78 / 87
お嫁様は女子力低め
しおりを挟む
調理場のオーブンの前で鼻歌を歌うキャンティ。
「エブリバディ家紋!ダッウェ~家紋!家紋!家の紋っ!」
しかし、焼きあがったモノをみて大きなため息ですね。
「これは・・人に差し上げるわけには参りませんわね」
呟きながら焦げ焦げになった残骸をお皿にとり、
お茶をするようですね。
「雪が多いとは聞いておりましたが、これほどとは」
毎日毎日、雪かきに来てくれる領民に感謝しかありませんね。
「お菓子の一つでも作れれば、差し入れ致しますのに、
女子力の低いわたくしでは無理ねぇ」
差し入れようしとした残骸をポリポリと食べていますね。
うーん・・それは何でしょうか?
黒くて歪な・・まさか!トリュフチョコとかの失敗作?
「(ゴリっ)硬いっ・・これは固いを通り越して硬いわ!
おかしいわねぇ・・レシピ通りに作りましたのに・・。
卵はやはり鶏卵でないとダメなのかしら」
1冊の雑誌をしみじみと眺めるキャンティ。
【失敗しない!初めてのお菓子作り】
あぁ、先日買った本はこれなのですね。
スチュワート!残念っ。
で、どうやら作ったものはクッキーのようですね。
平べったく薄い??感じの物は炭と化しておりますし、
丸くしたものは焦げたゴルフボールですねぇ。
キャンティ才能がないですねぇ。
数冊の雑誌を分別BOXに入れてますねぇ・・
よくよく見ると、どうやら定期購読系の雑誌のようですね。
ゴミ箱の雑誌を分別した箱のの中には結構入ってますねぇ・・
隔週発売系に手を出したようですね。
初刊だけは安いんですよねぇ・・どれどれ??
【超簡単!映える刺繍も短時間で出来ちゃう!】
「全然ダメだったわ。ネコを刺繍したのにコッペルアさんには
『これは昔流行った 被り物騎士ヒヒンダーですね』
って・・ヒヒンダーって何ですの?知りませんわ」
【ひと手間加えて、リメイク名人!】
「これもダメだったわ。むしろ手を加えたばかりに
人前に出す事が出来なくなったわ。
メイドのカレンに『放送禁止ですよ?モザイクかかります!』
なんて言われちゃったし」
【手作りだから目を引く!絵手紙初級編】
「切って貼るから簡単だと思ったんですけれど・・・
ちぎり絵はハードルが高すぎたわ」
そうですか・・キャンティ。女子力は皆無だったんですねぇ。
そういえば石鹸も固めるだけとか、香りのエキスを入れるだけっていう
シンプルなのは作ってましたが、形を花形とか造形はしてませんしね。
作る食事も、煮る!焼く!盛る!って感じの・・多かったですしね。
キャラ弁なんて作った日には大変な事になりそうですねぇ。
最後の1冊をポイっと分別BOXに入れますね。
【イチから始める版画】
「本当にイチからでしたわね・・まさか版画を作る道具からだなんて
買った人はタイトルからは思いませんわ
ですが、道具だけは造れたのよね・・肝心の版画は・・・はぁっ・・」
確かに・・これが販売最初の1冊目だったら
菓子作りは小麦の栽培から、絵手紙は紙漉きから・・って
みんな思っちゃいますしねぇ。
コンコン
誰か来客のようですね。覗き穴を覗くキャンティ。
「(うわっ、ダブルはきついわぁ) どうされました?」
ガチャリ
「こんにちは。奥様」「こんにちは。キャンティ様」
予想通りのスチュワートとサーベィ。ドM男ダブルの登場。ブレません。
「少々報告したい事がございまして、ついでにお茶でもと・・」
っと紙袋を差し出すスチュワートさん。
何でしょうか?何が出るかな?何が出るかな?フッフー♪
紙袋の中は女の子受けしそうな、可愛いスイーツ。
(うわぁ・・美味しそうな甘味ですわぁ)
パッと2人を見ると、得意そうな顔のスチュワート。
「わたくしの手作りでございますよ。唯一の趣味でして。
お茶うけにどうかと思いましてね」
「まぁ、どうぞ。お入りになって」
「失礼を致します」
2人をテーブルに案内して、机の上の焦げ焦げキングダムを片付けます。
じぃぃ~っと見ているスチュワート。
「ところで、報告したい事とは何ですの?」
『それがですね。どうやら帝都を追われた第三王子が
整形をして、ポロネーゼに潜伏しているようだと・・
これが整形後の絵姿なんです』
っと1枚の絵姿を差し出すサーベィ。
真面目な話の時は、ちゃんとした人なのですけれどねぇ。
『お聞きするのはどうかと思ったのですが、皇族となるとその姿を
知る者はあまりおりませんので、見て頂こうと思いまして』
ビフォー・・アフター ですわね。
整形前の絵姿はよく特徴を捉えていますわ。
へぇ・・これが整形後・・ん??どこかで見かけたような・・
はっ!あの路地で見た男だわ!
「サーベィさん、整形前はよく特徴を捉えていますわ。似ています。
で、整形後なのですが、鼻はもう少し・・こう・・
目元は涙ぶくろを・・こんな感じで・・二重でしたわ!」
手渡された絵姿の整形後に手を加えるキャンティ。
ですが、いけません!貴女には絵心がないんです!皆無なんですよー!
『奥様!整形後がもう人間じゃありませんよ?!
これじゃただのイエテイじゃないですかっ!』
ハッと気が付くキャンティ・・・やってしまいましたね。
「あら・・どうしましょう?
で、ですが整形後の男の顔は覚えておりますわ。
そうでございましょう?スチュワートさんっ」
「え?わたくしですか?・・えーっと、王子に知り合いはいないのですが」
「違いますわ!散歩兼視察に行った際に路地裏で!」
「え?あっ!あぁ!あの伯爵姉妹のドラマですね」
「ドラマはどうでもいいんですの!男がおりましたでしょう?」
「ん?・・・あぁそういえばいましたねぇ」
『お二人とも、見た事があるんですねっ!
では、覚えているうちが一番なんです!奥様は別として
スチュワートさん!アナタは物覚えが悪い上に忘れっぽいんですよ!
すぐにモンタージュっぽい似顔絵を作りましょう!』
そういうとサーベィさんは軽くスチュワートをディスりつつ
持ってきたスケッチブックにさらさらと
キャンティが手を加える前の整形後絵姿を描いていきます。
「お上手ですわねぇ」
『そうですか?昔は画家になりたかったんですよ。
ウタマーロのような浮世絵ってのを描きたくて・・』
前半は良いのですが後半は聞かなかった事にいたしましょう。
『で、目は吊り目っぽかったんですね・・眉も細くて・・』
「そうそう!似てきましたわ!」
『鼻筋はこんな感じ・・・ですか?』
「もうすこし鼻が高かったですわ・・そう・・そう!これですわ!」
『唇はこんな感じでしたか?』
「いえ・・もう少し下唇が・・細いと言うか・・」
「えぇ、そうですね、それで人中の掘れ込みが意外に深くて・・」
『ふむふむ・・こんな感じ・・』
<<それです!>>
サーベィさん、見直しましたわ。こんな特技があったなんて!
素晴らしいですわ!
『これで・・絵姿はよし・・なんですが問題がありましてね』
「問題?どうやって捕獲をするか?でございますか?」
『いいえ、本邸の輪転機が故障しましてね。絵姿を沢山貼りたいんですが・・』
っと・・思い出すキャンティ!
「サーベィさん!これをお使いくださいまし!」
『これは??』
「版画用の台枠とキットですわ!木の板などに似顔絵を掘って、
墨をつけて、紙を置いて写し取ればいいんですわ」
『なるほど!これなら輪転機ほどじゃなくても増刷することができます!』
「良かったらお使いくださいまし」
サーベィさんは、袋に版画キットをしまい込みますが・・
『あっ!奥様・・部品が足りませんよ』
「え?そんなはずは・・はっ!そうですわ・・困りましたね」
「何が足らないのです?」
『いえね、写し取るときに紙を擦るバレンがないんですよ』
「わたくしとしたことが・・」
代用品を思い浮かべるサーベィ。悔しいキャンティ。
しかしスチュワートは2人がどうして困っているのかが不思議そうです。
「ここに沢山あるじゃないですか」
っと、カゴの中に先程隠したはずの焦げ焦げキングダムの中から
そこそこ厚みのある生地だったと思われるものを取り出します。
「ほら!こんなに沢山ありますよ?キャンティさんは予備も作られたんですね」
「そ・・それは・・」
クッキーですとは言い出せないキャンティ。
確かに版画で使うバレンですね。キャンティ。精進しましょう。
******************************************
書き足しです。
似顔絵の男・・この後出てきます。
前後する公開になり、申し訳ありません <(_ _)>
「エブリバディ家紋!ダッウェ~家紋!家紋!家の紋っ!」
しかし、焼きあがったモノをみて大きなため息ですね。
「これは・・人に差し上げるわけには参りませんわね」
呟きながら焦げ焦げになった残骸をお皿にとり、
お茶をするようですね。
「雪が多いとは聞いておりましたが、これほどとは」
毎日毎日、雪かきに来てくれる領民に感謝しかありませんね。
「お菓子の一つでも作れれば、差し入れ致しますのに、
女子力の低いわたくしでは無理ねぇ」
差し入れようしとした残骸をポリポリと食べていますね。
うーん・・それは何でしょうか?
黒くて歪な・・まさか!トリュフチョコとかの失敗作?
「(ゴリっ)硬いっ・・これは固いを通り越して硬いわ!
おかしいわねぇ・・レシピ通りに作りましたのに・・。
卵はやはり鶏卵でないとダメなのかしら」
1冊の雑誌をしみじみと眺めるキャンティ。
【失敗しない!初めてのお菓子作り】
あぁ、先日買った本はこれなのですね。
スチュワート!残念っ。
で、どうやら作ったものはクッキーのようですね。
平べったく薄い??感じの物は炭と化しておりますし、
丸くしたものは焦げたゴルフボールですねぇ。
キャンティ才能がないですねぇ。
数冊の雑誌を分別BOXに入れてますねぇ・・
よくよく見ると、どうやら定期購読系の雑誌のようですね。
ゴミ箱の雑誌を分別した箱のの中には結構入ってますねぇ・・
隔週発売系に手を出したようですね。
初刊だけは安いんですよねぇ・・どれどれ??
【超簡単!映える刺繍も短時間で出来ちゃう!】
「全然ダメだったわ。ネコを刺繍したのにコッペルアさんには
『これは昔流行った 被り物騎士ヒヒンダーですね』
って・・ヒヒンダーって何ですの?知りませんわ」
【ひと手間加えて、リメイク名人!】
「これもダメだったわ。むしろ手を加えたばかりに
人前に出す事が出来なくなったわ。
メイドのカレンに『放送禁止ですよ?モザイクかかります!』
なんて言われちゃったし」
【手作りだから目を引く!絵手紙初級編】
「切って貼るから簡単だと思ったんですけれど・・・
ちぎり絵はハードルが高すぎたわ」
そうですか・・キャンティ。女子力は皆無だったんですねぇ。
そういえば石鹸も固めるだけとか、香りのエキスを入れるだけっていう
シンプルなのは作ってましたが、形を花形とか造形はしてませんしね。
作る食事も、煮る!焼く!盛る!って感じの・・多かったですしね。
キャラ弁なんて作った日には大変な事になりそうですねぇ。
最後の1冊をポイっと分別BOXに入れますね。
【イチから始める版画】
「本当にイチからでしたわね・・まさか版画を作る道具からだなんて
買った人はタイトルからは思いませんわ
ですが、道具だけは造れたのよね・・肝心の版画は・・・はぁっ・・」
確かに・・これが販売最初の1冊目だったら
菓子作りは小麦の栽培から、絵手紙は紙漉きから・・って
みんな思っちゃいますしねぇ。
コンコン
誰か来客のようですね。覗き穴を覗くキャンティ。
「(うわっ、ダブルはきついわぁ) どうされました?」
ガチャリ
「こんにちは。奥様」「こんにちは。キャンティ様」
予想通りのスチュワートとサーベィ。ドM男ダブルの登場。ブレません。
「少々報告したい事がございまして、ついでにお茶でもと・・」
っと紙袋を差し出すスチュワートさん。
何でしょうか?何が出るかな?何が出るかな?フッフー♪
紙袋の中は女の子受けしそうな、可愛いスイーツ。
(うわぁ・・美味しそうな甘味ですわぁ)
パッと2人を見ると、得意そうな顔のスチュワート。
「わたくしの手作りでございますよ。唯一の趣味でして。
お茶うけにどうかと思いましてね」
「まぁ、どうぞ。お入りになって」
「失礼を致します」
2人をテーブルに案内して、机の上の焦げ焦げキングダムを片付けます。
じぃぃ~っと見ているスチュワート。
「ところで、報告したい事とは何ですの?」
『それがですね。どうやら帝都を追われた第三王子が
整形をして、ポロネーゼに潜伏しているようだと・・
これが整形後の絵姿なんです』
っと1枚の絵姿を差し出すサーベィ。
真面目な話の時は、ちゃんとした人なのですけれどねぇ。
『お聞きするのはどうかと思ったのですが、皇族となるとその姿を
知る者はあまりおりませんので、見て頂こうと思いまして』
ビフォー・・アフター ですわね。
整形前の絵姿はよく特徴を捉えていますわ。
へぇ・・これが整形後・・ん??どこかで見かけたような・・
はっ!あの路地で見た男だわ!
