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木の下のまちびと
280:02:37
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時音の『好き』と『可愛い』とキスの雨が身体中に降り注いで、本当に今の時音はいつもの時音ではないことが分かった。
この2つの言葉は芝居してるときに言われたくなかったなと私がひっそり思っていると、私のグミを指で押しながら食べまくった時音の顔が私の顔前に戻ってきた。
時音「幸来未、好きだよ。」
幸来未「…うん。私も好き。」
私は流れに合わせてそう言うと時音は嬉しそうな顔をしてずっと中でうごめかしていた指を離し、そのままエクレアを私に食べさせた。
そのエクレアがいつも以上に硬くて熱々なのを感じていると、時音は濡れた手で私の頭を鷲掴みにして舌を吸い上げるようなキスをしてきた。
私はその行動に初彼を思い出してしまい、もうやめてもらおうと時音の腰へ手を伸ばすとその手と腰を一緒に時音は掴み、雑に腰を躍らせ始めた。
幸来未「もうやだ…っ。」
私が泣きそうなのを堪えて声を振り絞りそう伝えたけど、時音には届いてなかったのか全くやめてくれない。
時音「…いきそ。」
と、重く長い前髪で目の前が見えなくなった時音は少し緩んだ口元からそう溢れるように一言呟いた。
けど、私は乱暴な時音のまま終わってほしくなくて腕に力を入れてなんとか逃げようとするけどどうしても勝てない。
幸来未「…やだ。…すとっぷ。」
時音「焦らさないで。」
役に入り込んでしまっているのか、いつも出来ない欲の暴走を抑えきれないのか、私には理解できなくなった時音は一段と力強く腰を打ち付けてきた。
私は時音に初彼が憑依したように感じて体全身が震え、中を締め付けてしまうと時音が喉奥からざらついた吐息を出した。
その全てが時音じゃないのを私は嫌になり、我慢していた涙がこぼれ落ちてしまうけど時音は前髪で見えないらしい。
幸来未「…おねがいっ、おわり。時音、やめて。」
私が涙声で最後に振り絞って声を出すと、前髪を顔でどかして見せてくれた血色の良い時音の顔がだんだんと青白くなる。
時音「…ごめん。ごめんね、気づかなかった…っ。」
と、時音は涙目で私に抱きつき、ゆっくりと腰を私から離してエクレアをお腹上に置いた。
するとそこには私の知らない間につけられたゴムがあって、お芝居をしてても時音がいたことを教えてくれた。
時音「泣かせちゃった…。ごめんね、もう絶対幸来未の前でしないから。」
幸来未「…うんっ。」
私はやっと戻ってきた時音に抱きつき、怖かった思いを吸い取ってもらう。
やっぱり演技も嘘も私はされるのが嫌っぽい。
自分から言ったことだけど、言っちゃって後悔してる。
初彼のことを思い出したし、時音本人にはずっと言って欲しかったことを芝居中に言われちゃうし、嫌な思い出をまた増やすところだった。
これからは時音のままで私と一緒にいてもらおう。
時音「…続き、今出来ないから休憩しよ?」
幸来未「うん…。」
よかった。私もそう思ってたとこ。
これで始めちゃったら時音も怖い人になっちゃってたからそう言ってくれたの嬉しい。
私は時音にゆっくりと抱き起こしてもらい、玄関に置きっぱにしていた買い物袋を取ってきてもらって2人で一緒にげんこつ1つ分の小さな梅酒を分け合う。
時音「ぬるくなっちゃったね。」
幸来未「お芝居の代償だね。しょうがないよ。」
時音「…ごめんね。」
幸来未「いいよ。私が勝手に言い出したんだもん。」
時音「けど、泣かせるまで気づけなかった…。」
と、時音はあの日のように枕に顔を埋めて分かりやすく落ち込む。
やっぱり分かりやすい時音が好きだな。
恋愛のめんどくさいやりとりなんかせずにこんな風に体と表情で感情を表しちゃうんだもん。
それが時々チクっと心臓を刺してくるけど、それは私が時音じゃないメイトくんを見つければいいだけの話。
