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序章
第05話 断頭台での脅しと煽り
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どうしてこうなってしまったのか。
今更考えても仕方がない事を考えてしまうのは、そんな事でも考えなければ息をする事も苦痛に感じるこの湿気と暑さ、そして湿気ているのに喉が渇きを覚え、空腹を飢えが食らったあとの更なる空腹に耐えられないからだ。
父の言葉にも首を縦に振らなかった私に与えられたのは「無」だった。
石の隙間から漏れて来る光と誰かが何かを話している声。それ以外は水が石に不定期に落ちる音だけが聞こえる牢。
指を折ってここに来てからの日を数える。
この纏わりつくような湿気が水分補給になってしまったのか8日目を迎えていた。
「空気ナシで3分、水なしで3日、食料なしで2週間・・・見直しが必要かしら」
声に出してしまったのか、頭の中で言った気になったのか。
自分の言葉が耳に聞こえた気がした。
空腹と喉の渇きに耐えられず、私が音を上げると考えたのか食事も与えられなかった。
誰も面会にも来ないとなれば公爵家からも見切られた、いや、音を上げて影として尽くすという心変わりを期待しての仕業だ。
過去にも厳しい王子妃教育に倒れたあの日。
足から膿を絞り出す痛みにすら声をあげることを禁じられた日。
父からも「反省するまで食事は無しだ」と幼い私は「二度と辞めるなんて言いません」とたった2日の罰に音を上げたのだ。
だが、そんな考えもさせてはくれない招かれざる客がやって来た。
ガチャリと鉄の格子戸が開く音と人間の声がした。
「出ろ」
体躯の良い騎士の声に目だけが反応する。
立ち上がりたくても足には力が入らないし、返事をしたくても喉はもう声を出す事を拒否していた。
「出ろと言ってる。聞こえないのか。まぁ、公爵令嬢だった貴様でも断頭台は怖いか」
てっきり今度は体の何処かを痛めつけられるのかと思ったがどうやら違っていたようで、どこかホッとした私は過去の栄光に縋るわけではないももの立ち上がり心を鼓舞した。
――歩くの。どんな状況になっても矜持を捨ててはいけない――
手を貸そうとする騎士に断りの会釈をすると騎士の顔が歪む。
彼の腹心の部下であるラザール侯爵家の嫡男、カサエルが知の将ならこのリシャールは武の将だ。
「結構よ。1人で歩けます」
「しかし・・・」
リシャールが差し出した手の行き場を探す間に私は鉄格子の外に出た。
収監されていた牢を出ると目の前には長い石の廊下。
別の騎士が眉間に皺をよせ面倒くさそうに看守に命じた。
「足枷だけは外してやれ。ゴロゴロと五月蠅いからな」
滑稽だ。歩みが遅くなるからではなく両足につけられた鉄の玉が石畳みをゴロゴロと引く音が五月蠅いのだと言う騎士。私にとっては「貴方の声が五月蠅いわ」と思えるのに。
「外すのなら手枷も外して頂きたいものだわ」
私の言葉にリシャールを含め、その場にいた騎士の顔は強張る。
それもそうだろう。歩くのに足枷は邪魔でも手枷は邪魔にはならないのだから。
「冗談よ。これがあるだけで貴方達は安心ですものね」
両手を広げるまえに壁に手がついてしまい、壁を背凭れに座れば足が伸ばせた小さな部屋を後に太陽の光が差し込む廊下を歩く。いくつかの扉を抜けて最後の扉が開くと目の前がパァっと明るくなった。
「殿下、やっと来たようですよ」
「やれやれ。どれだけ待たせれば気が済むんだ」
声のする方向に顔を向ければ朝となく夜となく身を粉にして尽くしてきた男がいた。目を合わせる事も無い。まるで汚いものを見るかのように彼が顔ごと背けた。