「サーベィさん、整形前はよく特徴を捉えていますわ。似ています。
で、整形後なのですが、鼻はもう少し・・こう・・
目元は涙ぶくろを・・こんな感じで・・二重でしたわ!」
手渡された絵姿の整形後に手を加えるキャンティ。
ですが、いけません!貴女には絵心がないんです!皆無なんですよー!
『奥様!整形後がもう人間じゃありませんよ?!
これじゃただのイエテイじゃないですかっ!』
ハッと気が付くキャンティ・・・やってしまいましたね。
「あら・・どうしましょう?
で、ですが整形後の男の顔は覚えておりますわ。
そうでございましょう?スチュワートさんっ」
「え?わたくしですか?・・えーっと、王子に知り合いはいないのですが」
「違いますわ!散歩兼視察に行った際に路地裏で!」
「え?あっ!あぁ!あの伯爵姉妹のドラマですね」
「ドラマはどうでもいいんですの!男がおりましたでしょう?」
「ん?・・・あぁそういえばいましたねぇ」
『お二人とも、見た事があるんですねっ!
では、覚えているうちが一番なんです!奥様は別として
スチュワートさん!アナタは物覚えが悪い上に忘れっぽいんですよ!
すぐにモンタージュっぽい似顔絵を作りましょう!』
そういうとサーベィさんは軽くスチュワートをディスりつつ
持ってきたスケッチブックにさらさらと
キャンティが手を加える前の整形後絵姿を描いていきます。
「お上手ですわねぇ」
『そうですか?昔は画家になりたかったんですよ。
ウタマーロのような浮世絵ってのを描きたくて・・』
前半は良いのですが後半は聞かなかった事にいたしましょう。
『で、目は吊り目っぽかったんですね・・眉も細くて・・』
「そうそう!似てきましたわ!」
『鼻筋はこんな感じ・・・ですか?』
「もうすこし鼻が高かったですわ・・そう・・そう!これですわ!」
『唇はこんな感じでしたか?』
「いえ・・もう少し下唇が・・細いと言うか・・」
「えぇ、そうですね、それで人中の掘れ込みが意外に深くて・・」
『ふむふむ・・こんな感じ・・』
<<それです!>>
サーベィさん、見直しましたわ。こんな特技があったなんて!
素晴らしいですわ!
『これで・・絵姿はよし・・なんですが問題がありましてね』
「問題?どうやって捕獲をするか?でございますか?」
『いいえ、本邸の輪転機が故障しましてね。絵姿を沢山貼りたいんですが・・』
っと・・思い出すキャンティ!
「サーベィさん!これをお使いくださいまし!」
『これは??』
「版画用の台枠とキットですわ!木の板などに似顔絵を掘って、
墨をつけて、紙を置いて写し取ればいいんですわ」
『なるほど!これなら輪転機ほどじゃなくても増刷することができます!』
「良かったらお使いくださいまし」
サーベィさんは、袋に版画キットをしまい込みますが・・
『あっ!奥様・・部品が足りませんよ』
「え?そんなはずは・・はっ!そうですわ・・困りましたね」
「何が足らないのです?」
『いえね、写し取るときに紙を擦るバレンがないんですよ』
「わたくしとしたことが・・」
代用品を思い浮かべるサーベィ。悔しいキャンティ。
しかしスチュワートは2人がどうして困っているのかが不思議そうです。
「ここに沢山あるじゃないですか」
っと、カゴの中に先程隠したはずの焦げ焦げキングダムの中から
そこそこ厚みのある生地だったと思われるものを取り出します。
「ほら!こんなに沢山ありますよ?キャンティさんは予備も作られたんですね」
「そ・・それは・・」
クッキーですとは言い出せないキャンティ。
確かに版画で使うバレンですね。キャンティ。精進しましょう。
******************************************
書き足しです。
似顔絵の男・・この後出てきます。
前後する公開になり、申し訳ありません <(_ _)>
61
お気に入りに追加
4,107
あなたにおすすめの小説
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。
勇者パーティを追放された聖女ですが、やっと解放されてむしろ感謝します。なのにパーティの人たちが続々と私に助けを求めてくる件。
八木愛里
ファンタジー
聖女のロザリーは戦闘中でも回復魔法が使用できるが、勇者が見目麗しいソニアを新しい聖女として迎え入れた。ソニアからの入れ知恵で、勇者パーティから『役立たず』と侮辱されて、ついに追放されてしまう。
パーティの人間関係に疲れたロザリーは、ソロ冒険者になることを決意。
攻撃魔法の魔道具を求めて魔道具屋に行ったら、店主から才能を認められる。
ロザリーの実力を知らず愚かにも追放した勇者一行は、これまで攻略できたはずの中級のダンジョンでさえ失敗を繰り返し、仲間割れし破滅へ向かっていく。
一方ロザリーは上級の魔物討伐に成功したり、大魔法使いさまと協力して王女を襲ってきた魔獣を倒したり、国の英雄と呼ばれる存在になっていく。
これは真の実力者であるロザリーが、ソロ冒険者としての地位を確立していきながら、残念ながら追いかけてきた魔法使いや女剣士を「虫が良すぎるわ!」と追っ払い、入り浸っている魔道具屋の店主が実は憧れの大魔法使いさまだが、どうしても本人が気づかない話。
※11話以降から勇者パーティの没落シーンがあります。
※40話に鬱展開あり。苦手な方は読み飛ばし推奨します。
※表紙はAIイラストを使用。
【完結】選ばれなかった王女は、手紙を残して消えることにした。
曽根原ツタ
恋愛
「お姉様、私はヴィンス様と愛し合っているの。だから邪魔者は――消えてくれない?」
「分かったわ」
「えっ……」
男が生まれない王家の第一王女ノルティマは、次の女王になるべく全てを犠牲にして教育を受けていた。
毎日奴隷のように働かされた挙句、将来王配として彼女を支えるはずだった婚約者ヴィンスは──妹と想いあっていた。
裏切りを知ったノルティマは、手紙を残して王宮を去ることに。
何もかも諦めて、崖から湖に飛び降りたとき──救いの手を差し伸べる男が現れて……?
★小説家になろう様で先行更新中
「お前は魔女にでもなるつもりか」と蔑まれ国を追放された王女だけど、精霊たちに愛されて幸せです
四馬㋟
ファンタジー
妹に婚約者を奪われた挙句、第二王女暗殺未遂の濡れ衣を着せられ、王国を追放されてしまった第一王女メアリ。しかし精霊に愛された彼女は、人を寄せ付けない<魔の森>で悠々自適なスローライフを送る。はずだったのだが、帝国の皇子の命を救ったことで、正体がバレてしまい……
他人の人生押し付けられたけど自由に生きます
鳥類
ファンタジー
『辛い人生なんて冗談じゃ無いわ! 楽に生きたいの!』
開いた扉の向こうから聞こえた怒声、訳のわからないままに奪われた私のカード、そして押し付けられた黒いカード…。
よくわからないまま試練の多い人生を押し付けられた私が、うすらぼんやり残る前世の記憶とともに、それなりに努力しながら生きていく話。
※注意事項※
幼児虐待表現があります。ご不快に感じる方は開くのをおやめください。
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる