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猫ずきんちゃん
637:14:42
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自分の寝言で初めて目を覚ますと、その胸元には相変わらずの温かい手が這っていてそのせいで気の抜けた声が漏れてたことに気づく。
幸来未「…おはよぉ。したいの?」
私が起きたことに気づかない時音に声をかけると、時音は手と顔で驚いて飛び起き、私から離れた。
時音「いや…、ちょ、ちょっと勉強してて…。」
勉強…?
私のおっぱいでなに勉強するの?
することなくない?
幸来未「パパッとシャワーしてくるからちょっと待ってて。」
バスローブを着て1人でお風呂を済ませた形跡のある時音にお酒臭いまま触れるわけにはいかない。
寝起きでまだ足元が浮つく私はふらふらとガウンとタオルを取ってバスルームに行き、洗面台の上にあるメイク落としと化粧水を取ろうと手を伸ばすが、ない。
仕方なく乳液で全部済ませるかと思い、それを手に取る。
…乳液で全部落とせるかな?
変に残るとパンダになるから嫌なんだよな。
私は鏡を見ながら丁寧にメイクを落とそうと顔を上げると、メイクが乗っていない私の顔が映った。
あれ…、私、メイク落として寝た…?
昨日の記憶は全部あるけど、お風呂場に行った記憶はないんだよな…。
私はないはずの記憶を辿りながらお風呂に入ってドライヤーで髪の毛を乾かしていると、この間のように時音がバスルームにやって来た。
時音「やるよ。」
幸来未「ありがと。」
私はドライヤーを時音に渡し、しっかりと乾かしてもらいながら余らせた乳液で肌と毛先を潤わせる。
幸来未「昨日、変なことした?」
時音「え?」
私はドライヤーを丁寧に片付けている時音に質問をした。
酔って記憶を飛ばして嫌なことしてたらちゃんと謝らないと。
昨日は初めて限界超えそうだったし、そうなっててもおかしくないかも。
幸来未「酔って記憶なくしちゃったのか、メイク落としたの覚えてなかったんだよね。」
時音「ああ…!メイクは僕が落としたよ。」
と、少し頬を染める時音は違う事を考えてたのか、照れながら私の髪の毛を梳かしてくれる。
幸来未「え?なんで?」
時音「メイクしてると肌荒れるじゃん。僕、半日ファンデつけると3日肌ダメになるんだよね。」
幸来未「だから落としてくれたの?」
時音「うん。マスカラって落ちにくいんだね。結構手こずった。」
と。笑いながら時音は普通ではしないことをやったと語った。
幸来未「…化粧水も?」
時音「うん。ちゃんとぬるま湯でオイル落としたから大丈夫なはず。」
幸来未「乳液が余ってるのは?」
時音「僕のオススメ保湿オイル使った。しっとりしてた?」
幸来未「いつも持ち歩いてるの?」
時音「うん。すごい乾燥肌だから。」
幸来未「確かにちょっと手荒れしてるもんね。」
私は横髪を梳かしていた手を取り、余った乳液を時音の肌に馴染ませる。
時音「…やっぱり綺麗な方がいいよね。」
と、時音はさっきまで照れていた顔をしょげた顔に変えた。
幸来未「肌が弱いなら荒れちゃうのはしょうがないよ。皮膚科とかでもダメだった?」
時音「手荒れだけで行っていいのかな。」
幸来未「だって皮膚科だもん。私、ニキビとかあかぎれだけで皮膚科行って塗り薬も飲み薬ももらうよ。」
時音「飲み薬?」
幸来未「うん。ニキビをなくすためのビタミン剤。ドラックストアでハンドクリーム10本買うより皮膚科でもらった薬の方が治りは早いよ。」
時音「…そうなんだ。行ってみようかな。」
幸来未「うん。美容系じゃなくて普通ので大丈夫。保険利くし。」
時音「じゃあ明日行ってみよっと。」
時音はなんだか嬉しそうな笑みを浮かべていた。
その顔に心臓が少しきゅっとする自分に驚いていると、時音は自分を見つめる私を見て首を傾げた。
時音「ん?」
幸来未「なんでもない。行こ。」
私はこの間のように時音をベッドに連れて行き、一緒に寝転がる。
時音「…昨日の記憶、飛んじゃったんですか?」
と、時音はまた顔を赤くして少し残念そうに聞いてきた。
幸来未「んー?時音はどっちがいい?」
時音「え!?どっちが…?え…っ、おぼ、っえ…」
本当に時音って役者志望なの?
全く感情隠しきれてない気がするけど…。
これも演技なのかな。
幸来未「なんであそこのBAR分かったの?」
時音「あ、あのBARにあるネオンが印象的で…。」
幸来未「ネオン?」
ネオンなんかあったっけ?
意識を保つだけで精一杯でお店の内装なんか覚えてないや。
時音「飛行船のネオン映ってたから…。あそこのBARかなって…。」
私は枕元にある自分の携帯でその写真を確認してみると、カクテルをご馳走してくれた女性の脇にある小さい置物のような飛行船の側面が蛍光色に光っていた。
幸来未「こんなので分かったの?」
時音「欲しいなって思ってたから…。」
幸来未「…好きなの?」
時音「うん。好き。」
時音はとろけたアップルパイみたいな笑顔をして自分が好きなものを教えてくれた。
私は好きなものを教えてくれたことと昨日のお礼になるかも分からないキスをして時音のガウンのリボンを解く。
するとその手を止めるように時音は私の手を掴んだ。
時音「…幸来未さんの好きなタイプは?」
タイプ…。
好きなタイプなのかは分からないけど、気楽だなって思える人たちの特徴はいくつかあるかな。
幸来未「嘘つかない人、うるさくない人、記憶なくさない人、めんどくさくない人、勝手にいなくならない人。」
時音「見た目とかじゃないんですね…。」
幸来未「外見はハリボテだから。まあ清潔感は大切だね。」
時音「僕は清潔感クリアしてます?」
幸来未「…敬語。」
時音「ご、ごめんっ…。」
幸来未「クリアしてないとここにいないよ。」
私はタイプかも分からない時音にまたキスをして昨日の夜にする予定だったことをした。
環流 虹向/23:48
幸来未「…おはよぉ。したいの?」
私が起きたことに気づかない時音に声をかけると、時音は手と顔で驚いて飛び起き、私から離れた。
時音「いや…、ちょ、ちょっと勉強してて…。」
勉強…?
私のおっぱいでなに勉強するの?
することなくない?
幸来未「パパッとシャワーしてくるからちょっと待ってて。」
バスローブを着て1人でお風呂を済ませた形跡のある時音にお酒臭いまま触れるわけにはいかない。
寝起きでまだ足元が浮つく私はふらふらとガウンとタオルを取ってバスルームに行き、洗面台の上にあるメイク落としと化粧水を取ろうと手を伸ばすが、ない。
仕方なく乳液で全部済ませるかと思い、それを手に取る。
…乳液で全部落とせるかな?
変に残るとパンダになるから嫌なんだよな。
私は鏡を見ながら丁寧にメイクを落とそうと顔を上げると、メイクが乗っていない私の顔が映った。
あれ…、私、メイク落として寝た…?
昨日の記憶は全部あるけど、お風呂場に行った記憶はないんだよな…。
私はないはずの記憶を辿りながらお風呂に入ってドライヤーで髪の毛を乾かしていると、この間のように時音がバスルームにやって来た。
時音「やるよ。」
幸来未「ありがと。」
私はドライヤーを時音に渡し、しっかりと乾かしてもらいながら余らせた乳液で肌と毛先を潤わせる。
幸来未「昨日、変なことした?」
時音「え?」
私はドライヤーを丁寧に片付けている時音に質問をした。
酔って記憶を飛ばして嫌なことしてたらちゃんと謝らないと。
昨日は初めて限界超えそうだったし、そうなっててもおかしくないかも。
幸来未「酔って記憶なくしちゃったのか、メイク落としたの覚えてなかったんだよね。」
時音「ああ…!メイクは僕が落としたよ。」
と、少し頬を染める時音は違う事を考えてたのか、照れながら私の髪の毛を梳かしてくれる。
幸来未「え?なんで?」
時音「メイクしてると肌荒れるじゃん。僕、半日ファンデつけると3日肌ダメになるんだよね。」
幸来未「だから落としてくれたの?」
時音「うん。マスカラって落ちにくいんだね。結構手こずった。」
と。笑いながら時音は普通ではしないことをやったと語った。
幸来未「…化粧水も?」
時音「うん。ちゃんとぬるま湯でオイル落としたから大丈夫なはず。」
幸来未「乳液が余ってるのは?」
時音「僕のオススメ保湿オイル使った。しっとりしてた?」
幸来未「いつも持ち歩いてるの?」
時音「うん。すごい乾燥肌だから。」
幸来未「確かにちょっと手荒れしてるもんね。」
私は横髪を梳かしていた手を取り、余った乳液を時音の肌に馴染ませる。
時音「…やっぱり綺麗な方がいいよね。」
と、時音はさっきまで照れていた顔をしょげた顔に変えた。
幸来未「肌が弱いなら荒れちゃうのはしょうがないよ。皮膚科とかでもダメだった?」
時音「手荒れだけで行っていいのかな。」
幸来未「だって皮膚科だもん。私、ニキビとかあかぎれだけで皮膚科行って塗り薬も飲み薬ももらうよ。」
時音「飲み薬?」
幸来未「うん。ニキビをなくすためのビタミン剤。ドラックストアでハンドクリーム10本買うより皮膚科でもらった薬の方が治りは早いよ。」
時音「…そうなんだ。行ってみようかな。」
幸来未「うん。美容系じゃなくて普通ので大丈夫。保険利くし。」
時音「じゃあ明日行ってみよっと。」
時音はなんだか嬉しそうな笑みを浮かべていた。
その顔に心臓が少しきゅっとする自分に驚いていると、時音は自分を見つめる私を見て首を傾げた。
時音「ん?」
幸来未「なんでもない。行こ。」
私はこの間のように時音をベッドに連れて行き、一緒に寝転がる。
時音「…昨日の記憶、飛んじゃったんですか?」
と、時音はまた顔を赤くして少し残念そうに聞いてきた。
幸来未「んー?時音はどっちがいい?」
時音「え!?どっちが…?え…っ、おぼ、っえ…」
本当に時音って役者志望なの?
全く感情隠しきれてない気がするけど…。
これも演技なのかな。
幸来未「なんであそこのBAR分かったの?」
時音「あ、あのBARにあるネオンが印象的で…。」
幸来未「ネオン?」
ネオンなんかあったっけ?
意識を保つだけで精一杯でお店の内装なんか覚えてないや。
時音「飛行船のネオン映ってたから…。あそこのBARかなって…。」
私は枕元にある自分の携帯でその写真を確認してみると、カクテルをご馳走してくれた女性の脇にある小さい置物のような飛行船の側面が蛍光色に光っていた。
幸来未「こんなので分かったの?」
時音「欲しいなって思ってたから…。」
幸来未「…好きなの?」
時音「うん。好き。」
時音はとろけたアップルパイみたいな笑顔をして自分が好きなものを教えてくれた。
私は好きなものを教えてくれたことと昨日のお礼になるかも分からないキスをして時音のガウンのリボンを解く。
するとその手を止めるように時音は私の手を掴んだ。
時音「…幸来未さんの好きなタイプは?」
タイプ…。
好きなタイプなのかは分からないけど、気楽だなって思える人たちの特徴はいくつかあるかな。
幸来未「嘘つかない人、うるさくない人、記憶なくさない人、めんどくさくない人、勝手にいなくならない人。」
時音「見た目とかじゃないんですね…。」
幸来未「外見はハリボテだから。まあ清潔感は大切だね。」
時音「僕は清潔感クリアしてます?」
幸来未「…敬語。」
時音「ご、ごめんっ…。」
幸来未「クリアしてないとここにいないよ。」
私はタイプかも分からない時音にまたキスをして昨日の夜にする予定だったことをした。
環流 虹向/23:48
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