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番外編☆笑い話になる未来へ
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「お母様、はいっ」
小さな手に庭で摘んだ花を差し出してくる可愛い息子はペルセウス様と同じ髪色、瞳の色で御座います。名をゼウシーズと申します。そしてわたくしのお腹にはもう1人。
あと数日もすれば新しい家族が増えるのです。
「僕、妹がいいなぁ」
「あら?弟だと嫌なの?弟も可愛いわよ?」
「うーん‥‥でも妹だともっと可愛い気がする」
そう言うと身を翻しまた庭の花を摘みに走るのです。
その様子を微笑ましく見るわたくしと、ペルセウス様のお母様。
嫁と姑という立場で御座いますが、結婚し既に5年。2年前に侯爵位をペルセウス様にお譲りになり隠居をされたのですが時折前駆陣痛が見られるようになり、足もつったようになる事から来てもらっております。
――使えるものは親でも使え――
侯爵家の領地経営を任されてはいるのですが、ペルセウス様は軍の要職にありわたくしが引き受けておりました。二度目の出産に際し、ゼウシーズのお世話としばしの領地経営もお願いしているのです。
かの国で王太子妃教育も終えておりましたわたくしは、それなりに顔を覚えてもらっておりましたので順調に切り出す木材や果実園の果実、日持ちがあまりしない葉物野菜の販路を広げました。
手法も農薬から天敵を使って害虫の駆除をし、無農薬野菜となった作物は他の領の作物の2割増しで買い取ってもらえるようになり耕作面積も広げましたの。
それまで小作で農業をしていた農夫さんたちに10年契約で農地を貸し出し、買取を8割の価格とする事で残り2割を積み立て10年目に規定額に達していればそのお金で農地を農夫さんに売買するのです。
そうすれば11年目からは10割の価格で買い取れますので農夫さんも作業に精が出るようです。
休耕田が多かった侯爵領も今では空いている畑が御座いません。
まさに皆がWIN&WINな関係となりました。
林業もそれまで剪定で伐採した枝は薪にしておりましたが、木炭や粉にして石鹸などの原料としたり、細かく砕いてチップ材とする事で無駄が無くなり、林業の従事者も少し増えました。
来年には現皇太子殿下のレオグラン様もついに皇帝に即位されることが決まり、マイセレオス帝国は毎日がお祭りのように賑わっております。
「ツィー。具合はどうだ?変わりないか?」
「ペルセウス様、またこんなに買い込んで。いったいどうなさるのです?」
大量の衣類をまたも買い込んで帰宅したペルセウス様。
ベビー用品では御座いません。既に臨月。今夜生まれてもおかしくないわたくしの為にマタニティドレスを毎日帰宅時に買ってこられるのです。
一昨日は何度も申しますが現在臨月ですのに、犬の日だからと腹帯を買ってくるのです。
それも色違いだからと10種コンプリートと得意気に。
それは6カ月目の犬の日だともう何度言った事でしょう。
ですが、足が浮腫めばマッサージをしてくださいますし、屋敷にいる時は必ず隣で手を貸してくださいます。お腹が大きくなってからは営みはお休み中でございますが、寝返りをうつにも苦労するわたくしの為に添い寝をしてくださり介助くださるのです。
今日もお義母様がゼウシーズと先に屋敷の中に戻ると、テラスでわたくしのお腹を撫でながら話しかけてくださっております。
「そう言えばアルフレッド殿だが第五騎士団の副団長に就任したそうだ」
「まぁ、大出世でございますね。ペルセウス様の指導あってこそですわ」
「よく耐えたと思うよ。1日千回の素振りに5時間の打ち込み。寝てたのかな」
「生きているなら大丈夫ですわ。それに副長となればそれなりに精進もされたのでしょう」
「あとは結婚だがどうやらする気はないようだな」
「それも一つの生き方ですわ。運命の相手が現れれば変わるかも知れませんし」
廃嫡をされ市井を警備する第五騎士団で平の騎士から力を付けたアルフレッド様。
見た目は良いのですが継承争いにならぬよう去勢をされた事から女性とは距離を置いていると聞いております。ですが理由はそれだけではないのでしょう。
男色ではないとの事ですが、アルフレッド様はペルセウス様に騎士の誓いをしたと聞いております。処刑を回避できたのはペルセウス様の指導もあっての事。
今では石橋をたたいて慎重の上に慎重を重ね、第五騎士団の負傷者などは激減しただけでなく市井での揉め事や犯罪も少なくなったと聞いております。
あの日、アルフレッド様のあの言葉がなければ…と考える事も少なくなりました。
お腹の子が無事に生まれて、話が出来るようになれば毎回マイセレオス帝国に来て頂いているお父様、お母様ももう長旅は辛い御年ですし一度里帰りするのも良いかも知れません。
きっと‥‥あの日の事は笑って話せる。そんな気がします。
ふふっと笑うと赤ちゃんも笑ったのでしょうか。
「おっ動いたな…可愛い奴め」とペルセウス様が仰います。
可愛いのはペルセウス様でございますよ?と髪を撫でて差し上げるとその手を握られ指先にキスをされました。
「そろそろ風が出てきた。中に入ろうか」
「えぇ。あなたの仰せのままに」
Fin
小さな手に庭で摘んだ花を差し出してくる可愛い息子はペルセウス様と同じ髪色、瞳の色で御座います。名をゼウシーズと申します。そしてわたくしのお腹にはもう1人。
あと数日もすれば新しい家族が増えるのです。
「僕、妹がいいなぁ」
「あら?弟だと嫌なの?弟も可愛いわよ?」
「うーん‥‥でも妹だともっと可愛い気がする」
そう言うと身を翻しまた庭の花を摘みに走るのです。
その様子を微笑ましく見るわたくしと、ペルセウス様のお母様。
