悠雪「紀莉哉…、疲れた…。」
紀莉哉「だろな。とりあえず帰るぞ。」
と言って紀莉哉さんは私も一緒にタクシーに乗せて悠雪さんの家に行き、悠雪さんのゲロ臭い服を脱がせベッドに寝かせた。
紀莉哉「話。時間あるだろ?」
紀莉哉さんはいつもの顔は見せず、私にとても冷たい態度を取ってリビングに入った。
私はまた嫌な時間が始まると分かりながらも、逃げることはできずにリビングに行き紀莉哉さんが座ったソファーの端に座った。
紀莉哉「なんでああなった?」
幸来未「…悠雪から聞いてないの?」
紀莉哉「ずっと幸来未が店長とキスしたって騒いでてちゃんとは知れてない。」
友達の言葉は鵜呑みにしないんだ…。
ってことは、こう言うの何度かあったってことなのかな…。
幸来未「悠雪がトイレでしたいって言ってきたの断ったら首と舌噛まれて、悠雪が抜くって言ったからトイレから出たらたまたま凛太郎さんと会って口をゆすぎに行こうって駐車場裏に引っ張られてたら悠雪がそれ見て勘違いしたんだと思う。」
紀莉哉「なんでそれでキスしたって勘違いするんだよ。」
幸来未「凛太郎さんは私とぶつかった時に口を切ったと思ってたから『僕のせい』って言っちゃったのを悠雪が勘違いしたんだと思う…。」
紀莉哉「…なるほどな。」
紀莉哉さんは大きなため息をついてソファーに寝転がり、足1つを私の膝の上に置いた。
紀莉哉「悠雪のこと、嫌い?」
幸来未「…嫌いっていうか、怖いかな。」
紀莉哉「けど、悠雪は幸来未に一途だよ。心配かけなければあんな事にならないよ。」
幸来未「…別れたいかも。」
私が甘栗程度の大きさで本音を呟くと、紀莉哉さんは足で私の顎を少し強めに突き上げた。
紀莉哉「それ、悠雪の前では禁句な。毎回別れ話で揉め事起きんのになんで今回は暴れたんだろな…。」
と、紀莉哉さんは考え事をしながらしれっと私の胸を足で突き、柔らかさを確かめるように撫で終えると体を起こした。
紀莉哉「一応別れさせることは出来るけど、今は無理。一旦、悠雪と仲直りしてからな。」
幸来未「…どうやって別れられるの?」
紀莉哉「…別れたいんだ?」
私は本音を言いすぎた紀莉哉さんに冷たい目で見られ心臓が凍りつきそうになると、リビングの扉が開く音がした。
悠雪「…みず。」
と、パンツ1枚の悠雪さんが意識朦朧気味に部屋に入ってきた。
紀莉哉「スポドリと水は冷蔵庫に入れておいたから。俺は一旦帰る。」
幸来未「じゃあ、私も…」
紀莉哉「仲直り。」
と、立ち上がろうとした私の肩を紀莉哉さんは押さえつけてソファーに座らせた。
悠雪「ありがとう…。明日のシフト…」
紀莉哉「分かってる。俺が代わるから2人でゆっくりしなよ。」
そう言う紀莉哉さんは私に嫌な笑顔を見せて、私を頷かせた。
悠雪「2人とも、ありがとう。大好きっ。」
悠雪さんは嬉しそうに私と紀莉哉さんを抱きしめて頬にキスをした。
紀莉哉「その続きは幸来未とね。」
と、紀莉哉さんはわざとらしくその言葉を残し、私を置いていった。
悠雪「したいけど、疲れてるから…。」
幸来未「大丈夫。今日はゆっくり寝よ?明日の朝、ご飯食べれそうだったら私が作るよ。」
悠雪「…いいの?」
幸来未「うん。いつも作ってもらってるし。」
悠雪「幸来未…、好きっ。」
そう言って悠雪さんは私を力強く抱きしめてくれたけど私は同じくらいの気持ちで抱きしめ返すことはできなかった。
環流 虹向/23:48
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
お知らせ有り※※束縛上司!~溺愛体質の上司の深すぎる愛情~
ひなの琴莉
恋愛
イケメンで完璧な上司は自分にだけなぜかとても過保護でしつこい。そんな店長に秘密を握られた。秘密をすることに交換条件として色々求められてしまう。 溺愛体質のヒーロー☓地味子。ドタバタラブコメディ。
2021/3/10
しおりを挟んでくださっている皆様へ。
