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ルーマーズ オブ ル―ヴェル
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嵐の中、別邸に戻ったキャンティ。
何より一番心配だったクライゴウト(2匹)の小屋に行ってますね。
「あぁ~良かったぁ。怖くなかった?」
「メェェ~メェェ~」
「そっか、そっか。お食べ~」
葦を餌箱に入れると別邸に戻りましたね。
お茶を淹れているようです。
コンコン
誰や!ワイ!疲れとんじゃ・・っとイケませんわ。
淑女たるもの、いつ何時も!心の中の叫びも!気を付けなくては。
覗き穴から見てみると、スチュワートさんですわ。
「スチュワートさん、どうされましたの?」
「どうされましたの?って・・運んでくれと仰ったので」
「あ!あぁ~すっかり忘れておりましたわ。
その辺に適当に置いておいてくださいませ」
「適当・・でいいんですか?」
「そんなもの、後生大事に扱ってどうなさるの?
帝都から役人が来たら離縁のサインを頂くので適当でいいんですわ」
スチュワートは玄関の外に横倒しにしてヴィヴィアン置物を放置。
貴方の扱いもぞんざいですわ。
「あ!お茶ですね!いいですねぇ」
「え・・飲まれますの?」
「もちろん、勿論、モチのローン!」
あ・・ローン・・ローン・・・過去の記憶が蘇りますわ。
麻雀を覚えたての頃、自分の中で最強の七対子で・・リーチ一発ローン!
どうでもいいですわね。オホホホ
「どうぞ。今日は疲れましたわね。ご苦労様でした」
「いえいえ、キャンティ様の為なら火の中、嵐の中、腕の中」
「えー・・・イラネー・・・」
はっ!声に出してましたわ。疲れているのですわ。
「で?どうされましたの?」
「いえ、置物を運ぶついでに、これからどうなさるのかと」
「どう?・・おかしなことを聞きますわね」
「だって、伯爵様はアレですし・・今回は結構被害出てますんで
帝都から激甚災害指定されると思うんですよ」
「そうですわね」
っと、お茶が冷めてしまいますわね。
雨で冷えた体を温めるんですが、眠りを妨げないように
ホット麦茶に杏子投入バージョンですわ。甘くてまったりとした味ですわ。
「ところで、キャンティ様・・ポロネーゼは領ではないんですか?」
ん?初球からいきなり直球勝負ですか?
青春ですわね。
「えぇ、領と言えば領ですわ。陛下の持ち物ですけれどね。
伯爵様は降伏調印の際に、領主代行として配属されたんですわ。
元々隣のマーティン領、ジュール領、ペリー領も戦争の前は
ポロネーゼ王国でしたでしょう?
敗戦で武功のあった公爵、侯爵が欲しいところを先帝に申し出て
残ったのがココって事ですわ」
「それじゃ・・引き取り手のない土地って事ですか?」
「引き取るどころか、お荷物だからみんなが避けたのでしょうね」
「で、現在の皇帝陛下が引き受けてくださった?」
「いいえ?押し付けられた・・が正解ですわね。
で、切り取られた土地にも移住出来ない領民の反発を抑えるのに
適任だったのでヴィヴィアンさんを立てたんですわ」
「そうなんですか・・知りませんでしたよ」
「家令失格ですわね。でもまぁ・・調印文書の控えは隠してるでしょうから
誰にも知られたくなかったんでしょうね」
スチュワートさんは、お茶のおかわりを自分で淹れてますわね。
段々と自分の家って感が強くないですか?
すっかり寛いでますし・・お灸が必要ですわね。
「それでですね・・変な噂を数日前に聞いたんです」
突然、真面目な顔(家令の顔)になるスチュワート。
噂・・ルーマー??なんでしょうか?
「噂?なんの噂です?わたくしが帝都で阿婆擦れだったとか?
昼間は場外馬券場とかサテライトで叫んでて、夜は雀荘に入り浸りとか?」
「なんですか!その噂は!」
「あら?後半は噂ではありませんわ。後半だけなら真実ですもの。
最後の日は園田でしたわぁ・・ダートで重いのよねぇ・・(ウットリ)」
「いやいや・・侯爵令嬢ですよねっ??」
「えぇ、両親が侯爵ですもの・・仕方ないですわ」
「仕方ないって・・って!ですね。噂ですよ。その噂!」
何をそんなにいきり立っておられるのかしら?
本命ガチガチで、差しでもなかったレースですのに。
あら、額に手を?まさか!あんなレースを外された?
いえ!もしかしてWIN5?いえ、あれは阪神、小倉、中山・・おかしいわ!
「違いますよ?わたくしは今まで賭け事をしたことはございませんので」
「あ、あら?それはそれは・・マークシートの書き方でしたら
教えて差し上げますのに・・」
「違います!ち!が!い!マスっ」
「ごめんなさいね。で?何の噂ですの?」
散々回り道をした会話ですわ・・
ですが、何の噂でしょう?数日前?なにかあったでしょうか?
「まだ噂の域ですが、キャンティ様の元婚約者である
ル―ヴェル殿下、いえ、ル―ヴェル元殿下についての噂です」
「まぁ、まだ生息しておりましたの?帝都から追い出され・・
確かトテポロ帝国内にも立ち入り禁止だったと思いますが」
「えぇ、噂は隣国からなのですけれども」
「けれども?」
「河川敷で火災があったそうなんです」
「いきなり?なんですの?2時間サスペンスドラマのようですわね?」
「で、男が3人亡くなったそうなんです」
「まぁ、焼死ですの・・お気の毒に」
「違うんです。亡くなった3人は直前まで4人組だったと」
「男3人・・ですが、元殿下には慕っている女性がいたはずですわ」
「二束三文で売られたようですよ」
「なんですって?」
なんだが・・きな臭い話になってきましたわね。
東尋坊に行かねばならないのかしら?
「では、1人は救助されたのですね?」
「救助ではありません。放火犯だと言われています」
「まさか・・それが・・・?」
「えぇ。ル―ヴェル元殿下だという噂です。ですが!噂ですよ。
どうやら国境を越え、名前を変えて潜伏しているようなんです」
一難去ってまた一難。わたくしの・・ゆったり、まったり生活は
何時になったら始まるのかしら。
何より一番心配だったクライゴウト(2匹)の小屋に行ってますね。
「あぁ~良かったぁ。怖くなかった?」
「メェェ~メェェ~」
「そっか、そっか。お食べ~」
葦を餌箱に入れると別邸に戻りましたね。
お茶を淹れているようです。
コンコン
誰や!ワイ!疲れとんじゃ・・っとイケませんわ。
淑女たるもの、いつ何時も!心の中の叫びも!気を付けなくては。
覗き穴から見てみると、スチュワートさんですわ。
「スチュワートさん、どうされましたの?」
「どうされましたの?って・・運んでくれと仰ったので」
「あ!あぁ~すっかり忘れておりましたわ。
その辺に適当に置いておいてくださいませ」
「適当・・でいいんですか?」
「そんなもの、後生大事に扱ってどうなさるの?
帝都から役人が来たら離縁のサインを頂くので適当でいいんですわ」
スチュワートは玄関の外に横倒しにしてヴィヴィアン置物を放置。
貴方の扱いもぞんざいですわ。
「あ!お茶ですね!いいですねぇ」
「え・・飲まれますの?」
「もちろん、勿論、モチのローン!」
あ・・ローン・・ローン・・・過去の記憶が蘇りますわ。
麻雀を覚えたての頃、自分の中で最強の七対子で・・リーチ一発ローン!
どうでもいいですわね。オホホホ
「どうぞ。今日は疲れましたわね。ご苦労様でした」
「いえいえ、キャンティ様の為なら火の中、嵐の中、腕の中」
「えー・・・イラネー・・・」
はっ!声に出してましたわ。疲れているのですわ。
「で?どうされましたの?」
「いえ、置物を運ぶついでに、これからどうなさるのかと」
「どう?・・おかしなことを聞きますわね」
「だって、伯爵様はアレですし・・今回は結構被害出てますんで
帝都から激甚災害指定されると思うんですよ」
「そうですわね」
っと、お茶が冷めてしまいますわね。
雨で冷えた体を温めるんですが、眠りを妨げないように
ホット麦茶に杏子投入バージョンですわ。甘くてまったりとした味ですわ。
「ところで、キャンティ様・・ポロネーゼは領ではないんですか?」
ん?初球からいきなり直球勝負ですか?
