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最終話 愛は不器用なくらいが一番②
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ファルグレイドはルツィエの前に体を動かして、「汚いものは見なくていい」小さく声を掛けた。
コバエも寄ってこないのか酷い悪臭を身に纏ったハリソンはどんどん近寄って来てハリソンとアレイシャ、そして2人に向き合うファルグレイドとルツィエは格好の見世物状態になってしまった。
周囲の貴族はハリソンと物理的に距離を置きたいのか会場の中央にぽっかりと空いたスペースに4人が立っている。
――もうホントにやめて――
恥ずかしさで二度と王都の地は踏めないかも知れないとすら思ってしまう。
しかし、それなりの金は置いて侯爵家を出たはず。今まで通りに遊んで暮らしてもあと1、2年は問題なかったはずだし、今、ハリソンが着用している服は平民からすれば高級品だが、貴族からすれば「ちょっと街をブラ付いてくる」という普段着に近いものでドレスコードからは大きく外れている。
正装用の服も替えも含めて一式あったはずなのにとルツィエは首を傾げた。
そしてハリソンの腕にぶら下がっているアレイシャは澄ました顔をしているが目はキョロキョロと泳いでいて、周囲を取り囲む者達に向けられている。
――どこを見ているのかしら?――
アレイシャを見ていると時折ハリソンの腕にアレイシャも腕を絡めているけれど手のひらを軽く振ったりしている。どうやら周囲にいる貴族の当主か子息か。男性に向かって自分を売り込んでいるようだった。
「ルツィエ。色々と行き違いがあったが僕は本当に愛する女性と結婚が出来た。それもこれも君のおかげだ。礼を言うよ」
「そうでしたか。それはおめでとうございます。末永くお幸せに」
それだけを言うためにわざわざやって来たのかと思えば違った。
ハリソンの話はまだ終わっていなかったのだ。
「ところで屋敷の中に君の荷物が残っているんだ。処分をするにも勝手にしてしまうのはどうかと思ってね。良かったら明日でも取りに来てくれないか?」
「申し訳ございませんが、そのような品があるのでしたら処分して頂いて結構です」
「馬鹿な事言わないでよ。こっちに処分費も出せと?処分して欲しいなら相応の対応をするのが当たり前じゃないの!そんなんだから捨てられるのよ」
アレイシャが叫ぶとハリソンが「黙って!」と小さくもない声でアレイシャを嗜める。
ルツィエははて?とまたまた首を傾げた。
「お言葉で御座いますが、残して行ったものは侯爵家が購入したものと貴方様が過去に贈って下さった品です。ハッキリ申し上げまして、処分として買い取りをして頂ければそれなりの値がつくと思います。それらもそちらでお納めくださって結構ですわ」
「何よ!ハリソン!全然言ってた事と違うじゃない!」
「シィッ!アリィ黙ってくれ!」
先代侯爵夫妻から貰ったものもだが、ハリソンと付き合っている時、結婚の初期で買ってもらったものは購入価格と同じは無理だとしても中古であってもそこそこの値がつく品ばかり。
ドレスも先代侯爵夫人はデザインはさることながら布には金を惜しまなかった。
なので、古着と言うよりは布そのものに値がつくはずなので下手をするとモノによっては仕立てた時の価格以上で取引をされている布をふんだんに使ったドレスだってあるのだ。
申し訳ないけれど、現状身に纏っている服から考えればそれらを売って、もっとまともな服を買い直した方がいい。そう思えて仕方がないのに何故か引き取りに来いという。
周囲も「自分で処分した方が丸儲けじゃないか」と声が上がる。
ハリソンは段々と激昂しているのか顔色が赤くなっていくが、アレイシャの言葉で瞬時に顔色は蒼白になった。
「アンタが取りに来てくれないと執務する人がいないのよ!領地だって水不足だし水をじゃんじゃん出してくれないとこっちは困ってるんだから!こっちの迷惑考えなさいよ」
「ちょっとそれって――」
ルツィエが言いかけた時、ファルグレイドは「何も言うな」と小声を出した後、ハリソン達に向かって野太い声を出した。
「さっきから聞いていれば私の妻にいったい何をさせようと言うんだ」
「つ、妻っ?!聞いてないぞ!ルツィエ!誰の許しを得て再婚など!この恥知らずが!」
――それ、あなたが言う?――
自分はアレイシャと結婚をした、つまり再婚だ。
それは良いのになぜルツィエ側になれば恥知らずとなるのか。
ハリソンなりの理屈では正解かも知れないが周囲はざわつきだした。
「と、兎に角、屋敷に引き取りに来い!いいな!1人で来るんだ」
「お断りする。不要ならベージェ伯爵領まで着払いで送ってくれればいい。荷づくりが面倒ならこちらで手配する。そもそもでこんな祝いの場で声を張り上げるなどどちらが恥知らずなのか胸に手を当てて考えられるがよい」
ファルグレイドはそう言い残し、ルツィエと移動しようとしたのだがアレイシャが叫んだ。
「その女が来ないと困るっつってんでしょ!馬鹿じゃないの。働かせてやるから明日にでも来なさいよ。いい?言うこと聞かない時は一生飼い殺しにするってハリソンだって怒ってるんだからね!」
「へぇ、なかなか面白い事を考えているんだね」
中央に空いたスペースがさらにザっと音をさせて広がっていく。
今日の主役である王太子殿下が不気味な笑みを浮かべてゆっくりと歩いて来た。
ファルグレイドはその場に片膝をついて臣下としての礼を取り、ハリソンも遅れて同じ礼を取った。
ルツィエも周囲の女性達と同じく一斉にカーテシー。
しかし場の空気を読めないアレイシャだけは目が覚めるような美丈夫であり、この中で一番偉い人だと感じたのかハリソンが片ひざをついてしゃがんだ事でフリーになり、事もあろうか王太子の腕を掴もうとした。