嫁と姑という立場で御座いますが、結婚し既に5年。2年前に侯爵位をペルセウス様にお譲りになり隠居をされたのですが時折前駆陣痛が見られるようになり、足もつったようになる事から来てもらっております。
――使えるものは親でも使え――
侯爵家の領地経営を任されてはいるのですが、ペルセウス様は軍の要職にありわたくしが引き受けておりました。二度目の出産に際し、ゼウシーズのお世話としばしの領地経営もお願いしているのです。
かの国で王太子妃教育も終えておりましたわたくしは、それなりに顔を覚えてもらっておりましたので順調に切り出す木材や果実園の果実、日持ちがあまりしない葉物野菜の販路を広げました。
手法も農薬から天敵を使って害虫の駆除をし、無農薬野菜となった作物は他の領の作物の2割増しで買い取ってもらえるようになり耕作面積も広げましたの。
それまで小作で農業をしていた農夫さんたちに10年契約で農地を貸し出し、買取を8割の価格とする事で残り2割を積み立て10年目に規定額に達していればそのお金で農地を農夫さんに売買するのです。
そうすれば11年目からは10割の価格で買い取れますので農夫さんも作業に精が出るようです。
休耕田が多かった侯爵領も今では空いている畑が御座いません。
まさに皆がWIN&WINな関係となりました。
林業もそれまで剪定で伐採した枝は薪にしておりましたが、木炭や粉にして石鹸などの原料としたり、細かく砕いてチップ材とする事で無駄が無くなり、林業の従事者も少し増えました。
来年には現皇太子殿下のレオグラン様もついに皇帝に即位されることが決まり、マイセレオス帝国は毎日がお祭りのように賑わっております。
「ツィー。具合はどうだ?変わりないか?」
「ペルセウス様、またこんなに買い込んで。いったいどうなさるのです?」
大量の衣類をまたも買い込んで帰宅したペルセウス様。
ベビー用品では御座いません。既に臨月。今夜生まれてもおかしくないわたくしの為にマタニティドレスを毎日帰宅時に買ってこられるのです。
一昨日は何度も申しますが現在臨月ですのに、犬の日だからと腹帯を買ってくるのです。
それも色違いだからと10種コンプリートと得意気に。
それは6カ月目の犬の日だともう何度言った事でしょう。
ですが、足が浮腫めばマッサージをしてくださいますし、屋敷にいる時は必ず隣で手を貸してくださいます。お腹が大きくなってからは営みはお休み中でございますが、寝返りをうつにも苦労するわたくしの為に添い寝をしてくださり介助くださるのです。
今日もお義母様がゼウシーズと先に屋敷の中に戻ると、テラスでわたくしのお腹を撫でながら話しかけてくださっております。
「そう言えばアルフレッド殿だが第五騎士団の副団長に就任したそうだ」
「まぁ、大出世でございますね。ペルセウス様の指導あってこそですわ」
「よく耐えたと思うよ。1日千回の素振りに5時間の打ち込み。寝てたのかな」
「生きているなら大丈夫ですわ。それに副長となればそれなりに精進もされたのでしょう」
「あとは結婚だがどうやらする気はないようだな」
「それも一つの生き方ですわ。運命の相手が現れれば変わるかも知れませんし」
廃嫡をされ市井を警備する第五騎士団で平の騎士から力を付けたアルフレッド様。
見た目は良いのですが継承争いにならぬよう去勢をされた事から女性とは距離を置いていると聞いております。ですが理由はそれだけではないのでしょう。
男色ではないとの事ですが、アルフレッド様はペルセウス様に騎士の誓いをしたと聞いております。処刑を回避できたのはペルセウス様の指導もあっての事。
今では石橋をたたいて慎重の上に慎重を重ね、第五騎士団の負傷者などは激減しただけでなく市井での揉め事や犯罪も少なくなったと聞いております。
あの日、アルフレッド様のあの言葉がなければ…と考える事も少なくなりました。
お腹の子が無事に生まれて、話が出来るようになれば毎回マイセレオス帝国に来て頂いているお父様、お母様ももう長旅は辛い御年ですし一度里帰りするのも良いかも知れません。
きっと‥‥あの日の事は笑って話せる。そんな気がします。
ふふっと笑うと赤ちゃんも笑ったのでしょうか。
「おっ動いたな…可愛い奴め」とペルセウス様が仰います。
可愛いのはペルセウス様でございますよ?と髪を撫でて差し上げるとその手を握られ指先にキスをされました。
「そろそろ風が出てきた。中に入ろうか」
「えぇ。あなたの仰せのままに」
Fin
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先ほど訂正を致しました。
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🐈️ニャポン国🐈️で、一気に身近な話に変貌して笑ってしまいました。ってか、西暦が標準の世界なんですね😅
帝国のイメージが180度変わって家電に囲まれた近未来都市になってしまいましたよ(笑)
コメントありがとうございます<(_ _)>
そうなんですよ。西暦が標準だったりします。独自の時間を作ろうかなと思うんですがなかなか(笑)
せいぜい学園生時代の年齢を弄るくらいしか出来ないですねぇ。うーん数字嫌い(笑)
ニャッポンは結構色んな話で使ったりしているんですが、創作の話であってもあまりに飛びぬけていると外道以外にもあるんかい!となっちゃうので、まぁ…そうですねぇ。
想像しやすい??あ。絶対に想像をしてはいけない文字列を並べる事も在るのでその時は【想像しちゃいやぁん♡】と書くようにはしてますが、それ以外は想像も含めて楽しんでもらえたらいいなぁとか思ってます。
ラストまでお付き合いいただきありがとうございました<(_ _)>