35 / 48
本気と書いてマジと読む
しおりを挟む
ガヤガヤとするサロンにスイフトと共に入室するオパール。
侯爵領の代官たちはお披露目はされていないのでその女性が誰なのかわかりません。
ですが家令のスイフトは知っているし、フェリックスが結婚したという事は知っています。
「まさかあの人が侯爵様の?」
「いやいや、サイズが違いすぎるだろう?」
「侯爵様はどうして人間の女性を?冬眠用の餌なのか?」
勝手な事を口走る代官たちですが、続いて入室してくる面々に思わず息を飲みます。
パチーノ、チャッチ、カイドー、ガッポーネと4人が並ぶのは壮観でもありますがガクブルです。
そして2人の優雅なマダムに見覚えのある代官は多く、思わず冷や汗も流れると言うもの。
最後に「青髭令嬢」が入ってきた時は、数名ですが頬が引きつっています。
パンパン!
進行役となる侯爵家の執事が手を打ち鳴らすとざわめきが消えて、シーンと静かになります。
堂々と代官たちの前に立つオパール。
思わずスイフトはオパールの側面と背面に誰かがいるような錯覚を起こしていますよ。
「まさか!奥様は阿修羅‥‥」
いえ、普通にフェリックスが大好きな奥様です。作者が言うので断言できます。
最も、フェリックスの事をここまで好きになるのはオパールの他に実母と祖母くらいでしょう。
えぇ、どんなに顔面偏差値が低くても息子フィルター、孫フィルターという誰もが持ち得る秘儀ですからね。全くの他人であるオパール。恋とは人を狂わせるものですね。
「皆様!お初にお目にかかりますわ!わたくし、オパール・ハイド・バルブンと申しますわ!今日が最初で最後の方、今後も顔を合わせる方、ごきげんよう♪あっと、そのままで結構ですわ!お座りになったままでよろしくてよ」
やはりあの!侯爵様の奥様だったのか!っと椅子に腰かけたままで胸に手を当てて頭を下げるものは向かって左側。
驚く者と、フンとふんぞり返った者が多いのはどちらかと言えば右側。
「ハンッ!バルブン侯爵夫人?本物かどうかわかりませんねっ!」
「そうだ、そうだ、俺たちはお披露目の場にも呼ばれてないんだ」
大声を出し始める2人に続いて、同調の声をあげはじめる代官たち。
オパール、おもむろにヒュっと何かを投げます!すると最初に声をあげた代官の額にバシッ!
「痛っ!何をするんだ!何だこれは!」
「チョークですわ!ショーワの時代、私語をすると飛んでくるチョーク。お痛をする子にプレゼントですわ!」
「こ、こんなのは虐待じゃないのか!」
「そうだ!そうだ!」
「お黙りっ!」
扇をバッと広げると、そこには【こっち向いて♡】と書かれております。
「あらいやだ。間違ったわ」
クルリと扇を逆向けると【本♡気】と書かれておりますが大丈夫ですかオパール?
「虐待…そうですわ。あなた方は当主となり不慣れな最推しである旦那様を蔑ろにするだけでなく、侯爵領の多くの親衛隊員が汗水流して作った数多くの産物を事も有ろうか陛下の目も欺いての横流し!その上、大事な会費を詐取した大罪人!ファンクラブの会費は適切に扱われるべきなのです!それを…それを…そのでっぷりとした腹にため込むばかりではなく品のない服、装飾品に費やし!推しに対しての虐待ですわ!」
「そ、そんなのは証拠はないだろう!」
「スイフトさんっアレを見せてやってくださいまし!」
スイフトがオパールだけでなく、代官たちに書類を配っていきます。
目を通すと、ギっと右側に陣取っているものを睨みつける者、サァーっと顔色が悪くなる者、ガックリと項垂れる者とサロンの中は色んな光景が目に入ります。
ここ10年ほどの各町や村の表立った収益と家族全員の資産状況。
そして怪しげな金の流れが1ミケ単位まで表になっております。
「ネベル代官。ここ数日の間に借金の返済で走り回って足も棒になっておられるのでは?お座りになって頂いて結構よ?なんにも知らないで代官をしていたかた全員をたかが挨拶程度で集めたりしませんわ」
そういうと、グイっと紐を引くと目の前に会わられるフェリックスの超特大肖像画。
判ってはいても怖いものは怖いフェリックスのリアルな肖像画に座っている椅子の座面を確認する者多数。
「さぁ!バッサバッサと不用品は片付けますわ!ですがわたくし、天使でも女神でもありません!言い訳、戯言、世迷言!あります方は聞くだけはお聞きしますわ!あっと、公平にではありませんわよ?収支報告の納税額が多い方は長い時間ですが少ない方は秒殺ですわっ!」
そこにサッと手を挙げる初老の男性。サロンの左側に座っていますね。
「ツクシ代官。何かしら?」
「先程から何だろうと思っておりましたがこの部屋の主に左側にいる者は奥様の言う推し…つまりバルブン侯爵を支えていると認定されていると思ってもよろしいでしょうか?」
「あら?判りました?えぇ。これからはあなた方の管轄する範囲は広がりますの。ですが、推し変をする方にはお任せできませんわ。わたくしと共に旦那様を支えてくださる方でないと困りますの」
「アッハッハ。面白い奥方様でございますね。申し訳ないがその推し変?の予定は御座いません。今まで通り、いや今まで以上にバルブン侯爵を支える事をこの10名は約束致しましょう」
「まぁ!嬉しいですわ!」
「ですが…この先となりますと、その推しは変わるやも知れません」
「えっ?それは困りますわ…何年後くらいですの?」
「そうですねぇ。ご結婚されたばかりですからあと20年ほどでしょうか。侯爵様にお子様が出来れば家督を譲られますでしょう。その時はお子様にその推しを変える事になりますので」
「あら?ウフフ‥‥なら旦那様に頑張ってもらわないといけませんわ」
スイフト含め侯爵家の一同は心で声を揃えます。
<<旦那様の容姿に奥様の中身を持つ子供…こわいっ!! ※使用人一同>>
「なっ!ならばコッチの席になってる私たちはどうなるんだ!」
途端に騒ぎ出す主に右側の代官たち、いやもう多分、元代官。
「どうなるもこうなるも、隠しておられた金品で多少お支払い頂いたようですが、使い込んだ分と利息分はまだですの。その分についての債権は既にそこにいらっしゃる来賓の方に買い取って頂いていますわ。ねぇ皆様♪」
静かになって来賓と言われた7人を順に再度確認していく元代官たち。
1人の代官がオパールの前に土下座を始めます。
「ま、待ってください!不正をした事は認めます。ですが領には妻も子もいるんですっ」
「あら?大事な方をお忘れですわよ?マリア様でしたっけ?奥様より愛されている方…」
「な、何故それを?いや、マリアとは縁を切ります!渡した宝飾品も回収します!どうか、どうか!」
「まぁ、フルティン代官。回収って…それって要は中古ですわ。中古の買い取り価格は利息の足しにもなりませんわ。それにご安心なさって。元奥様からお手紙を預かっていますわ。そのマリア様とお二人でそこにおられるマダムの元で頑張ってご返済くださいましね」
はらりと落ちた妻からの手紙という離縁状の控えを手にしてブルブル震えるフルティン元代官。
「忘れておりました。貴方の唯一の家財道具もお預かりしていますわ。はい。どうぞ。ちゃんと確認をしてくださいませね?」
コトリと置かれた小さな箱。容赦なく蓋を開けるオパール。
そこには使い込まれた歯型のついたセシュターとSMラケット。これは恥ずかしすぎる!!
「うわぁぁ!見るな!見るなぁぁぁ!!」
慈悲を願い出ようと思っていたソーロー元代官。ポロリと呟きます。
「可愛い顔して‥‥なんて奥様なんだ…」
小耳に挟んだオパール。涼しい顔で【本♡気】と書かれた扇で口元を隠して耳元でボソッ。
「わたくしは天使でも女神でもない…そう言ったはずですわ。うふっ♡」
「あの‥‥わたしはマダムの元で…利息を返せばよろしいのですか?」
どう考えてもスーツを着ている男性4人よりはマダム2人か青髭令嬢のほうが遥かにマシだと考えるソーロー元代官。
「貴方は、早い事だけは誰にも負けない取り柄が御座います。ガッポーネさんが先槍として使ってくださるそうよ?良かったわね」
「うわぁぁぁ!!!」
「えーっと、クビにするかたはこうするのよね。(ポンっ)肩たたき♪」
泣き叫ぶソーロー元代官の肩をポンと叩くと、立ち上がり反省の色が見えない数名の元に歩いて行くオパール。
「さて、あなたがたのような頑固な水垢はもうクエン酸やスポンジで研磨する程度ではダメですわ。ですが大丈夫。この世には強酸という業者御用達がありますの。安心してくださいまし。水で希釈するなんて手間は致しません。頭からずっぽりと漬け込んであげますわ」
「何だ?俺たちを処刑する気か!」
「まぁ!そんなもったいない事は致しません。世の中には作ってみたけど危険すぎて安全性のテストすら出来ない製品が沢山ありますの。身をもって安全性を確認してくださるんですもの。言うなれば高額な治験のアルバイト。ね?パチーノさん、カイドーさん♡」
ニヤリと笑う影のドンと黒い噂の絶えない男。
逃げられないと悟った元代官。オパールに渾身の慈悲を願い出ます。
「お願いします!もう…不正は致しませんっ生涯を侯爵様に捧げますっ」
「不正はしないのが当たり前。推しを支えるどころかその屋台骨を食い荒らす白アリ、ハネアリをわたくしが許すと思って?」
パチーノたちの連れてきた男達に両腕を掴まれて退場していく元代官たち。
残った代官たちは、怒りと憐みの目で見送りました。
「さて!皆様にお願いですわ!」
今度は扇を【こっち向いて♡】にしたオパール。フェリックスの大きな肖像画の前で微笑みます。
侯爵領の代官たちはお披露目はされていないのでその女性が誰なのかわかりません。
ですが家令のスイフトは知っているし、フェリックスが結婚したという事は知っています。
「まさかあの人が侯爵様の?」
「いやいや、サイズが違いすぎるだろう?」
「侯爵様はどうして人間の女性を?冬眠用の餌なのか?」
勝手な事を口走る代官たちですが、続いて入室してくる面々に思わず息を飲みます。
パチーノ、チャッチ、カイドー、ガッポーネと4人が並ぶのは壮観でもありますがガクブルです。
そして2人の優雅なマダムに見覚えのある代官は多く、思わず冷や汗も流れると言うもの。
最後に「青髭令嬢」が入ってきた時は、数名ですが頬が引きつっています。
パンパン!
進行役となる侯爵家の執事が手を打ち鳴らすとざわめきが消えて、シーンと静かになります。
堂々と代官たちの前に立つオパール。
思わずスイフトはオパールの側面と背面に誰かがいるような錯覚を起こしていますよ。
「まさか!奥様は阿修羅‥‥」
いえ、普通にフェリックスが大好きな奥様です。作者が言うので断言できます。
最も、フェリックスの事をここまで好きになるのはオパールの他に実母と祖母くらいでしょう。
えぇ、どんなに顔面偏差値が低くても息子フィルター、孫フィルターという誰もが持ち得る秘儀ですからね。全くの他人であるオパール。恋とは人を狂わせるものですね。
「皆様!お初にお目にかかりますわ!わたくし、オパール・ハイド・バルブンと申しますわ!今日が最初で最後の方、今後も顔を合わせる方、ごきげんよう♪あっと、そのままで結構ですわ!お座りになったままでよろしくてよ」
やはりあの!侯爵様の奥様だったのか!っと椅子に腰かけたままで胸に手を当てて頭を下げるものは向かって左側。
驚く者と、フンとふんぞり返った者が多いのはどちらかと言えば右側。
「ハンッ!バルブン侯爵夫人?本物かどうかわかりませんねっ!」
「そうだ、そうだ、俺たちはお披露目の場にも呼ばれてないんだ」
大声を出し始める2人に続いて、同調の声をあげはじめる代官たち。
オパール、おもむろにヒュっと何かを投げます!すると最初に声をあげた代官の額にバシッ!
「痛っ!何をするんだ!何だこれは!」
「チョークですわ!ショーワの時代、私語をすると飛んでくるチョーク。お痛をする子にプレゼントですわ!」
「こ、こんなのは虐待じゃないのか!」
「そうだ!そうだ!」
「お黙りっ!」
扇をバッと広げると、そこには【こっち向いて♡】と書かれております。
「あらいやだ。間違ったわ」
クルリと扇を逆向けると【本♡気】と書かれておりますが大丈夫ですかオパール?
「虐待…そうですわ。あなた方は当主となり不慣れな最推しである旦那様を蔑ろにするだけでなく、侯爵領の多くの親衛隊員が汗水流して作った数多くの産物を事も有ろうか陛下の目も欺いての横流し!その上、大事な会費を詐取した大罪人!ファンクラブの会費は適切に扱われるべきなのです!それを…それを…そのでっぷりとした腹にため込むばかりではなく品のない服、装飾品に費やし!推しに対しての虐待ですわ!」
「そ、そんなのは証拠はないだろう!」
「スイフトさんっアレを見せてやってくださいまし!」
スイフトがオパールだけでなく、代官たちに書類を配っていきます。
目を通すと、ギっと右側に陣取っているものを睨みつける者、サァーっと顔色が悪くなる者、ガックリと項垂れる者とサロンの中は色んな光景が目に入ります。
ここ10年ほどの各町や村の表立った収益と家族全員の資産状況。
そして怪しげな金の流れが1ミケ単位まで表になっております。
「ネベル代官。ここ数日の間に借金の返済で走り回って足も棒になっておられるのでは?お座りになって頂いて結構よ?なんにも知らないで代官をしていたかた全員をたかが挨拶程度で集めたりしませんわ」
そういうと、グイっと紐を引くと目の前に会わられるフェリックスの超特大肖像画。
判ってはいても怖いものは怖いフェリックスのリアルな肖像画に座っている椅子の座面を確認する者多数。
「さぁ!バッサバッサと不用品は片付けますわ!ですがわたくし、天使でも女神でもありません!言い訳、戯言、世迷言!あります方は聞くだけはお聞きしますわ!あっと、公平にではありませんわよ?収支報告の納税額が多い方は長い時間ですが少ない方は秒殺ですわっ!」
そこにサッと手を挙げる初老の男性。サロンの左側に座っていますね。
「ツクシ代官。何かしら?」
「先程から何だろうと思っておりましたがこの部屋の主に左側にいる者は奥様の言う推し…つまりバルブン侯爵を支えていると認定されていると思ってもよろしいでしょうか?」
「あら?判りました?えぇ。これからはあなた方の管轄する範囲は広がりますの。ですが、推し変をする方にはお任せできませんわ。わたくしと共に旦那様を支えてくださる方でないと困りますの」
「アッハッハ。面白い奥方様でございますね。申し訳ないがその推し変?の予定は御座いません。今まで通り、いや今まで以上にバルブン侯爵を支える事をこの10名は約束致しましょう」
「まぁ!嬉しいですわ!」
「ですが…この先となりますと、その推しは変わるやも知れません」
「えっ?それは困りますわ…何年後くらいですの?」
「そうですねぇ。ご結婚されたばかりですからあと20年ほどでしょうか。侯爵様にお子様が出来れば家督を譲られますでしょう。その時はお子様にその推しを変える事になりますので」
「あら?ウフフ‥‥なら旦那様に頑張ってもらわないといけませんわ」
スイフト含め侯爵家の一同は心で声を揃えます。
<<旦那様の容姿に奥様の中身を持つ子供…こわいっ!! ※使用人一同>>
「なっ!ならばコッチの席になってる私たちはどうなるんだ!」
途端に騒ぎ出す主に右側の代官たち、いやもう多分、元代官。
「どうなるもこうなるも、隠しておられた金品で多少お支払い頂いたようですが、使い込んだ分と利息分はまだですの。その分についての債権は既にそこにいらっしゃる来賓の方に買い取って頂いていますわ。ねぇ皆様♪」
静かになって来賓と言われた7人を順に再度確認していく元代官たち。
1人の代官がオパールの前に土下座を始めます。
「ま、待ってください!不正をした事は認めます。ですが領には妻も子もいるんですっ」
「あら?大事な方をお忘れですわよ?マリア様でしたっけ?奥様より愛されている方…」
「な、何故それを?いや、マリアとは縁を切ります!渡した宝飾品も回収します!どうか、どうか!」
「まぁ、フルティン代官。回収って…それって要は中古ですわ。中古の買い取り価格は利息の足しにもなりませんわ。それにご安心なさって。元奥様からお手紙を預かっていますわ。そのマリア様とお二人でそこにおられるマダムの元で頑張ってご返済くださいましね」
はらりと落ちた妻からの手紙という離縁状の控えを手にしてブルブル震えるフルティン元代官。
「忘れておりました。貴方の唯一の家財道具もお預かりしていますわ。はい。どうぞ。ちゃんと確認をしてくださいませね?」
コトリと置かれた小さな箱。容赦なく蓋を開けるオパール。
そこには使い込まれた歯型のついたセシュターとSMラケット。これは恥ずかしすぎる!!