「ギャッ!」
カエルが潰れたような音を立てて兵士により床に転ばされたアレイシャは兵士に向かって「侯爵夫人に不敬よ!」と言い放った。
そしてその流れで王太子にも命令をする。
「あんたもボーっとしてないで助けなさいよ!この役立たず!」
「ダメだ。アリィ死にたいのか!黙るんだ!」
ハリソンはアレイシャを黙らそうとして拳を振り上げたのだが、王太子の目の前。その手は振り下ろす前に兵士に掴まれ、組み伏せられた。
「ランフィル侯。なかなか面白い奥方をもってさぞかし楽しい毎日なのだろうな」
笑顔なのに全く笑っていない笑みを向けた王太子にハリソンが息を飲んだ。
清々しいまでにアレイシャが掘った墓穴。
「不敬とは何か。しっかり教えてやれ」
王太子の言葉に訳が分からないと喚くアレイシャと絶望しただの木偶となったハリソンは兵士に連れられて会場から消えていった。
くすくすと笑う声が聞こえないのは日付が変わればランフィル家も消えている事をその場の誰もが知っているからである。
王太子は先ほどの笑みとは全く違う笑みを浮かべファルグレイドの前にやって来てその肩に手を置いた。
「領地の件は聞いた。自国よりも隣国の河川から引いた方が今後も良い結果を齎すだろう。しかし妻なぁ。爵位の差を埋めさせるための大仕事を私にさせるのだから順番は守らないとクレセルも困ると思うぞ」
「クレセルが・・・この話を?」
「同じ年の義弟は余程に可愛いらしい。義兄としっかりな」
「は、はいっ。お言葉、然りと!」
王太子がわざわざファルグレイドに隣国の河川からと言及したのには意味がある。水路とは言わず河川から引くというのはこれからの交易も考えて運河を抜くと言う事に等しい。
そうなればベージェ伯爵領は交通の要所となる。
そして公爵家との関係も明らかにすることで伯爵家だからと舐めてかかれば痛い目に合う事も遠回しに知らしめた。
王太子は「存分に楽しまれて行かれよ」と声を掛け、会場がよく見渡せる壇上に戻っていくとファルグレイドはあっという間に貴族たちに囲まれてしまった。
貴族達は今のうちにファルグレイドに取り入っておけば利権に肖れると知っている。
我こそは!と群がる貴族達を押し退けてファルグレイドはルツィエの手を引いて「帰る!」と出口に向かって歩き始めた。
ふとルツィエは思った。
王太子は誰にでも同じようにチャンスをくれたのだとすれば、ハリソンもチャンスだったのだと。ふと壇上を見れば肘をひじ掛けに置いて頬杖をついてこちらを見ている。見極めているのだ。
しかし、ファルグレイドは情けない事に逃げ腰になってしまっている。
バルコニーに飛び出したところでルツィエはファルグレイドの足をやっと止める事が出来た。
「ダメよ。ちゃんと話をしてこれからの事を話ししないと!殿下もそんな場を・・・きっとこのために開いてくれたのよ?」
「だとしてもあんなに一度に沢山は無理だ。今まで門前払いだったんだぞ?」
「だからよ。今度は貴方が彼らを門前払いするの?だったらやってる事は彼らと同じよ。同じリングに上がっちゃいけないの。されて嫌な事があったのなら同じ事をしてはダメよ」
「無理だよ。魔獣やイノシシを相手にしてる方がずっと簡単だ。俺はそんなに器用じゃないんだよ」
「もう、今更な事を言わないの。そのくらいの不器用な方がいいわ。一緒に私も頑張るから。ね?」
「一緒にって…本当に?でも全然雰囲気のあるシチュエーションじゃないし、いや、考えてたんだ。王都に来る途中で星が凄かった山の頂上とか、湖の畔とかそんな場所のほうが・・・」
「あのね、ここでそれを言っちゃったら意味ないでしょう。だけど・・・もういいの。吹っ切れたわ。こんな場であんな啖呵切るんだもの。出戻りだけど本当にいいのね?」
「関係ない。俺はルツィエだから結婚したいし奥さんになって欲しいし、俺の子を産んで欲しいんだ」
「子供は無理かも知れないわよ?魔力持ちはそこも面倒なの」
「それでもいいよ。その時は夫婦2人で仲良く年を取ればいい。ずっとルツィエだけを愛すると誓うよ。大道芸をするなら客引きは任せてくれ」
「何よそれ・・・もうっ!」
会場に戻ったかと思えばファルグレイドは王太子殿下の元に行き「ルツィエと早く2人きりになりたいので」と直球を投げた。
本当の所はルツィエに息苦しさを与えるドレスを早く脱がせるためだけにさっさと帰りたいだけだった。
翌日からガッセル公爵家には山のような先触れが届く。どれもこれもファルグレイドとの面談を望むものばかり。
「水も出たし…運河要らないんだけどな」
「そんな事言っちゃダメ!」
王都の滞在期間は200以上の貴族と面談をする事で費やされてしまった。
工事の開始は直ぐではない。工事をするのは決定でもその予算組もあって着工は早くても5年後。
「その頃にはルートの遊び相手でも出来ていれば僥倖だな」
クレセルと大家族切望の兄嫁、そしてルートに見送られて2人はベージェ伯爵領への帰途についた。
★~★
3年後。ベージェ伯爵領には新しい命が誕生間近。
「ツィエ!出来たぞ!」
「まぁ、可愛い。犬みたい」
屋敷の庭にはファルグレイドお手製のデスホースを模したスプリング遊具が登場していた。
デスホースを模したのに犬にしか見えない不器用さ。
「足元に気を付けろよ」
「ふぅ・・・ホントにつま先が全然見えないわ」
「あと少しだな。どっちだろう・・・」
「とっても元気だから男の子だと思うわ」
「男かぁ。じゃぁもうちょっと補強しとかないといけないな」
そう言って完成したばかりのスプリング遊具にファルグレイドは跨った。
先ずはこの遊具で馬に跨る事を覚えてもらって家族で遠乗りするのがファルグレイドの夢である。
ただ、大人のファルグレイドが跨ると完全に足はついてしまって揺れるには至らない。
腰を下ろし、ファルグレイドが地面から足を離した。
バギッ!!
