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1回目の人生
第12話 覆る事のない罪
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両親と兄を人質にされたオデットはヴァルスに従う以外に道がなかった。
「会わせてください!」
「会わせてやるにはまだ時期が早い」
「家族が会うのに時期なんか関係ないでしょう!」
外出できるのは王太子妃フロリアの元に行く時だけで、衣食住は与えられてもそこに自由はなかった。
自死してしまおうか。そう考えた事もあったが両親や兄だけはこんな境遇の事は知らされずに穏やかに暮らしているのなら耐えよう。
ヴァルスに書斎で告げられた数日後、フロリアから王太子を介してヴァルスに苦情が来た。
我慢が出来ず、ついフロリアに言ってしまったのだ。
「そのドレス1着で何人の民が、何日飢える事を忘れて暮らせると思いますか」と。
その時はヴァルスに「身の程を弁えろ」と立てなくなるまで殴られた。
手足の骨が砕けたかと思ったが、人間の体は意外に丈夫に出来ているからか、それともヴァルスがどこをどれくらいの力で痛めつければ効果的かを知っているからか。
「もう妃殿下の元には行きたくない」
そう言えば今度は食事が無くなった。飲み食いを禁じられて、フラフラになってもフロリアの元に引っ張って行かれてしまう。
オデットは笑う事が出来なくなった。
するとまた苦情が王太子を介してきてしまった。
【ムスっとしたままで一緒の部屋にいると気分が悪くなる】と。
――何時まで耐えればいいのかな――
終わりの見えない絶望にオデットは部屋に1人でいる時も泣く事すら出来なくなった。
だが、始まりがあれば終わりもある。
いつものようにフロリアの元に出かける準備をしていると数人の兵士と共にヴァルスがやってきた。
「なんでしょう?今から出かけるのですが…なっ!なにをされるのです?」
突然兵士はオデットの手を捩じりあげて後ろ手にすると縄をかけた。
ヴァルスの前に跪かされて頭を強い力で押し付けられた。
「私の妻、そして過去に遡れば婚約者である立場を利用し、妃殿下に対しありもしない国の理を説き、惑わせた罪は重い」
「何のことです?!」
「既に調べは付いている。王太子妃に対しての所業は許されるものではない。私もお前のその仮面にはすっかり騙された。おかげで私財も全て失ってしまった」
「待ってください!だから何のことなのです?!」
その場ではそれ以上ヴァルスからの言葉は聞けなかった。
取調べは、取調官が問うたことに「はい」と認めるまでは執拗に同じ質問が繰り返され、取調官は交代をするのにオデットは休ませても貰えず、実に3日間尋問が続いた。
「私が妃殿下を唆し散財させたと言うんですか?違います!私が初めて宮に行った時は既に劇団や詩人がいましたし、仕立て屋だっていたんです!」
「そうしろとお前から文書で伝えられていたと妃殿下は申されているが?」
「してません!私!満足に文字も書けないから使用人の方に文字を習いたいと言った事もあるんです。文書で伝えたなんて嘘です!」
「伯爵夫人で文字が書けないなんてあり得ない話だ。そもそもでこの婚約も妃殿下を洗脳し、上手く取り入ったところでガッティネ公爵家に話をしろと言ったそうじゃないか」
「してません!たかが子爵家の娘がそんなっ!出来る訳ないじゃないですか!」
「だが、実際にヴァルス氏とは婚姻関係にある。ヴァルス氏も妃殿下たっての頼みで断れなかったと言っている。当時の妃殿下は君にかなり傾倒していたようだからな。それに…婚約中も妃殿下の宮で妃殿下の行いを君が監視していたと出入りの商人から証言もあるんだ」
「それは話し相手になってくれと頼まれたからです!自分からじゃありません。信じてください!」
「信じる、信じないよりもね、君の御両親とお兄さん。娘、そして妹の罪を死んで詫びると遺書を残してたよ」
「残してた…って‥‥どういう…」