「うわぁぁ!見るな!見るなぁぁぁ!!」
慈悲を願い出ようと思っていたソーロー元代官。ポロリと呟きます。
「可愛い顔して‥‥なんて奥様なんだ…」
小耳に挟んだオパール。涼しい顔で【本♡気】と書かれた扇で口元を隠して耳元でボソッ。
「わたくしは天使でも女神でもない…そう言ったはずですわ。うふっ♡」
「あの‥‥わたしはマダムの元で…利息を返せばよろしいのですか?」
どう考えてもスーツを着ている男性4人よりはマダム2人か青髭令嬢のほうが遥かにマシだと考えるソーロー元代官。
「貴方は、早い事だけは誰にも負けない取り柄が御座います。ガッポーネさんが先槍として使ってくださるそうよ?良かったわね」
「うわぁぁぁ!!!」
「えーっと、クビにするかたはこうするのよね。(ポンっ)肩たたき♪」
泣き叫ぶソーロー元代官の肩をポンと叩くと、立ち上がり反省の色が見えない数名の元に歩いて行くオパール。
「さて、あなたがたのような頑固な水垢はもうクエン酸やスポンジで研磨する程度ではダメですわ。ですが大丈夫。この世には強酸という業者御用達がありますの。安心してくださいまし。水で希釈するなんて手間は致しません。頭からずっぽりと漬け込んであげますわ」
「何だ?俺たちを処刑する気か!」
「まぁ!そんなもったいない事は致しません。世の中には作ってみたけど危険すぎて安全性のテストすら出来ない製品が沢山ありますの。身をもって安全性を確認してくださるんですもの。言うなれば高額な治験のアルバイト。ね?パチーノさん、カイドーさん♡」
ニヤリと笑う影のドンと黒い噂の絶えない男。
逃げられないと悟った元代官。オパールに渾身の慈悲を願い出ます。
「お願いします!もう…不正は致しませんっ生涯を侯爵様に捧げますっ」
「不正はしないのが当たり前。推しを支えるどころかその屋台骨を食い荒らす白アリ、ハネアリをわたくしが許すと思って?」
パチーノたちの連れてきた男達に両腕を掴まれて退場していく元代官たち。
残った代官たちは、怒りと憐みの目で見送りました。
「さて!皆様にお願いですわ!」
今度は扇を【こっち向いて♡】にしたオパール。フェリックスの大きな肖像画の前で微笑みます。
76
お気に入りに追加
2,790
あなたにおすすめの小説
騎士団寮のシングルマザー
古森きり
恋愛
夫と離婚し、実家へ帰る駅への道。
突然突っ込んできた車に死を覚悟した歩美。
しかし、目を覚ますとそこは森の中。
異世界に聖女として召喚された幼い娘、真美の為に、歩美の奮闘が今、始まる!
……と、意気込んだものの全く家事が出来ない歩美の明日はどっちだ!?
