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何故こうなった?伯爵家の疑問
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ビキビキと引きちぎれるような音が聞こえそうなほど叔母2人の額には血管が浮き出ております。
しかし、伯爵家の一同、至って平常心を心がけていますね。
オパールは見た目はとても可愛いご令嬢です。
透き通ったイエローの瞳に映りたいと夜会に出ればダンスを申しこもうとする子息が列を成し、
愛らしい唇から名前を呼ばれたくて、あの手この手で迫ってくる男たちには無言の微笑を返してました。
えぇ。若い頃は!!(今は25歳なので)
そんなオパールですが、やはり人間には残念な所が1つはあるもの。
神は早々二物は与えないのですよ。
田舎育ちで野山を駆け回り、潮の流れに逆らい泳ぎお転婆ここに極まれりなご令嬢。
夜会のダンスで踏むステップよりも、白魚の踊り食いのほうが好きですし
色んな茶葉を楽しめるお茶会よりも、醸造酒の試飲のほうがお好み。
草原で異性とピクニックするよりも、ピッケル持って登山をするほうが好きです。
学園には通っておりませんが、勉強は嫌いではありません。
22歳を過ぎた頃からはコルセットなどのデザインをする父と兄を横目に色々な商品を開発していきます。
特許が取れ、特許料を地味にコツコツ貯めて手を出したディトレイド。
侯爵領が窮地に陥った時、支援物資をかったお金はディトレイドで出た利益からです。
25歳になり、やっと来なくなった見合い話にほっとしておりましたが、国王陛下の視察がその頃あり、たまたま地引網の修復を手伝っていた所にお声がけを頂いてしまったオパール。
それだけで終わりかと思っていたら、突然降って沸いた王命による結婚。
聞けば過日の洪水で大打撃を受けた侯爵領だと言うので、オパールはツテを使って色々な品を集めます。
「領民の方が困っているなら助けるべきよね」
私財の半分以上を使って支援物資をかき集めると侯爵家に父の名で送ります。
ですか、この時オパールが知っていたのは
【王命による結婚の相手はバルブン侯爵】という事だけ。
お相手の年齢も、騎士をしているという事も知りません(知ろうともしてなかった??)
その後で相手は近々第二騎士団の騎士団長に就任する侯爵家の当主だと知らされ溜息一つ。
爵位は1つでも上なら下の爵位からお断りをする事は出来ない事はないけれど骨が折れます。。
まして今回は王命。今までの見合いの申し込みを断るのとは話が違います。
当然父のトルシア伯爵も夫人も兄も慌てましたよ。
お転婆が度を超す嫁き遅れの娘(妹)。王命とは言え古くから続くバルブン侯爵家がお相手。
怒らせてしまえば可もなく不可もない伯爵領が取り潰されるのも赤子の手をひねるよりも簡単。
オマケに相手は殺戮の抜刀魔とも言われる騎士フェリックス。
年齢的には合っているとは思っても、今日も醸造蔵の試飲にウキウキでかけた娘に侯爵令嬢が務まるとは思えない。
トルシア伯爵は念のためにバルブン侯爵を調べます。
年齢はもうすぐ28歳。強面の容貌に屈強な体で剣の腕はおそらく国内でも5本の指に入る剣豪。
領地経営も順調で領民からも慕われている。
時折特定の娼館に出向いているようだけれど、浮いた話はない。
うーむ…と考え込むトルシア伯爵。もしも何かあるとすれば特定の娼館にだけしか行っていないこと。
お気に入りの娼婦がいて、身分差から妻に出来ないのかも知れないなぁと思いますが、それにしては娼館へ行く頻度が薄い。
噂の域ではあるけれど、本当は幼い少女しか相手に出来ないのか、それとも騎士団の中に同性の相手がいるのか。
陛下に断ろうにも決定的なものがないまま過ぎていく日々。
伯爵家がだした結論【離縁するなら円満に】でございました。
取り分けて何があるという訳ではなくても、恋愛結婚というものが貴族にはあまりなく、両親のように見合いしてみたらストライクだったというのは本当に運が良いほう。
支援物資の追加と結婚式の参列者についての話し合いで、あまり気乗りしてないんだろうなぁと思ったトルシア伯爵は気乗りをしていない所に、癇に障る行動、無礼な物言いで娘が蔑ろにされないようにとの思いでオパールに言います。
【とにかく、猫を被れ。猫は逃がすな!】
しかし!しかし!突如として豹変する侯爵!目の前で娘が食べられるかと思うようなキスをしたかと思うと告白に咆哮する男をどう理解したらいいのか??
馬車の中で、とにかく侯爵を怒らせないように…と家族で密談したものの、馬車を降りたら娘を抱きかかえる侯爵!!
そして事も有ろうか娘が侯爵をペチっと叩いてしまうではないですか!
慌てて猫の鳴き声をしたもののどうすればよいのか。
冷や汗が流れるまま一家はサロンに通されるのです。えぇ…侯爵がオパールを抱きかかえたままで。
しかし、伯爵家の一同、至って平常心を心がけていますね。
オパールは見た目はとても可愛いご令嬢です。
透き通ったイエローの瞳に映りたいと夜会に出ればダンスを申しこもうとする子息が列を成し、
愛らしい唇から名前を呼ばれたくて、あの手この手で迫ってくる男たちには無言の微笑を返してました。
えぇ。若い頃は!!(今は25歳なので)
そんなオパールですが、やはり人間には残念な所が1つはあるもの。
神は早々二物は与えないのですよ。
田舎育ちで野山を駆け回り、潮の流れに逆らい泳ぎお転婆ここに極まれりなご令嬢。
夜会のダンスで踏むステップよりも、白魚の踊り食いのほうが好きですし
色んな茶葉を楽しめるお茶会よりも、醸造酒の試飲のほうがお好み。
草原で異性とピクニックするよりも、ピッケル持って登山をするほうが好きです。
学園には通っておりませんが、勉強は嫌いではありません。
22歳を過ぎた頃からはコルセットなどのデザインをする父と兄を横目に色々な商品を開発していきます。
特許が取れ、特許料を地味にコツコツ貯めて手を出したディトレイド。
侯爵領が窮地に陥った時、支援物資をかったお金はディトレイドで出た利益からです。
25歳になり、やっと来なくなった見合い話にほっとしておりましたが、国王陛下の視察がその頃あり、たまたま地引網の修復を手伝っていた所にお声がけを頂いてしまったオパール。
それだけで終わりかと思っていたら、突然降って沸いた王命による結婚。
聞けば過日の洪水で大打撃を受けた侯爵領だと言うので、オパールはツテを使って色々な品を集めます。
「領民の方が困っているなら助けるべきよね」
私財の半分以上を使って支援物資をかき集めると侯爵家に父の名で送ります。
ですか、この時オパールが知っていたのは
【王命による結婚の相手はバルブン侯爵】という事だけ。
お相手の年齢も、騎士をしているという事も知りません(知ろうともしてなかった??)
その後で相手は近々第二騎士団の騎士団長に就任する侯爵家の当主だと知らされ溜息一つ。
爵位は1つでも上なら下の爵位からお断りをする事は出来ない事はないけれど骨が折れます。。
まして今回は王命。今までの見合いの申し込みを断るのとは話が違います。
当然父のトルシア伯爵も夫人も兄も慌てましたよ。
お転婆が度を超す嫁き遅れの娘(妹)。王命とは言え古くから続くバルブン侯爵家がお相手。
怒らせてしまえば可もなく不可もない伯爵領が取り潰されるのも赤子の手をひねるよりも簡単。
オマケに相手は殺戮の抜刀魔とも言われる騎士フェリックス。
年齢的には合っているとは思っても、今日も醸造蔵の試飲にウキウキでかけた娘に侯爵令嬢が務まるとは思えない。
トルシア伯爵は念のためにバルブン侯爵を調べます。
年齢はもうすぐ28歳。強面の容貌に屈強な体で剣の腕はおそらく国内でも5本の指に入る剣豪。
領地経営も順調で領民からも慕われている。
時折特定の娼館に出向いているようだけれど、浮いた話はない。
うーむ…と考え込むトルシア伯爵。もしも何かあるとすれば特定の娼館にだけしか行っていないこと。
お気に入りの娼婦がいて、身分差から妻に出来ないのかも知れないなぁと思いますが、それにしては娼館へ行く頻度が薄い。
噂の域ではあるけれど、本当は幼い少女しか相手に出来ないのか、それとも騎士団の中に同性の相手がいるのか。
陛下に断ろうにも決定的なものがないまま過ぎていく日々。
伯爵家がだした結論【離縁するなら円満に】でございました。
取り分けて何があるという訳ではなくても、恋愛結婚というものが貴族にはあまりなく、両親のように見合いしてみたらストライクだったというのは本当に運が良いほう。
支援物資の追加と結婚式の参列者についての話し合いで、あまり気乗りしてないんだろうなぁと思ったトルシア伯爵は気乗りをしていない所に、癇に障る行動、無礼な物言いで娘が蔑ろにされないようにとの思いでオパールに言います。
【とにかく、猫を被れ。猫は逃がすな!】
しかし!しかし!突如として豹変する侯爵!目の前で娘が食べられるかと思うようなキスをしたかと思うと告白に咆哮する男をどう理解したらいいのか??
馬車の中で、とにかく侯爵を怒らせないように…と家族で密談したものの、馬車を降りたら娘を抱きかかえる侯爵!!
そして事も有ろうか娘が侯爵をペチっと叩いてしまうではないですか!
慌てて猫の鳴き声をしたもののどうすればよいのか。
冷や汗が流れるまま一家はサロンに通されるのです。えぇ…侯爵がオパールを抱きかかえたままで。
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