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侍女への手ほどき
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別の部屋に移動したわたくしとサーベィさん。
ホイホイと後ろをついてくるサーベィさんは若いのに残念だわ。
痛いところがなければ普通の男性ですのに。
ですが、シビルエンジニャンさんは拾い物かも知れませんわ。
残ってくださると良いのですが・・。
カチャカチャと茶器の準備をする侍女。
あら?こんな方・・いらっしゃったかしら?
ですが、そんなに茶器同士を当てると、欠けてしまいますわ。
教育はどうされているんでしょうか。
「お、お待たせしました!どうぞ!」
え?どうぞって・・お湯を入れただけのポットに空のカップ。
しかもソーサーにも乗ってない。
これは自分でやれっという、セミセルフなのかしら?
「あなた・・お名前は?」
「わ、わたしですか?いえいえ!名乗るほどでもないです」
はぁ・・このお屋敷はいったい、どうなっているのでしょう?
スチュワートさんはそれなり出来ますが、雲泥の差を感じますわ。
「では!わたしはこれでっ!」
脱兎のごとく部屋から出ていく侍女。
仕方ないねーっと言いながらポットの蓋を開けるサーベィ。
「ん・・・お待ちになって」
サーベィからポットを取り上げると中の湯を覗き込むキャンティです。
そして、木の板が外されたばかりの窓に行き、開けたと思ったら
ジャー!湯を捨てていますね。
「きゃ・・キャンティ様?何をされているんです?」
「先程の侍女を連れてきなさい」
「はっはい!初めてのキツいご命令!命がけで連れて参りますっ」
うーん、サーベィさん。連れてくるだけで命を賭けていたら
幾つあっても足りませんわよ
しかし、扉を開けるとそこに侍女が立っていますよ?
勢いよく開けたので驚いた侍女。しかしいないと思っていたのに
人がいたことに更に驚くサーベィ。
あぁ。。頭が痛いですわ
「キャンティ様っ連れてきましたよ!」
「あっあの!わたし何か粗相をしましたかっ?」
「粗相・・粗相以前の問題ですわ。こちらにどうぞ」
バンっ!
テーブルの上に置かれたポットと茶器が、ピョンと飛び上がるかと
思うほどテーブルを叩くキャンティ。
驚く侍女とサーベィ。
「あなた!このポット!どういう事なんですっ」
「いえ、あの・・」
「サーベィ!水をピッチャーに入れて持ってきて頂戴!」
「え?ピッチャー?あの背番号1でマウンドの真ん中にいる??」
投球モーションをしがらキャンティに問いかけるサーベィ。
ダメですわ。色んな意味でダメですわ。
なんでこう・・何と言いますか・・大事な事は何故変換されるのかしら?
あら?でもサーベィさんは左利きなのですわね・・と、どうでもいいですわ。
「調理場に投手はおりませんわ。調理長に・・」
「あ、そっちのピッチャー。なんだぁ、私はてっきり・・
わかりましたですっ!ラジャ!」
頭を抱えるわたくしに、侍女が心配そうに声をかけますわ。
「あ、あの・・お水ならわたしが・・」
ってか!さっきサーベィさんが走ったでしょうに!
いけませんわ。強くモノを言ってはダメですわ。
「いいえ、その間に貴女には説明を致しましょう」
「説明・・ですか」
「えぇ、まず、これは魔石でお湯を沸かすタイプですわ」
「そうです」
「ですが・・ほら?御覧なさい」
ポットの中を覗き込む侍女。
ですが、何が悪かったのかサッパリ?という顔をしていますよ
「白い何かが付いているのがお判りかしら?」
「え?・・(ジィィー) あ!ついてます!底に!」
「でしょう?これはカルキって言うんですわ。きっと石灰を放り込んで
浄化されているのでしょうね」
「は、はいそうです。受水槽タンクに放り込んでます」
うーん、それはそれでどうかと思うのですが・・
仕方ないのかも知れませんわね
「で、このカルキはちゃんと洗っておかねば美味しいお茶は飲めませんわ」
「ちゃんと洗ってますよ!毎回ゴシゴシ洗ってます!」
洗えてないからこうやって沈殿してこびり付いてるんでしょうがっ!
思わず眉がヒクヒクしてますよ。キャンティ!怒っちゃダメ!絶対!
「洗えてないのですよ。洗浄する際は何を使っていますの?」
「何をって・・スポンジで・・」
「だから!ですわ。洗浄する前に、不要な布にミカンやレモンなどの果汁を
使って、一晩この白いのに被せておいて、翌日スポンジで洗うのです。
柑橘系の外側の皮はシンクの汚れも落としやすいのですよ?」
「へぇ~そうなんですかぁ」
「そして、このポットには・・・」
そこにピッチャーに水を入れたサーベィが入ってきましたね。
サーベィからピッチャーを貰うと、ポットに水を注ぎます。
「なら!さっきの水と同じじゃないですか!」
「先程の水だと、貴女にわかってもらえないでしょう?」
パチンと蓋を閉じたキャンティ。ポットのボタンをポチ。
【今から、カルキ洗浄をします。今から、カルキ洗浄をします】
シュワワワワー
「うわっ!ポットが喋った!」
驚くサーベィに遠い目になるキャンティ。
2人にわかるようにポットのボタンを軽くトントン。
【カルキ洗浄(飲まないで)】
ボタンとキャンティを交互に見る2人。
「折角、最新の白物家電なんですから!取説にも書いてありますよ!」
「え・・どうしよう・・」
「どうしたのですか?今度からコレで洗って、レモンで・・」
「違うんですっ!」
俯いて、ギュッと手を握り、フルフル震える侍女。
「こっちのボタンだと、沸騰しないしヌルいお湯だから!」
「だから?」
「伯爵様に、夜お茶を出した後、残ってしまうので!
これをベッド横の水差しに入れてたんですっ」
なるほどー。ヴィヴィアンさんは飲まないでと書かれた洗浄後の水で
寝る前に茶を飲み、翌朝、水差しをガブ飲みしていたと・・。
まぁ、いいでしょう。ある意味排水を処理しててくれたんですもの。
「過ぎた事です。いいのですよ」
「いいんですか?」
「えぇ、ですが他の人にしてはダメですわよ?」
「はいっ・・ぐすっ・・わかりましたぁ・・ぐすっ・・」
【ピー!洗浄が終了しました。洗浄が終了しました】
「洗浄が終わったようですわね。で・・これを・・入れて(ポイッ)」
「魔石をいれちゃうんですかっ?」
「えぇ、そのまま捨てるより魔石で浄化させてこの水は拭き掃除に」
「なるほどー。ストラドリンさんが言ってた通りですねっ」
「ストラドリンさん?どちら様かしら?」
「3Rに五月蠅いんですけど、エコってる人ですっ」
なるほど・・このお屋敷にもシビルエンジニャンさんの他に
使える人間はいるという事ですわね。
ですが・・残ってくださるかしら?
ポットを侍女に手渡すキャンティ。
「水でよく濯いでくださいな。貴女も一緒にお茶を致しましょう」
そこに開いた扉からダッシュしてくる男が1人。
「お茶ならわたくしもー!間に合いました?ねぇ?間に合いましたっ?」
犬ですか!犬ですわね・・まだ淹れてもいないお茶の気配だけで
ダッシュしてくるとは・・飼い馴らすと大変そうですわ。
期待感満載のスチュワートにサーベィ、侍女はドン引きするのでした。
ホイホイと後ろをついてくるサーベィさんは若いのに残念だわ。
痛いところがなければ普通の男性ですのに。
ですが、シビルエンジニャンさんは拾い物かも知れませんわ。
残ってくださると良いのですが・・。
カチャカチャと茶器の準備をする侍女。
あら?こんな方・・いらっしゃったかしら?
ですが、そんなに茶器同士を当てると、欠けてしまいますわ。
教育はどうされているんでしょうか。
「お、お待たせしました!どうぞ!」
え?どうぞって・・お湯を入れただけのポットに空のカップ。
しかもソーサーにも乗ってない。
これは自分でやれっという、セミセルフなのかしら?
「あなた・・お名前は?」
「わ、わたしですか?いえいえ!名乗るほどでもないです」
はぁ・・このお屋敷はいったい、どうなっているのでしょう?
スチュワートさんはそれなり出来ますが、雲泥の差を感じますわ。
「では!わたしはこれでっ!」
脱兎のごとく部屋から出ていく侍女。
仕方ないねーっと言いながらポットの蓋を開けるサーベィ。
「ん・・・お待ちになって」
サーベィからポットを取り上げると中の湯を覗き込むキャンティです。
そして、木の板が外されたばかりの窓に行き、開けたと思ったら
ジャー!湯を捨てていますね。
「きゃ・・キャンティ様?何をされているんです?」
「先程の侍女を連れてきなさい」
「はっはい!初めてのキツいご命令!命がけで連れて参りますっ」
うーん、サーベィさん。連れてくるだけで命を賭けていたら
幾つあっても足りませんわよ
しかし、扉を開けるとそこに侍女が立っていますよ?
勢いよく開けたので驚いた侍女。しかしいないと思っていたのに
人がいたことに更に驚くサーベィ。
あぁ。。頭が痛いですわ
「キャンティ様っ連れてきましたよ!」
「あっあの!わたし何か粗相をしましたかっ?」
「粗相・・粗相以前の問題ですわ。こちらにどうぞ」
バンっ!
テーブルの上に置かれたポットと茶器が、ピョンと飛び上がるかと
思うほどテーブルを叩くキャンティ。
驚く侍女とサーベィ。
「あなた!このポット!どういう事なんですっ」
「いえ、あの・・」
「サーベィ!水をピッチャーに入れて持ってきて頂戴!」
「え?ピッチャー?あの背番号1でマウンドの真ん中にいる??」
投球モーションをしがらキャンティに問いかけるサーベィ。
ダメですわ。色んな意味でダメですわ。
なんでこう・・何と言いますか・・大事な事は何故変換されるのかしら?
あら?でもサーベィさんは左利きなのですわね・・と、どうでもいいですわ。
「調理場に投手はおりませんわ。調理長に・・」
「あ、そっちのピッチャー。なんだぁ、私はてっきり・・
わかりましたですっ!ラジャ!」
頭を抱えるわたくしに、侍女が心配そうに声をかけますわ。
「あ、あの・・お水ならわたしが・・」
ってか!さっきサーベィさんが走ったでしょうに!
いけませんわ。強くモノを言ってはダメですわ。
「いいえ、その間に貴女には説明を致しましょう」
「説明・・ですか」
「えぇ、まず、これは魔石でお湯を沸かすタイプですわ」
「そうです」
「ですが・・ほら?御覧なさい」
ポットの中を覗き込む侍女。
ですが、何が悪かったのかサッパリ?という顔をしていますよ
「白い何かが付いているのがお判りかしら?」
「え?・・(ジィィー) あ!ついてます!底に!」
「でしょう?これはカルキって言うんですわ。きっと石灰を放り込んで
浄化されているのでしょうね」
「は、はいそうです。受水槽タンクに放り込んでます」
うーん、それはそれでどうかと思うのですが・・
仕方ないのかも知れませんわね
「で、このカルキはちゃんと洗っておかねば美味しいお茶は飲めませんわ」
「ちゃんと洗ってますよ!毎回ゴシゴシ洗ってます!」
洗えてないからこうやって沈殿してこびり付いてるんでしょうがっ!
思わず眉がヒクヒクしてますよ。キャンティ!怒っちゃダメ!絶対!
「洗えてないのですよ。洗浄する際は何を使っていますの?」
「何をって・・スポンジで・・」
「だから!ですわ。洗浄する前に、不要な布にミカンやレモンなどの果汁を
使って、一晩この白いのに被せておいて、翌日スポンジで洗うのです。
柑橘系の外側の皮はシンクの汚れも落としやすいのですよ?」
「へぇ~そうなんですかぁ」
「そして、このポットには・・・」
そこにピッチャーに水を入れたサーベィが入ってきましたね。
サーベィからピッチャーを貰うと、ポットに水を注ぎます。
「なら!さっきの水と同じじゃないですか!」
「先程の水だと、貴女にわかってもらえないでしょう?」
パチンと蓋を閉じたキャンティ。ポットのボタンをポチ。
【今から、カルキ洗浄をします。今から、カルキ洗浄をします】
シュワワワワー
「うわっ!ポットが喋った!」
驚くサーベィに遠い目になるキャンティ。
2人にわかるようにポットのボタンを軽くトントン。
【カルキ洗浄(飲まないで)】
ボタンとキャンティを交互に見る2人。
「折角、最新の白物家電なんですから!取説にも書いてありますよ!」
「え・・どうしよう・・」
「どうしたのですか?今度からコレで洗って、レモンで・・」
「違うんですっ!」
俯いて、ギュッと手を握り、フルフル震える侍女。
「こっちのボタンだと、沸騰しないしヌルいお湯だから!」
「だから?」
「伯爵様に、夜お茶を出した後、残ってしまうので!
これをベッド横の水差しに入れてたんですっ」
なるほどー。ヴィヴィアンさんは飲まないでと書かれた洗浄後の水で
寝る前に茶を飲み、翌朝、水差しをガブ飲みしていたと・・。
まぁ、いいでしょう。ある意味排水を処理しててくれたんですもの。
「過ぎた事です。いいのですよ」
「いいんですか?」
「えぇ、ですが他の人にしてはダメですわよ?」
「はいっ・・ぐすっ・・わかりましたぁ・・ぐすっ・・」
【ピー!洗浄が終了しました。洗浄が終了しました】
「洗浄が終わったようですわね。で・・これを・・入れて(ポイッ)」
「魔石をいれちゃうんですかっ?」
「えぇ、そのまま捨てるより魔石で浄化させてこの水は拭き掃除に」
「なるほどー。ストラドリンさんが言ってた通りですねっ」
「ストラドリンさん?どちら様かしら?」
「3Rに五月蠅いんですけど、エコってる人ですっ」
なるほど・・このお屋敷にもシビルエンジニャンさんの他に
使える人間はいるという事ですわね。
ですが・・残ってくださるかしら?
ポットを侍女に手渡すキャンティ。
「水でよく濯いでくださいな。貴女も一緒にお茶を致しましょう」
そこに開いた扉からダッシュしてくる男が1人。
「お茶ならわたくしもー!間に合いました?ねぇ?間に合いましたっ?」
犬ですか!犬ですわね・・まだ淹れてもいないお茶の気配だけで
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