※ノベルアップ+様(読み直し改稿ナッシング先行公開)にも掲載しましたが、カクヨムさん(は改稿・完結済みです)、小説家になろうさん、アルファポリスさんは改稿したものを掲載しています。
※割と鬱展開多いのでご注意ください。作者はあんまり鬱展開だと思ってませんけども。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
美しい公爵様の、凄まじい独占欲と溺れるほどの愛
らがまふぃん
恋愛
こちらは以前投稿いたしました、 美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛 の続編となっております。前作よりマイルドな作品に仕上がっておりますが、内面のダークさが前作よりはあるのではなかろうかと。こちらのみでも楽しめるとは思いますが、わかりづらいかもしれません。よろしかったら前作をお読みいただいた方が、より楽しんでいただけるかと思いますので、お時間の都合のつく方は、是非。時々予告なく残酷な表現が入りますので、苦手な方はお控えください。 *早速のお気に入り登録、しおり、エールをありがとうございます。とても励みになります。前作もお読みくださっている方々にも、多大なる感謝を! ※R5.7/23本編完結いたしました。たくさんの方々に支えられ、ここまで続けることが出来ました。本当にありがとうございます。ばんがいへんを数話投稿いたしますので、引き続きお付き合いくださるとありがたいです。この作品の前作が、お気に入り登録をしてくださった方が、ありがたいことに200を超えておりました。感謝を込めて、前作の方に一話、近日中にお届けいたします。よろしかったらお付き合いください。 ※R5.8/6ばんがいへん終了いたしました。長い間お付き合いくださり、また、たくさんのお気に入り登録、しおり、エールを、本当にありがとうございました。 ※R5.9/3お気に入り登録200になっていました。本当にありがとうございます(泣)。嬉しかったので、一話書いてみました。 ※R5.10/30らがまふぃん活動一周年記念として、一話お届けいたします。 ※R6.1/27美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛(前作) と、こちらの作品の間のお話し 美しく冷酷な公爵令息様の、狂おしい熱情に彩られた愛 始めました。お時間の都合のつく方は、是非ご一読くださると嬉しいです。
*らがまふぃん活動二周年記念として、R6.11/4に一話お届けいたします。少しでも楽しんでいただけますように。
【1/21取り下げ予定】悲しみは続いても、また明日会えるから
gacchi
恋愛
愛人が身ごもったからと伯爵家を追い出されたお母様と私マリエル。お母様が幼馴染の辺境伯と再婚することになり、同じ年の弟ギルバードができた。それなりに仲良く暮らしていたけれど、倒れたお母様のために薬草を取りに行き、魔狼に襲われて死んでしまった。目を開けたら、なぜか五歳の侯爵令嬢リディアーヌになっていた。あの時、ギルバードは無事だったのだろうか。心配しながら連絡することもできず、時は流れ十五歳になったリディアーヌは学園に入学することに。そこには変わってしまったギルバードがいた。電子書籍化のため1/21取り下げ予定です。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
神様の手違いで、おまけの転生?!お詫びにチートと無口な騎士団長もらっちゃいました?!
カヨワイさつき
恋愛
最初は、日本人で受験の日に何かにぶつかり死亡。次は、何かの討伐中に、死亡。次に目覚めたら、見知らぬ聖女のそばに、ポツンとおまけの召喚?あまりにも、不細工な為にその場から追い出されてしまった。
前世の記憶はあるものの、どれをとっても短命、不幸な出来事ばかりだった。
全てはドジで少し変なナルシストの神様の手違いだっ。おまけの転生?お詫びにチートと無口で不器用な騎士団長もらっちゃいました。今度こそ、幸せになるかもしれません?!
【完結】元お飾り聖女はなぜか腹黒宰相様に溺愛されています!?
雨宮羽那
恋愛
元社畜聖女×笑顔の腹黒宰相のラブストーリー。
◇◇◇◇
名も無きお飾り聖女だった私は、過労で倒れたその日、思い出した。
自分が前世、疲れきった新卒社会人・花菱桔梗(はなびし ききょう)という日本人女性だったことに。
運良く婚約者の王子から婚約破棄を告げられたので、前世の教訓を活かし私は逃げることに決めました!
なのに、宰相閣下から求婚されて!? 何故か甘やかされているんですけど、何か裏があったりしますか!?
◇◇◇◇
お気に入り登録、エールありがとうございます♡
※ざまぁはゆっくりじわじわと進行します。
※「小説家になろう」「エブリスタ」様にも掲載しております(アルファポリス先行)。
※この作品はフィクションです。特定の政治思想を肯定または否定するものではありません(_ _*))
殿下が恋をしたいと言うのでさせてみる事にしました。婚約者候補からは外れますね
さこの
恋愛
恋がしたい。
ウィルフレッド殿下が言った…
それではどうぞ、美しい恋をしてください。
婚約者候補から外れるようにと同じく婚約者候補のマドレーヌ様が話をつけてくださりました!
話の視点が回毎に変わることがあります。
緩い設定です。二十話程です。
本編+番外編の別視点
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる