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日帰りするには鞭
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本日はアルベルト様は遠征に出かけております。
本来ならば1泊2日のようですが、「日帰りするから!」と仰いました。
久しぶりの実家か、夜中も夜更かしOKのだらりん生活が出来るかと思ったのですが残念で御座います。無理にお帰りにならず、途中で半年ほど寄り道をしてくださっても良いのですが。
闇の帝王対策として、異国から取り寄せたバル●ンという煙を吐き出す駆除剤を使用人さんが行ってくださいました。効き目はかなり良いとの事ですが、煙を吐き出している間は外出をせねばならないようです。
ですので本日は休日担当の使用人さんにも声をかけて、来られる方だけですが昼食会を近場の食堂で行います。レストランでも良かったのですが選民意識の高い方も居られますので、双方ともにお食事は美味しく頂きたい物。それにまかない風の料理も出るとの事で食堂に致しました。
昼間ですので深夜食堂では御座いません。えぇ。そこまで孤高のグルメでも御座いません。
「まぁ、これは何ですの?」
「カルボナーラですよ。チーズはお好みで追加してください」
「なるほど…追いチーズが出来るのはいいですね」
「夕食にも一度出してみましょうか」
「そうですね。アルベルト様も気に入ると思います」
意外とアルベルト様はこのような絡めて食するものがお好きなのです。
えぇ…わたくしにも必要以上に絡んで参りますしね。
デザートにはティラミスというケーキも頂きました。触感が普通のケーキともレアチーズケーキなどとも違ってふわっとしているのにシフォンとも違うとは。奥が深いです。
えぇ。アルベルト様は【奥が好きなんだろう】とよく仰います。バレていたようです。
お子様を連れて来られていた使用人さんも居られます。
そうです。今回は家族であれば何方でも。としておりましたのでかなりの大人数。
ですが食堂とは便利ですし融通が利くようです。
後から「遅れましたぁ」と来られても対応してくださるのです。
招待状がなければ入場すら出来ない貴族の夜会とはなんと堅苦しいのだろうと感じます。
そうそう。本日は子犬も来るのです。残念ながら1匹は飼ってくださる方が現れたと我が家に来るのは1匹になりました。アルベルト様と話し合って名前を決めました。
ただ本日はわたくしが見るだけ。まだ母犬から離すのは良くないのだそうです。
アルベルト様がエマニエル夫人の次に読破をした本の主人公の名前で御座います。
当初2匹でしたので【ジルベール】【セルジュ】と候補でございましたが1匹になりましたのでどちらにするか見てから決めるのです。
その時もアルベルト様は遠い目をされておられました。
眉目秀麗なお兄様が丁度学院の寮に入寮されたそうで、妄想に妄想を重ねられたのでしょう。
お兄様が気の毒に思えてなりませんでしたが、兄弟ですら妄想の糧とするアルベルト様。
心がお強いのですね。わたくしは兄を想像して気が遠くなりました。
「奥様。この子なんです」
「まぁ!可愛い。何処の子かしら」
「野良の子です」
「お任せくださいませ!責任をもって可愛がりますわ」
「良かったなぁ」
とても可愛い子犬でございます。雑種との事ですが大きくなれば番犬にもなるでしょう。
お散歩をする日が待ち遠しいです。
さて楽しい時間も終わり、屋敷に帰ってみると特に変わっていませんが、薬剤が隙間にも浸透しているとの事で、闇の帝王に怯える必要はしばらくはなさそうです。
ちなみにあの後、「痛いですか?」と撫でてあげるといつもよりも大きくなっておりました。
きっと腫れあがってしまわれていたのでしょう。
手で包み込むように何度も撫でてあげると声をあげておられましたし。
あまり放っておいて熱を持つのもどうかと打ち身に効く、エアーサ●ンパスかコールドスプレーは如何でしょうかとお尋ねをしたのですが【癖になるから】とお断りされてしまいました。
「ハァハァ‥‥エトランゼっ!帰ったよ!」
「まぁ、そんなに息切れをされるほどに馬を走らせて」
「早く帰りたくて自分にも鞭をいれた」
――えっ…自分に鞭を?…まぁ!太ももが蚯蚓腫れですわ――
ですが、こんなになるまで鞭を馬に入れなくて良かったと思わねば。
馬も可哀想ですからね。
「遠征の方は大丈夫でしたの」
「あぁ。問題ない。焦土と化したからな」
――えっ‥‥それは色々と問題なのではないでしょうか――
「また地図を書き換えねばならんと文句を言われそうだ」
――言われそうだ。ではなく言われますよね――
「そう言えば、犬の名前なんだが…」
「あ、今日見て参りましたわ。とっても可愛い子犬でした」
「許せんな‥‥」
「何が許せないので御座います?」
「僕以外を可愛いとエトランゼに認識させるとは…」
――いえ、普通に子犬、子猫は可愛いですよね?――
「名前を変更するのですか?」
「あぁ、今日魔獣は拳の使い手で手ごわく、その時思いついたんだ」
――そんな時に名前って思いつくものなの?――
「まさか鼻から攻撃を仕掛けてくるとは!お下劣なやつだ」
――アルベルト様にお下劣認定させる魔獣…想像いえ、妄想できませんわ――
「ではなんと?」
【ボーボボ だ】
第一回放送なのに前回までのあらすじがあるというあり得ない設定のアニメ?
勿論、却下致しましたけれども。
☆~☆~☆
本日は甥っ子の遠足に急遽駆り出されましたので更新が遅くなりました。
申し訳ないです <(_ _)>
本来ならば1泊2日のようですが、「日帰りするから!」と仰いました。
久しぶりの実家か、夜中も夜更かしOKのだらりん生活が出来るかと思ったのですが残念で御座います。無理にお帰りにならず、途中で半年ほど寄り道をしてくださっても良いのですが。
闇の帝王対策として、異国から取り寄せたバル●ンという煙を吐き出す駆除剤を使用人さんが行ってくださいました。効き目はかなり良いとの事ですが、煙を吐き出している間は外出をせねばならないようです。
ですので本日は休日担当の使用人さんにも声をかけて、来られる方だけですが昼食会を近場の食堂で行います。レストランでも良かったのですが選民意識の高い方も居られますので、双方ともにお食事は美味しく頂きたい物。それにまかない風の料理も出るとの事で食堂に致しました。
昼間ですので深夜食堂では御座いません。えぇ。そこまで孤高のグルメでも御座いません。
「まぁ、これは何ですの?」
「カルボナーラですよ。チーズはお好みで追加してください」
「なるほど…追いチーズが出来るのはいいですね」
「夕食にも一度出してみましょうか」
「そうですね。アルベルト様も気に入ると思います」
意外とアルベルト様はこのような絡めて食するものがお好きなのです。
えぇ…わたくしにも必要以上に絡んで参りますしね。
デザートにはティラミスというケーキも頂きました。触感が普通のケーキともレアチーズケーキなどとも違ってふわっとしているのにシフォンとも違うとは。奥が深いです。
えぇ。アルベルト様は【奥が好きなんだろう】とよく仰います。バレていたようです。
お子様を連れて来られていた使用人さんも居られます。
そうです。今回は家族であれば何方でも。としておりましたのでかなりの大人数。
ですが食堂とは便利ですし融通が利くようです。
後から「遅れましたぁ」と来られても対応してくださるのです。
招待状がなければ入場すら出来ない貴族の夜会とはなんと堅苦しいのだろうと感じます。
そうそう。本日は子犬も来るのです。残念ながら1匹は飼ってくださる方が現れたと我が家に来るのは1匹になりました。アルベルト様と話し合って名前を決めました。
ただ本日はわたくしが見るだけ。まだ母犬から離すのは良くないのだそうです。
アルベルト様がエマニエル夫人の次に読破をした本の主人公の名前で御座います。
当初2匹でしたので【ジルベール】【セルジュ】と候補でございましたが1匹になりましたのでどちらにするか見てから決めるのです。
その時もアルベルト様は遠い目をされておられました。
眉目秀麗なお兄様が丁度学院の寮に入寮されたそうで、妄想に妄想を重ねられたのでしょう。
お兄様が気の毒に思えてなりませんでしたが、兄弟ですら妄想の糧とするアルベルト様。
心がお強いのですね。わたくしは兄を想像して気が遠くなりました。
「奥様。この子なんです」
「まぁ!可愛い。何処の子かしら」
「野良の子です」
「お任せくださいませ!責任をもって可愛がりますわ」
「良かったなぁ」
とても可愛い子犬でございます。雑種との事ですが大きくなれば番犬にもなるでしょう。
お散歩をする日が待ち遠しいです。
さて楽しい時間も終わり、屋敷に帰ってみると特に変わっていませんが、薬剤が隙間にも浸透しているとの事で、闇の帝王に怯える必要はしばらくはなさそうです。
ちなみにあの後、「痛いですか?」と撫でてあげるといつもよりも大きくなっておりました。
きっと腫れあがってしまわれていたのでしょう。
手で包み込むように何度も撫でてあげると声をあげておられましたし。
あまり放っておいて熱を持つのもどうかと打ち身に効く、エアーサ●ンパスかコールドスプレーは如何でしょうかとお尋ねをしたのですが【癖になるから】とお断りされてしまいました。
「ハァハァ‥‥エトランゼっ!帰ったよ!」
「まぁ、そんなに息切れをされるほどに馬を走らせて」
「早く帰りたくて自分にも鞭をいれた」
――えっ…自分に鞭を?…まぁ!太ももが蚯蚓腫れですわ――
ですが、こんなになるまで鞭を馬に入れなくて良かったと思わねば。
馬も可哀想ですからね。
「遠征の方は大丈夫でしたの」
「あぁ。問題ない。焦土と化したからな」
――えっ‥‥それは色々と問題なのではないでしょうか――
「また地図を書き換えねばならんと文句を言われそうだ」
――言われそうだ。ではなく言われますよね――
「そう言えば、犬の名前なんだが…」
「あ、今日見て参りましたわ。とっても可愛い子犬でした」
「許せんな‥‥」
「何が許せないので御座います?」
「僕以外を可愛いとエトランゼに認識させるとは…」
――いえ、普通に子犬、子猫は可愛いですよね?――
「名前を変更するのですか?」
「あぁ、今日魔獣は拳の使い手で手ごわく、その時思いついたんだ」
――そんな時に名前って思いつくものなの?――
「まさか鼻から攻撃を仕掛けてくるとは!お下劣なやつだ」
――アルベルト様にお下劣認定させる魔獣…想像いえ、妄想できませんわ――
「ではなんと?」
【ボーボボ だ】
第一回放送なのに前回までのあらすじがあるというあり得ない設定のアニメ?
勿論、却下致しましたけれども。
☆~☆~☆
本日は甥っ子の遠足に急遽駆り出されましたので更新が遅くなりました。
申し訳ないです <(_ _)>
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