こちらの作品はすごく昔に書いたのをリメイクして連載していたものです。
しかし、古い作品なので……時代背景と言うか……いろいろ突っ込みどころ満載で、修正しながら書いていたのですが、やはり難しかったです(汗)
楽しい作品に仕上げるのが厳しいと判断し、連載を中止させていただくことにしました。
申しわけありません。
新作を書いて更新していきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
お詫びに過去に書いた原文のママ載せておきます。
修正していないのと、若かりし頃の作品のため、
甘めに見てくださいm(__)m
10 sweet wedding
国樹田 樹
恋愛
『十年後もお互い独身だったら、結婚しよう』 そんな、どこかのドラマで見た様な約束をした私達。 けれど十年後の今日、私は彼の妻になった。 ……そんな二人の、式後のお話。
憧れのあなたとの再会は私の運命を変えました~ハッピーウェディングは御曹司との偽装恋愛から始まる~
けいこ
恋愛
15歳のまだ子どもだった私を励まし続けてくれた家庭教師の「千隼先生」。
私は密かに先生に「憧れ」ていた。
でもこれは、恋心じゃなくただの「憧れ」。
そう思って生きてきたのに、10年の月日が過ぎ去って25歳になった私は、再び「千隼先生」に出会ってしまった。
久しぶりに会った先生は、男性なのにとんでもなく美しい顔立ちで、ありえない程の大人の魅力と色気をまとってた。
まるで人気モデルのような文句のつけようもないスタイルで、その姿は周りを魅了して止まない。
しかも、高級ホテルなどを世界展開する日本有数の大企業「晴月グループ」の御曹司だったなんて…
ウエディングプランナーとして働く私と、一緒に仕事をしている仲間達との関係、そして、家族の絆…
様々な人間関係の中で進んでいく新しい展開は、毎日何が起こってるのかわからないくらい目まぐるしくて。
『僕達の再会は…本当の奇跡だ。里桜ちゃんとの出会いを僕は大切にしたいと思ってる』
「憧れ」のままの存在だったはずの先生との再会。
気づけば「千隼先生」に偽装恋愛の相手を頼まれて…
ねえ、この出会いに何か意味はあるの?
本当に…「奇跡」なの?
それとも…
晴月グループ
LUNA BLUホテル東京ベイ 経営企画部長
晴月 千隼(はづき ちはや) 30歳
×
LUNA BLUホテル東京ベイ
ウエディングプランナー
優木 里桜(ゆうき りお) 25歳
うららかな春の到来と共に、今、2人の止まった時間がキラキラと鮮やかに動き出す。
エンディングノート
環流 虹向
恋愛
出会って、付き合って、別れるまでのエンディングノート
[主人公]采原 明人/さいはら めりは、社会人2年目で毎日を多忙に過ごし癒しゼロ。
けれど、そんな明人にオアシスが現れた。
2021/09/30 完結しましたが改めて校正したいので一旦全話非公開にして、また順次投稿します。
11/27から19:00に更新していきます。
君と出会って
君と付き合って
君とお別れするまでが綴られている
私が書いた、もぐもぐノート
君がいる、あの時に戻りたいと思った時は
いつもこのノートに綴られたごはんを食べるんだ
そしたらあの日、君と食べたごはんが
1番美味しかったって思い出せるから
だから、このノートにはもうペンを走らせない
これは君と私のエンディングノートだから
他の人とのもぐもぐ日記はいらないの
だけど、また
始められるように戻ってきてほしいな
私はまだ、君をあの街で待ってるよ
君のじゃない、別のお家で
君じゃない人と一緒に
Ending Song
君がドアを閉めた後 / back number
転載防止のため、毎話末に[環流 虹向/エンディングノート]をつけています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる