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今日もCLOSEにしておけば、誰も来ないっと。

この時間からここら辺に来る人はあまりいないだろう。

中から声が聞こえたとしても、CLOSEだから入ることはない。

俺はこれからユキさんと2人きりの時間を楽しむために、この店を閉めさせてもらう。

[チリリーン]

「いらっしゃいませ。」

チャイムベルが鳴ると同時にユキさんの声が聞こえて中を見ると、ユキさんと1人男の客が来ていた。

こんな早くから1人で飲むやついるのか?

とてもショックだったが、その男の席から一つ開けて席に着く。

ユキ「今、準備しますね。少し寒くなります。」

ユキさんは窓を開けて換気しながら、魚を焼いていく。

俺はワインをもらい食事を待つ中、ふと男に目をやる。

俺とは全く別のタイプの男。
幼い感じがとても印象的だ。

…って、おいおい。
ユキさんの作った味噌汁食べてる。
しかもすごい弾ける笑顔で。

こんな若々しい純粋さは私にはなくなってしまった。

あのとき、俺は2度死んだ。
身体的、精神的にも。

それを取り繕うように知識と大人の男性として、ふさわしい行動をしてきた。

それが今の俺になってしまったから君の笑顔が羨ましいよ。

俺はもう出来ないから。

ユキ「お待たせしました。」

ユキさんが豚汁とアジの開き、白米を出してくれた。

久寿「ありがとう。ユキさんは食べたのか?」

ユキ「いえ。まだです。」

「じゃあ、良かったら皆で食べませんか?」

と、若い男がユキさんに声をかけた。

ユキ「え、あ、分かりました。」

少し戸惑い気味のユキさんはバタバタと食事を準備する。

けれど、若い男の分とユキさんの分を準備していくがユキさんの分の魚がない。

「僕の食べてください。」
「食べな。」

俺と若い男が同時にユキさんに話しかける。

ユキ「いえいえ。私は昨日の残りの煮物食べるので大丈夫です。」

2人して見事に振られた。

しかも、ユキさんは立ちながら食べようとしたので、俺は隣に座るように皿を勝手に移動するが、不服にも私が座った席は壁の隣だったので若い男とユキさんを挟む状態になる。

その席にユキさんは困り気味だったが、ちょこんと座った。

今日ちゃんとデートの答えが聞けるのだろうか?







初めて来たお客さんとご飯食べるのって、仕事としてありなのかな…?

しかも久寿さんがいつもと雰囲気が違うような気がする。

すこし怒っているような…。

でも今日はちゃんと行くってこと言わなきゃ。

朝になる前に。
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