47 / 87
家令は肩を落とす
しおりを挟む
「あっ!濡れちゃいます!もっとこっちへ!」
そう言いながら、また肩を抱くんですわね・・小心者のくせに。
来た時のように相合傘で寄り添って歩くわたくしとスチュワートさん。
転移魔法で別邸の小屋に戻って参りましたわ
「メェェ~メェェ~」
「あぁ、驚かせちゃったわね。ごめんね。ただいま。
では、スチュワート様、こちらへ」
別邸に戻り、偽装の魔法を解きます。
スチュワートさんにカモミールティーを淹れましたわ。
椅子に座りながら・・。
「スチュワート様、明日も伯爵様は賭博場に行くと思いますわ」
「え?でもさっき連れて行かれましたよ?」
「あの店はイカサマをしてますわ。それに伯爵様はまだカモです。
ネギをせっせと背負ってやってくるカモ。
今日は最後に額は少なくても気分的に大負けですから明日も行くでしょう」
「ですが・・もう軍資金はないんですよ」
「戻ったらすぐに、そうねぇ・・・
伯爵様は取って付けたような理由でお金を無心するでしょう。
そしたら500万ほど出してあげなさい。
それくらいは伯爵様の個人資産が残っているでしょう?」
驚いて、折角のカモミールティを噴射するスチュワートさん。
いやぁねぇ・・お行儀が悪いわ。
「そ、そんなの500万持ってまた行きますよ!」
「えぇ、でも明日は勝たせてくれますよ(笑)
そうねぇ・・明日、明後日は大勝はなくとも勝つでしょうね」
今度は吹き出さずに驚いた顔のスチュワートさん。
そうそう。学習は大事ですわ。
「5日・・・泳がせましょう。次は仕留めます」
「え?仕留める??」
「そうです。仕留め損なったら領に地獄が始まります」
「それは一体・・」
「あの赤いドレスの方が資金を融通始めるという事です。
伯爵様が自分の小遣いで遊ぶのは良いのです。
破滅しようが知った事ではありません。
ですが、領のお金に手を付けるようになれば、
スチュワート様が心配されているように家が傾きます。
使用人の皆さんにも給料の遅延が始まったり、賃金見直しもするでしょう。
何より、領民に対する税率の引き上げや、新たな税収目的の法の制定は
断固として阻止せねばなりません」
っと、わたくし・・かなり伯爵領の方の事を思っているように聞こえますが
本音は全くそんな事思っておりません。
だって、婚姻時の借金は連帯責任ですもの。
あの伯爵様の事です。「個人と領」をごちゃ混ぜにしてますわ。
わたくしは稼いだ分を旧姓で止めおきますが、伯爵様は旧姓はございません。
自己資金がなくなるのは自業自得。
でも借りてまでやる事に賭け事は含まれませんからね。
借金なんかされたら、そのままわたくしにふりかかりますわ。迷惑ですッ!
ここに皇帝陛下がいれば文句の3つや4つや5つや6つ
鉄拳付きの鼻フックで申し上げますのにっ!
ま、まぁ確かに?税率をあげられたりすれば
ニッカポッカなどが軌道に乗った時に損ちゃいますけどね。
だけど、伯爵領を買い戻すとなると簡単にはいかないのですわ。
もっと最悪なのは伯爵領と言っても陛下の持ち物ですもの。
領主は単なる・・そうですわね皆様の世界で言えば知事さんのようなものですわ。
勝手に担保に入れちゃった日には大変な事になりますもの。
ま、確認は取りますけどね。
そこはお飾りの妻と罵られようと阻止致しますわ。
勿論、罵りでもしようものなら、おまけをつけてお返ししますがね。
「スチュワート様、今日はもう遅いですから本邸にお戻りなさい。
そして明日から・・よろしいですわね?」
「わかりました・・あの・・」
「なんですの?」
「ちょっとしたお願い・・・といいますか・・」
どうしたんでしょう?スチュワートさん、モジモジしてらっしゃいますわ。
魔法を解いたので濡れた下着が嫌なのかしら?
「お願いとは?」
「いえ、あのぅ・・あの場だけですかね?」
「もっと元手を渡すから増やしてくれと??」
「いえ!違います!
そのぉ・・・エディって・・呼んでほしいかなぁ・・なんて」
あら?そっち??うーん・・・
「別邸でも呼んでほしいと?」
「いえいえ。ダメならいいんですよ」
「ダメではありませんよ?」
うわっ・・顔が!めっちゃ喜んでる表情になってるんですけど?
言っちゃっていいかなぁ・・
「なら・・あの・・」
「ダメではありません。嫌なだけです」
「ふァウ!・・・あ、あ~そうですよね・・はい、すみません」
肩を落として本邸に帰ったスチュワートさん。
あー合羽が表裏になってますよー!
風邪ひかないでねー!
そう言いながら、また肩を抱くんですわね・・小心者のくせに。
来た時のように相合傘で寄り添って歩くわたくしとスチュワートさん。
転移魔法で別邸の小屋に戻って参りましたわ
「メェェ~メェェ~」
「あぁ、驚かせちゃったわね。ごめんね。ただいま。
では、スチュワート様、こちらへ」
別邸に戻り、偽装の魔法を解きます。
スチュワートさんにカモミールティーを淹れましたわ。
椅子に座りながら・・。
「スチュワート様、明日も伯爵様は賭博場に行くと思いますわ」
「え?でもさっき連れて行かれましたよ?」
「あの店はイカサマをしてますわ。それに伯爵様はまだカモです。
ネギをせっせと背負ってやってくるカモ。
今日は最後に額は少なくても気分的に大負けですから明日も行くでしょう」
「ですが・・もう軍資金はないんですよ」
「戻ったらすぐに、そうねぇ・・・
伯爵様は取って付けたような理由でお金を無心するでしょう。
そしたら500万ほど出してあげなさい。
それくらいは伯爵様の個人資産が残っているでしょう?」
驚いて、折角のカモミールティを噴射するスチュワートさん。
いやぁねぇ・・お行儀が悪いわ。
「そ、そんなの500万持ってまた行きますよ!」
「えぇ、でも明日は勝たせてくれますよ(笑)
そうねぇ・・明日、明後日は大勝はなくとも勝つでしょうね」
今度は吹き出さずに驚いた顔のスチュワートさん。
そうそう。学習は大事ですわ。
「5日・・・泳がせましょう。次は仕留めます」
「え?仕留める??」
「そうです。仕留め損なったら領に地獄が始まります」
「それは一体・・」
「あの赤いドレスの方が資金を融通始めるという事です。
伯爵様が自分の小遣いで遊ぶのは良いのです。
破滅しようが知った事ではありません。
ですが、領のお金に手を付けるようになれば、
スチュワート様が心配されているように家が傾きます。
使用人の皆さんにも給料の遅延が始まったり、賃金見直しもするでしょう。
何より、領民に対する税率の引き上げや、新たな税収目的の法の制定は
断固として阻止せねばなりません」
っと、わたくし・・かなり伯爵領の方の事を思っているように聞こえますが
本音は全くそんな事思っておりません。
だって、婚姻時の借金は連帯責任ですもの。
あの伯爵様の事です。「個人と領」をごちゃ混ぜにしてますわ。
わたくしは稼いだ分を旧姓で止めおきますが、伯爵様は旧姓はございません。
自己資金がなくなるのは自業自得。
でも借りてまでやる事に賭け事は含まれませんからね。
借金なんかされたら、そのままわたくしにふりかかりますわ。迷惑ですッ!
ここに皇帝陛下がいれば文句の3つや4つや5つや6つ
鉄拳付きの鼻フックで申し上げますのにっ!
ま、まぁ確かに?税率をあげられたりすれば
ニッカポッカなどが軌道に乗った時に損ちゃいますけどね。
だけど、伯爵領を買い戻すとなると簡単にはいかないのですわ。
もっと最悪なのは伯爵領と言っても陛下の持ち物ですもの。
領主は単なる・・そうですわね皆様の世界で言えば知事さんのようなものですわ。
勝手に担保に入れちゃった日には大変な事になりますもの。
ま、確認は取りますけどね。
そこはお飾りの妻と罵られようと阻止致しますわ。
勿論、罵りでもしようものなら、おまけをつけてお返ししますがね。
「スチュワート様、今日はもう遅いですから本邸にお戻りなさい。
そして明日から・・よろしいですわね?」
「わかりました・・あの・・」
「なんですの?」
「ちょっとしたお願い・・・といいますか・・」
どうしたんでしょう?スチュワートさん、モジモジしてらっしゃいますわ。
魔法を解いたので濡れた下着が嫌なのかしら?
「お願いとは?」
「いえ、あのぅ・・あの場だけですかね?」
「もっと元手を渡すから増やしてくれと??」
「いえ!違います!
そのぉ・・・エディって・・呼んでほしいかなぁ・・なんて」
あら?そっち??うーん・・・
「別邸でも呼んでほしいと?」
「いえいえ。ダメならいいんですよ」
「ダメではありませんよ?」
うわっ・・顔が!めっちゃ喜んでる表情になってるんですけど?
言っちゃっていいかなぁ・・
「なら・・あの・・」
「ダメではありません。嫌なだけです」
「ふァウ!・・・あ、あ~そうですよね・・はい、すみません」
肩を落として本邸に帰ったスチュワートさん。
あー合羽が表裏になってますよー!
風邪ひかないでねー!
114
お気に入りに追加
4,117
あなたにおすすめの小説
追放された偽物聖女は、辺境の村でひっそり暮らしている
黎
ファンタジー
辺境の村で人々のために薬を作って暮らすリサは“聖女”と呼ばれている。その噂を聞きつけた騎士団の数人が現れ、あらゆる疾病を治療する万能の力を持つ聖女を連れて行くべく強引な手段に出ようとする中、騎士団長が割って入る──どうせ聖女のようだと称えられているに過ぎないと。ぶっきらぼうながらも親切な騎士団長に惹かれていくリサは、しかし実は数年前に“偽物聖女”と帝都を追われたクラリッサであった。
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪
naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。
「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」
まっ、いいかっ!
持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
強制力がなくなった世界に残されたものは
りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った
令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達
世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか
その世界を狂わせたものは
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?
あくの
ファンタジー
15になって領地の修道院から王立ディアーヌ学園、通称『学園』に通うことになったリリゼット。
加護細工の家系のドルバック伯爵家の娘として他家の令嬢達と交流開始するも世間知らずのリリゼットは令嬢との会話についていけない。
また姉と婚約者の破天荒な行動からリリゼットも同じなのかと学園の男子生徒が近寄ってくる。
長女気質のダンテス公爵家の長女リーゼはそんなリリゼットの危うさを危惧しており…。
リリゼットは楽しい学園生活を全うできるのか?!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
遺棄令嬢いけしゃあしゃあと幸せになる☆婚約破棄されたけど私は悪くないので侯爵さまに嫁ぎます!
天田れおぽん
ファンタジー
婚約破棄されましたが私は悪くないので反省しません。いけしゃあしゃあと侯爵家に嫁いで幸せになっちゃいます。
魔法省に勤めるトレーシー・ダウジャン伯爵令嬢は、婿養子の父と義母、義妹と暮らしていたが婚約者を義妹に取られた上に家から追い出されてしまう。
でも優秀な彼女は王城に住み、個性的な人たちに囲まれて楽しく仕事に取り組む。
一方、ダウジャン伯爵家にはトレーシーの親戚が乗り込み、父たち家族は追い出されてしまう。
トレーシーは先輩であるアルバス・メイデン侯爵令息と王族から依頼された仕事をしながら仲を深める。
互いの気持ちに気付いた二人は、幸せを手に入れていく。
。oOo。.:♥:.。oOo。.:♥:.。oOo。.:♥:.。oOo。.:♥:.
他サイトにも連載中
2023/09/06 少し修正したバージョンと入れ替えながら更新を再開します。
よろしくお願いいたします。m(_ _)m
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
噂の醜女とは私の事です〜蔑まれた令嬢は、その身に秘められた規格外の魔力で呪われた運命を打ち砕く〜
秘密 (秘翠ミツキ)
ファンタジー
*『ねぇ、姉さん。姉さんの心臓を僕に頂戴』
◆◆◆
*『お姉様って、本当に醜いわ』
幼い頃、妹を庇い代わりに呪いを受けたフィオナだがその妹にすら蔑まれて……。
◆◆◆
侯爵令嬢であるフィオナは、幼い頃妹を庇い魔女の呪いなるものをその身に受けた。美しかった顔は、その半分以上を覆う程のアザが出来て醜い顔に変わった。家族や周囲から醜女と呼ばれ、庇った妹にすら「お姉様って、本当に醜いわね」と嘲笑われ、母からはみっともないからと仮面をつける様に言われる。
こんな顔じゃ結婚は望めないと、フィオナは一人で生きれる様にひたすらに勉学に励む。白塗りで赤く塗られた唇が一際目立つ仮面を被り、白い目を向けられながらも学院に通う日々。
そんな中、ある青年と知り合い恋に落ちて婚約まで結ぶが……フィオナの素顔を見た彼は「ごめん、やっぱり無理だ……」そう言って婚約破棄をし去って行った。
それから社交界ではフィオナの素顔で話題は持ちきりになり、仮面の下を見たいが為だけに次から次へと婚約を申し込む者達が後を経たない。そして仮面の下を見た男達は直ぐに婚約破棄をし去って行く。それが今社交界での流行りであり、暇な貴族達の遊びだった……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる