辺境伯のお嫁様

cyaru

文字の大きさ
上 下
43 / 87

テンキーを探すお嫁様

しおりを挟む
魔法で契約をしたわたくしとスチュワートさん。
別邸に来た時よりも少しだけ明るい顔になって帰られましたわ。
とりあえず明日の夜も出掛けるようならスチュワートさんと
様子を見るだけ・・見るだけ・・えぇ。見るだけですわ。

そこの貴方っ!違いますわよ?
しょっぱなから00に一点賭けしてみようかなとか!
ズルっ子してロイヤルストレートフラッシュ決めようとか!
明らかに当たりそうにないスロットのレバーをガッチャンってしようとか!
ちょっとしか考えてませんわ!

さて、時計も日付をまたぎそうなので寝ようと思いますが
ランバートさんが付けてくださった魔道具に着信のお知らせランプが
点滅をしておりますわ。

ポチッ

「ご用件は、いっ、件です」

あら?なんか聞き覚えのあるようなフレーズですわ。
あぁ・・あちらの世界にある伝言機能がついたテレフォーンですわね。

「最初の、メッセージ、です。カトレアの月、5日、午前、11時、2分
 ピー!
 あ~、テス、テス、テストです
 ピー!
 このメッセージをもう一度聞くときは ゼロ、を、
 消去する時は、ナナ、を押してください」

え?・・・ゼロ?ナナ?っていうか、この魔道具!
赤いボタンと青いボタン、再生ってボタンしかないんですけど!
ランバートさんもアリシアさんも取説なんか置いて行ってないし!
どうすればいいの??どうすれば!!

わたくしは、魔道具の裏側、底を見てみますが何もありません。
どうすりゃいいの・・仕方ない。

「なな!」 シーン・・・・

うわ。。やっぱ違うか。では、この赤いボタンを押してみよう!

ピッピッピッピッピッピッピ1234567 これでどうよ!」

「最初の、メッセージ、です。カトレアの日・・・・・」

うわー!どうすりゃいいの!ゼロって認識しちゃったよ!
もしかして、青いボタンだった??
いや、待って!ゼロってどうやって押すの?

その夜、延々と繰り返されるテストのメッセージ。

無視して寝ようと思っても、虫のチーチロって声しか聞こえないから
テステスって声とピーとか響く、響く。
掛け布団を頭からガバっとやっても聞こえるじゃないのぉぉ!

「ランバートさん、恨むわよ・・テステスって・・
 新興宗教の呪文に聞こえるわ!」

*********************************************
翌日、昼にアリシアさんが来てくれて、教えて頂きましたわ。

「赤いボタンと青いボタンを同時押しすると・・・(ポチっ)」

うわ・・上部にテンキーが出たわぁ・・

「これで該当する番号を押して頂ければ」
「ありがとう・・ございます」

いや、これはね?教えてくれなきゃわかりませんわ!
もしくは取説置いといてくださいませー!!
**********************************************

昼はポーション作りと茶葉製造に勤しみ、
夕方は、ルピナス量産を頑張りましたわ。
ポーションはついつい頑張って、4日分を作ってしまいましたわ。
まぁ、魔道具のテンキーの場所を教えてもらって
あまりの衝撃に放心状態。気がついたら大量だったってだけですわ。

葦が少なくなってきたので、またあの湿地帯に行かねばなりませんわね。
葦はいいんですが、出来ればギャルのクライゴウトを捕獲したいわ。
そう思いつつ、乾燥させた葦をもって小屋に行きますの。

「メェェ~メェェ~」
「ほらお食べ~、美味しいかぁい?」
「メェェ~メェェ~」

どんなに沢山のご飯をあげても、オスではミルクは出ませんわ。
やるせない気持ちもありますが、飼えないとポイするわけにはいきません。
最後まで面倒を見てあげないとね・・。

いえ、これでも捕まえてすぐだから戻しに行こうと思ったんですけどね?
縄張りから3日も離れてしまうと、同じ場所に戻したところで
敵陣のど真ん中に丸腰で放り出すのと同じですからねぇ。

だけど、こうやって見ると、このクライゴウト。
魔獣と言われる割に結構可愛いわね。
牙もあるけど、八重歯と思えば可愛いものです。

「葦を取りに行ったときに、ボッチなギャルがいたら
 ナンパしてくるからねぇ」
「メェェ~メェェ~」

ふと、思いました。
ナンパして連れ帰ってまたオスだったらどうしよう・・。

小屋はヒンヤリしていましたが、サウナ並みに汗が出たわたくしでしたわ。



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します

怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。 本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。 彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。 世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。 喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。

悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます

綾月百花   
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。

【完結】五度の人生を不幸な出来事で幕を閉じた転生少女は、六度目の転生で幸せを掴みたい!

アノマロカリス
ファンタジー
「ノワール・エルティナス! 貴様とは婚約破棄だ!」 ノワール・エルティナス伯爵令嬢は、アクード・ベリヤル第三王子に婚約破棄を言い渡される。 理由を聞いたら、真実の相手は私では無く妹のメルティだという。 すると、アクードの背後からメルティが現れて、アクードに肩を抱かれてメルティが不敵な笑みを浮かべた。 「お姉様ったら可哀想! まぁ、お姉様より私の方が王子に相応しいという事よ!」 ノワールは、アクードの婚約者に相応しくする為に、様々な事を犠牲にして尽くしたというのに、こんな形で裏切られるとは思っていなくて、ショックで立ち崩れていた。 その時、頭の中にビジョンが浮かんできた。 最初の人生では、日本という国で淵東 黒樹(えんどう くろき)という女子高生で、ゲームやアニメ、ファンタジー小説好きなオタクだったが、学校の帰り道にトラックに刎ねられて死んだ人生。 2度目の人生は、異世界に転生して日本の知識を駆使して…魔女となって魔法や薬学を発展させたが、最後は魔女狩りによって命を落とした。 3度目の人生は、王国に使える女騎士だった。 幾度も国を救い、活躍をして行ったが…最後は王族によって魔物侵攻の盾に使われて死亡した。 4度目の人生は、聖女として国を守る為に活動したが… 魔王の供物として生贄にされて命を落とした。 5度目の人生は、城で王族に使えるメイドだった。 炊事・洗濯などを完璧にこなして様々な能力を駆使して、更には貴族の妻に抜擢されそうになったのだが…同期のメイドの嫉妬により捏造の罪をなすりつけられて処刑された。 そして6度目の現在、全ての前世での記憶が甦り… 「そうですか、では婚約破棄を快く受け入れます!」 そう言って、ノワールは城から出て行った。 5度による浮いた話もなく死んでしまった人生… 6度目には絶対に幸せになってみせる! そう誓って、家に帰ったのだが…? 一応恋愛として話を完結する予定ですが… 作品の内容が、思いっ切りファンタジー路線に行ってしまったので、ジャンルを恋愛からファンタジーに変更します。 今回はHOTランキングは最高9位でした。 皆様、有り難う御座います!

【完結】『サヨナラ』そう呟き、崖から身を投げようとする私の手を誰かに引かれました。

仰木 あん
ファンタジー
継母に苛められ、義理の妹には全てを取り上げられる。 実の父にも蔑まれ、生きる希望を失ったアメリアは、家を抜け出し、海へと向かう。 たどり着いた崖から身を投げようとするアメリアは、見知らぬ人物に手を引かれ、一命を取り留める。 そんなところから、彼女の運命は好転をし始める。 そんなお話。 フィクションです。 名前、団体、関係ありません。 設定はゆるいと思われます。 ハッピーなエンドに向かっております。 12、13、14、15話は【胸糞展開】になっておりますのでご注意下さい。 登場人物 アメリア=フュルスト;主人公…二十一歳 キース=エネロワ;公爵…二十四歳 マリア=エネロワ;キースの娘…五歳 オリビエ=フュルスト;アメリアの実父 ソフィア;アメリアの義理の妹二十歳 エリザベス;アメリアの継母 ステルベン=ギネリン;王国の王

〈とりあえずまた〆〉婚約破棄? ちょうどいいですわ、断罪の場には。

江戸川ばた散歩
ファンタジー
辺境伯令嬢バルバラ・ザクセットは、第一王子セインの誕生パーティの場で婚約破棄を言い渡された。 だがその途端周囲がざわめき、空気が変わる。 父王も王妃も絶望にへたりこみ、セインの母第三側妃は彼の頬を打ち叱責した後、毒をもって自害する。 そしてバルバラは皇帝の代理人として、パーティ自体をチェイルト王家自体に対する裁判の場に変えるのだった。 番外編1……裁判となった事件の裏側を、その首謀者三人のうちの一人カイシャル・セルーメ視点であちこち移動しながら30年くらいのスパンで描いています。シリアス。 番外編2……マリウラ視点のその後。もう絶対に関わりにならないと思っていたはずの人々が何故か自分のところに相談しにやってくるという。お気楽話。 番外編3……辺境伯令嬢バルバラの動きを、彼女の本当の婚約者で護衛騎士のシェイデンの視点から見た話。番外1の少し後の部分も入ってます。 *カテゴリが恋愛にしてありますが本編においては恋愛要素は薄いです。 *むしろ恋愛は番外編の方に集中しました。 3/31 番外の番外「円盤太陽杯優勝者の供述」短期連載です。 恋愛大賞にひっかからなかったこともあり、カテゴリを変更しました。

「宮廷魔術師の娘の癖に無能すぎる」と婚約破棄され親には出来損ないと言われたが、厄介払いと嫁に出された家はいいところだった

今川幸乃
ファンタジー
魔術の名門オールストン公爵家に生まれたレイラは、武門の名門と呼ばれたオーガスト公爵家の跡取りブランドと婚約させられた。 しかしレイラは魔法をうまく使うことも出来ず、ブランドに一方的に婚約破棄されてしまう。 それを聞いた宮廷魔術師の父はブランドではなくレイラに「出来損ないめ」と激怒し、まるで厄介払いのようにレイノルズ侯爵家という微妙な家に嫁に出されてしまう。夫のロルスは魔術には何の興味もなく、最初は仲も微妙だった。 一方ブランドはベラという魔法がうまい令嬢と婚約し、やはり婚約破棄して良かったと思うのだった。 しかしレイラが魔法を全然使えないのはオールストン家で毎日飲まされていた魔力増加薬が体質に合わず、魔力が暴走してしまうせいだった。 加えて毎日毎晩ずっと勉強や訓練をさせられて常に体調が悪かったことも原因だった。 レイノルズ家でのんびり過ごしていたレイラはやがて自分の真の力に気づいていく。

身勝手な理由で婚約者を殺そうとした男は、地獄に落ちました【完結】

小平ニコ
ファンタジー
「おい、アドレーラ。死んだか?」 私の婚約者であるルーパート様は、私を井戸の底へと突き落としてから、そう問いかけてきました。……ルーパート様は、長い間、私を虐待していた事実が明るみになるのを恐れ、私を殺し、すべてを隠ぺいしようとしたのです。 井戸に落ちたショックで、私は正気を失い、実家に戻ることになりました。心も体も元には戻らず、ただ、涙を流し続ける悲しい日々。そんなある日のこと、私の幼馴染であるランディスが、私の体に残っていた『虐待の痕跡』に気がつき、ルーパート様を厳しく問い詰めました。 ルーパート様は知らぬ存ぜぬを貫くだけでしたが、ランディスは虐待があったという確信を持ち、決定的な証拠をつかむため、特殊な方法を使う決意をしたのです。 そして、すべてが白日の下にさらされた時。 ルーパート様は、とてつもなく恐ろしい目にあうことになるのでした……

【完結】魔力がないと見下されていた私は仮面で素顔を隠した伯爵と結婚することになりました〜さらに魔力石まで作り出せなんて、冗談じゃない〜

光城 朱純
ファンタジー
魔力が強いはずの見た目に生まれた王女リーゼロッテ。 それにも拘わらず、魔力の片鱗すらみえないリーゼロッテは家族中から疎まれ、ある日辺境伯との結婚を決められる。 自分のあざを隠す為に仮面をつけて生活する辺境伯は、龍を操ることができると噂の伯爵。 隣に魔獣の出る森を持ち、雪深い辺境地での冷たい辺境伯との新婚生活は、身も心も凍えそう。 それでも国の端でひっそり生きていくから、もう放っておいて下さい。 私のことは私で何とかします。 ですから、国のことは国王が何とかすればいいのです。 魔力が使えない私に、魔力石を作り出せだなんて、そんなの無茶です。 もし作り出すことができたとしても、やすやすと渡したりしませんよ? これまで虐げられた分、ちゃんと返して下さいね。 表紙はPhoto AC様よりお借りしております。

処理中です...