背中に1歳半の娘を背負った執事のオスパルが呟いた。
「耐荷重12キロって言ったのに…68キロの旦那様が乗ったら壊れるに決まってるでしょう」
その後ファルグレイドの手によって補強に補強を重ねたスプリング遊具は完全固定式となり全くその特性を生かせない遊具となったのは言うまでもない。
Fin
★~★
予定よりも大幅に遅れてしまい申し訳ないです<(_ _)>
おまけと言っては何ですけども、その後の2人の様子がスクロールすると出てくるかも知れません。
この後、
完結表示にしてコメントの返信をさせて頂きます。
今回は誤字の嵐が吹き荒れておりまして(;^_^A
沢山教えて頂き感謝です。
読んで頂きありがとうございました<(_ _)>
番外編
「ねぇお父たまはお母たまのこと好き?」
「大好きだぞ。一番好きだ」
「えっ…マインの事は好きじゃないの?マインはお父たまの一番じゃないの?」
「ちっ違う。マインの事も大好きだ!」
「でもお母たまが一番でしょ?」
子供は非常に痛いところを突いてくる。
待望の第一子は女児で名をマイン。
生まれた頃はルツィエに似ているかと思ったが成長するにしたがってファルグレイドに似てきた。自分に似ているからと言う事でもないがファルグレイドはマインが可愛くて仕方がない。
「お母たまは公爵令嬢だったんでしょ?」
「そうだな」
「じゃぁお父たまは王子様??」
「いや、王子・・・ではないな。当主って言うんだ」
「えっ…じゃぁ婚約者の令嬢を捨ててお母たまに傾倒しちゃったの?お父たま酷いっ」
――どこでそんな言葉を覚えてくるんだ――
オスパルの娘と共に「姉妹ごっこ」を楽しむのが最近の流行りのようだが、マセているのはどうやらオスパルの娘がオスパルの蔵書であるルビ付き恋愛小説を読んでいるかららしい。
色々なバリエーションがあるようだがルビ付きでは当主の男性が婚約者を捨てて他の令嬢に傾倒してしまい愛を貫くらしいが、略奪愛の成功のような話なので評判は頗る悪い。
愛するルツィエは現在第二子を妊娠中で悪阻の最盛期を迎えている。
その為、雨が降り領地を見回らなくていい日はマインの相手をするのだが、この日は「おままごと」につき合わされた。
「お父たまはお父たまの役ね」
「出来るかなぁ、難しいなぁマインは何をするんだ」
「愛人」
「え‥‥」
「じゃ、いくね。はい。お父たまはただいま~って帰って来てくだしゃい」
物凄く複雑な心境だが所詮は子供の遊びと割り切ってファルグレイドは付き合う。
「ただいま~」
「あなたっ!聞いてよ」
「どうしたんだ」
「あなたの奥さんが昼間、怒鳴り込んできて怖かったの」
――いきなりの修羅場設定だな――
「そ、そうか。それは大変だったな」
「一体いつになったら奥さんと別れてくれるんでしゅの」
「そ、それは…」
「奥さんとはもう冷えた関係と言ってたではありましぇんの!」
――ちょっと待て。これは何処かにリアルモデルがいるんじゃないのか――
「マイン、この設定は止めよう。父さんは経験がないからよく判らないんだ」
「そうなの?詰まんない。オスパルおじちゃまはノリノリでしてくれるのに」
――ネタ元はオスパルか。減給の対象だな――
そんなマインとのひと時を過ごし、良い父娘関係も作れているはずなのだがやはり子供は母親が好きなのか。ルツィエがやって来るとマインは途端に甘えん坊になってルツィエから離れない。
「マイン。お母様は赤ちゃんがいて具合が悪いんだ。父さんと遊ぼう」
「やだ!お父たまは中途半端な不貞してるからやだっ!」
――待て、それはとてつもなく大きな誤解を招く爆弾発言だ――
「違うよ。そんな事はしていない!ツィエ信じてくれ」
「判っておりますわよ。ね?マイン」
「でもねっお母たま、お父たまはいつも途中でやめちゃうの」
「マイン。だったら次はお父様に赤ちゃんになって貰ったら?」
――ツィエ。それは君の前だけの話だ――
「こんなに大きいのにっ?お父たまは赤ちゃん?」
「そうよ。だから中途半端とか意地悪を言うと泣いちゃうの」
「泣いちゃうの?じゃぁもう言わない」
「いい子ね。マイン大好きよ」
「私もお母たま大好きっ!」
しかし子供は時に残酷な生き物に変化する。
あんなに「お父たま大好き」と言っていても美丈夫を見ると態度が変わる。
領内に運河を通す工事をしている事もあって、総責任者であるクレセルがやってくるとおまけでついてくるルートにマインはベタ惚れなのである。
クレセルとルートが王都に帰る時は見送りなどさせたら大変な事になるのでマインの昼寝時間を狙ってもらうのだが、「お父たまは陰謀がしゅきなのです!」と暫く拗ねてしまう。
上手く立ち回れなくて娘に嫌われてしまうのではないかとビクビクしてしまうファルグレイドは毎夜愛妻のルツィエに慰めて貰っている。
「はぁ~ツィエの香りだ~。何時も甘くて旨そうだなぁ」
「まぁ、私を食べてしまうの?ふふっ」
「何度食べても飽きない。だけどこうやって抱きしめているだけでこの上ない幸せを感じるよ。また一人家族も増える。ツィエの事は幸せにすると誓ったのに俺ばかり幸せになってしまっている気がする」
「私も幸せですわよ?だってグレイドの魔法に溺れてしまっているんですもの」
「ん?俺は魔法は使えないんだよな~」
夫婦の甘い会話。
半分覚醒したマインは思う。
「お父たま違う。しょこはお母たまの水魔法に溺れてるって返しゅの」
父よりも器用に立ち回る娘。
末恐ろしいが、不器用なお父たまの事はルートの次にカッコいいと思っている。
Fin
コバエも寄ってこないのか酷い悪臭を身に纏ったハリソンはどんどん近寄って来てハリソンとアレイシャ、そして2人に向き合うファルグレイドとルツィエは格好の見世物状態になってしまった。
周囲の貴族はハリソンと物理的に距離を置きたいのか会場の中央にぽっかりと空いたスペースに4人が立っている。
――もうホントにやめて――
恥ずかしさで二度と王都の地は踏めないかも知れないとすら思ってしまう。
しかし、それなりの金は置いて侯爵家を出たはず。今まで通りに遊んで暮らしてもあと1、2年は問題なかったはずだし、今、ハリソンが着用している服は平民からすれば高級品だが、貴族からすれば「ちょっと街をブラ付いてくる」という普段着に近いものでドレスコードからは大きく外れている。
正装用の服も替えも含めて一式あったはずなのにとルツィエは首を傾げた。
そしてハリソンの腕にぶら下がっているアレイシャは澄ました顔をしているが目はキョロキョロと泳いでいて、周囲を取り囲む者達に向けられている。
――どこを見ているのかしら?――
アレイシャを見ていると時折ハリソンの腕にアレイシャも腕を絡めているけれど手のひらを軽く振ったりしている。どうやら周囲にいる貴族の当主か子息か。男性に向かって自分を売り込んでいるようだった。
「ルツィエ。色々と行き違いがあったが僕は本当に愛する女性と結婚が出来た。それもこれも君のおかげだ。礼を言うよ」
「そうでしたか。それはおめでとうございます。末永くお幸せに」
それだけを言うためにわざわざやって来たのかと思えば違った。
ハリソンの話はまだ終わっていなかったのだ。
「ところで屋敷の中に君の荷物が残っているんだ。処分をするにも勝手にしてしまうのはどうかと思ってね。良かったら明日でも取りに来てくれないか?」
「申し訳ございませんが、そのような品があるのでしたら処分して頂いて結構です」
「馬鹿な事言わないでよ。こっちに処分費も出せと?処分して欲しいなら相応の対応をするのが当たり前じゃないの!そんなんだから捨てられるのよ」
アレイシャが叫ぶとハリソンが「黙って!」と小さくもない声でアレイシャを嗜める。
ルツィエははて?とまたまた首を傾げた。
「お言葉で御座いますが、残して行ったものは侯爵家が購入したものと貴方様が過去に贈って下さった品です。ハッキリ申し上げまして、処分として買い取りをして頂ければそれなりの値がつくと思います。それらもそちらでお納めくださって結構ですわ」
「何よ!ハリソン!全然言ってた事と違うじゃない!」
「シィッ!アリィ黙ってくれ!」
先代侯爵夫妻から貰ったものもだが、ハリソンと付き合っている時、結婚の初期で買ってもらったものは購入価格と同じは無理だとしても中古であってもそこそこの値がつく品ばかり。
ドレスも先代侯爵夫人はデザインはさることながら布には金を惜しまなかった。
なので、古着と言うよりは布そのものに値がつくはずなので下手をするとモノによっては仕立てた時の価格以上で取引をされている布をふんだんに使ったドレスだってあるのだ。
申し訳ないけれど、現状身に纏っている服から考えればそれらを売って、もっとまともな服を買い直した方がいい。そう思えて仕方がないのに何故か引き取りに来いという。
周囲も「自分で処分した方が丸儲けじゃないか」と声が上がる。
ハリソンは段々と激昂しているのか顔色が赤くなっていくが、アレイシャの言葉で瞬時に顔色は蒼白になった。
「アンタが取りに来てくれないと執務する人がいないのよ!領地だって水不足だし水をじゃんじゃん出してくれないとこっちは困ってるんだから!こっちの迷惑考えなさいよ」
「ちょっとそれって――」
ルツィエが言いかけた時、ファルグレイドは「何も言うな」と小声を出した後、ハリソン達に向かって野太い声を出した。
「さっきから聞いていれば私の妻にいったい何をさせようと言うんだ」
「つ、妻っ?!聞いてないぞ!ルツィエ!誰の許しを得て再婚など!この恥知らずが!」
――それ、あなたが言う?――
自分はアレイシャと結婚をした、つまり再婚だ。
それは良いのになぜルツィエ側になれば恥知らずとなるのか。
ハリソンなりの理屈では正解かも知れないが周囲はざわつきだした。
「と、兎に角、屋敷に引き取りに来い!いいな!1人で来るんだ」
