38 / 111
飛行船と宝物
381:09:11
しおりを挟む
私たちはあもんさんに高級すぎて味が不思議しすぎた中華料理をご馳走してもらい、デザートの味が変わらなくて美味しいごま団子までご馳走してもらっているとずっと床で出ていた凛太郎さんが起きて椅子に座った。
凛太郎「勝負は?」
あもん「俺の勝ち。」
凛太郎「どっちも?」
あもん「飛行船はまだ。」
結果を聞いた凛太郎さんはうなだれて次は空のお皿の上で寝始めた。
あもん「凛太郎のことは紀莉哉に任せた。」
紀莉哉「はーい。」
と、凛太郎さんのご飯を紀莉哉さんは箱詰めし始めた。
あもん「じゃあ、くるみのごま団子がなくなったら3人で移動するよ。」
幸来未「え?あ…、はい。」
私はまたあのサイコロゲームをするんだと思っていたのでゆったりと1人食べていたけれど、みんなの目線で一気にごま団子を詰め込み、出る準備をする。
佐々木「ごま。」
と、立ち上がって準備していた佐々木さんは私の唇の端を人差し指でなぞり、ごまを口の中に入れ込んできた。
私はそのことに驚いて思わず口を開けてしまい、逆によだれを口端から垂らすとジャケットを着直したあもんさんが新しいおしぼりを渡してくれた。
私は顔を引いて佐々木さんの指を自分の口から離し、貰ったおしぼりで口を拭う。
あもん「ロビーで待ってるからトイレ行きたかったら今のうちに行っておいて。」
幸来未「…ぁい。」
私はおしぼりで口元を隠しながら先に会計をしに行ったあもんさんに返事をして、近場のトイレに走った。
…びっくりした。
あんな風に口拭って指入れてくるの、男の人たちの中で流行ってるのかな。
私は食事で落ちてしまったリップを塗り直し、エレベーター前で待っていた佐々木さんと一緒に1階に降り、お店のロビーにあるソファーで大きなリュックを大切に抱えているあもんさんに駆け寄る。
佐々木「お待たせしました。」
あもん「よし。じゃあタクシー呼んだから公園行こう。」
…公園?
私は金持ちの道楽が分からなすぎて困惑したまま、若干狭い真ん中の席で大きめな大人2人に挟まれながら、夕方になって涼しげなサッカーが出来るくらいの大きな公園に来た。
あもん「よし。靴ゴルフするぞっ。」
と言って、あもんさんは体を柔軟し始めた。
佐々木「…西宮さん不利じゃないですか?」
…その感じ、嫌だな。
多分、体格不利だと思われてるんだよね?
あもん「ううん。この間、会社帰りに新人の女の子とやったんだけど負けたんだよね。」
佐々木「じゃあ…、大丈夫か…。」
あもん「見た目だけで人を決めつけるのは人間じゃないぞ。」
そう言ってくれるのは嬉しい。
けど、体動かす系は苦手なんだよな。
佐々木「ごめんなさい。そういうつもりで言ったわけじゃ…」
幸来未「大丈夫です。慣れてます。」
あもん「大丈夫じゃないです。傷つきました。」
幸来未「え?」
あもん「そんな顔してる。俺、人を見る目はそこそこあるから。」
佐々木「…すみませんでした。」
幸来未「あ…。い、いえ…。」
私は気まずい雰囲気なのが耐えられなくなり、1人で少し先に見つけたベンチに荷物を置こうとすると、あもんさんに呼び止められた。
あもん「そこには120万入ってるんだよね?」
幸来未「え…、あ、はい。」
あもん「なのに盗まれたらどうにもならない距離においちゃうの?」
…いい人なのは分かるけど、ちょっと怖いな。
幸来未「すみません。危機管理、足りてませんでした。」
私はベンチに行こうとしていた足を2人がいる場所に戻し、2人がしてるようにスニーカーの靴紐を緩める。
幸来未「…えっと、靴ゴルフって何するんですか?」
佐々木「靴を足で放り投げて、1番少ない振りでゴールした人の勝ちです。」
あもん「ゴールはー…、あそこ。あの時計灯の下。」
そう言ってあもんさんは草はらで裸足になり、自分の革靴と靴下でスタートラインを作った。
あもん「ここからあそこまで大体200m。穴はないからあの時計灯のポールに当てられたら勝ち。ポールチャレンジは5m前固定ね。」
じゃあ、2人がいい感じに外してくれたら私の勝ち目もあるのか。
私は気合を入れるためにあもんさんと同じく裸足になった。
佐々木「俺の片側の靴履きます?」
幸来未「いえ。これで大丈夫です。」
あもん「それじゃあ、俺から行くよー。」
あもんさんは勢いをつけて靴を蹴り出すと、靴は公園の3分の1地点に落ちた。
…勝ち目あるって思った私がバカだった。
