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第32話 ミレリーの覚悟
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国は解体され、国王と王妃、ジェルマノ、ミレリーは投獄された。
そもそもで国が無くなると言っても150年前まではもっと多くの国があり、それが7つになっただけ。民衆のルーツが他の国にある者も多く、民衆が戸惑ったのは皮肉にも「今の生活がどうなるか」だけで国が変わるのは引っ越しをして住所が変わる程度の衝撃に過ぎなかった。
むしろ国が無くなる事で困ったのは甘い汁を王家と共に吸って来た貴族。身分を失い財も失ってそれまで鼻で笑ってきた平民に頭を下げて仕事を貰わねばならなくなった。
それはキュレック公爵夫妻も同じで、全てを失って平民となったが他の没落貴族と違ったのは口が裂けてもミレリーが自分たちの娘だと口にする事は出来なかった。
そんな事をしてしまえば数分先にどうなっているか判らない。
誰が知っているかも判らず、安く壁も薄いアパートメントで玄関前に靴音がする度に怯える日々を過ごすことになった。
ただ多くの者の生活が何も変わらない、むしろ豊かになると聞いても半信半疑は仕方がない。
しかし、パイプラインをこの国の港に向けての工事が始まれば作業員として雇われたり、飯場の給仕や料理人として仕事が出来、貧民窟と呼ばれた区画も整備されていくと不満を訴える者はいなくなった。
王家の処遇については民衆も参加したこれからの裁判で受ける罰が決まる。
極刑になるのは免れないとしても、民衆は隠されてきた秘密に唖然とした。
鉱山の件もあるが、流れ込む川に上流で水銀を採掘しそのまま垂れ流し。死の川にしてしまったが、改善すると言いながら放置。魚は何とか済むようになったが食べられる訳ではなく、水も農業用水にも使えない。
戦後補償の件も手を組んだ7か国からありつけたものの、兵糧を送る送ると言いながら1袋の小麦も送っておらず餓死による死亡者を多く出した戦地もあった。既に当時の生き証人は1人もいないが兵糧を送らなかった事に対する金銭保証もしないままだった事も判明した。
全ては過去の事、先代がした事で逃げてはきたが、今の国王も即位したばかりの頃に旱魃が続き、各国に支援を要請。人道的支援で送られた生活物資や食料、金は民衆には分配されず王家が海の向こうの国に売りさばいた事もある。
事実を知った民衆で王家に情けを望むものなど1人もいなかった。
★~★
「こちらです。最近は落ちつきましたよ」
「そうですか」
ムスライル国に出立をする前にルドヴィカはミレリー達が収監された牢を訪れた。
国王と王妃に掛ける言葉など何もない。目的はミレリーに会う事だった。
しかし「空きがない」というあり得ない理由でミレリーの牢にはジェルマノも一緒に収監されていた。物理的に避妊の措置をされたジェルマノは動くのもやっと。
哀れにも見えたがそれだけ民衆の中で「不貞行為」しかも妻の身内が相手なだけでも問題なのにメイドにも手を出していたというのは非難轟々だった。
だが、それだけが理由ではない。どこに王家の復活を志す者がいるかも判らない。王家が倒れた時に種も絶やすのは過去の歴史から見ても避けられない事だった。
「何しに来たの。私を笑いに来たの?笑えば?大声で笑えばいいわ」
「面白くも無いのに笑えないわ」
「そう?逆の立場だったら私は高笑いしてやったのに!」
「逆の立場だったら・・・貴女は王太子になろうと思わなかったか・・・ジェルマノを上手く操って君臨したかも知れないわ」
「そんなわけないでしょ。今の状況が関の山よ」
「そうかしら。私は19年間、言われた通りに動く人形だったの。笑う事も泣く事も怒る事も指示が無ければ表情に出してもいけない人形。無理難題を押し付けられて満足できる結果を残さねばならなかった。でもミレリー。貴女は自由を知ってたでしょう?だから貴女ならうまくやれたかも知れない」
「無理よ。19年って生まれて直ぐでしょ。そうするのが当たり前ってなってたら自由なんてなかったわ。むしろ・・・自由を知っていたからこうなっちゃった・・・なんで・・・なんでだろ…」
ミレリーは初めて後悔をし、その先は嗚咽となった。
牢の奥でルドヴィカを見るジェルマノは起き上がろうと体を動かし、痛みにまた体を丸める。
「何とかしてぐれぎょぉぉ!!優しくしてやっただろ!ホンット・・・男を食い殺す悪女だなっ!お前のせいでっ!!僕は何の不自由もなく生きていられたのに!人形なら人形らしく言われた事をしてればよかったんだよ!」
ガーン!!
ジェルマノの声をかき消すようにミレリーは鉄格子の扉部分を蹴り、大きな音をたてた。
「最後までみっともない男!安心しなさいよ!一緒に絞首刑場まで私が付き添って隣で吊るされてあげるわ!人形のようにねッ!」
ミレリーの言葉はジェルマノに対してでもあり、ルドヴィカに根拠のない逆恨みをした事への贖罪とも聞こえた。
その後、最後まで否認と延命を願う国王たち3人とは正反対にミレリーだけは「絞首刑を望む」と願った。ただその代わりエルヴィノだけは罪に問わないでほしいと涙を流し懇願した。
民衆も参加する裁判。極刑は国王、王妃、ジェルマノでミレリーは遺恨もあるであろうムスライル国の中でも特に敬虔な信徒である第11王女が身元引受人となり罪を償わせるとエルヴィノと共に引き取った。
引き取られた後は、エルヴィノは王女の子供達と同様に育てられ、ミレリーは神殿で清掃係を命じられたと聞くが神殿は一般の信徒も立ち入りが制限されるため、その姿を見た者はいない。尤も見る事が出来ても普段着でも目しか肌が見えない服装なので誰もミレリーとは気が付かないだけかも知れない。
★~★
メッサーラ王国の大使館。テラスの小上がりに腰を下ろしたティトは空を眺めていた。
通りかかったルドヴィカはその隣に腰を下ろす。
「ティト。明日はメッサーラ王国に発つ日でしょう?早く寝ないと」
「解ってるんだけど・・・ルドヴィカさんはムスライル国に行くってやっぱり本当?」
「えぇ。本当よ」
「俺、ルドヴィカさんもメッサーラ王国に行くかと思ってた」
「そうね。可能性はあったけど・・・でもムスライル国に行こうと思ったのはティト達のおかげなの」
「僕たちの?」
「あなた達は私の先生。生き方を教えて貰ったのよ」
「そんな事ないよ。俺は・・・何もしてない」
言葉が途切れれば星の瞬きだけが静寂と言う音を2人に奏でた。
「待っててくれる?」
「4年?いいけど・・・ティトは20歳。私は24歳。ティトにはもっと似合う人が現れると思うけど」
「現れないよ。俺・・・ルドヴィカさんだけだ」
「あのね?ティトはまだこれからなの。今は恩を感じているだけ。ごちゃごちゃになってるのよ」
「なってないよ!だから・・・4年。4年だけ・・・絶対にルドヴィカさんが頷くような男になるから」
その会話を柱に背を預けダニエレは目を閉じ、腕を組んでコッソリ聞いていたのだが…。
「ダニエレ!立ち聞きしないの!」
バレていた。
「うわっ!聞いてるなんて!最低だなっ!」
「ガキの癖に生意気言うな!まぁ、俺が4年、しっかりお嬢を見てるからお前も男になって来い」
「え?ダニエレもムスライル国に行くの?嫌なんだけど・・・」
「そう言うなよ~。俺はお嬢がいないとダメなんだって」
ティトは出立の日。
モスキーにだけ挨拶をして、夜明け前に出立をした。
★~★
(ΦωΦ)フフフ… 2話公開になっておりまする・・・
そもそもで国が無くなると言っても150年前まではもっと多くの国があり、それが7つになっただけ。民衆のルーツが他の国にある者も多く、民衆が戸惑ったのは皮肉にも「今の生活がどうなるか」だけで国が変わるのは引っ越しをして住所が変わる程度の衝撃に過ぎなかった。
むしろ国が無くなる事で困ったのは甘い汁を王家と共に吸って来た貴族。身分を失い財も失ってそれまで鼻で笑ってきた平民に頭を下げて仕事を貰わねばならなくなった。
それはキュレック公爵夫妻も同じで、全てを失って平民となったが他の没落貴族と違ったのは口が裂けてもミレリーが自分たちの娘だと口にする事は出来なかった。
そんな事をしてしまえば数分先にどうなっているか判らない。
誰が知っているかも判らず、安く壁も薄いアパートメントで玄関前に靴音がする度に怯える日々を過ごすことになった。
ただ多くの者の生活が何も変わらない、むしろ豊かになると聞いても半信半疑は仕方がない。
しかし、パイプラインをこの国の港に向けての工事が始まれば作業員として雇われたり、飯場の給仕や料理人として仕事が出来、貧民窟と呼ばれた区画も整備されていくと不満を訴える者はいなくなった。
王家の処遇については民衆も参加したこれからの裁判で受ける罰が決まる。
極刑になるのは免れないとしても、民衆は隠されてきた秘密に唖然とした。
鉱山の件もあるが、流れ込む川に上流で水銀を採掘しそのまま垂れ流し。死の川にしてしまったが、改善すると言いながら放置。魚は何とか済むようになったが食べられる訳ではなく、水も農業用水にも使えない。
戦後補償の件も手を組んだ7か国からありつけたものの、兵糧を送る送ると言いながら1袋の小麦も送っておらず餓死による死亡者を多く出した戦地もあった。既に当時の生き証人は1人もいないが兵糧を送らなかった事に対する金銭保証もしないままだった事も判明した。
全ては過去の事、先代がした事で逃げてはきたが、今の国王も即位したばかりの頃に旱魃が続き、各国に支援を要請。人道的支援で送られた生活物資や食料、金は民衆には分配されず王家が海の向こうの国に売りさばいた事もある。
事実を知った民衆で王家に情けを望むものなど1人もいなかった。