――あら?今日は隣には侍らせていないのね――
ウォレンデス王国の王太子エドゥアール。
私の元婚約者でありながら別の女性に真実の愛を貫く愚か者。
彼の隣にはいつも異世界からやってきたエリカがいたのに、流石に処刑を見せるのは気が引けたのか。それともエリカが「見るに値しない」とごねたのか。
そう思うと、意図せずに笑みが出た。
「階段だ。ゆっくりでいい」
リシャールの声に会釈で返事を返した私は、リシャールの言う「ゆっくり」よりも少し早く断頭台への階段をあがる。公開処刑ではなく非公開で行われるのは元婚約者に対しての温情というよりも体裁を保つため、いや、脅しなのだろう。
この国では高位貴族の処刑はもれなく毒杯。なのに断頭台で処刑をされるのは私が泣いて許しを乞うのを願っているのだ。
折角足枷が外れたのに今度は膝をつかされて首に人生最後の枷が嵌められた。
顔を覗き込むようにエドゥアールは私に話しかけた。
「ティナベル。今なら許してやるぞ」
「許す?許しを願わねばならないことなど御座いません」
俯いたままで返した返事。
エドゥアールは、舌打ちを1つするともう一度同じ事を聞いて来た。
――なんて面倒なのかしら――
そう思いつつも髪が横顔を隠してくれることはなく、視界の端に彼が見えた。最後の最後で私が許しを乞う姿を望んでいるのか。
身を乗り出したエドゥアールが「謝れば許してやると言ってるのだぞ」と叫ぶが、嘘を吐いてまで彼の人生を謳歌させる道化でいたくもない。
「こんな張りぼての脅しにわたくしが屈するとでも?」
「張りぼてだと?!」
「えぇ。こんな玩具を見て震えながら心にもない許しを乞う者がいれば会ってみたいですわ」
「張りぼてなどではない!刃が落ちればその首などあっという間に切り離されるッ」
「さぁ?どうかしら。私の名を騙る女を側においても私だと思える貴方。あぁそうね。貴方の目には虚偽でも真実が映るのですもの。他者を欺こうとする者がまさか欺かれるとは考えもしないでしょうね」
「なんだと?!騙されているとでも言いたいのか!ならば本当にその首、刎ねてくれるッ」
「ふふっ。そうね。そうすれば騙されているかどうかなんて一目瞭然。さぁ次は誰をこの張りぼての断頭台に据え付けるのかしら。脅しが効くといいわね」
伊達に13年もエドゥアールの婚約者などしてはいない。
揶揄えばカッと頭に血が上るのはエドゥアールの悪い癖だ。
断頭台が本物であるくらい私にだって察しは付く。
煽られたエドゥアールが刃を止めていたロープを帯剣した剣で断ち切る事など一瞬。
「うわぁぁ!!ティナ!?ティナァァァーッ」
勢いよく落ちて来た刃に私の人生もそこで断ち切られる寸前、悲痛な声が聞こえた気がした。
★~★
ぱちくり‥‥。
――ここ、どこ?――
見覚えがあるような無いような。
少なくとも最近まで飾りに近かった私の寝台ではない事は確かだ。
私の寝台は「少しでも暗くすれば眠れます」と言った侍医の言葉で天幕があった。
が、見えているのは天井で天幕はない。
「お嬢様、お目覚めで御座いますか?」
声にゆっくり顔を傾けてみれば、記憶にある侍女よりもかなり若い見知った侍女がいた。
「さぁ、お顔を洗いますよ。今日は第1王子殿下とお顔を合わせる日で御座いましょう?このタチアナがお嬢様を何処のお姫様よりも可愛くして差し上げますよ」
――どういうことなの?――
手を見れば記憶にあるよりずっと小さな手。
ガバリと起き上がって部屋を見渡せば、見覚えがあるはずだ。
――ここ、私の部屋だわ――
ツキンと足先が痛むのは何度もカーテシーの練習をさせられたからだ。
私は記憶はそのままにエドゥアールと初めて顔合わせをする日の朝に時間が巻き戻っている事を悟った。
今更考えても仕方がない事を考えてしまうのは、そんな事でも考えなければ息をする事も苦痛に感じるこの湿気と暑さ、そして湿気ているのに喉が渇きを覚え、空腹を飢えが食らったあとの更なる空腹に耐えられないからだ。
父の言葉にも首を縦に振らなかった私に与えられたのは「無」だった。
石の隙間から漏れて来る光と誰かが何かを話している声。それ以外は水が石に不定期に落ちる音だけが聞こえる牢。
指を折ってここに来てからの日を数える。
この纏わりつくような湿気が水分補給になってしまったのか8日目を迎えていた。
「空気ナシで3分、水なしで3日、食料なしで2週間・・・見直しが必要かしら」
声に出してしまったのか、頭の中で言った気になったのか。
自分の言葉が耳に聞こえた気がした。
空腹と喉の渇きに耐えられず、私が音を上げると考えたのか食事も与えられなかった。
誰も面会にも来ないとなれば公爵家からも見切られた、いや、音を上げて影として尽くすという心変わりを期待しての仕業だ。
過去にも厳しい王子妃教育に倒れたあの日。
足から膿を絞り出す痛みにすら声をあげることを禁じられた日。
父からも「反省するまで食事は無しだ」と幼い私は「二度と辞めるなんて言いません」とたった2日の罰に音を上げたのだ。
だが、そんな考えもさせてはくれない招かれざる客がやって来た。
ガチャリと鉄の格子戸が開く音と人間の声がした。
「出ろ」
体躯の良い騎士の声に目だけが反応する。
立ち上がりたくても足には力が入らないし、返事をしたくても喉はもう声を出す事を拒否していた。
「出ろと言ってる。聞こえないのか。まぁ、公爵令嬢だった貴様でも断頭台は怖いか」
てっきり今度は体の何処かを痛めつけられるのかと思ったがどうやら違っていたようで、どこかホッとした私は過去の栄光に縋るわけではないももの立ち上がり心を鼓舞した。
――歩くの。どんな状況になっても矜持を捨ててはいけない――
手を貸そうとする騎士に断りの会釈をすると騎士の顔が歪む。
彼の腹心の部下であるラザール侯爵家の嫡男、カサエルが知の将ならこのリシャールは武の将だ。
「結構よ。1人で歩けます」
「しかし・・・」
リシャールが差し出した手の行き場を探す間に私は鉄格子の外に出た。
収監されていた牢を出ると目の前には長い石の廊下。
別の騎士が眉間に皺をよせ面倒くさそうに看守に命じた。
「足枷だけは外してやれ。ゴロゴロと五月蠅いからな」
滑稽だ。歩みが遅くなるからではなく両足につけられた鉄の玉が石畳みをゴロゴロと引く音が五月蠅いのだと言う騎士。私にとっては「貴方の声が五月蠅いわ」と思えるのに。
「外すのなら手枷も外して頂きたいものだわ」
私の言葉にリシャールを含め、その場にいた騎士の顔は強張る。
それもそうだろう。歩くのに足枷は邪魔でも手枷は邪魔にはならないのだから。
「冗談よ。これがあるだけで貴方達は安心ですものね」
両手を広げるまえに壁に手がついてしまい、壁を背凭れに座れば足が伸ばせた小さな部屋を後に太陽の光が差し込む廊下を歩く。いくつかの扉を抜けて最後の扉が開くと目の前がパァっと明るくなった。
「殿下、やっと来たようですよ」
「やれやれ。どれだけ待たせれば気が済むんだ」
声のする方向に顔を向ければ朝となく夜となく身を粉にして尽くしてきた男がいた。目を合わせる事も無い。まるで汚いものを見るかのように彼が顔ごと背けた。
――あら?今日は隣には侍らせていないのね――
ウォレンデス王国の王太子エドゥアール。
私の元婚約者でありながら別の女性に真実の愛を貫く愚か者。
彼の隣にはいつも異世界からやってきたエリカがいたのに、流石に処刑を見せるのは気が引けたのか。それともエリカが「見るに値しない」とごねたのか。
そう思うと、意図せずに笑みが出た。
「階段だ。ゆっくりでいい」
リシャールの声に会釈で返事を返した私は、リシャールの言う「ゆっくり」よりも少し早く断頭台への階段をあがる。公開処刑ではなく非公開で行われるのは元婚約者に対しての温情というよりも体裁を保つため、いや、脅しなのだろう。
この国では高位貴族の処刑はもれなく毒杯。なのに断頭台で処刑をされるのは私が泣いて許しを乞うのを願っているのだ。
折角足枷が外れたのに今度は膝をつかされて首に人生最後の枷が嵌められた。
顔を覗き込むようにエドゥアールは私に話しかけた。
「ティナベル。今なら許してやるぞ」
「許す?許しを願わねばならないことなど御座いません」
俯いたままで返した返事。
エドゥアールは、舌打ちを1つするともう一度同じ事を聞いて来た。
――なんて面倒なのかしら――
そう思いつつも髪が横顔を隠してくれることはなく、視界の端に彼が見えた。最後の最後で私が許しを乞う姿を望んでいるのか。
身を乗り出したエドゥアールが「謝れば許してやると言ってるのだぞ」と叫ぶが、嘘を吐いてまで彼の人生を謳歌させる道化でいたくもない。
「こんな張りぼての脅しにわたくしが屈するとでも?」
「張りぼてだと?!」
「えぇ。こんな玩具を見て震えながら心にもない許しを乞う者がいれば会ってみたいですわ」
「張りぼてなどではない!刃が落ちればその首などあっという間に切り離されるッ」
「さぁ?どうかしら。私の名を騙る女を側においても私だと思える貴方。あぁそうね。貴方の目には虚偽でも真実が映るのですもの。他者を欺こうとする者がまさか欺かれるとは考えもしないでしょうね」
「なんだと?!騙されているとでも言いたいのか!ならば本当にその首、刎ねてくれるッ」
「ふふっ。そうね。そうすれば騙されているかどうかなんて一目瞭然。さぁ次は誰をこの張りぼての断頭台に据え付けるのかしら。脅しが効くといいわね」
伊達に13年もエドゥアールの婚約者などしてはいない。
揶揄えばカッと頭に血が上るのはエドゥアールの悪い癖だ。
断頭台が本物であるくらい私にだって察しは付く。
煽られたエドゥアールが刃を止めていたロープを帯剣した剣で断ち切る事など一瞬。
「うわぁぁ!!ティナ!?ティナァァァーッ」
勢いよく落ちて来た刃に私の人生もそこで断ち切られる寸前、悲痛な声が聞こえた気がした。
★~★
ぱちくり‥‥。
――ここ、どこ?――
見覚えがあるような無いような。
少なくとも最近まで飾りに近かった私の寝台ではない事は確かだ。
私の寝台は「少しでも暗くすれば眠れます」と言った侍医の言葉で天幕があった。
が、見えているのは天井で天幕はない。
「お嬢様、お目覚めで御座いますか?」
声にゆっくり顔を傾けてみれば、記憶にある侍女よりもかなり若い見知った侍女がいた。
「さぁ、お顔を洗いますよ。今日は第1王子殿下とお顔を合わせる日で御座いましょう?このタチアナがお嬢様を何処のお姫様よりも可愛くして差し上げますよ」
――どういうことなの?――
手を見れば記憶にあるよりずっと小さな手。
ガバリと起き上がって部屋を見渡せば、見覚えがあるはずだ。
――ここ、私の部屋だわ――
ツキンと足先が痛むのは何度もカーテシーの練習をさせられたからだ。
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