その後、交互に靴を投げ飛ばし、私が時計灯に届く距離にやっと繋いだけれど、10手前からポールに挑戦していた佐々木さんが見事当てて今日の勝者になってしまった。
あもん「飛行船とくるみ物語2つは悠雪のものだね。」
佐々木「俺の作った台本は?」
あもん「あれはサイコロゲームで賭けたもの。これは靴ゴルフで賭けたものだから。」
そう言ってあもんさんはずっと持っていたリュックから飛行船の置物を取り出し、佐々木さんに渡した。
幸来未「…はい。どうぞ。」
私はまさか佐々木さんに自分の小説が渡るとは思ってなかったので渡す手が震える。
佐々木「ありがとうございます…。」
私が小説を渡したと同時にあもんさんは私たちにタクシー代も渡し、仕事があると言って先に帰っていった。
佐々木「…あの、これ。」
あもんさんを見送ったすぐに佐々木さんはずっと手に持っていた飛行船の置物を自分の胸元にあげて、私に見せてきた。
佐々木「これを俺が西宮さんにプレゼントする代わりに、西宮さんのこと下の名前で呼んでもいいですか?」
…あの話聞いてたのにそんなこと言っちゃうんだ。
けど、飛行船は絶対欲しいから私は黙ったまま一度頷く。
佐々木「あとこれは俺のわがままなんで聞かなくてもいいんですけど、出来たら悠雪って呼んでください。」
幸来未「…なんでですか?」
佐々木「佐々木は俺の苗字だけど、グループ名みたいなものなので。俺自身のこと呼んでほしいです。」
幸来未「分かりました。…悠雪さん。」
悠雪「…ありがとうございますっ。」
と、佐々木さんは少し照れながら私に飛行船の置物をくれた。
幸来未「こちらこそ大切な宝物を賭けたり、悠雪さんの大切な時間を使って頂きありがとうございます。」
私はお礼を言って、時音へのプレゼントを落とさないうちに自分で持ってきた大きめの買い物カバンを取り出し、そっと飛行船の置物を入れる。
よかった。
これで時音の誕生日には1番あげたかったものをあげらえる。
私はその安堵感に笑みをこぼしていると、佐々木さんが一歩近づいてきて空いていた手を繋いできた。
悠雪「最寄りまで送ります。」
幸来未「…ありがとうございます。」
私は最後に印象を落とした佐々木さんと一緒にタクシーに乗り、家近くのスーパーで降ろしてもらってゲーム三昧の1日を終えた。
環流 虹向/23:48
凛太郎「勝負は?」
あもん「俺の勝ち。」
凛太郎「どっちも?」
あもん「飛行船はまだ。」
結果を聞いた凛太郎さんはうなだれて次は空のお皿の上で寝始めた。
あもん「凛太郎のことは紀莉哉に任せた。」
紀莉哉「はーい。」
と、凛太郎さんのご飯を紀莉哉さんは箱詰めし始めた。
あもん「じゃあ、くるみのごま団子がなくなったら3人で移動するよ。」
幸来未「え?あ…、はい。」
私はまたあのサイコロゲームをするんだと思っていたのでゆったりと1人食べていたけれど、みんなの目線で一気にごま団子を詰め込み、出る準備をする。
佐々木「ごま。」
と、立ち上がって準備していた佐々木さんは私の唇の端を人差し指でなぞり、ごまを口の中に入れ込んできた。
私はそのことに驚いて思わず口を開けてしまい、逆によだれを口端から垂らすとジャケットを着直したあもんさんが新しいおしぼりを渡してくれた。
私は顔を引いて佐々木さんの指を自分の口から離し、貰ったおしぼりで口を拭う。
あもん「ロビーで待ってるからトイレ行きたかったら今のうちに行っておいて。」
幸来未「…ぁい。」
私はおしぼりで口元を隠しながら先に会計をしに行ったあもんさんに返事をして、近場のトイレに走った。
…びっくりした。
あんな風に口拭って指入れてくるの、男の人たちの中で流行ってるのかな。
私は食事で落ちてしまったリップを塗り直し、エレベーター前で待っていた佐々木さんと一緒に1階に降り、お店のロビーにあるソファーで大きなリュックを大切に抱えているあもんさんに駆け寄る。
佐々木「お待たせしました。」
あもん「よし。じゃあタクシー呼んだから公園行こう。」
…公園?
私は金持ちの道楽が分からなすぎて困惑したまま、若干狭い真ん中の席で大きめな大人2人に挟まれながら、夕方になって涼しげなサッカーが出来るくらいの大きな公園に来た。
あもん「よし。靴ゴルフするぞっ。」
と言って、あもんさんは体を柔軟し始めた。
佐々木「…西宮さん不利じゃないですか?」
…その感じ、嫌だな。
多分、体格不利だと思われてるんだよね?
あもん「ううん。この間、会社帰りに新人の女の子とやったんだけど負けたんだよね。」
佐々木「じゃあ…、大丈夫か…。」
あもん「見た目だけで人を決めつけるのは人間じゃないぞ。」
そう言ってくれるのは嬉しい。
けど、体動かす系は苦手なんだよな。
佐々木「ごめんなさい。そういうつもりで言ったわけじゃ…」
幸来未「大丈夫です。慣れてます。」
あもん「大丈夫じゃないです。傷つきました。」
幸来未「え?」
あもん「そんな顔してる。俺、人を見る目はそこそこあるから。」
佐々木「…すみませんでした。」
幸来未「あ…。い、いえ…。」
私は気まずい雰囲気なのが耐えられなくなり、1人で少し先に見つけたベンチに荷物を置こうとすると、あもんさんに呼び止められた。
あもん「そこには120万入ってるんだよね?」
幸来未「え…、あ、はい。」
あもん「なのに盗まれたらどうにもならない距離においちゃうの?」
…いい人なのは分かるけど、ちょっと怖いな。
幸来未「すみません。危機管理、足りてませんでした。」
私はベンチに行こうとしていた足を2人がいる場所に戻し、2人がしてるようにスニーカーの靴紐を緩める。
幸来未「…えっと、靴ゴルフって何するんですか?」
佐々木「靴を足で放り投げて、1番少ない振りでゴールした人の勝ちです。」
あもん「ゴールはー…、あそこ。あの時計灯の下。」
そう言ってあもんさんは草はらで裸足になり、自分の革靴と靴下でスタートラインを作った。
あもん「ここからあそこまで大体200m。穴はないからあの時計灯のポールに当てられたら勝ち。ポールチャレンジは5m前固定ね。」
じゃあ、2人がいい感じに外してくれたら私の勝ち目もあるのか。
私は気合を入れるためにあもんさんと同じく裸足になった。
佐々木「俺の片側の靴履きます?」
幸来未「いえ。これで大丈夫です。」
あもん「それじゃあ、俺から行くよー。」
あもんさんは勢いをつけて靴を蹴り出すと、靴は公園の3分の1地点に落ちた。
…勝ち目あるって思った私がバカだった。
その後、交互に靴を投げ飛ばし、私が時計灯に届く距離にやっと繋いだけれど、10手前からポールに挑戦していた佐々木さんが見事当てて今日の勝者になってしまった。
あもん「飛行船とくるみ物語2つは悠雪のものだね。」
佐々木「俺の作った台本は?」
あもん「あれはサイコロゲームで賭けたもの。これは靴ゴルフで賭けたものだから。」
そう言ってあもんさんはずっと持っていたリュックから飛行船の置物を取り出し、佐々木さんに渡した。
幸来未「…はい。どうぞ。」
私はまさか佐々木さんに自分の小説が渡るとは思ってなかったので渡す手が震える。
佐々木「ありがとうございます…。」
私が小説を渡したと同時にあもんさんは私たちにタクシー代も渡し、仕事があると言って先に帰っていった。
佐々木「…あの、これ。」
あもんさんを見送ったすぐに佐々木さんはずっと手に持っていた飛行船の置物を自分の胸元にあげて、私に見せてきた。
佐々木「これを俺が西宮さんにプレゼントする代わりに、西宮さんのこと下の名前で呼んでもいいですか?」
…あの話聞いてたのにそんなこと言っちゃうんだ。
けど、飛行船は絶対欲しいから私は黙ったまま一度頷く。
佐々木「あとこれは俺のわがままなんで聞かなくてもいいんですけど、出来たら悠雪って呼んでください。」
幸来未「…なんでですか?」
佐々木「佐々木は俺の苗字だけど、グループ名みたいなものなので。俺自身のこと呼んでほしいです。」
幸来未「分かりました。…悠雪さん。」
悠雪「…ありがとうございますっ。」
と、佐々木さんは少し照れながら私に飛行船の置物をくれた。
幸来未「こちらこそ大切な宝物を賭けたり、悠雪さんの大切な時間を使って頂きありがとうございます。」
私はお礼を言って、時音へのプレゼントを落とさないうちに自分で持ってきた大きめの買い物カバンを取り出し、そっと飛行船の置物を入れる。
よかった。
これで時音の誕生日には1番あげたかったものをあげらえる。
私はその安堵感に笑みをこぼしていると、佐々木さんが一歩近づいてきて空いていた手を繋いできた。
悠雪「最寄りまで送ります。」
幸来未「…ありがとうございます。」
私は最後に印象を落とした佐々木さんと一緒にタクシーに乗り、家近くのスーパーで降ろしてもらってゲーム三昧の1日を終えた。
環流 虹向/23:48
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
アンコール マリアージュ
葉月 まい
恋愛
理想の恋って、ありますか?
ファーストキスは、どんな場所で?
プロポーズのシチュエーションは?
ウェディングドレスはどんなものを?
誰よりも理想を思い描き、
いつの日かやってくる結婚式を夢見ていたのに、
ある日いきなり全てを奪われてしまい…
そこから始まる恋の行方とは?
そして本当の恋とはいったい?
古風な女の子の、泣き笑いの恋物語が始まります。
━━ʚ♡ɞ━━ʚ♡ɞ━━ʚ♡ɞ━━
恋に恋する純情な真菜は、
会ったばかりの見ず知らずの相手と
結婚式を挙げるはめに…
夢に描いていたファーストキス
人生でたった一度の結婚式
憧れていたウェディングドレス
全ての理想を奪われて、落ち込む真菜に
果たして本当の恋はやってくるのか?

社長室の蜜月
ゆる
恋愛
内容紹介:
若き社長・西園寺蓮の秘書に抜擢された相沢結衣は、突然の異動に戸惑いながらも、彼の完璧主義に応えるため懸命に働く日々を送る。冷徹で近寄りがたい蓮のもとで奮闘する中、結衣は彼の意外な一面や、秘められた孤独を知り、次第に特別な絆を築いていく。
一方で、同期の嫉妬や社内の噂、さらには会社を揺るがす陰謀に巻き込まれる結衣。それでも、蓮との信頼関係を深めながら、二人は困難を乗り越えようとする。
仕事のパートナーから始まる二人の関係は、やがて揺るぎない愛情へと発展していく――。オフィスラブならではの緊張感と温かさ、そして心揺さぶるロマンティックな展開が詰まった、大人の純愛ストーリー。
エンディングノート
環流 虹向
恋愛
出会って、付き合って、別れるまでのエンディングノート
[主人公]采原 明人/さいはら めりは、社会人2年目で毎日を多忙に過ごし癒しゼロ。
けれど、そんな明人にオアシスが現れた。
2021/09/30 完結しましたが改めて校正したいので一旦全話非公開にして、また順次投稿します。
11/27から19:00に更新していきます。
君と出会って
君と付き合って
君とお別れするまでが綴られている
私が書いた、もぐもぐノート
君がいる、あの時に戻りたいと思った時は
いつもこのノートに綴られたごはんを食べるんだ
そしたらあの日、君と食べたごはんが
1番美味しかったって思い出せるから
だから、このノートにはもうペンを走らせない
これは君と私のエンディングノートだから
他の人とのもぐもぐ日記はいらないの
だけど、また
始められるように戻ってきてほしいな
私はまだ、君をあの街で待ってるよ
君のじゃない、別のお家で
君じゃない人と一緒に
Ending Song
君がドアを閉めた後 / back number
転載防止のため、毎話末に[環流 虹向/エンディングノート]をつけています。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

手を伸ばした先にいるのは誰ですか~愛しくて切なくて…憎らしいほど愛してる~【完結】
まぁ
恋愛
ワイン、ホテルの企画業務など大人の仕事、そして大人に切り離せない恋愛と…
「Ninagawa Queen's Hotel」
若きホテル王 蜷川朱鷺
妹 蜷川美鳥
人気美容家 佐井友理奈
「オークワイナリー」
国内ワイナリー最大手創業者一族 柏木龍之介
血縁関係のない兄妹と、その周辺の何角関係…?
華やかな人々が繰り広げる、フィクションです。
公爵令嬢は逃げ出すことにした【完結済】
佐原香奈
恋愛
公爵家の跡取りとして厳しい教育を受けるエリー。
異母妹のアリーはエリーとは逆に甘やかされて育てられていた。
幼い頃からの婚約者であるヘンリーはアリーに惚れている。
その事実を1番隣でいつも見ていた。
一度目の人生と同じ光景をまた繰り返す。
25歳の冬、たった1人で終わらせた人生の繰り返しに嫌気がさし、エリーは逃げ出すことにした。
これからもずっと続く苦痛を知っているのに、耐えることはできなかった。
何も持たず公爵家の門をくぐるエリーが向かった先にいたのは…
完結済ですが、気が向いた時に話を追加しています。
10 sweet wedding
国樹田 樹
恋愛
『十年後もお互い独身だったら、結婚しよう』 そんな、どこかのドラマで見た様な約束をした私達。 けれど十年後の今日、私は彼の妻になった。 ……そんな二人の、式後のお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる