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猫ずきんちゃん
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やっぱり来ました繁華街。
そして少し先にはホテル街。
通ってた短大近くにあるちょっといい鉄板焼き屋さんで脂が美味しいお肉をご馳走してもらってるけど、昨日の安いお肉より味がない。
そんな気がするのは春馬くんがオススメしてくるレモンサワーを3杯呑まされてしまったからかも。
春馬「腹一杯?」
幸来未「うん。けど全部食べないと。」
春馬「無理しなくていいよ?」
幸来未「無理はしてないよ。」
炭酸じゃなかったら無理せず食べれたよ。
しかも、食べ物を残すのは好きじゃない。
食べられる量を頼もうよ。
私は胃がちょっと痛くなりつつも目の前にあるご飯を食べて一息ついていると、春馬くんは会計を頼んだ。
春馬「家ってあのスーパーの近くだよね?」
幸来未「え?…うん。」
春馬「じゃあタクシーで帰ろう。腹、辛いでしょ。」
…なんだ、帰るんだ。
よかった。
私は前の春馬くんだったことにホッとして会計を終えてから一緒にタクシーに乗り込み、あのスーパーがある最寄駅の方へ送ってもらう。
その間、春馬くんは鉄板焼き屋さんが入っていたビル1階にあるコンビニで買った水とミントタブレットを私にくれた。
幸来未「ありがとう。」
私はミントタブレットを口に入れて水を少し含み、ミントを口の中に広げて簡易マウスウオッシュで臭いを取った。
春馬「西宮はしばらく今の感じ続ける?」
突然、春馬くんは前置きもなくアバウトな質問をしてきた。
幸来未「…どういう感じ?」
春馬「んー?フリーターで過ごす感じ。」
…なんか、嫌な感じ。
まあ、変わったからしょうがないか。
幸来未「今んとこそんな感じでいいかなって。」
社員になった所で忙しくなるだけだし、自分の時間に制限が出る。
保険やらなんやらバイトより待遇がいいのは知ってるけど、それよりも私は自分の時間を大切にしたい。
まあ、何をやるってわけじゃないんだけどね。
春馬「じゃあまた今度、出かけない?」
幸来未「忙しいじゃん。」
春馬「そうだけど近所だから会いやすいじゃん。」
近所だから終電なくなってもいいじゃん。
俺ん家泊まるのも自分ん家に帰るのも好きに出来るじゃん。
金を使わないデリヘルみっけた。
…と言ったたところだろうか。
幸来未「そうだね。時間合ったらまた出かけよ。」
春馬「うん。次は年明けかなー。」
幸来未「忙しいんだね。」
春馬「まあね。実家にも帰んないとだし。」
前はお金はないけどいっぱい時間はあって、新しいネタを見つけるために学校から1時間歩いて花火大会の会場へ一緒に行ったのにな。
今は電車で20分のところをタクシーで10分で帰るようになって、時間に追われてしまっているアイデアマンの春馬くんからはファンタジー溢れる会話はなくなってしまった。
きっと大人になるってこういうことなんだろうけど、だったら私はピータパンでいいかなって思っちゃう。
まあ、2、3年経ったら現実に追い詰められてお見合いでもさせられるんだろうなぁと思っていると、あのスーパー前で春馬くんはタクシーの精算をし始めた。
私も出そうとすると、こういうのはこっちに任せといてと言って春馬くんは全額奢ってくれた。
春馬「暗いけど大丈夫そう?」
幸来未「うん。すぐ着くし、まだ19時だから。今日はありがとう。」
春馬「うん。じゃあ、気をつけて。」
私はスーパー前で春馬くんと別れて冷たい部屋に帰ってきた。
クリスマスに男といいディナーを食べた女。
字面だけ見ればいい感じの1日だけれど、今の私は不満だらけの1日だった。
昔と今を比べちゃダメなのは分かるけど、昔のままの私といる時くらい昔の春馬くんに戻ってほしかったな。
あそこは冗談でもいいから『タッパーお願いしようか』って言ってくれたら笑えたのに。
昔の春馬くんだったら残すのが嫌で、呑み会で余った宴会料理を限界まで胃袋に詰め込んでたのに。
今はお酒をたらふく胃袋に入れるようになったのか昔より痩せた気がするし、好きじゃないと言ってたタバコまで始めてた。
きっといろんな人の付き合いで今の春馬くんになったんだろうけど、私は今の春馬くんを好きになったりはしないかな。
私は昔の片想いを思い出して2日連続でベリーシードルで体を冷やしながら1人コタツで体温を上げた。
環流 虹向/23:48
そして少し先にはホテル街。
通ってた短大近くにあるちょっといい鉄板焼き屋さんで脂が美味しいお肉をご馳走してもらってるけど、昨日の安いお肉より味がない。
そんな気がするのは春馬くんがオススメしてくるレモンサワーを3杯呑まされてしまったからかも。
春馬「腹一杯?」
幸来未「うん。けど全部食べないと。」
春馬「無理しなくていいよ?」
幸来未「無理はしてないよ。」
炭酸じゃなかったら無理せず食べれたよ。
しかも、食べ物を残すのは好きじゃない。
食べられる量を頼もうよ。
私は胃がちょっと痛くなりつつも目の前にあるご飯を食べて一息ついていると、春馬くんは会計を頼んだ。
春馬「家ってあのスーパーの近くだよね?」
幸来未「え?…うん。」
春馬「じゃあタクシーで帰ろう。腹、辛いでしょ。」
…なんだ、帰るんだ。
よかった。
私は前の春馬くんだったことにホッとして会計を終えてから一緒にタクシーに乗り込み、あのスーパーがある最寄駅の方へ送ってもらう。
その間、春馬くんは鉄板焼き屋さんが入っていたビル1階にあるコンビニで買った水とミントタブレットを私にくれた。
幸来未「ありがとう。」
私はミントタブレットを口に入れて水を少し含み、ミントを口の中に広げて簡易マウスウオッシュで臭いを取った。
春馬「西宮はしばらく今の感じ続ける?」
突然、春馬くんは前置きもなくアバウトな質問をしてきた。
幸来未「…どういう感じ?」
春馬「んー?フリーターで過ごす感じ。」
…なんか、嫌な感じ。
まあ、変わったからしょうがないか。
幸来未「今んとこそんな感じでいいかなって。」
社員になった所で忙しくなるだけだし、自分の時間に制限が出る。
保険やらなんやらバイトより待遇がいいのは知ってるけど、それよりも私は自分の時間を大切にしたい。
まあ、何をやるってわけじゃないんだけどね。
春馬「じゃあまた今度、出かけない?」
幸来未「忙しいじゃん。」
春馬「そうだけど近所だから会いやすいじゃん。」
近所だから終電なくなってもいいじゃん。
俺ん家泊まるのも自分ん家に帰るのも好きに出来るじゃん。
金を使わないデリヘルみっけた。
…と言ったたところだろうか。
幸来未「そうだね。時間合ったらまた出かけよ。」
春馬「うん。次は年明けかなー。」
幸来未「忙しいんだね。」
春馬「まあね。実家にも帰んないとだし。」
前はお金はないけどいっぱい時間はあって、新しいネタを見つけるために学校から1時間歩いて花火大会の会場へ一緒に行ったのにな。
今は電車で20分のところをタクシーで10分で帰るようになって、時間に追われてしまっているアイデアマンの春馬くんからはファンタジー溢れる会話はなくなってしまった。
きっと大人になるってこういうことなんだろうけど、だったら私はピータパンでいいかなって思っちゃう。
まあ、2、3年経ったら現実に追い詰められてお見合いでもさせられるんだろうなぁと思っていると、あのスーパー前で春馬くんはタクシーの精算をし始めた。
私も出そうとすると、こういうのはこっちに任せといてと言って春馬くんは全額奢ってくれた。
春馬「暗いけど大丈夫そう?」
幸来未「うん。すぐ着くし、まだ19時だから。今日はありがとう。」
春馬「うん。じゃあ、気をつけて。」
私はスーパー前で春馬くんと別れて冷たい部屋に帰ってきた。
クリスマスに男といいディナーを食べた女。
字面だけ見ればいい感じの1日だけれど、今の私は不満だらけの1日だった。
昔と今を比べちゃダメなのは分かるけど、昔のままの私といる時くらい昔の春馬くんに戻ってほしかったな。
あそこは冗談でもいいから『タッパーお願いしようか』って言ってくれたら笑えたのに。
昔の春馬くんだったら残すのが嫌で、呑み会で余った宴会料理を限界まで胃袋に詰め込んでたのに。
今はお酒をたらふく胃袋に入れるようになったのか昔より痩せた気がするし、好きじゃないと言ってたタバコまで始めてた。
きっといろんな人の付き合いで今の春馬くんになったんだろうけど、私は今の春馬くんを好きになったりはしないかな。
私は昔の片想いを思い出して2日連続でベリーシードルで体を冷やしながら1人コタツで体温を上げた。
環流 虹向/23:48
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