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First Time
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愛と一緒にモーゼの教室に行くと、モーゼは窓際の1番後ろの席で1人煙草を吸って煙で遊んでいた。
愛「結心さーん。お待たせしましたー。」
と、愛が教室の扉前でモーゼに大きく手を振ると、モーゼは軽く手を振り返しスクールバッグごと持ってやってきた。
愛「教室で煙草吸っちゃダメじゃないですか?」
結心「大丈夫。煙草だとしても水蒸気だし、俺の周りには誰もいないから副流煙もないよ。」
愛「煙草だけど水なんですか?」
結心「リキッドタイプの電子煙草だから。今日はハチミツ味だよ。吸ってみる?」
そう聞いてきた結心さんに愛は驚いたのか、俺に抱きついていた腕の力を強めて俺を盾にした。
愛「い、いいです…。とりあえず屋上行きましょ。」
愛は俺をモーゼの間に入れながらいつも通り屋上に行き、いつもの角に座ろうとするとモーゼが俺たちにチャリンと何かの鍵を見せびらかした。
結心「じゃーん。鍵もらってきた。」
愛「どこのですか?」
結心「え?ここの扉に決まってんじゃん。」
と、モーゼは屋上の扉を指し、開かずの扉をいとも簡単に開けてしまった。
愛「ととくん!やったね!本当に青空ランチだ!」
愛はとても嬉しそうに開いた扉から駆け出し、ど根性原っぱが人2人分生えてるところに行き俺と一緒に寝転がった。
結心「パンツ見えてるぞー。」
愛「み、みないでくださいっ。」
焦る愛にモーゼは気にせずと近づき、隣に座るとスクールバッグからコンビニ容器の天ぷら丼を出した。
結心「キャラパンはそそらないけど、そんなにウサギ好きなの?」
と、モーゼは愛のブレザーの胸ポケットから出ているてっぺんが垂れうさ耳のシャーペンを指した。
愛「は、はい…。可愛いしととくんに似てるから…。」
結心「確かに。いい買い物したな。」
そう言いながらもモーゼは興味なさそうな顔をしてまた大胆な食べ方で食べ進める。
それを愛がまた正しているのを見てランチタイムを過ごしていると、少し風が強い屋上のせいでモーゼのロン毛ボブが後ろに全部飛び、初めて耳が見えた。
愛「…耳、どうしたんですか?」
結心「ああ、これ?」
と、モーゼは全部削がれた右耳を俺たちに見せながら上半分を切られて折りたたまれたような形をしている左耳を触る。
結心「俺が小さい頃、親の話を聞かなかったから切られた。」
愛「話聞かないと耳切られちゃうんですか…?」
結心「使えないものは捨てる主義だから。」
愛「…そうなんですか。」
結心「怖い?」
愛「触り…、たいです…。」
結心「いいよ。」
愛は俺よりも垂れ耳なモーゼ近づき、耳にそっと触れるとモーゼは不意打ちで愛の首にキスをした。
すると愛は顔を真っ赤にして唖然とする俺に抱きつき、顔を埋める。
愛「ななっ、な、なん、なんですか…!?」
結心「口はダメそうだから。」
愛「理由になってないです!」
結心「初めて?」
愛「…ととくんとだけです。」
結心「ふーん。とと丸はらぶ子の彼氏なの?」
愛「ち、違います。友達です…。」
結心「そっか。誰とも付き合ったことはないの?」
愛「ない、です…。」
俺はずっと顔を真っ赤にしている愛の頬をそっと撫でて、気持ちを落ち着けさせようとするけどいつもより愛の心音が激しい。
結心「とと丸ぅ。そこ代わってよ。」
愛「私が嫌です。」
結心「えー…。そんなに嫌…?」
愛「か、代わるのはダメです…。」
結心「あっそー。」
と、モーゼはふてくされた顔をしながら原っぱに寝転がり、目を瞑った。
とと「大丈夫?嫌なら教室戻ろうよ。」
愛「…大丈夫じゃないけど、教室よりここが好きだからもうちょっといたい。」
結心「じゃあ今日は太陽が落ちるまでここにいるか。」
愛「いいんですか…?」
結心「ノートも出席も心配ないし、帰りは俺が家まで送るから。」
愛「やった…!ととくんと日向ぼっこ久しぶりだね。」
愛は俺をモーゼの間に入れて壁を作り、少し冬の風が強めの屋上でみんなで日向ぼっこした。
環流 虹向/桃色幼馴染と煙気王子様
愛「結心さーん。お待たせしましたー。」
と、愛が教室の扉前でモーゼに大きく手を振ると、モーゼは軽く手を振り返しスクールバッグごと持ってやってきた。
愛「教室で煙草吸っちゃダメじゃないですか?」
結心「大丈夫。煙草だとしても水蒸気だし、俺の周りには誰もいないから副流煙もないよ。」
愛「煙草だけど水なんですか?」
結心「リキッドタイプの電子煙草だから。今日はハチミツ味だよ。吸ってみる?」
そう聞いてきた結心さんに愛は驚いたのか、俺に抱きついていた腕の力を強めて俺を盾にした。
愛「い、いいです…。とりあえず屋上行きましょ。」
愛は俺をモーゼの間に入れながらいつも通り屋上に行き、いつもの角に座ろうとするとモーゼが俺たちにチャリンと何かの鍵を見せびらかした。
結心「じゃーん。鍵もらってきた。」
愛「どこのですか?」
結心「え?ここの扉に決まってんじゃん。」
と、モーゼは屋上の扉を指し、開かずの扉をいとも簡単に開けてしまった。
愛「ととくん!やったね!本当に青空ランチだ!」
愛はとても嬉しそうに開いた扉から駆け出し、ど根性原っぱが人2人分生えてるところに行き俺と一緒に寝転がった。
結心「パンツ見えてるぞー。」
愛「み、みないでくださいっ。」
焦る愛にモーゼは気にせずと近づき、隣に座るとスクールバッグからコンビニ容器の天ぷら丼を出した。
結心「キャラパンはそそらないけど、そんなにウサギ好きなの?」
と、モーゼは愛のブレザーの胸ポケットから出ているてっぺんが垂れうさ耳のシャーペンを指した。
愛「は、はい…。可愛いしととくんに似てるから…。」
結心「確かに。いい買い物したな。」
そう言いながらもモーゼは興味なさそうな顔をしてまた大胆な食べ方で食べ進める。
それを愛がまた正しているのを見てランチタイムを過ごしていると、少し風が強い屋上のせいでモーゼのロン毛ボブが後ろに全部飛び、初めて耳が見えた。
愛「…耳、どうしたんですか?」
結心「ああ、これ?」
と、モーゼは全部削がれた右耳を俺たちに見せながら上半分を切られて折りたたまれたような形をしている左耳を触る。
結心「俺が小さい頃、親の話を聞かなかったから切られた。」
愛「話聞かないと耳切られちゃうんですか…?」
結心「使えないものは捨てる主義だから。」
愛「…そうなんですか。」
結心「怖い?」
愛「触り…、たいです…。」
結心「いいよ。」
愛は俺よりも垂れ耳なモーゼ近づき、耳にそっと触れるとモーゼは不意打ちで愛の首にキスをした。
すると愛は顔を真っ赤にして唖然とする俺に抱きつき、顔を埋める。
愛「ななっ、な、なん、なんですか…!?」
結心「口はダメそうだから。」
愛「理由になってないです!」
結心「初めて?」
愛「…ととくんとだけです。」
結心「ふーん。とと丸はらぶ子の彼氏なの?」
愛「ち、違います。友達です…。」
結心「そっか。誰とも付き合ったことはないの?」
愛「ない、です…。」
俺はずっと顔を真っ赤にしている愛の頬をそっと撫でて、気持ちを落ち着けさせようとするけどいつもより愛の心音が激しい。
結心「とと丸ぅ。そこ代わってよ。」
愛「私が嫌です。」
結心「えー…。そんなに嫌…?」
愛「か、代わるのはダメです…。」
結心「あっそー。」
と、モーゼはふてくされた顔をしながら原っぱに寝転がり、目を瞑った。
とと「大丈夫?嫌なら教室戻ろうよ。」
愛「…大丈夫じゃないけど、教室よりここが好きだからもうちょっといたい。」
結心「じゃあ今日は太陽が落ちるまでここにいるか。」
愛「いいんですか…?」
結心「ノートも出席も心配ないし、帰りは俺が家まで送るから。」
愛「やった…!ととくんと日向ぼっこ久しぶりだね。」
愛は俺をモーゼの間に入れて壁を作り、少し冬の風が強めの屋上でみんなで日向ぼっこした。
環流 虹向/桃色幼馴染と煙気王子様
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