「お断りする。不要ならベージェ伯爵領まで着払いで送ってくれればいい。荷づくりが面倒ならこちらで手配する。そもそもでこんな祝いの場で声を張り上げるなどどちらが恥知らずなのか胸に手を当てて考えられるがよい」
ファルグレイドはそう言い残し、ルツィエと移動しようとしたのだがアレイシャが叫んだ。
「その女が来ないと困るっつってんでしょ!馬鹿じゃないの。働かせてやるから明日にでも来なさいよ。いい?言うこと聞かない時は一生飼い殺しにするってハリソンだって怒ってるんだからね!」
「へぇ、なかなか面白い事を考えているんだね」
中央に空いたスペースがさらにザっと音をさせて広がっていく。
今日の主役である王太子殿下が不気味な笑みを浮かべてゆっくりと歩いて来た。
ファルグレイドはその場に片膝をついて臣下としての礼を取り、ハリソンも遅れて同じ礼を取った。
ルツィエも周囲の女性達と同じく一斉にカーテシー。
しかし場の空気を読めないアレイシャだけは目が覚めるような美丈夫であり、この中で一番偉い人だと感じたのかハリソンが片ひざをついてしゃがんだ事でフリーになり、事もあろうか王太子の腕を掴もうとした。
「ギャッ!」
カエルが潰れたような音を立てて兵士により床に転ばされたアレイシャは兵士に向かって「侯爵夫人に不敬よ!」と言い放った。
そしてその流れで王太子にも命令をする。
「あんたもボーっとしてないで助けなさいよ!この役立たず!」
「ダメだ。アリィ死にたいのか!黙るんだ!」
ハリソンはアレイシャを黙らそうとして拳を振り上げたのだが、王太子の目の前。その手は振り下ろす前に兵士に掴まれ、組み伏せられた。
「ランフィル侯。なかなか面白い奥方をもってさぞかし楽しい毎日なのだろうな」
笑顔なのに全く笑っていない笑みを向けた王太子にハリソンが息を飲んだ。
清々しいまでにアレイシャが掘った墓穴。
「不敬とは何か。しっかり教えてやれ」
王太子の言葉に訳が分からないと喚くアレイシャと絶望しただの木偶となったハリソンは兵士に連れられて会場から消えていった。
くすくすと笑う声が聞こえないのは日付が変わればランフィル家も消えている事をその場の誰もが知っているからである。
王太子は先ほどの笑みとは全く違う笑みを浮かべファルグレイドの前にやって来てその肩に手を置いた。
「領地の件は聞いた。自国よりも隣国の河川から引いた方が今後も良い結果を齎すだろう。しかし妻なぁ。爵位の差を埋めさせるための大仕事を私にさせるのだから順番は守らないとクレセルも困ると思うぞ」
「クレセルが・・・この話を?」
「同じ年の義弟は余程に可愛いらしい。義兄としっかりな」
「は、はいっ。お言葉、然りと!」
王太子がわざわざファルグレイドに隣国の河川からと言及したのには意味がある。水路とは言わず河川から引くというのはこれからの交易も考えて運河を抜くと言う事に等しい。
そうなればベージェ伯爵領は交通の要所となる。
そして公爵家との関係も明らかにすることで伯爵家だからと舐めてかかれば痛い目に合う事も遠回しに知らしめた。
王太子は「存分に楽しまれて行かれよ」と声を掛け、会場がよく見渡せる壇上に戻っていくとファルグレイドはあっという間に貴族たちに囲まれてしまった。
貴族達は今のうちにファルグレイドに取り入っておけば利権に肖れると知っている。
我こそは!と群がる貴族達を押し退けてファルグレイドはルツィエの手を引いて「帰る!」と出口に向かって歩き始めた。
ふとルツィエは思った。
王太子は誰にでも同じようにチャンスをくれたのだとすれば、ハリソンもチャンスだったのだと。ふと壇上を見れば肘をひじ掛けに置いて頬杖をついてこちらを見ている。見極めているのだ。
しかし、ファルグレイドは情けない事に逃げ腰になってしまっている。
バルコニーに飛び出したところでルツィエはファルグレイドの足をやっと止める事が出来た。
「ダメよ。ちゃんと話をしてこれからの事を話ししないと!殿下もそんな場を・・・きっとこのために開いてくれたのよ?」
「だとしてもあんなに一度に沢山は無理だ。今まで門前払いだったんだぞ?」
「だからよ。今度は貴方が彼らを門前払いするの?だったらやってる事は彼らと同じよ。同じリングに上がっちゃいけないの。されて嫌な事があったのなら同じ事をしてはダメよ」
「無理だよ。魔獣やイノシシを相手にしてる方がずっと簡単だ。俺はそんなに器用じゃないんだよ」
「もう、今更な事を言わないの。そのくらいの不器用な方がいいわ。一緒に私も頑張るから。ね?」
「一緒にって…本当に?でも全然雰囲気のあるシチュエーションじゃないし、いや、考えてたんだ。王都に来る途中で星が凄かった山の頂上とか、湖の畔とかそんな場所のほうが・・・」
「あのね、ここでそれを言っちゃったら意味ないでしょう。だけど・・・もういいの。吹っ切れたわ。こんな場であんな啖呵切るんだもの。出戻りだけど本当にいいのね?」