取調官はインクが水なのか、涙なのかで滲んで半分以上読み取れない書面を差し出してきた。
オデットには一目見てその文字が家族の誰のものでもない事を悟った。
「これは両親の字でも兄の字でもありません!商会で経理をしていたから文字の突合せは出来るはずです!」
「そうは言ってもね。雇った覚えがあるという商会がないんだから照らし合わせる事なんて出来ないんだよ」
「ちゃんと調べてください!私が宮に行ったのは!!夫に頼まれたからです!その時既に散財はしてたんです」
「困ったね。罪を認めたくないのは解る。ヴァルス氏からも君に虚言癖があると聞いているし、こんなことは言いたくないんだが、君が隣国から嫁いで何も知らない妃殿下を唆したおかげで市井では暴動騒ぎもあるんだ。君の夫は事情があったとはいえ、散財した金の一部を私財を放出して弁済もしているんだ」
「知りません!私は何もしてません!ホントに…ホントに何も…」
突然降りかかった災いにオデットは自身の潔白を叫ぶのだが、誰も聞き入れてはくれなかった。
「認めれば楽になれる」
「してない事を認める事なんてできませんっ」
「ちょっと休もうか」
口調が変わった取調官を顔を上げて見上げると、取調官は書記官などを退室させた。
何だろうとただ取調官を見たオデットに取調官は静かに告げた。
「これは独り言だ」
「・・・・??」
「私は君は利用されただけと考えている。しかし為政者と言うのは時に民の心を鎮めるために罪を作り上げる。妃殿下の散財は今は王太子殿下、当時は第1王子殿下に婚約の話が来た時から解っていた。隣国は金食い虫を押し付けたのさ」
「じゃぁ…私の言うことを信じてくださるんですよね」
「信じるよ。ただそれは私、個人としてなんだ。さっきも言ったろう?君の罪はもう確定している。誰も覆す事は出来ない。為政者は決めたんだよ。民の目を逸らさねばならない。その為に君を裁くとね」
「そんな‥‥」
「誰だって命は惜しいのさ。自分が罪から逃れるために変わりに処罰される者の苦しみなんて感じる事もないからね。君は選ばれてしまったんだ。運がなかったと思って諦めるしかない」
「ははっ…あはは…もう‥こんな国、滅んじゃえばいいのに…」
「そう思うよな。過去にも第1王子の罪を被った者は同じことを言っていたよ。せめて第3王子でも居てくれれば良かったんだがな」
取調官の言葉は慰めにもならなかった。
何をどう言ってもオデットの冤罪は覆る事はない。そう言われているのだから。
小雨の降る日、オデットの処刑は執行された。
空を見上げたオデットは「自分の代わりに空が泣いてくれている」と思った。
ふと周囲を視界に入れると、神妙な面持ちの王太子と面倒くさそうな顔をした王太子妃、そしてそんな王太子妃を愛し気に見つめるヴァルスの姿があった。
――あぁ。神様。もし、私を憐れと思うのなら、もう一度生まれ変わる事を許してくれるなら次の人生は全うさせてください――
民衆の大歓声の中、オデットの命の火が消える最期の時までヴァルスがオデットに視線を向ける事はなかった。
★~★
「‥‥ット!!…デット!!」
――五月蝿いなぁ。もう静かにしてよ――
「オデット!何時まで寝てるの!早く!支度しなきゃ間に合わないわよ!」
どうして母、ヴィヴァーチェの声がするのだろう。
あぁ、天国でも寝具って使って寝るんだな。
死んでも起きる時って眠いなぁって思うんだわ。
そんな事を思いながらゆっくりと上半身を起こすと、見慣れた部屋の光景が目に入ってきた。
――天国でも自分の部屋そっくりの部屋があるのね――
手元を見れば継ぎ接ぎだらけのシーツで掛布を覆っているのが見える。
天国でならもっとこう…フワッフワの寝具とか出来ないものか。それに部屋もガーっと豪奢な造りにしとけばいいのに。
寝ぼけまなこでボーっと部屋を見ているようで見ていないようで。そんなオデットに勢いよく扉が開いたと思ったら母がユッサユッサとオデットの体を揺らした。
「早く起きなさい!今日はデヴュタントの日でしょう!!」
「え?終わったけど?」
「馬鹿な事言ってないで。早く顔を洗ってきなさい」
