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続編
VOL.16
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国王との謁見で着用する正装に着替えたエクセは帰宅したアジメストに声を掛けた。
「どうしたの…その恰好…何かあるの?」
「今夜はお祝いだ。アジメスト。今日は宿を取らないか?」
「いいけど、一体どうしたの?」
「まぁ、ちょっとね。で、食事なんだが老舗のレストランに行こう」
「いいの?!」
「あぁ。アジメストがいるから僕は幸せなんだ。ちょっとはいい顔もしたいだろう?母上のもので悪いんだがドレスもクローゼットに残ってるから好きなものを着てくれ」
エクセにそう言われたアジメストは頬が引き攣る。
女性のドレスなどエクセに判別がつくはずもないので、夫人がいなくなって早々に先ずはルワード公爵がほとんど売ってしまったし、残った中から金になりそうなものはアジメストが売ってしまっていた。
残っているのは細かく裁断をすれば「服」や「ドレス」ではなく「はぎれ」として買い取ってくれるような布を使ったものばかり。
仕方なくアジメストはその中から一番マシなドレスを選んだ。
30年以上前に流行った体のラインが出るドレス…なのだがファーや大きな鳥の羽を模した飾りがゴテゴテついていて歌劇俳優の舞台衣装を思わせる。
――こんなの恥ずかしくて着られないと思ったのに――
それしかないなら仕方がない。アジメストは渋々ドレスに身を包んだ。
アジメストは今日でこの屋敷を出ねばならない事を知らない。
70万ピピあれば今日の宿代で半分が無くなり、レストランで20万は無くなるだろうが、領地が戻ってくるまで安宿の素泊まりでやり過ごし、食事はアジメストにここ数日のように奢って貰えばいい。
エクセはそう考えてアジメストを誘った。
街に出ると「お祝いセット」が貰えると民衆が話していて小麦やシイタケの入った袋を抱えて家路を急ぐ者もいる。貰えるものなら貰っておこうと考えたが、既に配り終えていたようで一足遅かった事をエクセは悔やんだ。
宿は取れた。
金も先払いしたので相手だって揉み手で受付をしてくれた。1泊35万の宿。平均の月収が6万なのだから滅多に利用する者がいないので宿屋もホクホク顔だった。
しかし折角の良い気分に水を差す出来事が起こった。
食事に行こうと出向いたら馴染みだった老舗の高級レストランは看板に違う名前が書かれていたのだ。
外観は年代を思わせる古い造りで、記憶にあるままなのに何かが違う。
「あれ?店が変わってる?」
「店が違うってこと?」
「そんな筈はない。ここはお爺様の代から贔屓にしてたんだ。待っててくれ。聞いてくる」
エクセが店に入り店員に問うと予約をせずとも入れるようになっていて、エクセとアジメストは一番いい料理と店で一番いいワインを楽しんだが、どうも店内が騒がしい。
「すまない。以前はもっと静かだったんだが」
「気にしないわ」
記憶にある店内の様子も違うし、客層が仕事帰りの初級文官や職人たち。
不景気だから貴族ばかりを受け入れていては経営も難しいのか?エクセはそう考えやり過ごした。
時計を見ると楽しい時間は思いのほか早く過ぎるもの。
もう23時30分を過ぎていた。
エクセが支払おうと財布を胸ポケットから出すとアジメストが言った。
「何してるの?」
「いや、支払いをしないとさ」
「それは良いけど…ごめんね?ケチつける訳じゃないの。でも…このキャビア。私的に違うと思うのね。キャビアってもっと小粒で…こんなに大きくないわ。偽物よ。これ」
いつものようにアジメストが難癖をつけ始めた。
「この照明もだけど、ワザと暗くしてるんだと思うの。暗いと鮮度が解り難くなるわ。野菜もトマトの中にぬるっとしたのがあったし、粒も感じたの。ブロッコリーも固かったし…。ワインだって店で一番良いって…これが?ってレベルよ?本当に折角連れてきてもらったのにこんな事言っちゃいけないと思うのよ?でもエクセの馴染みの店ならちゃんと改善点を伝えるべきだと思うのよ」
アジメストは飲食をして金を払うなんて概念もないし、何よりここはエクセの馴染みの店なら猶更注意点をアドヴァイスすれば顧問として収入になるんじゃないか。そう考えていた。
アジメストだっていつもエクセにたかられるのはごめんだ。
店主に苦言を呈するのはいつも自分でエクセはだんまり。何もしないくせに付き纏われるのもごめんだった。
――夫なんだから稼ぐ術をちゃんと持っててもらわないと困るわ――
「そうだな。うん。言うべきことは言わないとな」
エクセはアジメストが感じた食感、味を聞き取ると店員を呼んだ。
「追加のご注文っすか?」
顔を覗かせた店員はまた顔を外に出すと威勢のいい声を出す。
「ラストオーダー入りまァすッ!」
