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番外編
フェリックス父になる①
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「ほらぁ。可愛いだろう?」
第二騎士団の団長室に子連れで出勤をする男が1人。
やっと出来た子は女の子。奥様に似てとてもチャーミングです。
奥様曰く、【夫に似たほうが良かったのに】っと産後ちょっと落ち込んでいたとか。
ですが、彼は妻を愛し続けてもう10年以上。
学園生の頃に一目惚れをして爵位の差から猛反対されたものの、持ち前の頭脳と剣の腕で周りを説き伏せ、結婚後5年でわかった妊娠に大喜び。あんなに反対をしていた双方の両親も孫の可愛さにはメロメロン。
彼の名前はピョエ―ル・セル・イングウェー。
公爵家の嫡男で現在第二騎士団の副官をしております。奥様はフレイア夫人(元子爵令嬢)
お嬢ちゃまのお名前はエリザベータ。
産後の肥立ちがあまりよくないようで、双方の両親が交互に見てくれていますがあまりにも甘やかすのでナニーを雇ったら美丈夫のピョエ―ルのお世話をしますと夜、襲われそうになったピョエ―ル。
他人は誰も信用ならんと生後8か月の娘を連れてご出勤をしております。
「どうだ。フェリックス。予行練習に抱かせてやろう」
すっかり首も座って、あーうーではありますが、意外とエリザベータは怖いもの知らず。
フェリックスの顔を見てキャァウ♪と喜んだ強者であります。
今まで子供にはギャン泣きしかされた事のないフェリックス。恐る恐る抱っこをさせてもらいますがそこはやはりエリザベータも知らないオッサンよりパパの方が良いようです。
団長室に応急で設置されたベビーサークルの中でコロコロと転がったり、ハイハイをしたりと忙しいエリザベータは見ているだけで時間が経ってしまいますね。
「今どれくらいになったんだ?」
「先週の診察ではもう臨月に入るからいつでも準備をしておくようにと言われたそうだ」
「ついにフェリックスもパパかぁ。娘は可愛いぞ」
「そうだろうなぁ」
「どうした。元気がないな」
「いや、息子でも娘でも俺に似たら可哀想だと思って」
「何言ってるんだ。よし、息子ならエリザベータの婿にしてやるから安心しろ」
「は?何で婿養子前提なんだ」
「決まってるだろう?エリザベータと離れたくないからだ」
『ぷわぁぷあ!あぅ~』
「はいはい。何かなぁ~抱っこかなぁ」
今までのピョエ―ルとは思えない娘への献身ぶりにフェリックスも思わず苦笑いですね。
☆~☆~☆~☆
屋敷に戻ると、愛しいオパールに思いっきりハグする事は禁止をされております。
ですが、お腹もどんどん大きくなると仰向けに寝る事が出来ず、横を向いて寝ていますが寝返りを打つのも一苦労。おまけに足元が見えにくいのと、この頃は少し動くと腰が痛いようです。
フェリックスは食事は仕方ありませんが食後のサロンでくつろぐ時は胡坐を組んでそこにオパールが座ります。
大きな背もたれは大好きな神推し、フェリックスなのも安心するようです。
流石に乗馬は出来ませんが、侯爵邸の庭を出来る限り一緒に散歩するフェリックス。
今日も胡坐の中にストンと納まるオパールを後ろから軽く抱きしめてオパールのお腹を撫でています。
「あと2,3週間だな。辛くないか?」
「大丈夫ですわ。ですがこの頃あまり動いてくれなくなりましたの」
「寝てるんじゃないか?あんまり気持ちよくて目が覚めるのがもったいないのかもな」
「ウフフ。早く出てきてフェルを一緒に推してくれないかしら」
「ん?ちょっと動いたな。こいつめ・・(なでなで)」
「名前は考えてくれましたの?」
「まぁ‥‥候補は幾つかに絞ったけど…決めかねている」
つっこみをするようなラブリィはありませんが、仲の良い夫婦に使用人一同、安心して見守っております。
そして10日ほど過ぎたある日。予定日の前後に休暇を取るために2日ほどは帰れないと言ったフェリックスを見送ってサロンの肖像画の前で本を読んでいたオパール。お花でも摘みに行こうかとゆっくり立ち上がった時!!
「ううっ…」
突然腰がズンっと下がるような痛みで息も出来ない程になります。
2日ほど前からお腹を壊したわけではないのに、シクシクとする痛みがあったり引いたり。
もうすぐだと言うのに風邪でも引いたのかと思っておりましたがどうやらそうではないようです。
テーブルに手をついて小さく小刻みに息をするオパールを出来る侍女シーナが見つけます。
「奥様っ!」
「だ、大丈夫、もう痛みが引いたみたい‥‥お腹を壊したのかしら」
「何時からなのです?」
「こんなに痛いのは初めてですわ。でもシクシクするのは2日ほど前だったかしら」
ピンとくるシーナはそっと椅子にオパールを座らせてスイフトに報告をします。
途端に慌ただしくなる侯爵邸。
実家のある領が遠いので侯爵邸でお産をするオパールの為に使用人たちは分娩ベッドとなる寝台を整えます。
昼前には清潔なリネンが沢山搬入されてきます。
オパールの実家、フェリックスの叔父、叔母の領にも早馬が出発しました。
朝の痛みからもう3時間。それからは痛みもないですが、なんとなく腰が重いというか、真下に引っ張られるような感覚が続くようになったオパールは侍女に勧められて昼間に湯あみをします。
「ウフフ。見て。すっかりお腹がメロンみたいな模様になっちゃいましたわ」
「あぁ、妊娠線でございますね。産後はクリームをたっぷり使ってマッサージをしましょう」
「え?‥‥マッサージですの?」
「はい、少々痛いとは思いますが産後のマッサージは大事なんですよ」
「そうなのね。苦手だけど頑張るわ」
湯船からあがり、侍女に着替えをさせてもらって歩こうと思った瞬間!
「あっ‥‥」
「どうされました?奥様」
「あ、あの…ごめんなさい。多分…粗相をしてしまいましたわ」
侍女がふと見ると、それは粗相ではなくおそらく羊水。
出産の経験と産婆の手伝いをした事のある侍女はオパールの足を伝って流れ出る水の色に見覚えがあります。
しかし、驚かせるといけないので努めていつも通りにします。
「きっと旦那様のように剣をふる稽古をお腹で赤ちゃんがしてしまったんでしょう。もう一度お召し物を代えましょう。さぁ手をこちらに。歩けますか?奥様」
「え、えぇ大丈夫。ごめんなさいね」
「いいえ。もうすぐですものね。私達も待ち遠しいですわ」
侍女は回収にきた侍女にそっと急いで産婆を呼ぶように伝えます。
頷いた侍女もいつもと同じように部屋を出ていきます。
「奥様、寝台を用意する間、もうすぐ使う分娩ベッドの方で少しお待ちくださいませ」
「そ。そうね‥‥痛ぅ‥‥ハァハァ‥‥ハァハァ…」
何も言わずに腰を強めに撫でる侍女。そのまま分娩ベッドに横になります。
それからは2時間おき、1時間おきとジワジワ痛みと痛みの感覚が短くなっていきます。
オパールは痛みが引いた時に水分と軽食を取りつかの間の仮眠をとります。
見かねたシーナオパールに言います。
「旦那様にお知らせしましょうか」
「いいえ。さっき産婆さんも仰っていたでしょう。時間がかかりそうですわね。フェルにはギリギリまで知らせてはなりません。大事なお仕事なのですから」
ですが、シーナは産婆とスイフトが話していた内容を立ち聞きしてしまっています。
どうやらお腹の子の頭が大きいようで相当の難産になる可能性がある事と、オパールが耐えられるかはわからないと話をしていた事。
シーナの従姉妹もお産で命を落としています。まだ出産で命を落としてしまう事が多い時代です。
時計を見ると真夜中の3時前。
シーナはかなり昔にしか経験がないけれど、厩舎に走りドスコイの柵を外すとしがみ付くようにドスコイの背に乗ります。
「ドスコイ!奥様が大変なの。お城まで急いで走って頂戴!」
しかし、ドスコイ。品種はポニー。急いで走ってもパッカパッカにしかなりません。
それでも走るよりは早い!シーナはドスコイと共にフェリックスの元へと急ぎました。
急げ!ドスコイ!!
第二騎士団の団長室に子連れで出勤をする男が1人。
やっと出来た子は女の子。奥様に似てとてもチャーミングです。
奥様曰く、【夫に似たほうが良かったのに】っと産後ちょっと落ち込んでいたとか。
ですが、彼は妻を愛し続けてもう10年以上。
学園生の頃に一目惚れをして爵位の差から猛反対されたものの、持ち前の頭脳と剣の腕で周りを説き伏せ、結婚後5年でわかった妊娠に大喜び。あんなに反対をしていた双方の両親も孫の可愛さにはメロメロン。
彼の名前はピョエ―ル・セル・イングウェー。
公爵家の嫡男で現在第二騎士団の副官をしております。奥様はフレイア夫人(元子爵令嬢)
お嬢ちゃまのお名前はエリザベータ。
産後の肥立ちがあまりよくないようで、双方の両親が交互に見てくれていますがあまりにも甘やかすのでナニーを雇ったら美丈夫のピョエ―ルのお世話をしますと夜、襲われそうになったピョエ―ル。
他人は誰も信用ならんと生後8か月の娘を連れてご出勤をしております。
「どうだ。フェリックス。予行練習に抱かせてやろう」
すっかり首も座って、あーうーではありますが、意外とエリザベータは怖いもの知らず。
フェリックスの顔を見てキャァウ♪と喜んだ強者であります。
今まで子供にはギャン泣きしかされた事のないフェリックス。恐る恐る抱っこをさせてもらいますがそこはやはりエリザベータも知らないオッサンよりパパの方が良いようです。
団長室に応急で設置されたベビーサークルの中でコロコロと転がったり、ハイハイをしたりと忙しいエリザベータは見ているだけで時間が経ってしまいますね。
「今どれくらいになったんだ?」
「先週の診察ではもう臨月に入るからいつでも準備をしておくようにと言われたそうだ」
「ついにフェリックスもパパかぁ。娘は可愛いぞ」
「そうだろうなぁ」
「どうした。元気がないな」
「いや、息子でも娘でも俺に似たら可哀想だと思って」
「何言ってるんだ。よし、息子ならエリザベータの婿にしてやるから安心しろ」
「は?何で婿養子前提なんだ」
「決まってるだろう?エリザベータと離れたくないからだ」
『ぷわぁぷあ!あぅ~』
「はいはい。何かなぁ~抱っこかなぁ」
今までのピョエ―ルとは思えない娘への献身ぶりにフェリックスも思わず苦笑いですね。
☆~☆~☆~☆
屋敷に戻ると、愛しいオパールに思いっきりハグする事は禁止をされております。
ですが、お腹もどんどん大きくなると仰向けに寝る事が出来ず、横を向いて寝ていますが寝返りを打つのも一苦労。おまけに足元が見えにくいのと、この頃は少し動くと腰が痛いようです。
フェリックスは食事は仕方ありませんが食後のサロンでくつろぐ時は胡坐を組んでそこにオパールが座ります。
大きな背もたれは大好きな神推し、フェリックスなのも安心するようです。
流石に乗馬は出来ませんが、侯爵邸の庭を出来る限り一緒に散歩するフェリックス。
今日も胡坐の中にストンと納まるオパールを後ろから軽く抱きしめてオパールのお腹を撫でています。
「あと2,3週間だな。辛くないか?」
「大丈夫ですわ。ですがこの頃あまり動いてくれなくなりましたの」
「寝てるんじゃないか?あんまり気持ちよくて目が覚めるのがもったいないのかもな」
「ウフフ。早く出てきてフェルを一緒に推してくれないかしら」
「ん?ちょっと動いたな。こいつめ・・(なでなで)」
「名前は考えてくれましたの?」
「まぁ‥‥候補は幾つかに絞ったけど…決めかねている」
つっこみをするようなラブリィはありませんが、仲の良い夫婦に使用人一同、安心して見守っております。
そして10日ほど過ぎたある日。予定日の前後に休暇を取るために2日ほどは帰れないと言ったフェリックスを見送ってサロンの肖像画の前で本を読んでいたオパール。お花でも摘みに行こうかとゆっくり立ち上がった時!!
「ううっ…」
突然腰がズンっと下がるような痛みで息も出来ない程になります。
2日ほど前からお腹を壊したわけではないのに、シクシクとする痛みがあったり引いたり。
もうすぐだと言うのに風邪でも引いたのかと思っておりましたがどうやらそうではないようです。
テーブルに手をついて小さく小刻みに息をするオパールを出来る侍女シーナが見つけます。
「奥様っ!」
「だ、大丈夫、もう痛みが引いたみたい‥‥お腹を壊したのかしら」
「何時からなのです?」
「こんなに痛いのは初めてですわ。でもシクシクするのは2日ほど前だったかしら」
ピンとくるシーナはそっと椅子にオパールを座らせてスイフトに報告をします。
途端に慌ただしくなる侯爵邸。
実家のある領が遠いので侯爵邸でお産をするオパールの為に使用人たちは分娩ベッドとなる寝台を整えます。
昼前には清潔なリネンが沢山搬入されてきます。
オパールの実家、フェリックスの叔父、叔母の領にも早馬が出発しました。
朝の痛みからもう3時間。それからは痛みもないですが、なんとなく腰が重いというか、真下に引っ張られるような感覚が続くようになったオパールは侍女に勧められて昼間に湯あみをします。
「ウフフ。見て。すっかりお腹がメロンみたいな模様になっちゃいましたわ」
「あぁ、妊娠線でございますね。産後はクリームをたっぷり使ってマッサージをしましょう」
「え?‥‥マッサージですの?」
「はい、少々痛いとは思いますが産後のマッサージは大事なんですよ」
「そうなのね。苦手だけど頑張るわ」
湯船からあがり、侍女に着替えをさせてもらって歩こうと思った瞬間!
「あっ‥‥」
「どうされました?奥様」
「あ、あの…ごめんなさい。多分…粗相をしてしまいましたわ」
侍女がふと見ると、それは粗相ではなくおそらく羊水。
出産の経験と産婆の手伝いをした事のある侍女はオパールの足を伝って流れ出る水の色に見覚えがあります。
しかし、驚かせるといけないので努めていつも通りにします。
「きっと旦那様のように剣をふる稽古をお腹で赤ちゃんがしてしまったんでしょう。もう一度お召し物を代えましょう。さぁ手をこちらに。歩けますか?奥様」
「え、えぇ大丈夫。ごめんなさいね」
「いいえ。もうすぐですものね。私達も待ち遠しいですわ」
侍女は回収にきた侍女にそっと急いで産婆を呼ぶように伝えます。
頷いた侍女もいつもと同じように部屋を出ていきます。
「奥様、寝台を用意する間、もうすぐ使う分娩ベッドの方で少しお待ちくださいませ」
「そ。そうね‥‥痛ぅ‥‥ハァハァ‥‥ハァハァ…」
何も言わずに腰を強めに撫でる侍女。そのまま分娩ベッドに横になります。
それからは2時間おき、1時間おきとジワジワ痛みと痛みの感覚が短くなっていきます。
オパールは痛みが引いた時に水分と軽食を取りつかの間の仮眠をとります。
見かねたシーナオパールに言います。
「旦那様にお知らせしましょうか」
「いいえ。さっき産婆さんも仰っていたでしょう。時間がかかりそうですわね。フェルにはギリギリまで知らせてはなりません。大事なお仕事なのですから」
ですが、シーナは産婆とスイフトが話していた内容を立ち聞きしてしまっています。
どうやらお腹の子の頭が大きいようで相当の難産になる可能性がある事と、オパールが耐えられるかはわからないと話をしていた事。
シーナの従姉妹もお産で命を落としています。まだ出産で命を落としてしまう事が多い時代です。
時計を見ると真夜中の3時前。
シーナはかなり昔にしか経験がないけれど、厩舎に走りドスコイの柵を外すとしがみ付くようにドスコイの背に乗ります。
「ドスコイ!奥様が大変なの。お城まで急いで走って頂戴!」
しかし、ドスコイ。品種はポニー。急いで走ってもパッカパッカにしかなりません。
それでも走るよりは早い!シーナはドスコイと共にフェリックスの元へと急ぎました。
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