「関係ない。俺はルツィエだから結婚したいし奥さんになって欲しいし、俺の子を産んで欲しいんだ」
「子供は無理かも知れないわよ?魔力持ちはそこも面倒なの」
「それでもいいよ。その時は夫婦2人で仲良く年を取ればいい。ずっとルツィエだけを愛すると誓うよ。大道芸をするなら客引きは任せてくれ」
「何よそれ・・・もうっ!」
会場に戻ったかと思えばファルグレイドは王太子殿下の元に行き「ルツィエと早く2人きりになりたいので」と直球を投げた。
本当の所はルツィエに息苦しさを与えるドレスを早く脱がせるためだけにさっさと帰りたいだけだった。
翌日からガッセル公爵家には山のような先触れが届く。どれもこれもファルグレイドとの面談を望むものばかり。
「水も出たし…運河要らないんだけどな」
「そんな事言っちゃダメ!」
王都の滞在期間は200以上の貴族と面談をする事で費やされてしまった。
工事の開始は直ぐではない。工事をするのは決定でもその予算組もあって着工は早くても5年後。
「その頃にはルートの遊び相手でも出来ていれば僥倖だな」
クレセルと大家族切望の兄嫁、そしてルートに見送られて2人はベージェ伯爵領への帰途についた。
★~★
3年後。ベージェ伯爵領には新しい命が誕生間近。
「ツィエ!出来たぞ!」
「まぁ、可愛い。犬みたい」
屋敷の庭にはファルグレイドお手製のデスホースを模したスプリング遊具が登場していた。
デスホースを模したのに犬にしか見えない不器用さ。
「足元に気を付けろよ」
「ふぅ・・・ホントにつま先が全然見えないわ」
「あと少しだな。どっちだろう・・・」
「とっても元気だから男の子だと思うわ」
「男かぁ。じゃぁもうちょっと補強しとかないといけないな」
そう言って完成したばかりのスプリング遊具にファルグレイドは跨った。
先ずはこの遊具で馬に跨る事を覚えてもらって家族で遠乗りするのがファルグレイドの夢である。
ただ、大人のファルグレイドが跨ると完全に足はついてしまって揺れるには至らない。
腰を下ろし、ファルグレイドが地面から足を離した。
バギッ!!
背中に1歳半の娘を背負った執事のオスパルが呟いた。
「耐荷重12キロって言ったのに…68キロの旦那様が乗ったら壊れるに決まってるでしょう」
その後ファルグレイドの手によって補強に補強を重ねたスプリング遊具は完全固定式となり全くその特性を生かせない遊具となったのは言うまでもない。
Fin
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予定よりも大幅に遅れてしまい申し訳ないです<(_ _)>
おまけと言っては何ですけども、その後の2人の様子がスクロールすると出てくるかも知れません。
この後、
完結表示にしてコメントの返信をさせて頂きます。
今回は誤字の嵐が吹き荒れておりまして(;^_^A
沢山教えて頂き感謝です。
読んで頂きありがとうございました<(_ _)>
番外編
「ねぇお父たまはお母たまのこと好き?」
「大好きだぞ。一番好きだ」
「えっ…マインの事は好きじゃないの?マインはお父たまの一番じゃないの?」
「ちっ違う。マインの事も大好きだ!」
「でもお母たまが一番でしょ?」
子供は非常に痛いところを突いてくる。
待望の第一子は女児で名をマイン。
生まれた頃はルツィエに似ているかと思ったが成長するにしたがってファルグレイドに似てきた。自分に似ているからと言う事でもないがファルグレイドはマインが可愛くて仕方がない。
「お母たまは公爵令嬢だったんでしょ?」
「そうだな」
「じゃぁお父たまは王子様??」
「いや、王子・・・ではないな。当主って言うんだ」
「えっ…じゃぁ婚約者の令嬢を捨ててお母たまに傾倒しちゃったの?お父たま酷いっ」
――どこでそんな言葉を覚えてくるんだ――
オスパルの娘と共に「姉妹ごっこ」を楽しむのが最近の流行りのようだが、マセているのはどうやらオスパルの娘がオスパルの蔵書であるルビ付き恋愛小説を読んでいるかららしい。
色々なバリエーションがあるようだがルビ付きでは当主の男性が婚約者を捨てて他の令嬢に傾倒してしまい愛を貫くらしいが、略奪愛の成功のような話なので評判は頗る悪い。
愛するルツィエは現在第二子を妊娠中で悪阻の最盛期を迎えている。
その為、雨が降り領地を見回らなくていい日はマインの相手をするのだが、この日は「おままごと」につき合わされた。
「お父たまはお父たまの役ね」
「出来るかなぁ、難しいなぁマインは何をするんだ」
「愛人」
「え‥‥」
「じゃ、いくね。はい。お父たまはただいま~って帰って来てくだしゃい」
物凄く複雑な心境だが所詮は子供の遊びと割り切ってファルグレイドは付き合う。
「ただいま~」
「あなたっ!聞いてよ」
「どうしたんだ」
「あなたの奥さんが昼間、怒鳴り込んできて怖かったの」
――いきなりの修羅場設定だな――
「そ、そうか。それは大変だったな」
「一体いつになったら奥さんと別れてくれるんでしゅの」
「そ、それは…」
「奥さんとはもう冷えた関係と言ってたではありましぇんの!」
――ちょっと待て。これは何処かにリアルモデルがいるんじゃないのか――
「マイン、この設定は止めよう。父さんは経験がないからよく判らないんだ」
「そうなの?詰まんない。オスパルおじちゃまはノリノリでしてくれるのに」
――ネタ元はオスパルか。減給の対象だな――
そんなマインとのひと時を過ごし、良い父娘関係も作れているはずなのだがやはり子供は母親が好きなのか。ルツィエがやって来るとマインは途端に甘えん坊になってルツィエから離れない。
「マイン。お母様は赤ちゃんがいて具合が悪いんだ。父さんと遊ぼう」
「やだ!お父たまは中途半端な不貞してるからやだっ!」
――待て、それはとてつもなく大きな誤解を招く爆弾発言だ――
「違うよ。そんな事はしていない!ツィエ信じてくれ」
「判っておりますわよ。ね?マイン」
「でもねっお母たま、お父たまはいつも途中でやめちゃうの」
「マイン。だったら次はお父様に赤ちゃんになって貰ったら?」
――ツィエ。それは君の前だけの話だ――
「こんなに大きいのにっ?お父たまは赤ちゃん?」
「そうよ。だから中途半端とか意地悪を言うと泣いちゃうの」
「泣いちゃうの?じゃぁもう言わない」
「いい子ね。マイン大好きよ」
「私もお母たま大好きっ!」
しかし子供は時に残酷な生き物に変化する。
あんなに「お父たま大好き」と言っていても美丈夫を見ると態度が変わる。
領内に運河を通す工事をしている事もあって、総責任者であるクレセルがやってくるとおまけでついてくるルートにマインはベタ惚れなのである。
クレセルとルートが王都に帰る時は見送りなどさせたら大変な事になるのでマインの昼寝時間を狙ってもらうのだが、「お父たまは陰謀がしゅきなのです!」と暫く拗ねてしまう。
上手く立ち回れなくて娘に嫌われてしまうのではないかとビクビクしてしまうファルグレイドは毎夜愛妻のルツィエに慰めて貰っている。
「はぁ~ツィエの香りだ~。何時も甘くて旨そうだなぁ」
「まぁ、私を食べてしまうの?ふふっ」
「何度食べても飽きない。だけどこうやって抱きしめているだけでこの上ない幸せを感じるよ。また一人家族も増える。ツィエの事は幸せにすると誓ったのに俺ばかり幸せになってしまっている気がする」
「私も幸せですわよ?だってグレイドの魔法に溺れてしまっているんですもの」
「ん?俺は魔法は使えないんだよな~」
夫婦の甘い会話。
半分覚醒したマインは思う。
「お父たま違う。しょこはお母たまの水魔法に溺れてるって返しゅの」
父よりも器用に立ち回る娘。
末恐ろしいが、不器用なお父たまの事はルートの次にカッコいいと思っている。
Fin
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みんなの感想(39件)
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とても楽しいお話しでした!
特に最後の最後の番外編がほっこりしてて(^-^)
Çharuさんのお話しはまだ読ませていただいたばかりですが、他のお話しも楽しみになりました。
これからも読ませていただきますね。
ありがとうございました。
コメントありがとうございます。<(_ _)>
楽しい話!?いやいや・・・実はとんでもない地雷が紛れ込んでいる時があるので開いてしまった時は覚悟を決めて地雷を踏み抜くか、ブラウザバック。この2択しかない話ばかりなのですよ~(;^_^A
時代が縄文時代並みに古い昭和の製造なので、時折若い方には古文書のような難読ワードが飛び出したりします(*^-^*)
その時は作者であるワシが埴輪のように手を肘から曲げた奇妙な踊りをカクカクしながら踊っていると想像して頂ければっ(´▽`*)b
ラストはお腹にいた時は余りにも動きの激しい胎動だったので男の子かと思っていたら女の子!
パパさんが不器用なので、せめて自分ってものを持っていてほしいかなと考えるかも??とマインにしました。
お子様のままごと遊びは侮れません。
浮気をしてたり、夫婦喧嘩とか、義両親との確執とか子供って見てない、理解出来てないって思うのは大人だけ。面白そうってことには飛びつきますので内緒にしている事もあっという間にご近所にバレちゃいます。(;^_^A
大人のように複雑に「これは秘密」「これは小出し」みたいな忖度感情がないのでストレート!!
愛人ごっこを始めちゃいますが、次はきっと「パパは赤ちゃんごっこ」が何時の間にか領民に広まっていることでしょう(笑)
楽しんで頂けて良かったです♡
ラストまでお付き合いいただきありがとうございました。<(_ _)>
Chyaruセンさま(先生の謙遜を受けて変えてみました)
内容とは関係ない一言ですが、言わせてください!
読者の皆さんの感想に対する、Charuセンのコメントが秀逸すぎる!
本編に夢中でさっき初めて読みました、Charu センのコメント。
書かれたものなのに、まるで一緒に話しているような錯覚を覚えます。
例えれば、面白い友だちと放課後の教室で、キャッキャキャッキャと
いろんな話で盛り上がって時間が経つのも忘れてしまっているような。
各エピソードに対しての補足や手引きのようなものまであって、これは
全員の感想文のCyaruセンの添削を読まなければ!と思いましたYo!
「淀みなく」って表現がありますが、まさにそんなカンジで書かれています。
すらすらでいてつらつらと書かれた文章。
すごいな、Charuセンの感性。
「伯爵様は色々と不器用なのです」の感想欄。
…本編の教科書ガイド的な役割も果たしてくれそうです。
なかなかまとまった時間がとれず、いままだ18話で足踏みしてます。
あと6話…。読み終わるのもったいないなぁ。
コメントありがとうございます。<(_ _)>
そうですねぇ‥‥何と言いますか本編では書ききれない所とか、敢えて書かなかったキャラの気持ちとか立ち位置とかを書く事もありますが、ワシが「こう!」って書いてしまうと話を作った本人なので「こういうもの」って読んでくださる方の気持ちを引っ張ってしまう事があるので、そこはわざと書かずにボカすという外道技を炸裂されていたりもします(;^_^A
連載中だと「どうなるんだろう」って気持ちの中で読み進めていって、完結するとそうだったんだ!ってなる事も読む人が違うと別の見え方もしてたりで、コメント欄には読んでくださった方皆の気持ちが出てくると思うのですよ(*^-^*)
自由に色々と出来るのも読んでくださる皆様のおかげなのです(*^-^*)
なので、放課後のワイワイ感!これはとても嬉しい例えです♡
そこで同じ感情だったり、あれ?違うな?ってのも感じられると、読み返して頂いた時に違う方向から話を見ると別の味がするっていいますか(;^_^A
その中でワシ自身も、あぁここはもうちょっと手を入れた方がいいかなとか、表現を変えた方がいいかなとか勉強をさせて頂いておりますよ(´▽`*)
ワシ的にはそうですねぇ…本編はワシが書いておりますけどもご存じの通り兎に角誤字が多くてですね(;^_^A 反省はしているのです。多分(おいっ!)
で、誤字を訂正して、その上でコメント欄・・・これで1つの話が出来上がるホントの完結かなぁと思っているのですよ(*^-^*)
なので、放課後にみんなでワイワイとこうだった、あぁだったと感想を寄せて頂ければ頂くほど・・・噛めば噛むほど味の出るスルメのように味わい深くなのですニャー♡
読み終わるのが勿体無いと!!ニャンと嬉しいお言葉を(*ノωノ)ハズカシ
残りも楽しんで頂けると嬉しいです(*^-^*)
ほのぼのして心がぽかぽかになるお話でした!素敵なお話読ませていただきありがとうございます。普段ざまぁばかり好きで読みまくってるので、心が洗われるようでした。
コメントありがとうございます。<(_ _)>
そう言えば最近、ざまぁらしいざまぁがないかな(笑)
今回は離縁をする前からもう心の絆もギリギリ保っていたルツィエなんですけども、プチンとその絆の糸が切れてからはハリソンに会う事もなく、自分の道を歩いて行きます。
道筋をつけてくれたのは兄のクレセルではありますけども、何もわかっていないまま反対を押し切って「愛」だけで結婚に踏み切って「こんなはずじゃなかった」って思う事も多かったでしょうけども人間として成長したルツィエは貧しいベージェ伯爵領で役割ってものを感じたかな。
ランフィル侯爵家でも水魔法を使って領地を潤し経営はしていましたけども滅私奉公に近かった。だけどベージェ伯爵領では肩の力も抜いて子供達やポーラに対し水の玉を出すのは特に必要に迫られてではなく自発的なもの。水の味が甘いのも自分の気持ちが左右していると判れば…気持ちにも気が付くかな(*ノωノ)
水を吹き出させた時には水魔法が使える自分だから出来ることなんですけども、領民の為って言うよりもファルグレイドがこれで少しは楽になるって思いもあったかと。
愛は見えない力も加味していつもより大きな魔法を繰り出させました(*^-^*)
好き!って気持ちも大事なんですけども結婚となるとね…やっぱり相手を何処まで気遣えるか?ってのもありますし、相手を気遣うからこそ自分を大事にするってのもあるかな。
一方的な思いは時にハリソンとルツィエのように相手の事を考えていても全く違う思いを向けているって事もあったりしますしね(*^-^*) 交差しなきゃダメなのですよ♡
楽しんで頂けて良かったです♡
ラストまでお付き合いいただきありがとうございました。
★欄を拝借★
今回43件(うち6件非承認ご希望 ←誤字報告SPサンクスです!!)という沢山のコメントありがとうございました。
何時になく、いえJAR●でした。いつもと同じく誤字の嵐が吹き荒れておりましたけども、読んで頂き感謝です!!
今日(16日の17時過ぎ)から明日いっぱいでどれだけ本業を叩けるか!?にも寄りますけども週末になんとか次の話、頑張りたいなと思ってます。
完結も予定より遅くなりましたが、お付き合いいただきありがとうございました。<(_ _)>