聖夜は無価値

環流 虹向

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消費者

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呑み直しに選んだ場所はさっきの店とは雰囲気が真逆の海鮮居酒屋で、今は胡桃さんの服装の方が浮いてるように感じた俺は自分が着ていたニットを貸し、少し目を引いてしまう肩が出たドレスを隠してもらう。

それに若干照れ気味な胡桃さんだったけれど、それよりも酒でだいぶ酔っているのか頬の火照りがずっと取れなくて冷めたおしぼりで自分の頬を冷やしている。

その躊躇のなさに俺はこの人は今着てるドレスが似合わないと思ってしまい、そのまま夜風を浴びるために店を出てコンビニに向かい、酒とツマミを買ってイベントで割高になっているホテルに入る。

すると、胡桃さんは腹が苦しいという理由で自分からドレスを脱いで俺のニットをワンピースのように着てまた呑み始めた。

けれど、まだアップヘアが完璧すぎてこのニットには不釣り合いだと感じた俺は隣にいる胡桃さんのヘアセットを崩すように手を伸ばし、唇を合わせると胡桃さんは一瞬だけ抵抗したけれどその後は俺と一緒に酒漬けされたアルコール臭い舌を溶け合わせる。

それが俺の脈を少し早めると、胡桃さんはゆっくりと唇を離した。

胡桃「…シャワー入りたい。」

唯「いいよ。先、どうぞ。」

俺はそばにあったカゴからガウンとタオルを取り出し、胡桃さんに渡してササッと入ってもらうけれど胡桃さんは体の汗だけを流したのかアップヘアを支えていたピンだけを取った綺麗なカールヘアとしっかりメイクされたままの作った自分で出てきた。

それがどうしても気に入らない俺はお湯はりをしてしっかり芯まで体を温めることにした。

すると、30分近く入っていたからか胡桃さんはバスルールの扉越しに声をかけてきた。

俺はこのまま寝たフリをしたらどうしてくれるんだろうと思い、風呂の縁に腕を置きそれを枕にして目を瞑っているとそっと扉が開いてこちらの方へ歩いてくる音が聞こえる。

胡桃「唯くん…?大丈夫?」

胡桃さんは心配したような声で汗で湿った俺の肩を揺すり起こそうとしてきたので、俺はその手を掴んでそのまま風呂に引き込んだ。

胡桃「下着…。」

唯「見せて。」

俺は少しきつめに結ばれていたガウンのリボンを解き、濡れてしまった下着を見るとこの前デパートに行った時に見たクリスマスデザインのものだった。

これは自己満で買ったのか、俺みたいな奴を捕まえた時用に買ったのかは知らないけれど、その奥にある色を俺は見たくて片方のブラに手をかけて胸を持ち上げるように下へ引くと下着の色よりもそそられる淡いピンク色があった。

それを見て俺はブラのフォックを外してびしょ濡れになったガウンと一緒に剥がすと胡桃さんが俺のそばに寄って顔前に胸を寄せた。

俺は目の前にある抱き心地が良さそうなクッションに顔を埋めながら、少し石鹸の香りが残っているピンクの飴玉をたっぷり味あわせてもらうと胡桃さんの腰が舌が這う度に少し反応しているのが伺えた。

その様子がしゃっくりが止まらないことに恥ずかしがる子どものようで可愛く見えた俺はまだ体の上に残っていた布の下へ手を入れると、とろけたローションが塗りたくってあった。

いつの間にこんなことになっていたんだろうと久しぶりに胡桃さんの顔を見ると、目の下に新しくホクロが2つあることに気がつく。

唯「暑い?」

俺は目の下についたマスカラを拭い取り、自分の体の上に胡桃さんを座らせる。

胡桃「ちょっと…。ベッド行かない?」

そう言いながら胡桃さんは湿気で落ちかけるカールとメイクを気にしながらもう間に合わないけれど乾燥ために手で顔を仰ぎ始める。

それが俺が好きだった人よりも小刻みに早く行き帰りを繰り返すもんだからさらにその慌てる顔を崩したくなった俺は胡桃さんのパンツ脇に指を滑らせて反応を伺う。

唯「濡れてるね。」

俺は人差し指で布をすくい上げてきゅっと目を瞑る度に出来るホクロを見てにやけてしまう。

その笑顔を見て胡桃さんはとても恥ずかしそうにするけれど、嫌がりはせずにその指をもっと深いところへ滑らせて欲しいと言わんばかりに腰をくねらせる。

その胡桃さんが可愛くてもっと素を見たくなった俺は自分の突起物の上に胡桃さんを座らせてパンツ越しに楽しんでもらい、俺はどんどん胡桃さんの汚れる顔とその奥にある素顔を見てのぼせてきた体の脈が早くなり、衝動が抑えられずに酒臭いキスをしてパンツ脇から胡桃さんと体を繋げるとびっくりした胡桃さんが俺の顔から離れた。

胡桃「あの…、ゴム…してほしい…。」

唯「ごめん。胡桃が可愛い過ぎて我慢できなくなった。」

俺はさすがにワンナイト相手にゴムなしでする勇気はないので、そのまま胡桃さんから離れてお互いの髪の毛と体を洗いベッドに向かった。


環流 虹向/聖夜は無価値
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