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Fake Love
必要
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ココくんは涙を止めた無子にゆっくりと過去を話し始めた。
「2年前から会うようになってたんだ。」
「そっか。まあ、前の奥さんとも会ってるもんね。」
「…うん。それで俺の子どもが欲しいって頼まれて作るだけならいいよって伝えたんだ。」
私と一緒じゃん。
でも、その女を取るんだ。
「それで子どもを作ったんだけど、生まれてから話が変わってさ…。」
「…うん。聞くよ。」
「…子ども作って終わりのはずだったのに、産んだら結婚しようって言われたんだ。」
なにそれ。
詐欺じゃん。
「奥さんは今1人なの?」
「ううん。お兄さんと実家で暮らしてる。ここから20分くらいで着くよ。」
だから、私の家の近くがいいって言葉だけ吐いて、結果元彼さんの実家の近くにしたんだ。
「そのお兄さんも俺に責任取れって言って、結婚しろって迫ってくるんだ。」
「…だからその人と結婚するの?」
「子どものことがあるし、俺のタイミングで婚姻届出していいよって言ってくれたんだ。」
タイミング…?
私、ココくんがいいって言ってくれるタイミングまでしっかりピル飲んで待ってたんだけど。
3年も仕事で忙しいって言われ続けて、自分の会いたい欲をなるべく抑えて生理以外の日にココくんが会おうって言ってくれたタイミングで会いに行ってたけど。
「私もココくんと結婚したいって思ってるよ。」
無子はどうにもならない気持ちを涙と一緒に漏らす。
「無子は来年にって言ったけど、向こうは俺のタイミングで大丈夫って言ってくれたよ。」
そんな余裕があるのはココくんとの子どもがいて、ココくんの首に鎖を繋いだからそういう発言が出来るんだよ。
「…私、ココくんに子どもいてもいいよ。」
「そっか…。」
「その子の行事ごとに被らないように、私たちの子ども作ろうよ。だからココくんと結婚したい。」
「…無子とは結婚出来ないよ。」
「なんで…?」
「向こうには俺の子どもがいるし、将来を支えなきゃ。」
そんなの早いもん勝ちじゃん…。
なんで私はココくんのために避妊してたのに、子作りだけって約束してた女の方を選ぶの?
「向こうは俺が必要なんだ。無子は俺じゃなくても大丈夫だよ。」
「ううん。ココくんじゃないとだめ。」
「そんなことないよ。無子はいい女だからいい男捕まえられるよ。」
そんなどうでもいい男より、ずっと好きなココくんがいいのに何で分かってくれないの?
「俺は無子のそばで幸せを見守りたいって思ってるからルイを紹介したんだ。」
「…どういうこと?」
無子は涙で歪む目の前を自分の手で拭き取り、ココくんの悩む顔に目を向ける。
「ルイは俺の若い頃にそっくりでいい奴なんだ。今は日本語が少し不自由だけど、無子が教えてあげてよ。」
「…ルイくんより、ココくんがいいの。」
「ううん。無子が必要なのは俺じゃない。」
意味分かんない。
ココくんがいいって言ってるじゃん。
「ルイと無子が付き合って出来ることなら家庭を持てたらいいなって思ってるんだ。」
と、ココくんは全く私が望んでいない将来を話し出す。
「ルイはイケメンで結構モテるんだ。あの綺麗な目も持ってるし、優しいし、仕事熱心なんだ。」
「…うん。そっか。」
「だから今日無子とルイを会わせたんだ。」
だから会おうって私を誘ったの?
そういう理由じゃないとココくんは私を呼び出そうとも思ってくれないんだ。
「さっきルイに会いに行って、無子のことどう思ったか聞いてみたんだ。」
「…なんて言ってた?」
「彼氏はいるのかなって。可愛いくてタイプって言ってたよ。」
「ココくんは私たちのこと、なんて伝えたの…?」
「無子と俺の関係は伝えてない。ルイにはこのこと全部伝えてないよ。」
なにそれ。
言ってよ。彼氏は俺だよって。
無子が好きな人は俺なんだって。
「ルイと1回デートしてみて。それで嫌ならほかの人探すから。」
「…やだ。」
「お願い。俺はもう無子と一緒にいれないから。」
もうやだよ。
もう恋愛したくないよ。
したって報われることないの分かったよ。
だから次なんか用意しないでただ私をきっぱり捨ててよ。
「無子はまだ24歳だから大丈夫だよ。」
「…22歳だよ。」
「…若いね。じゃあまだ大丈夫だね。」
大丈夫ってなに?
なにが大丈夫なの?
しかも、私の年齢覚えてなかったんだ。
私はしっかり誕生日のお祝いメッセージにココくんの歳を毎回書いてたのに。
「もういい…。」
無子は全部が嫌になってベッドに倒れこむ。
「無子…、ごめん…。」
そんな言葉いらない。
ココくんの好きだけ欲しい。
「もし、日本に来て1番最初に無子と付き合ってたら結婚してたよ。」
「…私、ココくんが日本に来た時3歳だよ。」
「若いね…。」
そんなおとぎ話じゃなくて今ここの現実にいる無子と結婚してよ。
何でココくんが目を潤ませてるの?
哀れんでる?
無意識のもらい泣き?
無子のこと、少しでも好きだった?
その正解はくれないココくんは仕事場に呼び出されて気持ちが落ち着かない無子を置いて30分仕事に行き、帰ってくると仲直りと言って体を合わせた。
けど、無子は気持ちを救ってもらおうと流しっぱなしのマイリストに入っているあの曲が流れ始め、堪えていた涙が溢れてしまい、ココくんの眉を寄せてしまう。
「なんで泣いてるの…?」
「…分かんない。」
本当にココくんは忘れん坊なんだね。
私の気持ちなんか仕事に向かっている時に落としてきたんだろうね。
だから平気で勃つし、ずっとしてなかったあむあむキスもしちゃうんだ。
けど、そんなココくんも好きだよ。
それで無子は最後に愛を貰えてるって思えるから。
デブな無子を平気で抱いちゃうココくんが好き。
お酒が強いって言ってすぐに酔っちゃうココくんが好き。
甘いのが嫌いだけど断りきれずにメントスを貰っちゃうココくんが好き。
他の男に触れられてほしくないって少しでも思ってくれたココくんが好き。
嘘でもずっとそばにいようと結婚の話を持ち出してくれたココくんが好き。
あげたウイスキーを友達と飲まずに私と飲むんだと頑固に言ってたココくんが好き。
無意識で鏡合わせのように私の仕草や行動を真似しちゃうココくんが好きだったよ。
無子にいっぱいの好きと幸せな時間をくれてありがとう。
そんなココくんの代わりを置こうなんて思えないよ。
だから、ちょっとだけ最後のあがきだけさせてね。
環流 虹向/子宮が疼く愛が欲しい
「2年前から会うようになってたんだ。」
「そっか。まあ、前の奥さんとも会ってるもんね。」
「…うん。それで俺の子どもが欲しいって頼まれて作るだけならいいよって伝えたんだ。」
私と一緒じゃん。
でも、その女を取るんだ。
「それで子どもを作ったんだけど、生まれてから話が変わってさ…。」
「…うん。聞くよ。」
「…子ども作って終わりのはずだったのに、産んだら結婚しようって言われたんだ。」
なにそれ。
詐欺じゃん。
「奥さんは今1人なの?」
「ううん。お兄さんと実家で暮らしてる。ここから20分くらいで着くよ。」
だから、私の家の近くがいいって言葉だけ吐いて、結果元彼さんの実家の近くにしたんだ。
「そのお兄さんも俺に責任取れって言って、結婚しろって迫ってくるんだ。」
「…だからその人と結婚するの?」
「子どものことがあるし、俺のタイミングで婚姻届出していいよって言ってくれたんだ。」
タイミング…?
私、ココくんがいいって言ってくれるタイミングまでしっかりピル飲んで待ってたんだけど。
3年も仕事で忙しいって言われ続けて、自分の会いたい欲をなるべく抑えて生理以外の日にココくんが会おうって言ってくれたタイミングで会いに行ってたけど。
「私もココくんと結婚したいって思ってるよ。」
無子はどうにもならない気持ちを涙と一緒に漏らす。
「無子は来年にって言ったけど、向こうは俺のタイミングで大丈夫って言ってくれたよ。」
そんな余裕があるのはココくんとの子どもがいて、ココくんの首に鎖を繋いだからそういう発言が出来るんだよ。
「…私、ココくんに子どもいてもいいよ。」
「そっか…。」
「その子の行事ごとに被らないように、私たちの子ども作ろうよ。だからココくんと結婚したい。」
「…無子とは結婚出来ないよ。」
「なんで…?」
「向こうには俺の子どもがいるし、将来を支えなきゃ。」
そんなの早いもん勝ちじゃん…。
なんで私はココくんのために避妊してたのに、子作りだけって約束してた女の方を選ぶの?
「向こうは俺が必要なんだ。無子は俺じゃなくても大丈夫だよ。」
「ううん。ココくんじゃないとだめ。」
「そんなことないよ。無子はいい女だからいい男捕まえられるよ。」
そんなどうでもいい男より、ずっと好きなココくんがいいのに何で分かってくれないの?
「俺は無子のそばで幸せを見守りたいって思ってるからルイを紹介したんだ。」
「…どういうこと?」
無子は涙で歪む目の前を自分の手で拭き取り、ココくんの悩む顔に目を向ける。
「ルイは俺の若い頃にそっくりでいい奴なんだ。今は日本語が少し不自由だけど、無子が教えてあげてよ。」
「…ルイくんより、ココくんがいいの。」
「ううん。無子が必要なのは俺じゃない。」
意味分かんない。
ココくんがいいって言ってるじゃん。
「ルイと無子が付き合って出来ることなら家庭を持てたらいいなって思ってるんだ。」
と、ココくんは全く私が望んでいない将来を話し出す。
「ルイはイケメンで結構モテるんだ。あの綺麗な目も持ってるし、優しいし、仕事熱心なんだ。」
「…うん。そっか。」
「だから今日無子とルイを会わせたんだ。」
だから会おうって私を誘ったの?
そういう理由じゃないとココくんは私を呼び出そうとも思ってくれないんだ。
「さっきルイに会いに行って、無子のことどう思ったか聞いてみたんだ。」
「…なんて言ってた?」
「彼氏はいるのかなって。可愛いくてタイプって言ってたよ。」
「ココくんは私たちのこと、なんて伝えたの…?」
「無子と俺の関係は伝えてない。ルイにはこのこと全部伝えてないよ。」
なにそれ。
言ってよ。彼氏は俺だよって。
無子が好きな人は俺なんだって。
「ルイと1回デートしてみて。それで嫌ならほかの人探すから。」
「…やだ。」
「お願い。俺はもう無子と一緒にいれないから。」
もうやだよ。
もう恋愛したくないよ。
したって報われることないの分かったよ。
だから次なんか用意しないでただ私をきっぱり捨ててよ。
「無子はまだ24歳だから大丈夫だよ。」
「…22歳だよ。」
「…若いね。じゃあまだ大丈夫だね。」
大丈夫ってなに?
なにが大丈夫なの?
しかも、私の年齢覚えてなかったんだ。
私はしっかり誕生日のお祝いメッセージにココくんの歳を毎回書いてたのに。
「もういい…。」
無子は全部が嫌になってベッドに倒れこむ。
「無子…、ごめん…。」
そんな言葉いらない。
ココくんの好きだけ欲しい。
「もし、日本に来て1番最初に無子と付き合ってたら結婚してたよ。」
「…私、ココくんが日本に来た時3歳だよ。」
「若いね…。」
そんなおとぎ話じゃなくて今ここの現実にいる無子と結婚してよ。
何でココくんが目を潤ませてるの?
哀れんでる?
無意識のもらい泣き?
無子のこと、少しでも好きだった?
その正解はくれないココくんは仕事場に呼び出されて気持ちが落ち着かない無子を置いて30分仕事に行き、帰ってくると仲直りと言って体を合わせた。
けど、無子は気持ちを救ってもらおうと流しっぱなしのマイリストに入っているあの曲が流れ始め、堪えていた涙が溢れてしまい、ココくんの眉を寄せてしまう。
「なんで泣いてるの…?」
「…分かんない。」
本当にココくんは忘れん坊なんだね。
私の気持ちなんか仕事に向かっている時に落としてきたんだろうね。
だから平気で勃つし、ずっとしてなかったあむあむキスもしちゃうんだ。
けど、そんなココくんも好きだよ。
それで無子は最後に愛を貰えてるって思えるから。
デブな無子を平気で抱いちゃうココくんが好き。
お酒が強いって言ってすぐに酔っちゃうココくんが好き。
甘いのが嫌いだけど断りきれずにメントスを貰っちゃうココくんが好き。
他の男に触れられてほしくないって少しでも思ってくれたココくんが好き。
嘘でもずっとそばにいようと結婚の話を持ち出してくれたココくんが好き。
あげたウイスキーを友達と飲まずに私と飲むんだと頑固に言ってたココくんが好き。
無意識で鏡合わせのように私の仕草や行動を真似しちゃうココくんが好きだったよ。
無子にいっぱいの好きと幸せな時間をくれてありがとう。
そんなココくんの代わりを置こうなんて思えないよ。
だから、ちょっとだけ最後のあがきだけさせてね。
環流 虹向/子宮が疼く愛が欲しい
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