14 / 15
ダメージが直撃する夫
しおりを挟む
私は急ぎ屋敷に戻る。スィートも今までにないほど早く、そして長い距離を駆けてくれた。
馬丁にスィートを預けると、鼻先をブルルと馬丁に摺り寄せている。
ん?そんな事をしてもらったことはない気がする…仔馬の時から私と共に駆けているのにと少し妬ける気もするがスィートは牡馬。心配は要らないだろう。
「旦那様、お帰りなさいませ。今回は…約3週間、長う御座いましたね」
「あぁ、その甲斐あってやっと見つける事が出来た」
<< えぇぇっ?! >>
悲鳴に近いような…いや非難めいた声にも聞こえるのは耳掃除が甘かったからだろうか。
「やってらんない」と掃除係のメイド数人がモップや雑巾を放り投げているのは何故なのだ。家令や執事も眉間を指で挟むように押さえて項垂れているようにも見える。
「5日後、リリルの街に行く。一番乗り心地が良い馬車を用意してくれ。あとは…ドレスを数着と宝飾品も急いで揃えねばならない。業者を呼んでくれ。屋敷の中も古いものは全部棄てるか寄付して新しくしよう」
「あの、旦那様…」
「なんだ?金なら退職金や慰労金、褒賞金、特別手当が入っているだろう?」
「資金については問題御座いません。王家よりその他迷惑料なるものも支払われておりますので問題ないのですが、若奥様は了承されたのですか?」
「だって離縁はしていないんだ。帰る家はここだ――」
ベチャッ!! 「ぶはっ!!」
なんだ?いきなり窓ガラスの下枠を掃除してたと思われる雑巾が飛んできた。
反応が鈍っている私の顔面をとらえたではないか。いいコントロールと褒めてやりたいが…。
「新しくするのは調度品やドレスじゃなく、旦那様です!」
「そうです。棄てたり寄付するのは旦那様です!」
「寄付は断られるでしょうけど、最終処分場に行くのは旦那様です!」
以前より私は嫌われていないか?こんなに走り回ってやっと見つけてきたというのにメイドたちはルナの事が邪魔なのか?あんなに慕っていたじゃないか。
年老いた家令がメイドたちを一旦部屋から出すと、私に湯あみをしてこいと言う。
確かに今の身なりは伯爵としてはあり得ない。急いで戻る途中に通り雨にも降られ半乾きになったからか異臭が酷いと私自身も感じるのだ。
湯に入り、髭も沿ってサッパリしたあと家令が湯殿に入ってきた。
成人してからは専門の業者が来ていたが、15年、いや20年ぶりか。家令に髪の毛を整えてもらった。
「昔と変わらぬくせ毛で御座いますね」
「そうだな。この緩く巻く毛先は変わらないな。切れば切った個所が巻いてしまうよ」
「大旦那様と同じで御座いますね」
「父上か…ルナは…ずっと看てくれてたんだよな」
「えぇ。19歳のお誕生日を過ぎたあたりで…21歳の時はもう知らない者が家の中にいると髪の毛を掴まれ引きずられてしまいました。それでも文句ひとつ言わずにそれはもう献身的に介護をされておりました」
「だが、私は帰らなかった。今となってはもう…後悔しかない」
「手を放して差し上げればよろしいのでは?それも男の度量で御座いますよ」
パシャンと湯の中に手を落とすが、離縁だけはしたくない。きっと遠い地に住まうはずだ。目の届かない所でルナに言い寄る男がいたら…食事に誘われたら…そう思うと身震いしてしまうのだ。
他の男を選んで幸せそうに微笑むルナを想像しただけで狂いそうだ。
「旦那様、いえ、こうなってはもう坊ちゃまです。坊ちゃまは先ず何も言わずに若奥様の言い分を全て聞くべきです。坊ちゃまがこうしたい、して欲しいではなくそこに口を挟まずに若奥様の胸の内を一度全てを曝け出してもらう。その上で離縁だのは一旦置いておいて、1つ1つ話し合うべきなのです。この8年間を話し合ってください。離縁するしないに関わらず、私達は伯爵家に仕えますし、若奥様の味方である事は変わりません」
「そうだな…え?私の味方は…」
「スィートが居ります。良かったですね」
いや、スィートは馬丁にすり寄っていたぞ?
という事は私の味方は伯爵家にはいないという事になるではないか!
まぁそうなるだろうな。それだけルナは誰からも愛されていたという事だ。
「坊ちゃまは選定眼はあるのですが、それだけです。だからポンコツと言われるのです。背負っていった贈り物は若奥様に差し上げたのですか?」
あ・・・渡してなかった。湯船の中に沈みたい。
湯殿から出て、汚れてしまったバッグから贈り物を取り出すとどれも潰れたり、汗だろうか。箱に染みが出来ていた。これでは買い直さなければとても渡せないと思っていると・・・。
「そのままですよ。そのまま若奥様に見せるのです。受け取る、受け取らないは若奥様に任せて新しいもので取り繕う事はせずに、そのままを見せるんです。家具や調度品もそうです。先々代様、先代様からの品を大事に使うのです。物は壊れますが、何もかも新しくして喜ばれるような方に仕える使用人をご希望なら皆を解雇してください。私達も古い物…ですからね」
寝台に横になり考えた。思えば私は見つける事が出来た嬉しさと会えた喜び。そして…全部が私の事ばかりでリリルの街での暮らしはどうだと一言すらルナには聞かなかった。
愛想を尽かされるはずだ。
リリルの街に出発する日。
私は贈れなかった小さな箱の入ったカバンと、もう一つカバンを手にした。
馬車には侍女のミライと家令。私は騎乗してリリルの街に向かった。
コンコン。
ドアノックを叩き、ノックをするとくぐもった声でどうぞと声が聞こえた。
ゆっくりと扉を開けて、中に入ると一つ間違えば破落戸と思われるような男の申請書の受付をしているルナがいた。上司の男性に目をやると、小さく頷いたので待合のソファに腰を掛けて順番を待った。
「次の方どうぞ」
ルナの優しい声が耳に聞えた。立ちあがりゆっくりと受付に行くと…
ルナはにっこり笑った。
「初めての方ですね。字は読み書き出来ますか?こちらで口述筆記もできますよ」
なんて事だ!髪も整え、髭も剃って、身綺麗な格好をした私にルナは気が付いていない!
前回は余りにも汚い恰好だったから判らなかったのも仕方がないが今回はどうなんだ?!
「ルナっ!私だ!エリオナルだ」
「えっ?‥‥えぇぇっ?!」
本気の素で驚いているのに、こちらが驚くぞ。
「申し訳ございません。隊服のお姿しか…いえ、正直言って顔も忘れておりました」
素直なのは良い事だ。ショックは大きいが言ってみれば7歳の子供に次に会ったのが15歳。誰だか判らなかったくらいの日数、いや時間しか会ってないのだ。
下手をすると葬儀などでしか会わない親戚よりも一緒にいる時間は短かったかも知れない。
飛びぬけて美丈夫なわけでもなく、至って中の中である私だ。特徴がないのは仕方がない。
仕方がないが…これはショックが大きい。
覚えられていなかった。まさか忘れられていたとは‥。
あり得ないくらいの精神攻撃だ。瞬時で放心したぞ。
それは会心の一撃をまともに食らったほどのダメージだがまだイケる。大丈夫だ。
そう思いながら私は屋敷の全ての部屋に2人の肖像画を飾る事を心に決めたのだった。
☆~☆
次回最終回です。
15時からリモート会議なので‥‥終わり次第タイピング開始します。
完結は予定通り本日3月11日です。<(_ _)>
馬丁にスィートを預けると、鼻先をブルルと馬丁に摺り寄せている。
ん?そんな事をしてもらったことはない気がする…仔馬の時から私と共に駆けているのにと少し妬ける気もするがスィートは牡馬。心配は要らないだろう。
「旦那様、お帰りなさいませ。今回は…約3週間、長う御座いましたね」
