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溺れた王子の末路①
しおりを挟む溺れた王子の末路 のタイトル連続3話ございますが、
大変に お下劣 な表現が点在しております。
不快な文字列になっていると感じる読者の方が多いと思いますので
スクロールして読まれる際は、十分にご注意ください。
読んで後悔しないと思われるかたのみ
スクロールをお願いいたします。
本当に読みますか?
引き返すなら今です。
後悔は先に立ちませんよ?
本当に読みますか?
大丈夫だと強い心のかたのみ
この先をお楽しみください
*********************
慌ただしい城内にも関わらず、誰も彼らの寝所を訪れない。
彼ら、それは王太子と第二王子である。
この日の昼、王太子も第二王子もいつもより多い決裁書類を渡された。
いつもなら半分ほどなのに、流感が流行り始めて
色々な部署に支障が出始め、日程の見直しによる予算の組みなおしが
行われたためである。
決済は日を変更すればそれで終わりではなく、
変更する事により、宿泊を伴う視察などであれば
既に予約で変更した日に宿が取れない可能性がある。
行程も馬車なら交代する馬の手配や
船舶であれば天候や海の時化具合も関係するのだ。
あまりに多い書類に午前中から取り掛かったが、
集中力も途切れるというもの。
王太子妃の離縁と離籍、再婚の許可の書類が
うっかりミスの多くなる時間帯で目を通してしまったのは
偶然ではない。
文官はほとんどがどこかの爵位持ちに囲われている。
王太子に公爵家が重要とする書類を
第二王子に侯爵家が重要とする書類を
それぞれ届けたのは、それぞれの家の息がかかった文官である。
朝9時頃から始まる書類の決裁は一旦12時で休憩をする。
この時、10時過ぎ位までの書類と、11時半前後からの書類には
人はかなり目を通す。
中だるみするのは10時半ころから11時過ぎまでだ。
午後も開始早々はよく書類に目を通す。
だが、2時前後の書類は疎かになりやすい。
3時には休憩があるので、午後の時間は中だるみする時間帯が少ない。
少ないが午後2時前後は昼食の消化も相まって眠気を誘う。
それぞれの家の文官はその中だるみする時間を狙って
大事な書類を決裁させた。
王子たちは、その書類は【そう言えばみたような気がする】としか
認識をしない。
日頃からあまり精力的に執務をしてない事も災いした。
自分自身で離縁関係の書類にサインし、【円満離縁】となった事を
本人たちは夜になっても気が付いていない。
そして妻がいない事を良い方に考え、快楽を貪る者がいた。
「殿下?部屋の外が騒がしくありませんか?」
子爵家から行儀見習いで城に上がっている令嬢は
ベッドの上で王太子の腰にまたがる。
「放っておけ。こんな時間だ。誰も来やしないさ」
そう言ってゴロンと反転すると子爵令嬢と深い口づけを交わす。
人間は三大欲求を本能で消化していると、自分の世界に入り込む。
放蕩者と言われたこの王太子も人間である。
快楽を子爵令嬢と分け合う事に余念がなく、
先程まで騒がしかった扉の向こうの音が消えた事にも気が付かない。
深くつながった2人。
突然、寝所の扉が開かれた。
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