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第03話 目が覚めたら御伽噺の世界
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「神様とのやり取り」も夢だったと思ってしまうのは仕方ない。
通常、転生とか、蘇りもだが「神様と話をした」と他人に言うだけで「頭、大丈夫?」と心配される案件だ。
目が覚めると全身が痛い。
「あのパワハラ上司!思いっきり突き飛ばしたわね!」
そう思ったが、見える範囲で手や腕を見てびっくり。
――おかしいわね?――
後頭部をガツンと打ち付けた記憶はあるけれど、見える範囲で包帯だらけなのは何故?
それにどうしてこんなに全身が痛いんだろう。
天井を見上げると不思議なものが見える。総合病院には何度か検診で行った事はあるし、入院もした事はある。入院設備はない病院でも処置室にあるであろう点滴フックなどを吊るすレールがあるはずなのにない。
変だな?と思いながらも生理現象には勝てなかった。
――トイレ行きたい。看護師さん呼ばなきゃ――
勝手に起き上がってしまって良いか判らず、手を頭を上に伸ばしてごそごそベッドボードのナースコールを探すものの手に触れる感じがない。
痛みを堪えて体を捩じってみればないはずだ。
病院のベッドではないらしく酸素吸入や赤いコンセント、ナースコールなどの並んだヘッドユニットはないし、横を見ればテレビとか置いてたり、下部が冷蔵庫だったり収納にもなっている床頭台に似て非なるものはあるが、豪華すぎる。
――え?ここどこ?――
病院だと思うのに病院ではないのがおかしいともう一度周囲を見渡す。
痛みを堪えて、上半身を起こしてみて「嘘でしょ」それ以上は言葉が出なかった。
自分の趣味ではないお姫様ベッド。月明りが入ってくる窓は知っている窓ではないし、何よりこんなに広い部屋。結婚したら住もうとしたマンションのリビングは15畳だったが、比にならない広さがあった。
それくらいの広さがある部屋にこじんまりとしたテーブルがあり、家具が少しあり、そしてベッドがある。
「なんなの。これ・・・特別室?」
もうトイレに行きたい気分はどこかに吹き飛んだ。
差額ベッド代の支払いは誰がするの?!混乱する方が先になってしまったのだ。
私はまだ異世界に、御伽噺の世界にきたなんて。
ましてやそれまでの自分が死んじゃってるなんて思ってもいなかった。
そこに小さくノックの音が聞こえ、ゴスロリ風の衣装に身を包んだ女性が古めかしいランプを手に部屋に入って来た。
「お嬢様?!」
「は?」
薄いランプの灯りのもと、目が合うと女性は「お嬢様」と呟き、そのまま部屋を飛び出して行ってしまった。
「なんなの?っていうかお嬢様なんて呼ばれた事もないわよ…痛たたた…」
東京にあるメイドカフェに行けば読んでもらえるらしいが、お嬢様と呼ばれる事に羞恥に近い恥ずかしさは有っても嬉しさはない。
追いかけようと足を動かすと痛みがビリビリと全身を這っていく。
同時にバタバタと複数人の足音が聞こえ、何事だと顔をあげてみると両親と同年代の男女がいきなり涙ぐんで飛び掛かって来た。
「シャルロット!あぁ良かった・・・気が付いたんだね」
「は、はぁ?」
――この人たちも日本人じゃない・・・ここどこ?――
「良かった・・・もう3週間も目覚めないし…お医者様も様子を見るしかないというし‥」
――シャルロット?どういう事?誰かと間違ってない?――
「どうしたの?どこか痛い?」
「その前に・・‥助けて頂いたんですよね?ありがとうございます」
<< えっ?! >>
――待って?なんで皆そんなに驚いて固まってるの?――
通常、転生とか、蘇りもだが「神様と話をした」と他人に言うだけで「頭、大丈夫?」と心配される案件だ。
目が覚めると全身が痛い。
「あのパワハラ上司!思いっきり突き飛ばしたわね!」
そう思ったが、見える範囲で手や腕を見てびっくり。
――おかしいわね?――
後頭部をガツンと打ち付けた記憶はあるけれど、見える範囲で包帯だらけなのは何故?
それにどうしてこんなに全身が痛いんだろう。
天井を見上げると不思議なものが見える。総合病院には何度か検診で行った事はあるし、入院もした事はある。入院設備はない病院でも処置室にあるであろう点滴フックなどを吊るすレールがあるはずなのにない。
変だな?と思いながらも生理現象には勝てなかった。
――トイレ行きたい。看護師さん呼ばなきゃ――
勝手に起き上がってしまって良いか判らず、手を頭を上に伸ばしてごそごそベッドボードのナースコールを探すものの手に触れる感じがない。
痛みを堪えて体を捩じってみればないはずだ。
病院のベッドではないらしく酸素吸入や赤いコンセント、ナースコールなどの並んだヘッドユニットはないし、横を見ればテレビとか置いてたり、下部が冷蔵庫だったり収納にもなっている床頭台に似て非なるものはあるが、豪華すぎる。
――え?ここどこ?――
病院だと思うのに病院ではないのがおかしいともう一度周囲を見渡す。
痛みを堪えて、上半身を起こしてみて「嘘でしょ」それ以上は言葉が出なかった。
自分の趣味ではないお姫様ベッド。月明りが入ってくる窓は知っている窓ではないし、何よりこんなに広い部屋。結婚したら住もうとしたマンションのリビングは15畳だったが、比にならない広さがあった。
それくらいの広さがある部屋にこじんまりとしたテーブルがあり、家具が少しあり、そしてベッドがある。
「なんなの。これ・・・特別室?」
もうトイレに行きたい気分はどこかに吹き飛んだ。
差額ベッド代の支払いは誰がするの?!混乱する方が先になってしまったのだ。
私はまだ異世界に、御伽噺の世界にきたなんて。
ましてやそれまでの自分が死んじゃってるなんて思ってもいなかった。
そこに小さくノックの音が聞こえ、ゴスロリ風の衣装に身を包んだ女性が古めかしいランプを手に部屋に入って来た。
「お嬢様?!」
「は?」
薄いランプの灯りのもと、目が合うと女性は「お嬢様」と呟き、そのまま部屋を飛び出して行ってしまった。
「なんなの?っていうかお嬢様なんて呼ばれた事もないわよ…痛たたた…」
東京にあるメイドカフェに行けば読んでもらえるらしいが、お嬢様と呼ばれる事に羞恥に近い恥ずかしさは有っても嬉しさはない。
追いかけようと足を動かすと痛みがビリビリと全身を這っていく。
同時にバタバタと複数人の足音が聞こえ、何事だと顔をあげてみると両親と同年代の男女がいきなり涙ぐんで飛び掛かって来た。
「シャルロット!あぁ良かった・・・気が付いたんだね」
「は、はぁ?」
――この人たちも日本人じゃない・・・ここどこ?――
「良かった・・・もう3週間も目覚めないし…お医者様も様子を見るしかないというし‥」
――シャルロット?どういう事?誰かと間違ってない?――
「どうしたの?どこか痛い?」
「その前に・・‥助けて頂いたんですよね?ありがとうございます」
<< えっ?! >>
――待って?なんで皆そんなに驚いて固まってるの?――
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