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第34話 とんだ美人局じゃないか!
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この回はカスパルがエリーゼの家から出て行ってかっらです。
時系列としてハーベ伯爵家は遺産問題で借金を背負っていますがギリギリ屋敷にまだ住めていて2人の兄が失職するちょっと前です
★~★
カスパルはエリーゼの私物を手に、ハーベ伯爵家へと向かった。
廃籍されている事は解っているし、噂で長兄が当主に成ったと言うので仲も良くなかった長兄が向か入れてくれるはずがないと思いつつも、腹には算段があった。
あの日母親の姿が無かったのできっと父親と2人の兄に言い含められて部屋から出ないようにされていたのかも知れないと考えた。
カスパルの知っている父親は「継続しない男」だった。良い事も悪い事も継続しない。
意地を張って母親と喧嘩をしても長くて1か月。
カスパルも叱られた事はあるし、2人の兄がそれはもう盛大に叱り飛ばされる場に出くわした事もある。ギャンギャンと説教をするのは2,3時間でその後は腹を立てて不機嫌さを見せるのが2、3週間。
そっちがそんな態度ならと同じようにすれば1か月も経つと機嫌を取って来るのだ。
「父上もそろそろ熱が冷めた頃だろうしな」
廃籍をされていても3人兄弟の中で一番可愛がってもらい贔屓してもらった自負がある。
ここは1つ「ごめん」と涙の1つでも流しながら謝れば長兄に「面倒は見るから」と家に入れてくれるだろうと踏んでやって来たのだ。
しかし近くまで来ると様子がおかしい。以前も裕福ではなかったが屋敷の周りは雑草が生えていて手入れも全くされていない。
「前は身嗜みだ!と言って兄上に掃除させていたのにな」
父親に命じられて次兄がそういう雑用をしていたので、次兄が領地に行って手が回らないのかもと考えた。ジェッタ伯爵家と一緒で門番もいない。
ただ勝手知ったる何とやらで正門の隣にある小さな通用門や裏にある裏木戸の鍵を何処に隠してあるかも知っている。敷地内に入り込むのに手間はかからない。
さて…と正門の前に到着したカスパルは門道を正門に向けて歩いてくる人間を見て木の陰に隠れた。
「は?なんだ…あれ」
歩いて来た人間が長兄とその妻、そして父親である事は直ぐに判るのだが認めたくなかった。
その姿は平民の方がもっと小綺麗にしているぞ?と突っ込みたくなるくらい汚くて、何と兄嫁が父親を叱り飛ばしていた。その言葉にも耳を疑った。
「誰のおかげで食べられると思ってるの!臭いのよ!こっちに来ないで」
「そんな事言っても…正門は1つだよ」
「ゴチャゴチャ言うな!この穀潰しの寄生虫親父!」
兄嫁に散々に言われても強く反論しない父親。兄嫁は長兄にも強い言葉で罵った。
「顔も頭も稼ぎも悪いんだから人の何倍も働きなッ!」
「頑張ってるじゃないか…」
「自分で言うな。そう言うのは他人がする評価。あんたらみたいな銭に群がるゴミクズは頑張ってるなんてほど遠いのよ。ったく・・・欲の皮だけは突っ張ってるから何もかも失うのよッ」
兄嫁の言葉は通りかかる者達にも聞こえているが、気に留める様子もない。
その様子を覗いていたカスパルに女性が肩を叩き、声を掛けてきた。
「貴族の家で働きたいんだろうけど、この家は止めときな」
「どうしてですか」
「どうしてって。婆さんの遺産が貰えると思って手続きしたら税の滞納で残ってるのは爵位と借金だけ。この屋敷も抵当に入ってるから夜逃げも時間の問題ってこと」
祖母が亡くなった事も知らなかったカスパルは驚いた。
「でも1人だけこの家、3男坊がいたんだけど直前で追い出されたのさ。その子も出来の悪い子だったけどここに残るよりはマシだろうねぇ。その子と婚約してた令嬢がいたんだけどさ。悪縁が切れたからかなんか事業してるらしいよ。その子のコレ」
そう言って女性は親指を立てて「男」を示した。
「いい男なのよ~。あんなの毎朝目が覚めた時に隣に寝てたらその度に神様がお迎えに来ちまうよ」
カァっとパスカルの頭に血が上る。
――リア。まさか浮気を?不貞をしてたのか?なのに婚約破棄って!!――
女性が去ったあと、カスパルはその場で手を強く握りしめ、歯をギリギリと軋ませた。
正門の前では辻馬車を待っているのか3人がいて父親は兄嫁に「お前は歩け!ドクズ!」ずっと罵られていた。そんな声も右耳から入って左耳に抜けていく。
その日からカスパルはトランクの中の宝飾品を宿代に見合うだけ小売りにして食事付きで宿屋に泊まり、昼間はジェッタ伯爵家に張り込んだ。
――嘘だろう。あんなブスに男がいたなんて――
――その男は何が目的なんだ?もしかしてジェッタ伯爵家は侯爵家に陞爵されるとか?――
それなら合点がいく。カスパルにとってコルネリアは間違いなく男受けするような女性ではなかった。ジェッタ伯爵家も裕福とは言えず、男が寄ってくる理由が無いのだ。
陞爵されるのならヨリを戻してやってもいい。
なんせコルネリアは女当主になる。当主だけは婚姻についても相手の身分を問われる事が無いし貴族籍を失う事もない。
実家などどうでもいい。カスパルはジェッタ伯爵家の周囲に張り込む事を続けた。
数日は動きが無かったが、その日は宿屋で「今日はパンが焼けなかった」と窯が壊れたと言うので早めにジェッタ伯爵家にやって来た。いつもの定位置で張り込んでいるとコルネリアが男と手を繋いで出てきた。
――やっぱり浮気していやがった!!あの阿婆擦れめ!――
1人になったところで襲ってやろうとつけたが入って行ったのは貧民窟。
カスパルもエリーゼと一緒でその先に足を踏み入れる事はなかった。迂闊に入っていく危険性を知っていたからである。
「チッ。出直すか」
そう思った時、目の前をエリーゼが歩いて行った。
「何してんだ。こんなところで…」
ちらちらと貧民窟に入って行った2人を見るエリーゼを見てカスパルは悟った。
「あの男…エリーゼの男だったのか…道理で!俺の婚約破棄がスムーズなはずだ!エリーゼもグルだったんだ!」
エリーゼが自分以外にも男を作っている事くらいは知っていた。純潔ではなかったしアチラは手練れていた。
「とんだ美人局じゃねぇかよ。覚えてろ!」
カスパルはその場を去ると宿に戻り、一番金になりそうな宝飾品を手に、数件の買取店を回った。1軒では全てを買い取ってくれないし怪しまれるが、1軒に1個売ればそれなりの金になる。
宝飾品を買い取ってもらった金を持って向かった先は武器屋だった。
時系列としてハーベ伯爵家は遺産問題で借金を背負っていますがギリギリ屋敷にまだ住めていて2人の兄が失職するちょっと前です
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カスパルはエリーゼの私物を手に、ハーベ伯爵家へと向かった。
廃籍されている事は解っているし、噂で長兄が当主に成ったと言うので仲も良くなかった長兄が向か入れてくれるはずがないと思いつつも、腹には算段があった。
あの日母親の姿が無かったのできっと父親と2人の兄に言い含められて部屋から出ないようにされていたのかも知れないと考えた。
カスパルの知っている父親は「継続しない男」だった。良い事も悪い事も継続しない。
意地を張って母親と喧嘩をしても長くて1か月。
カスパルも叱られた事はあるし、2人の兄がそれはもう盛大に叱り飛ばされる場に出くわした事もある。ギャンギャンと説教をするのは2,3時間でその後は腹を立てて不機嫌さを見せるのが2、3週間。
そっちがそんな態度ならと同じようにすれば1か月も経つと機嫌を取って来るのだ。
「父上もそろそろ熱が冷めた頃だろうしな」
廃籍をされていても3人兄弟の中で一番可愛がってもらい贔屓してもらった自負がある。
ここは1つ「ごめん」と涙の1つでも流しながら謝れば長兄に「面倒は見るから」と家に入れてくれるだろうと踏んでやって来たのだ。
しかし近くまで来ると様子がおかしい。以前も裕福ではなかったが屋敷の周りは雑草が生えていて手入れも全くされていない。
「前は身嗜みだ!と言って兄上に掃除させていたのにな」
父親に命じられて次兄がそういう雑用をしていたので、次兄が領地に行って手が回らないのかもと考えた。ジェッタ伯爵家と一緒で門番もいない。
ただ勝手知ったる何とやらで正門の隣にある小さな通用門や裏にある裏木戸の鍵を何処に隠してあるかも知っている。敷地内に入り込むのに手間はかからない。
さて…と正門の前に到着したカスパルは門道を正門に向けて歩いてくる人間を見て木の陰に隠れた。
「は?なんだ…あれ」
歩いて来た人間が長兄とその妻、そして父親である事は直ぐに判るのだが認めたくなかった。
その姿は平民の方がもっと小綺麗にしているぞ?と突っ込みたくなるくらい汚くて、何と兄嫁が父親を叱り飛ばしていた。その言葉にも耳を疑った。
「誰のおかげで食べられると思ってるの!臭いのよ!こっちに来ないで」
「そんな事言っても…正門は1つだよ」
「ゴチャゴチャ言うな!この穀潰しの寄生虫親父!」
兄嫁に散々に言われても強く反論しない父親。兄嫁は長兄にも強い言葉で罵った。
「顔も頭も稼ぎも悪いんだから人の何倍も働きなッ!」
「頑張ってるじゃないか…」
「自分で言うな。そう言うのは他人がする評価。あんたらみたいな銭に群がるゴミクズは頑張ってるなんてほど遠いのよ。ったく・・・欲の皮だけは突っ張ってるから何もかも失うのよッ」
兄嫁の言葉は通りかかる者達にも聞こえているが、気に留める様子もない。
その様子を覗いていたカスパルに女性が肩を叩き、声を掛けてきた。
「貴族の家で働きたいんだろうけど、この家は止めときな」
「どうしてですか」
「どうしてって。婆さんの遺産が貰えると思って手続きしたら税の滞納で残ってるのは爵位と借金だけ。この屋敷も抵当に入ってるから夜逃げも時間の問題ってこと」
祖母が亡くなった事も知らなかったカスパルは驚いた。
「でも1人だけこの家、3男坊がいたんだけど直前で追い出されたのさ。その子も出来の悪い子だったけどここに残るよりはマシだろうねぇ。その子と婚約してた令嬢がいたんだけどさ。悪縁が切れたからかなんか事業してるらしいよ。その子のコレ」
そう言って女性は親指を立てて「男」を示した。
「いい男なのよ~。あんなの毎朝目が覚めた時に隣に寝てたらその度に神様がお迎えに来ちまうよ」
カァっとパスカルの頭に血が上る。
――リア。まさか浮気を?不貞をしてたのか?なのに婚約破棄って!!――
女性が去ったあと、カスパルはその場で手を強く握りしめ、歯をギリギリと軋ませた。
正門の前では辻馬車を待っているのか3人がいて父親は兄嫁に「お前は歩け!ドクズ!」ずっと罵られていた。そんな声も右耳から入って左耳に抜けていく。
その日からカスパルはトランクの中の宝飾品を宿代に見合うだけ小売りにして食事付きで宿屋に泊まり、昼間はジェッタ伯爵家に張り込んだ。
――嘘だろう。あんなブスに男がいたなんて――
――その男は何が目的なんだ?もしかしてジェッタ伯爵家は侯爵家に陞爵されるとか?――
それなら合点がいく。カスパルにとってコルネリアは間違いなく男受けするような女性ではなかった。ジェッタ伯爵家も裕福とは言えず、男が寄ってくる理由が無いのだ。
陞爵されるのならヨリを戻してやってもいい。
なんせコルネリアは女当主になる。当主だけは婚姻についても相手の身分を問われる事が無いし貴族籍を失う事もない。
実家などどうでもいい。カスパルはジェッタ伯爵家の周囲に張り込む事を続けた。
数日は動きが無かったが、その日は宿屋で「今日はパンが焼けなかった」と窯が壊れたと言うので早めにジェッタ伯爵家にやって来た。いつもの定位置で張り込んでいるとコルネリアが男と手を繋いで出てきた。
――やっぱり浮気していやがった!!あの阿婆擦れめ!――
1人になったところで襲ってやろうとつけたが入って行ったのは貧民窟。
カスパルもエリーゼと一緒でその先に足を踏み入れる事はなかった。迂闊に入っていく危険性を知っていたからである。
「チッ。出直すか」
そう思った時、目の前をエリーゼが歩いて行った。
「何してんだ。こんなところで…」
ちらちらと貧民窟に入って行った2人を見るエリーゼを見てカスパルは悟った。
「あの男…エリーゼの男だったのか…道理で!俺の婚約破棄がスムーズなはずだ!エリーゼもグルだったんだ!」
エリーゼが自分以外にも男を作っている事くらいは知っていた。純潔ではなかったしアチラは手練れていた。
「とんだ美人局じゃねぇかよ。覚えてろ!」
カスパルはその場を去ると宿に戻り、一番金になりそうな宝飾品を手に、数件の買取店を回った。1軒では全てを買い取ってくれないし怪しまれるが、1軒に1個売ればそれなりの金になる。
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