「あぁ、その甲斐あってやっと見つける事が出来た」
<< えぇぇっ?! >>
悲鳴に近いような…いや非難めいた声にも聞こえるのは耳掃除が甘かったからだろうか。
「やってらんない」と掃除係のメイド数人がモップや雑巾を放り投げているのは何故なのだ。家令や執事も眉間を指で挟むように押さえて項垂れているようにも見える。
「5日後、リリルの街に行く。一番乗り心地が良い馬車を用意してくれ。あとは…ドレスを数着と宝飾品も急いで揃えねばならない。業者を呼んでくれ。屋敷の中も古いものは全部棄てるか寄付して新しくしよう」
「あの、旦那様…」
「なんだ?金なら退職金や慰労金、褒賞金、特別手当が入っているだろう?」
「資金については問題御座いません。王家よりその他迷惑料なるものも支払われておりますので問題ないのですが、若奥様は了承されたのですか?」
「だって離縁はしていないんだ。帰る家はここだ――」
ベチャッ!! 「ぶはっ!!」
なんだ?いきなり窓ガラスの下枠を掃除してたと思われる雑巾が飛んできた。
反応が鈍っている私の顔面をとらえたではないか。いいコントロールと褒めてやりたいが…。
「新しくするのは調度品やドレスじゃなく、旦那様です!」
「そうです。棄てたり寄付するのは旦那様です!」
「寄付は断られるでしょうけど、最終処分場に行くのは旦那様です!」
以前より私は嫌われていないか?こんなに走り回ってやっと見つけてきたというのにメイドたちはルナの事が邪魔なのか?あんなに慕っていたじゃないか。
年老いた家令がメイドたちを一旦部屋から出すと、私に湯あみをしてこいと言う。
確かに今の身なりは伯爵としてはあり得ない。急いで戻る途中に通り雨にも降られ半乾きになったからか異臭が酷いと私自身も感じるのだ。
湯に入り、髭も沿ってサッパリしたあと家令が湯殿に入ってきた。
成人してからは専門の業者が来ていたが、15年、いや20年ぶりか。家令に髪の毛を整えてもらった。
「昔と変わらぬくせ毛で御座いますね」
「そうだな。この緩く巻く毛先は変わらないな。切れば切った個所が巻いてしまうよ」
「大旦那様と同じで御座いますね」
「父上か…ルナは…ずっと看てくれてたんだよな」
「えぇ。19歳のお誕生日を過ぎたあたりで…21歳の時はもう知らない者が家の中にいると髪の毛を掴まれ引きずられてしまいました。それでも文句ひとつ言わずにそれはもう献身的に介護をされておりました」
「だが、私は帰らなかった。今となってはもう…後悔しかない」
「手を放して差し上げればよろしいのでは?それも男の度量で御座いますよ」
パシャンと湯の中に手を落とすが、離縁だけはしたくない。きっと遠い地に住まうはずだ。目の届かない所でルナに言い寄る男がいたら…食事に誘われたら…そう思うと身震いしてしまうのだ。
他の男を選んで幸せそうに微笑むルナを想像しただけで狂いそうだ。
「旦那様、いえ、こうなってはもう坊ちゃまです。坊ちゃまは先ず何も言わずに若奥様の言い分を全て聞くべきです。坊ちゃまがこうしたい、して欲しいではなくそこに口を挟まずに若奥様の胸の内を一度全てを曝け出してもらう。その上で離縁だのは一旦置いておいて、1つ1つ話し合うべきなのです。この8年間を話し合ってください。離縁するしないに関わらず、私達は伯爵家に仕えますし、若奥様の味方である事は変わりません」
「そうだな…え?私の味方は…」
「スィートが居ります。良かったですね」
いや、スィートは馬丁にすり寄っていたぞ?