遠くから「ありがとうございまぁす」何人もの声が重なって聞こえてくる。
エクセはこの騒々しい雰囲気にも苛立った。
「追加?そうじゃなくてだな。この店は何時からこんなものを客に提供するようになったんだ?」
「何時から…と言われても開店時からずっとッスけど?」
「本気でそんな事を言ってるのか?今まで苦情が来たことは一度もないのか?」
「そうッスねぇ。俺が勤めて1か月でぇ…試用期間をいれると1か月半になりますけどないっスね」
「1か月?話にならないな。支配人を呼んでくれないか」
「支配人…えぇっと店長の事ッスか?」
「店長って…大体だな。君の言葉使いもどうかしてる。この店の教育は一体どうなってるんだ!この食材もだ!明らかに安い物を使ってる。腐ってるものも混じってるだろう!」
怒鳴るエクセに困ったのか店員はブースを出ると店長を呼んできた。その事もエクセには腹立たしい。なんと店長と名乗る男はタオルを頭に職人巻きにして、腰には汚れたエプロン。とてもこの店の責任者とは思えない格好だった。
「僕はこの店に物心つく前から通っている常連だ。いつの間にこんな下賤な店になったんだ。今日、大事な人と来たことをこれほど恥ずかしく思った事はない!」
「はぁ?大事な人ですか。まぁ、ウチとしては選んでくれてありがとうですけど、物心ってお客さん何歳です?」
「31歳だ!でもこの店は祖父の代からずっと贔屓にしてるんだ。何年通ってどれだけ金を落としたと思ってるんだ」
「って、言われましても。ウチ、新規開店して1か月半なんですよ。常連って感じで言ってくれちゃってますけどお客さん、ここ初めてでしょ?それで常連って言われてもねぇ」
「な、何だと?!ここは老舗のレストラ――」
「えぇ。前はそうだったみたいですね。経営不振で売りに出してたんでウチが買って外観は古っぽく見えた方がいいんで、内装だけ変えて1か月半前にオープンしたんですよ。こんな大衆鳥串屋に何を望んでるか知りませんけど難癖は迷惑なんですよね」
「え?前の店はもうない…違うと言うのか?」
「そう言ってるでしょう?ウチ、0時で終いなんですよ。お会計お願いできますかね」
そう言われてエクセはちらりとブースごとに取り付けられている時計を見た。
時計の針は真上に重なった時間から少し過ぎて0時2、3分だろうか。
ここでこれ以上の騒ぎを起こすのは良くない。
もう貴族でいられた時間は過去のものになったのだ。
何より老舗レストランではなく大衆鳥串屋で、これだけ飲み食いしたのに請求されている金額は9700ピピ。
ワインだって安いはずだ。
この場で間違っていたのは自分だと知ると顔から火が出そうなほどに恥ずかしくなった。
妥当な値段だと思ったエクセは財布から札を1枚抜いて支払おうとした時だった。
「あんたたちね!私たちを誰だと思ってるの?ルワード公爵家の当主と当主夫人よ?難癖をつけているのはそっちでしょう?自分たちの身の程を弁えなさいッ!」
エクセは顔から火が出そうなほど羞恥を感じ真っ赤になっていたのに瞬時で血液も凍り付いた。
「どうしたの…その恰好…何かあるの?」
「今夜はお祝いだ。アジメスト。今日は宿を取らないか?」
「いいけど、一体どうしたの?」
「まぁ、ちょっとね。で、食事なんだが老舗のレストランに行こう」
「いいの?!」
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エクセにそう言われたアジメストは頬が引き攣る。
女性のドレスなどエクセに判別がつくはずもないので、夫人がいなくなって早々に先ずはルワード公爵がほとんど売ってしまったし、残った中から金になりそうなものはアジメストが売ってしまっていた。
残っているのは細かく裁断をすれば「服」や「ドレス」ではなく「はぎれ」として買い取ってくれるような布を使ったものばかり。
仕方なくアジメストはその中から一番マシなドレスを選んだ。
30年以上前に流行った体のラインが出るドレス…なのだがファーや大きな鳥の羽を模した飾りがゴテゴテついていて歌劇俳優の舞台衣装を思わせる。
――こんなの恥ずかしくて着られないと思ったのに――
それしかないなら仕方がない。アジメストは渋々ドレスに身を包んだ。
アジメストは今日でこの屋敷を出ねばならない事を知らない。
70万ピピあれば今日の宿代で半分が無くなり、レストランで20万は無くなるだろうが、領地が戻ってくるまで安宿の素泊まりでやり過ごし、食事はアジメストにここ数日のように奢って貰えばいい。
エクセはそう考えてアジメストを誘った。
街に出ると「お祝いセット」が貰えると民衆が話していて小麦やシイタケの入った袋を抱えて家路を急ぐ者もいる。貰えるものなら貰っておこうと考えたが、既に配り終えていたようで一足遅かった事をエクセは悔やんだ。
宿は取れた。
金も先払いしたので相手だって揉み手で受付をしてくれた。1泊35万の宿。平均の月収が6万なのだから滅多に利用する者がいないので宿屋もホクホク顔だった。