青春ですわね。
「えぇ、領と言えば領ですわ。陛下の持ち物ですけれどね。
伯爵様は降伏調印の際に、領主代行として配属されたんですわ。
元々隣のマーティン領、ジュール領、ペリー領も戦争の前は
ポロネーゼ王国でしたでしょう?
敗戦で武功のあった公爵、侯爵が欲しいところを先帝に申し出て
残ったのがココって事ですわ」
「それじゃ・・引き取り手のない土地って事ですか?」
「引き取るどころか、お荷物だからみんなが避けたのでしょうね」
「で、現在の皇帝陛下が引き受けてくださった?」
「いいえ?押し付けられた・・が正解ですわね。
で、切り取られた土地にも移住出来ない領民の反発を抑えるのに
適任だったのでヴィヴィアンさんを立てたんですわ」
「そうなんですか・・知りませんでしたよ」
「家令失格ですわね。でもまぁ・・調印文書の控えは隠してるでしょうから
誰にも知られたくなかったんでしょうね」
スチュワートさんは、お茶のおかわりを自分で淹れてますわね。
段々と自分の家って感が強くないですか?
すっかり寛いでますし・・お灸が必要ですわね。
「それでですね・・変な噂を数日前に聞いたんです」
突然、真面目な顔(家令の顔)になるスチュワート。
噂・・ルーマー??なんでしょうか?
「噂?なんの噂です?わたくしが帝都で阿婆擦れだったとか?
昼間は場外馬券場とかサテライトで叫んでて、夜は雀荘に入り浸りとか?」
「なんですか!その噂は!」
「あら?後半は噂ではありませんわ。後半だけなら真実ですもの。
最後の日は園田でしたわぁ・・ダートで重いのよねぇ・・(ウットリ)」
「いやいや・・侯爵令嬢ですよねっ??」
「えぇ、両親が侯爵ですもの・・仕方ないですわ」
「仕方ないって・・って!ですね。噂ですよ。その噂!」
何をそんなにいきり立っておられるのかしら?
本命ガチガチで、差しでもなかったレースですのに。
あら、額に手を?まさか!あんなレースを外された?
いえ!もしかしてWIN5?いえ、あれは阪神、小倉、中山・・おかしいわ!
「違いますよ?わたくしは今まで賭け事をしたことはございませんので」
「あ、あら?それはそれは・・マークシートの書き方でしたら
教えて差し上げますのに・・」
「違います!ち!が!い!マスっ」
「ごめんなさいね。で?何の噂ですの?」
散々回り道をした会話ですわ・・
ですが、何の噂でしょう?数日前?なにかあったでしょうか?
「まだ噂の域ですが、キャンティ様の元婚約者である
ル―ヴェル殿下、いえ、ル―ヴェル元殿下についての噂です」
「まぁ、まだ生息しておりましたの?帝都から追い出され・・
確かトテポロ帝国内にも立ち入り禁止だったと思いますが」
「えぇ、噂は隣国からなのですけれども」
「けれども?」
「河川敷で火災があったそうなんです」
「いきなり?なんですの?2時間サスペンスドラマのようですわね?」
「で、男が3人亡くなったそうなんです」
「まぁ、焼死ですの・・お気の毒に」
「違うんです。亡くなった3人は直前まで4人組だったと」
「男3人・・ですが、元殿下には慕っている女性がいたはずですわ」
「二束三文で売られたようですよ」
「なんですって?」
なんだが・・きな臭い話になってきましたわね。
東尋坊に行かねばならないのかしら?
「では、1人は救助されたのですね?」
「救助ではありません。放火犯だと言われています」
「まさか・・それが・・・?」
「えぇ。ル―ヴェル元殿下だという噂です。ですが!噂ですよ。
どうやら国境を越え、名前を変えて潜伏しているようなんです」
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