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木の下のまちびと
283:02:42
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んー…、どうなんだろう。
私はお目当ての映画が見られてウキウキ気分だったけど、熟成梅酒に釣られて悠雪さんの家に来てしまった。
けど、一応電車はまだあるし大丈夫だよね?
そう自分に言い聞かせて美味しすぎる梅酒を氷いっぱいのロックグラスで呑んでいると、オススメDVDを3本悠雪さんが持ってきてくれた。
悠雪「一応ディスクが傷ついてないか確認したけど見れなかったら教えて。」
幸来未「うん。ありがとう。」
私は悠雪さんに借りたDVD3本をカバンに入れて、梅酒を飲み切ろうとグラスに手をかけると悠雪さんがコンっと梅酒が入った綺麗なガラス細工の瓶の口元を乗せてきた。
悠雪「もういっぱい?」
…呑みたいけど、もう1杯呑んで大丈夫かな?
まだ酔ってはないし、こんな梅酒はスーパーで売ってるわけないし、たまに行く酒屋さんでもお見かけしない。
私が自分の欲と今の状況に悩んでいると、悠雪さんは私の答えも聞かずにグラスの中に梅酒を入れてしまった。
悠雪「俺も呑もっと。」
そう言って悠雪さんはそばに置いていた空のグラスを取り、アイスペールから大きめの氷を自分のグラスに入れて冷えるようにゆっくりと梅酒を入れた。
悠雪「乾杯。」
幸来未「…乾杯。」
私は夜のニュースを見ているフリをして終電の2本前の時間に間に合うためこの家から出る時間を計算をしていると、悠雪さんが突然私の顔を覗き込んできて驚く。
悠雪「眠い…?」
幸来未「映画楽しみだなって考えてただけ。」
悠雪「そっか。幸来未は結構映画好きなんだね?」
幸来未「うん。物語見るの好きだから漫画も小説も読むよ。」
悠雪「レビュー見てから買う派?それともお店に行って勘で買う派?」
幸来未「勘かな?題名で目を惹かれたのは一旦手に持ってお金の都合で買うか考える。」
悠雪「俺と一緒!漫画は単行本?本誌?」
幸来未「単行本。だからあんまりSNS見ないようにしてる。」
悠雪「分かるー。とりあえずHPの情報だけでいいよね。」
さっきまでそんなに話が盛り上がらなかったのはなんだったのかと思うくらい私は悠雪さんと価値観が一致して少し気持ちが高鳴る。
そんな私は琥珀色の梅酒を悠雪さんと一緒に半分以上呑んでしまい、終電も逃した。
これは本当にバカすぎる。
けど、あの日『メイトくん』の説明をぴったり当てた悠雪さんは私の思っていることに歯車をカチッと合わせるように当ててきてどうしても話が弾んでしまう。
私はこの人なら普通の友達になれるかもと久しぶりの淡い期待を抱きながらトイレから戻ると、悠雪さんは潤目でとろっとしたイタメレのような目でソファーの背もたれに体半分以上を預けるようにしてうなだれていた。
幸来未「だ、大丈夫?」
悠雪「…べっど。」
と、悠雪さんは私の肩を抱いて連れてけと何度も『ベッド』と繰り返す。
私が気づかない間に相当酔ってしまっていたらしい。
なんだか申し訳ないなと私は足腰を踏ん張って悠雪さんの上半身だけを背負って唯一案内されなかった部屋のドアを開けてみると、セミダブルのベッドが出窓下の中央に置いてありそれを囲おうように丸まったメモ用紙や服や下着、板チョコの紙くずが散らばっていた。
案内されたリビングはすごく整頓されていて物があまりないシンプルな印象だったけど、それとは正反対な寝室に私は短大時代の春馬くんのリュックサックを思い出す。
懐かしい気持ちになった私はなるべく悠雪さんの私物を足で踏みつけないように擦るように足を滑らせ、悠雪さんをベッドの上に座らせるようと自分のお尻と背中を使って座るような形を作るとそれと同時に悠雪さんがごろっとベッドに寝そべり、抱きつかれたままだった私も道連れにした。
幸来未「…びっくりした。」
私は突然の男性の力強さに驚いて動悸を感じていると、悠雪さんはうねうねと枕元へ動いて私を抱いたまま掛け布団をまとい耳に軽くキスしてきた。
悠雪「おやすみっ。」
幸来未「えっ…、あ、おやすみ…。」
私は悠雪さんがしっかり睡眠に入ったあと、抜け出してリビングのソファーに寝ようとしたけれど寝息を立てていてもずっと私を離してくれない悠雪さんに根負けしてそのまま一緒に眠ることにした。
環流 虹向/23:48
私はお目当ての映画が見られてウキウキ気分だったけど、熟成梅酒に釣られて悠雪さんの家に来てしまった。
けど、一応電車はまだあるし大丈夫だよね?
そう自分に言い聞かせて美味しすぎる梅酒を氷いっぱいのロックグラスで呑んでいると、オススメDVDを3本悠雪さんが持ってきてくれた。
悠雪「一応ディスクが傷ついてないか確認したけど見れなかったら教えて。」
幸来未「うん。ありがとう。」
私は悠雪さんに借りたDVD3本をカバンに入れて、梅酒を飲み切ろうとグラスに手をかけると悠雪さんがコンっと梅酒が入った綺麗なガラス細工の瓶の口元を乗せてきた。
悠雪「もういっぱい?」
…呑みたいけど、もう1杯呑んで大丈夫かな?
まだ酔ってはないし、こんな梅酒はスーパーで売ってるわけないし、たまに行く酒屋さんでもお見かけしない。
私が自分の欲と今の状況に悩んでいると、悠雪さんは私の答えも聞かずにグラスの中に梅酒を入れてしまった。
悠雪「俺も呑もっと。」
そう言って悠雪さんはそばに置いていた空のグラスを取り、アイスペールから大きめの氷を自分のグラスに入れて冷えるようにゆっくりと梅酒を入れた。
悠雪「乾杯。」
幸来未「…乾杯。」
私は夜のニュースを見ているフリをして終電の2本前の時間に間に合うためこの家から出る時間を計算をしていると、悠雪さんが突然私の顔を覗き込んできて驚く。
悠雪「眠い…?」
幸来未「映画楽しみだなって考えてただけ。」
悠雪「そっか。幸来未は結構映画好きなんだね?」
幸来未「うん。物語見るの好きだから漫画も小説も読むよ。」
悠雪「レビュー見てから買う派?それともお店に行って勘で買う派?」
幸来未「勘かな?題名で目を惹かれたのは一旦手に持ってお金の都合で買うか考える。」
悠雪「俺と一緒!漫画は単行本?本誌?」
幸来未「単行本。だからあんまりSNS見ないようにしてる。」
悠雪「分かるー。とりあえずHPの情報だけでいいよね。」
さっきまでそんなに話が盛り上がらなかったのはなんだったのかと思うくらい私は悠雪さんと価値観が一致して少し気持ちが高鳴る。
そんな私は琥珀色の梅酒を悠雪さんと一緒に半分以上呑んでしまい、終電も逃した。
これは本当にバカすぎる。
けど、あの日『メイトくん』の説明をぴったり当てた悠雪さんは私の思っていることに歯車をカチッと合わせるように当ててきてどうしても話が弾んでしまう。
私はこの人なら普通の友達になれるかもと久しぶりの淡い期待を抱きながらトイレから戻ると、悠雪さんは潤目でとろっとしたイタメレのような目でソファーの背もたれに体半分以上を預けるようにしてうなだれていた。
幸来未「だ、大丈夫?」
悠雪「…べっど。」
と、悠雪さんは私の肩を抱いて連れてけと何度も『ベッド』と繰り返す。
私が気づかない間に相当酔ってしまっていたらしい。
なんだか申し訳ないなと私は足腰を踏ん張って悠雪さんの上半身だけを背負って唯一案内されなかった部屋のドアを開けてみると、セミダブルのベッドが出窓下の中央に置いてありそれを囲おうように丸まったメモ用紙や服や下着、板チョコの紙くずが散らばっていた。
案内されたリビングはすごく整頓されていて物があまりないシンプルな印象だったけど、それとは正反対な寝室に私は短大時代の春馬くんのリュックサックを思い出す。
懐かしい気持ちになった私はなるべく悠雪さんの私物を足で踏みつけないように擦るように足を滑らせ、悠雪さんをベッドの上に座らせるようと自分のお尻と背中を使って座るような形を作るとそれと同時に悠雪さんがごろっとベッドに寝そべり、抱きつかれたままだった私も道連れにした。
幸来未「…びっくりした。」
私は突然の男性の力強さに驚いて動悸を感じていると、悠雪さんはうねうねと枕元へ動いて私を抱いたまま掛け布団をまとい耳に軽くキスしてきた。
悠雪「おやすみっ。」
幸来未「えっ…、あ、おやすみ…。」
私は悠雪さんがしっかり睡眠に入ったあと、抜け出してリビングのソファーに寝ようとしたけれど寝息を立てていてもずっと私を離してくれない悠雪さんに根負けしてそのまま一緒に眠ることにした。
環流 虹向/23:48
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