ヴィヴァーチェに急かされて「天国でも井戸の水って冷たいんだな」と思い、勝手知ったる食事室に行くと父がいて、母がハンガーからドレスを抜き言った。
「良かったわね。間に合ってホッとしたわ」
――え?どこかで聞いたような――
オデットは既に一度経験をしているような言葉に戸惑った。
「会わせてください!」
「会わせてやるにはまだ時期が早い」
「家族が会うのに時期なんか関係ないでしょう!」
外出できるのは王太子妃フロリアの元に行く時だけで、衣食住は与えられてもそこに自由はなかった。
自死してしまおうか。そう考えた事もあったが両親や兄だけはこんな境遇の事は知らされずに穏やかに暮らしているのなら耐えよう。
ヴァルスに書斎で告げられた数日後、フロリアから王太子を介してヴァルスに苦情が来た。
我慢が出来ず、ついフロリアに言ってしまったのだ。
「そのドレス1着で何人の民が、何日飢える事を忘れて暮らせると思いますか」と。
その時はヴァルスに「身の程を弁えろ」と立てなくなるまで殴られた。
手足の骨が砕けたかと思ったが、人間の体は意外に丈夫に出来ているからか、それともヴァルスがどこをどれくらいの力で痛めつければ効果的かを知っているからか。
「もう妃殿下の元には行きたくない」
そう言えば今度は食事が無くなった。飲み食いを禁じられて、フラフラになってもフロリアの元に引っ張って行かれてしまう。
オデットは笑う事が出来なくなった。
するとまた苦情が王太子を介してきてしまった。
【ムスっとしたままで一緒の部屋にいると気分が悪くなる】と。
――何時まで耐えればいいのかな――
終わりの見えない絶望にオデットは部屋に1人でいる時も泣く事すら出来なくなった。
だが、始まりがあれば終わりもある。
いつものようにフロリアの元に出かける準備をしていると数人の兵士と共にヴァルスがやってきた。
「なんでしょう?今から出かけるのですが…なっ!なにをされるのです?」
突然兵士はオデットの手を捩じりあげて後ろ手にすると縄をかけた。
ヴァルスの前に跪かされて頭を強い力で押し付けられた。
「私の妻、そして過去に遡れば婚約者である立場を利用し、妃殿下に対しありもしない国の理を説き、惑わせた罪は重い」
「何のことです?!」
「既に調べは付いている。王太子妃に対しての所業は許されるものではない。私もお前のその仮面にはすっかり騙された。おかげで私財も全て失ってしまった」
「待ってください!だから何のことなのです?!」
その場ではそれ以上ヴァルスからの言葉は聞けなかった。
取調べは、取調官が問うたことに「はい」と認めるまでは執拗に同じ質問が繰り返され、取調官は交代をするのにオデットは休ませても貰えず、実に3日間尋問が続いた。
「私が妃殿下を唆し散財させたと言うんですか?違います!私が初めて宮に行った時は既に劇団や詩人がいましたし、仕立て屋だっていたんです!」
「そうしろとお前から文書で伝えられていたと妃殿下は申されているが?」
「してません!私!満足に文字も書けないから使用人の方に文字を習いたいと言った事もあるんです。文書で伝えたなんて嘘です!」
「伯爵夫人で文字が書けないなんてあり得ない話だ。そもそもでこの婚約も妃殿下を洗脳し、上手く取り入ったところでガッティネ公爵家に話をしろと言ったそうじゃないか」
「してません!たかが子爵家の娘がそんなっ!出来る訳ないじゃないですか!」
「だが、実際にヴァルス氏とは婚姻関係にある。ヴァルス氏も妃殿下たっての頼みで断れなかったと言っている。当時の妃殿下は君にかなり傾倒していたようだからな。それに…婚約中も妃殿下の宮で妃殿下の行いを君が監視していたと出入りの商人から証言もあるんだ」
「それは話し相手になってくれと頼まれたからです!自分からじゃありません。信じてください!」
「信じる、信じないよりもね、君の御両親とお兄さん。娘、そして妹の罪を死んで詫びると遺書を残してたよ」
「残してた…って‥‥どういう…」
取調官はインクが水なのか、涙なのかで滲んで半分以上読み取れない書面を差し出してきた。
オデットには一目見てその文字が家族の誰のものでもない事を悟った。
「これは両親の字でも兄の字でもありません!商会で経理をしていたから文字の突合せは出来るはずです!」
「そうは言ってもね。雇った覚えがあるという商会がないんだから照らし合わせる事なんて出来ないんだよ」
「ちゃんと調べてください!私が宮に行ったのは!!夫に頼まれたからです!その時既に散財はしてたんです」
「困ったね。罪を認めたくないのは解る。ヴァルス氏からも君に虚言癖があると聞いているし、こんなことは言いたくないんだが、君が隣国から嫁いで何も知らない妃殿下を唆したおかげで市井では暴動騒ぎもあるんだ。君の夫は事情があったとはいえ、散財した金の一部を私財を放出して弁済もしているんだ」
「知りません!私は何もしてません!ホントに…ホントに何も…」
突然降りかかった災いにオデットは自身の潔白を叫ぶのだが、誰も聞き入れてはくれなかった。
「認めれば楽になれる」
「してない事を認める事なんてできませんっ」
「ちょっと休もうか」
口調が変わった取調官を顔を上げて見上げると、取調官は書記官などを退室させた。
何だろうとただ取調官を見たオデットに取調官は静かに告げた。
「これは独り言だ」
「・・・・??」
「私は君は利用されただけと考えている。しかし為政者と言うのは時に民の心を鎮めるために罪を作り上げる。妃殿下の散財は今は王太子殿下、当時は第1王子殿下に婚約の話が来た時から解っていた。隣国は金食い虫を押し付けたのさ」
「じゃぁ…私の言うことを信じてくださるんですよね」
「信じるよ。ただそれは私、個人としてなんだ。さっきも言ったろう?君の罪はもう確定している。誰も覆す事は出来ない。為政者は決めたんだよ。民の目を逸らさねばならない。その為に君を裁くとね」
「そんな‥‥」
「誰だって命は惜しいのさ。自分が罪から逃れるために変わりに処罰される者の苦しみなんて感じる事もないからね。君は選ばれてしまったんだ。運がなかったと思って諦めるしかない」
「ははっ…あはは…もう‥こんな国、滅んじゃえばいいのに…」
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小雨の降る日、オデットの処刑は執行された。
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――あぁ。神様。もし、私を憐れと思うのなら、もう一度生まれ変わる事を許してくれるなら次の人生は全うさせてください――
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★~★
「‥‥ット!!…デット!!」
――五月蝿いなぁ。もう静かにしてよ――
「オデット!何時まで寝てるの!早く!支度しなきゃ間に合わないわよ!」
どうして母、ヴィヴァーチェの声がするのだろう。
あぁ、天国でも寝具って使って寝るんだな。
死んでも起きる時って眠いなぁって思うんだわ。
そんな事を思いながらゆっくりと上半身を起こすと、見慣れた部屋の光景が目に入ってきた。
――天国でも自分の部屋そっくりの部屋があるのね――
手元を見れば継ぎ接ぎだらけのシーツで掛布を覆っているのが見える。
天国でならもっとこう…フワッフワの寝具とか出来ないものか。それに部屋もガーっと豪奢な造りにしとけばいいのに。
寝ぼけまなこでボーっと部屋を見ているようで見ていないようで。そんなオデットに勢いよく扉が開いたと思ったら母がユッサユッサとオデットの体を揺らした。
「早く起きなさい!今日はデヴュタントの日でしょう!!」
「え?終わったけど?」
「馬鹿な事言ってないで。早く顔を洗ってきなさい」
ヴィヴァーチェに急かされて「天国でも井戸の水って冷たいんだな」と思い、勝手知ったる食事室に行くと父がいて、母がハンガーからドレスを抜き言った。
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