★~★
「こちらです。最近は落ちつきましたよ」
「そうですか」
ムスライル国に出立をする前にルドヴィカはミレリー達が収監された牢を訪れた。
国王と王妃に掛ける言葉など何もない。目的はミレリーに会う事だった。
しかし「空きがない」というあり得ない理由でミレリーの牢にはジェルマノも一緒に収監されていた。物理的に避妊の措置をされたジェルマノは動くのもやっと。
哀れにも見えたがそれだけ民衆の中で「不貞行為」しかも妻の身内が相手なだけでも問題なのにメイドにも手を出していたというのは非難轟々だった。
だが、それだけが理由ではない。どこに王家の復活を志す者がいるかも判らない。王家が倒れた時に種も絶やすのは過去の歴史から見ても避けられない事だった。
「何しに来たの。私を笑いに来たの?笑えば?大声で笑えばいいわ」
「面白くも無いのに笑えないわ」
「そう?逆の立場だったら私は高笑いしてやったのに!」
「逆の立場だったら・・・貴女は王太子になろうと思わなかったか・・・ジェルマノを上手く操って君臨したかも知れないわ」
「そんなわけないでしょ。今の状況が関の山よ」
「そうかしら。私は19年間、言われた通りに動く人形だったの。笑う事も泣く事も怒る事も指示が無ければ表情に出してもいけない人形。無理難題を押し付けられて満足できる結果を残さねばならなかった。でもミレリー。貴女は自由を知ってたでしょう?だから貴女ならうまくやれたかも知れない」
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ミレリーは初めて後悔をし、その先は嗚咽となった。
牢の奥でルドヴィカを見るジェルマノは起き上がろうと体を動かし、痛みにまた体を丸める。
「何とかしてぐれぎょぉぉ!!優しくしてやっただろ!ホンット・・・男を食い殺す悪女だなっ!お前のせいでっ!!僕は何の不自由もなく生きていられたのに!人形なら人形らしく言われた事をしてればよかったんだよ!」
ガーン!!
ジェルマノの声をかき消すようにミレリーは鉄格子の扉部分を蹴り、大きな音をたてた。
「最後までみっともない男!安心しなさいよ!一緒に絞首刑場まで私が付き添って隣で吊るされてあげるわ!人形のようにねッ!」
ミレリーの言葉はジェルマノに対してでもあり、ルドヴィカに根拠のない逆恨みをした事への贖罪とも聞こえた。
その後、最後まで否認と延命を願う国王たち3人とは正反対にミレリーだけは「絞首刑を望む」と願った。ただその代わりエルヴィノだけは罪に問わないでほしいと涙を流し懇願した。
民衆も参加する裁判。極刑は国王、王妃、ジェルマノでミレリーは遺恨もあるであろうムスライル国の中でも特に敬虔な信徒である第11王女が身元引受人となり罪を償わせるとエルヴィノと共に引き取った。
引き取られた後は、エルヴィノは王女の子供達と同様に育てられ、ミレリーは神殿で清掃係を命じられたと聞くが神殿は一般の信徒も立ち入りが制限されるため、その姿を見た者はいない。尤も見る事が出来ても普段着でも目しか肌が見えない服装なので誰もミレリーとは気が付かないだけかも知れない。
★~★
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「ティト。明日はメッサーラ王国に発つ日でしょう?早く寝ないと」
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「えぇ。本当よ」
「俺、ルドヴィカさんもメッサーラ王国に行くかと思ってた」
「そうね。可能性はあったけど・・・でもムスライル国に行こうと思ったのはティト達のおかげなの」
「僕たちの?」
「あなた達は私の先生。生き方を教えて貰ったのよ」
「そんな事ないよ。俺は・・・何もしてない」
言葉が途切れれば星の瞬きだけが静寂と言う音を2人に奏でた。
「待っててくれる?」
「4年?いいけど・・・ティトは20歳。私は24歳。ティトにはもっと似合う人が現れると思うけど」
「現れないよ。俺・・・ルドヴィカさんだけだ」
「あのね?ティトはまだこれからなの。今は恩を感じているだけ。ごちゃごちゃになってるのよ」
「なってないよ!だから・・・4年。4年だけ・・・絶対にルドヴィカさんが頷くような男になるから」
その会話を柱に背を預けダニエレは目を閉じ、腕を組んでコッソリ聞いていたのだが…。
「ダニエレ!立ち聞きしないの!」
バレていた。
「うわっ!聞いてるなんて!最低だなっ!」
「ガキの癖に生意気言うな!まぁ、俺が4年、しっかりお嬢を見てるからお前も男になって来い」
「え?ダニエレもムスライル国に行くの?嫌なんだけど・・・」
「そう言うなよ~。俺はお嬢がいないとダメなんだって」
ティトは出立の日。
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★~★
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