という事は私の味方は伯爵家にはいないという事になるではないか!
まぁそうなるだろうな。それだけルナは誰からも愛されていたという事だ。
「坊ちゃまは選定眼はあるのですが、それだけです。だからポンコツと言われるのです。背負っていった贈り物は若奥様に差し上げたのですか?」
あ・・・渡してなかった。湯船の中に沈みたい。
湯殿から出て、汚れてしまったバッグから贈り物を取り出すとどれも潰れたり、汗だろうか。箱に染みが出来ていた。これでは買い直さなければとても渡せないと思っていると・・・。
「そのままですよ。そのまま若奥様に見せるのです。受け取る、受け取らないは若奥様に任せて新しいもので取り繕う事はせずに、そのままを見せるんです。家具や調度品もそうです。先々代様、先代様からの品を大事に使うのです。物は壊れますが、何もかも新しくして喜ばれるような方に仕える使用人をご希望なら皆を解雇してください。私達も古い物…ですからね」
寝台に横になり考えた。思えば私は見つける事が出来た嬉しさと会えた喜び。そして…全部が私の事ばかりでリリルの街での暮らしはどうだと一言すらルナには聞かなかった。
愛想を尽かされるはずだ。
リリルの街に出発する日。
私は贈れなかった小さな箱の入ったカバンと、もう一つカバンを手にした。
馬車には侍女のミライと家令。私は騎乗してリリルの街に向かった。
コンコン。
ドアノックを叩き、ノックをするとくぐもった声でどうぞと声が聞こえた。
ゆっくりと扉を開けて、中に入ると一つ間違えば破落戸と思われるような男の申請書の受付をしているルナがいた。上司の男性に目をやると、小さく頷いたので待合のソファに腰を掛けて順番を待った。
「次の方どうぞ」
ルナの優しい声が耳に聞えた。立ちあがりゆっくりと受付に行くと…
ルナはにっこり笑った。
「初めての方ですね。字は読み書き出来ますか?こちらで口述筆記もできますよ」
なんて事だ!髪も整え、髭も剃って、身綺麗な格好をした私にルナは気が付いていない!
前回は余りにも汚い恰好だったから判らなかったのも仕方がないが今回はどうなんだ?!
「ルナっ!私だ!エリオナルだ」
「えっ?‥‥えぇぇっ?!」
本気の素で驚いているのに、こちらが驚くぞ。
「申し訳ございません。隊服のお姿しか…いえ、正直言って顔も忘れておりました」
素直なのは良い事だ。ショックは大きいが言ってみれば7歳の子供に次に会ったのが15歳。誰だか判らなかったくらいの日数、いや時間しか会ってないのだ。
下手をすると葬儀などでしか会わない親戚よりも一緒にいる時間は短かったかも知れない。
飛びぬけて美丈夫なわけでもなく、至って中の中である私だ。特徴がないのは仕方がない。
仕方がないが…これはショックが大きい。
覚えられていなかった。まさか忘れられていたとは‥。
あり得ないくらいの精神攻撃だ。瞬時で放心したぞ。
それは会心の一撃をまともに食らったほどのダメージだがまだイケる。大丈夫だ。
そう思いながら私は屋敷の全ての部屋に2人の肖像画を飾る事を心に決めたのだった。
☆~☆
次回最終回です。
15時からリモート会議なので‥‥終わり次第タイピング開始します。
完結は予定通り本日3月11日です。<(_ _)>
146
お気に入りに追加
4,613
あなたにおすすめの小説
【完結】私が貴方の元を去ったわけ
なか
恋愛
「貴方を……愛しておりました」
国の英雄であるレイクス。
彼の妻––リディアは、そんな言葉を残して去っていく。
離婚届けと、別れを告げる書置きを残された中。
妻であった彼女が突然去っていった理由を……
レイクスは、大きな後悔と、恥ずべき自らの行為を知っていく事となる。
◇◇◇
プロローグ、エピローグを入れて全13話
完結まで執筆済みです。
久しぶりのショートショート。
懺悔をテーマに書いた作品です。
もしよろしければ、読んでくださると嬉しいです!