ちゃんと悠雪さんのこと、考えてみよう。
私はそう考えるきっかけをくれた時音の背中に抱きつき、少しの間寝て休むことにした。
環流 虹向/23:48
この2つの言葉は芝居してるときに言われたくなかったなと私がひっそり思っていると、私のグミを指で押しながら食べまくった時音の顔が私の顔前に戻ってきた。
時音「幸来未、好きだよ。」
幸来未「…うん。私も好き。」
私は流れに合わせてそう言うと時音は嬉しそうな顔をしてずっと中でうごめかしていた指を離し、そのままエクレアを私に食べさせた。
そのエクレアがいつも以上に硬くて熱々なのを感じていると、時音は濡れた手で私の頭を鷲掴みにして舌を吸い上げるようなキスをしてきた。
私はその行動に初彼を思い出してしまい、もうやめてもらおうと時音の腰へ手を伸ばすとその手と腰を一緒に時音は掴み、雑に腰を躍らせ始めた。
幸来未「もうやだ…っ。」
私が泣きそうなのを堪えて声を振り絞りそう伝えたけど、時音には届いてなかったのか全くやめてくれない。
時音「…いきそ。」
と、重く長い前髪で目の前が見えなくなった時音は少し緩んだ口元からそう溢れるように一言呟いた。
けど、私は乱暴な時音のまま終わってほしくなくて腕に力を入れてなんとか逃げようとするけどどうしても勝てない。
幸来未「…やだ。…すとっぷ。」
時音「焦らさないで。」
役に入り込んでしまっているのか、いつも出来ない欲の暴走を抑えきれないのか、私には理解できなくなった時音は一段と力強く腰を打ち付けてきた。
私は時音に初彼が憑依したように感じて体全身が震え、中を締め付けてしまうと時音が喉奥からざらついた吐息を出した。
その全てが時音じゃないのを私は嫌になり、我慢していた涙がこぼれ落ちてしまうけど時音は前髪で見えないらしい。
幸来未「…おねがいっ、おわり。時音、やめて。」
私が涙声で最後に振り絞って声を出すと、前髪を顔でどかして見せてくれた血色の良い時音の顔がだんだんと青白くなる。
時音「…ごめん。ごめんね、気づかなかった…っ。」
と、時音は涙目で私に抱きつき、ゆっくりと腰を私から離してエクレアをお腹上に置いた。
するとそこには私の知らない間につけられたゴムがあって、お芝居をしてても時音がいたことを教えてくれた。
時音「泣かせちゃった…。ごめんね、もう絶対幸来未の前でしないから。」
幸来未「…うんっ。」
私はやっと戻ってきた時音に抱きつき、怖かった思いを吸い取ってもらう。
やっぱり演技も嘘も私はされるのが嫌っぽい。
自分から言ったことだけど、言っちゃって後悔してる。
初彼のことを思い出したし、時音本人にはずっと言って欲しかったことを芝居中に言われちゃうし、嫌な思い出をまた増やすところだった。
これからは時音のままで私と一緒にいてもらおう。
時音「…続き、今出来ないから休憩しよ?」
幸来未「うん…。」
よかった。私もそう思ってたとこ。
これで始めちゃったら時音も怖い人になっちゃってたからそう言ってくれたの嬉しい。
私は時音にゆっくりと抱き起こしてもらい、玄関に置きっぱにしていた買い物袋を取ってきてもらって2人で一緒にげんこつ1つ分の小さな梅酒を分け合う。
時音「ぬるくなっちゃったね。」
幸来未「お芝居の代償だね。しょうがないよ。」
時音「…ごめんね。」
幸来未「いいよ。私が勝手に言い出したんだもん。」
時音「けど、泣かせるまで気づけなかった…。」
と、時音はあの日のように枕に顔を埋めて分かりやすく落ち込む。
やっぱり分かりやすい時音が好きだな。
恋愛のめんどくさいやりとりなんかせずにこんな風に体と表情で感情を表しちゃうんだもん。
それが時々チクっと心臓を刺してくるけど、それは私が時音じゃないメイトくんを見つければいいだけの話。
ちゃんと悠雪さんのこと、考えてみよう。
私はそう考えるきっかけをくれた時音の背中に抱きつき、少しの間寝て休むことにした。
環流 虹向/23:48
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