しかし折角の良い気分に水を差す出来事が起こった。
食事に行こうと出向いたら馴染みだった老舗の高級レストランは看板に違う名前が書かれていたのだ。
外観は年代を思わせる古い造りで、記憶にあるままなのに何かが違う。
「あれ?店が変わってる?」
「店が違うってこと?」
「そんな筈はない。ここはお爺様の代から贔屓にしてたんだ。待っててくれ。聞いてくる」
エクセが店に入り店員に問うと予約をせずとも入れるようになっていて、エクセとアジメストは一番いい料理と店で一番いいワインを楽しんだが、どうも店内が騒がしい。
「すまない。以前はもっと静かだったんだが」
「気にしないわ」
記憶にある店内の様子も違うし、客層が仕事帰りの初級文官や職人たち。
不景気だから貴族ばかりを受け入れていては経営も難しいのか?エクセはそう考えやり過ごした。
時計を見ると楽しい時間は思いのほか早く過ぎるもの。
もう23時30分を過ぎていた。
エクセが支払おうと財布を胸ポケットから出すとアジメストが言った。
「何してるの?」
「いや、支払いをしないとさ」
「それは良いけど…ごめんね?ケチつける訳じゃないの。でも…このキャビア。私的に違うと思うのね。キャビアってもっと小粒で…こんなに大きくないわ。偽物よ。これ」
いつものようにアジメストが難癖をつけ始めた。
「この照明もだけど、ワザと暗くしてるんだと思うの。暗いと鮮度が解り難くなるわ。野菜もトマトの中にぬるっとしたのがあったし、粒も感じたの。ブロッコリーも固かったし…。ワインだって店で一番良いって…これが?ってレベルよ?本当に折角連れてきてもらったのにこんな事言っちゃいけないと思うのよ?でもエクセの馴染みの店ならちゃんと改善点を伝えるべきだと思うのよ」
アジメストは飲食をして金を払うなんて概念もないし、何よりここはエクセの馴染みの店なら猶更注意点をアドヴァイスすれば顧問として収入になるんじゃないか。そう考えていた。
アジメストだっていつもエクセにたかられるのはごめんだ。
店主に苦言を呈するのはいつも自分でエクセはだんまり。何もしないくせに付き纏われるのもごめんだった。
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エクセはアジメストが感じた食感、味を聞き取ると店員を呼んだ。
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「追加?そうじゃなくてだな。この店は何時からこんなものを客に提供するようになったんだ?」
「何時から…と言われても開店時からずっとッスけど?」
「本気でそんな事を言ってるのか?今まで苦情が来たことは一度もないのか?」
「そうッスねぇ。俺が勤めて1か月でぇ…試用期間をいれると1か月半になりますけどないっスね」
「1か月?話にならないな。支配人を呼んでくれないか」
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怒鳴るエクセに困ったのか店員はブースを出ると店長を呼んできた。その事もエクセには腹立たしい。なんと店長と名乗る男はタオルを頭に職人巻きにして、腰には汚れたエプロン。とてもこの店の責任者とは思えない格好だった。
「僕はこの店に物心つく前から通っている常連だ。いつの間にこんな下賤な店になったんだ。今日、大事な人と来たことをこれほど恥ずかしく思った事はない!」
「はぁ?大事な人ですか。まぁ、ウチとしては選んでくれてありがとうですけど、物心ってお客さん何歳です?」
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「って、言われましても。ウチ、新規開店して1か月半なんですよ。常連って感じで言ってくれちゃってますけどお客さん、ここ初めてでしょ?それで常連って言われてもねぇ」
「な、何だと?!ここは老舗のレストラ――」
「えぇ。前はそうだったみたいですね。経営不振で売りに出してたんでウチが買って外観は古っぽく見えた方がいいんで、内装だけ変えて1か月半前にオープンしたんですよ。こんな大衆鳥串屋に何を望んでるか知りませんけど難癖は迷惑なんですよね」
「え?前の店はもうない…違うと言うのか?」
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もう貴族でいられた時間は過去のものになったのだ。
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妥当な値段だと思ったエクセは財布から札を1枚抜いて支払おうとした時だった。
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