【完結】潔く私を忘れてください旦那様
なか
恋愛
「子を産めないなんて思っていなかった
君を選んだ事が間違いだ」
子を産めない
お医者様に診断され、嘆き泣いていた私に彼がかけた最初の言葉を今でも忘れない
私を「愛している」と言った口で
別れを告げた
私を抱きしめた両手で
突き放した彼を忘れるはずがない……
1年の月日が経ち
ローズベル子爵家の屋敷で過ごしていた私の元へとやって来た来客
私と離縁したベンジャミン公爵が訪れ、開口一番に言ったのは
謝罪の言葉でも、後悔の言葉でもなかった。
「君ともう一度、復縁をしたいと思っている…引き受けてくれるよね?」
そんな事を言われて……私は思う
貴方に返す返事はただ一つだと。
【完結】愛に裏切られた私と、愛を諦めなかった元夫
紫崎 藍華
恋愛
政略結婚だったにも関わらず、スティーヴンはイルマに浮気し、妻のミシェルを捨てた。
スティーヴンは政略結婚の重要性を理解できていなかった。
そのような男の愛が許されるはずないのだが、彼は愛を貫いた。
捨てられたミシェルも貴族という立場に翻弄されつつも、一つの答えを見出した。
何を間違った?【完結済】
maruko
恋愛
私は長年の婚約者に婚約破棄を言い渡す。
彼女とは1年前から連絡が途絶えてしまっていた。
今真実を聞いて⋯⋯。
愚かな私の後悔の話
※作者の妄想の産物です
他サイトでも投稿しております
誤解されて1年間妻と会うことを禁止された。
しゃーりん
恋愛
3か月前、ようやく愛する人アイリーンと結婚できたジョルジュ。
幸せ真っただ中だったが、ある理由により友人に唆されて高級娼館に行くことになる。
その現場を妻アイリーンに見られていることを知らずに。
実家に帰ったまま戻ってこない妻を迎えに行くと、会わせてもらえない。
やがて、娼館に行ったことがアイリーンにバレていることを知った。
妻の家族には娼館に行った経緯と理由を纏めてこいと言われ、それを見てアイリーンがどう判断するかは1年後に決まると言われた。つまり1年間会えないということ。
絶望しながらも思い出しながら経緯を書き記すと疑問点が浮かぶ。
なんでこんなことになったのかと原因を調べていくうちに自分たち夫婦に対する嫌がらせと離婚させることが目的だったとわかるお話です。
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
【完結】聖女の手を取り婚約者が消えて二年。私は別の人の妻になっていた。
文月ゆうり
恋愛
レティシアナは姫だ。
父王に一番愛される姫。
ゆえに妬まれることが多く、それを憂いた父王により早くに婚約を結ぶことになった。
優しく、頼れる婚約者はレティシアナの英雄だ。
しかし、彼は居なくなった。
聖女と呼ばれる少女と一緒に、行方を眩ませたのだ。
そして、二年後。
レティシアナは、大国の王の妻となっていた。
※主人公は、戦えるような存在ではありません。戦えて、強い主人公が好きな方には合わない可能性があります。
小説家になろうにも投稿しています。
エールありがとうございます!
婚約破棄直前に倒れた悪役令嬢は、愛を抱いたまま退場したい
矢口愛留
恋愛
【全11話】
学園の卒業パーティーで、公爵令嬢クロエは、第一王子スティーブに婚約破棄をされそうになっていた。
しかし、婚約破棄を宣言される前に、クロエは倒れてしまう。
クロエの余命があと一年ということがわかり、スティーブは、自身の感じていた違和感の元を探り始める。
スティーブは真実にたどり着き、クロエに一つの約束を残して、ある選択をするのだった。
※一話あたり短めです。
※ベリーズカフェにも投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる