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ラスト閑話 カタタン領は今日も騒がしい
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カタタン領は石灰の切り出して数年前よりも人口が爆発的に増えた。
多くの領民を管轄するのはあくまでもカタタン伯爵。
アリステラとガスパルは所謂居候。
居候でも屋号のない商会の会頭でもあるアリステラの元には業種も様々な商人が訪れる。
「お試しで良いんです。1カ月間無料で貸し出しますので使ってみてくれませんか」
「それは構いませんが…」
根本的な問題があるとアリステラは言いたかったが、便利な機能にコンフィーが食いついてしまった。気を良くした商人はカバンからごそごそと5台の不思議な品物を取り出してテーブルに並べた。
「これはなんですの?」
「こちらはですね。我が商会イチオシの商品でその名もずばり!」
<< ズバリ?! >>
「携帯電話と申しますッ」
背中に”ジャジャーン”と吹き出しを背負うように商人は鼻の穴をフンフンと膨らませながら商品名を告げた。
「こちらはですね、離れた所にいても会話が出来るんです。今のところ1対1つまり1人としか会話は出来ませんが、ゆくゆくは複数の人間が同時に会話を出来る機能をつける予定です」
「へぇ。離れていても?どのくらいの距離かしら。例えば隣の部屋?」
「いえいえ、そんな近距離では御座いません。距離で言えば現在一番長距離の通話記録は800km」
<< 800kmッ?! >>
間違いなく顔の見える距離ではないし、「ヤッホー」と大声で叫んでも聞こえるような距離でもない。アリステラとコンフィー、そしてプレサーブスはそれぞれ1台を手に取って見た。
――見た目は小さいのに重たいのね――
手のひらからははみ出ているし、結構ずっしりとした重さがある。
が、番号の部分の上の透明な部分はなんだろう。アリステラは指で押したが変化がない。
「あ、その部分は液晶なんです。今、それぞれが1台お持ちですよね?それぞれに番号が御座いまして、話をしたい人の番号をピッピポピと押します。するとこの番号で間違いないですか~って感じで出るんですよ。逆に他の方がその操作をした時は‥‥なんと!なんとですよ?!」
<< なんと?! >>
「着メロでお知らせする機能を搭載しております!!」
またもや背中に吹き出しがあれば”どやぁ!”と商人は鼻をフンフンさせている。
「着メロとは何ですの?」
「よくぞ聞いて頂けました!例えばですね、通常はプルルル~なんですけども、ご自身で入力頂くと音楽のサビの部分などが呼び出し音として流れるんですよ」
「じゃ、じゃぁ、ヤン●・マー坊天気予報!なんかも?!」
「えぇ、モチのロン!この木何の木も燃える男の●いトラクターもイケます!」
食いつくコンフィー。年に3回巡業で回って来るヤン●・マー坊劇団が大好きなのだ。だがアリステラはまだ疑問があった。
「この手紙のようなマークは何ですの?」
「そちらはメールで御座います」
<< メール?! >>
「言葉ではなく文字で伝えたい。そんな時にメールを送れるんです。ただですね。新しいメール、誰か送って来てるかな?と言う時はサーバーに繋いで頂いて、新着メールがあるかを確認頂かねばなりません」
「確認しないとどうなるんです?」
「残念ですが読まれないままになってしまいます。その時はこちらの通話ボタンを押して頂き、よく通話をされる方は登録も出来ますので、通話をして頂いてメールを送ったと言って頂ければ」
――その通話で話したほうが早いんじゃないの?――
ニコニコとした商人は手ごたえを感じているのだろう。
余っている2台のうち1台を手に取ると「電源ボタンを長押ししてください」とアリステラ達に「ここです」と教えながら説明を始めた。
「電源、入りましたね?ね?この機種!実はもっと凄い機能があるんです」
「もっと凄い機能?」
「えぇ。午後の天気、明日の天気、王都の天気、最新のニュースなどを直ぐに知る事が出来ます」
「まぁ!それは便利ね」
「その機能の名前がですね。なんと!なんと!」
<< なんと?! >>
「i-m●de と申します!さぁ画面に表示されていますね。▲▼をピッピと押して真ん中の丸いボタンを押してみてください!」
全員が言われた通りにやってみるのだが‥‥変化がない。
「あれ?おかしいな‥‥あ!オプションのアンテナだ!」
商人はごそごそとカバンの中を探る。
コロンと落ちるストラップ。
隣国の王都では携帯電話にストラップを少なくとも30個以上装着させるのがトレンドだと言う。人によってはストラップの重量だけで3キロ超え。もはや会話は筋トレに近い。
商人が携帯電話に装着するアンテナという細い棒をカバンから取り出した。頂部に何か筒のようなものが付いている。通話中などに赤や緑のランプが点灯するのだと言う。
しかしアンテナを携帯電話に取り付けて、再度 i-m●de に接続を試みるがやはり変化がない。
「おかしいな…電波を拾うはずなんだが…」
商人はピコッと伸びたアンテナの付いた携帯電話をあちこちにかざす。頭の上にも、窓際にも行って振ったりもしてみるが変化がない。
そうこうしているうちにコンフィーの携帯電話の画面がブラックアウト。
「えっ?!消えちゃった‥‥なんで?プレサーブスさんのは表示されてるのに!」
「あぁ、電池がなくなったんです。大丈夫。充電をすれば使えます。試しに充電もやってみましょう。えぇっと…コンセントはどちらに?」
<< コンセント?! >>
初耳のワードである。3人が驚いていると商人は国によって言い方が違うのだともう一度別の名前を口にした。
「アウトレットです。ほら、差込口は2つ縦の小さな棒状の穴があるやつです。左右の長さが若干違いますが基本的に差し込む向きは気にしなくていいですよ。どちらに?」
どちらも何も、そもそもでカカタン領に「コンセント」も「アウトレット」も屋内外問わず見た事がある者はいないだろう。
そしてやっと商人は気が付いた。
携帯電話の電波を拾うのに部屋のあちこちにかざしていたが、この部屋には「照明器具」がない事に。
商人は恐る恐る「まさか」と思いながらアリステラに問う。
「あの…この辺りに電気・・・と言いますか、電柱とか?あります?」
「あるかないか。その前に電気とは何ですの?」
ビクッと商人の肩が震えた。四方を幾つかの1枚岩に囲まれたカタタン領。電気も電波も無縁の地。カタタン領で携帯電話が使えるはずが無かった。
「申し訳ございません。勘違いをしておりまして、こちらはエリア外で御座いました」
「エリア外?エリ〇88でしたら全巻揃っておりますが」
ヒクっとする商人。
ブラック●ャックと同じく右目側が前髪で隠れているが髪の流れ方向が違う主人公風●真。
まさか電気も電波も無いカタタン領でその名を聞くとは!
驚きもさることながら、売込に来た商品が「使えねぇナァ!」状態である事を誤魔化すしかない!商人は捨て身の作戦に出た。
「えぇ~ぃ!踊ってしまえ~」
が!失敗だった。
商人が披露したのはファミリーが同じなだけのムーン・ウォーク!
――くっ!こんな所で涙のtake ● chanceッてしまった!――
窮地に陥った商人。アリステラ達のジト目が突き刺さり居た堪れない。
その時、ガチャリと扉が開き、主の夫であるガスパルが部屋にやってきた。
「あ、携帯っすね…」
ぱぁぁ!っと商人の顔が明るくなる。きっとこの夫は「単身赴任」でこの領ではない場所に勤めているんだろう!勝手な想像をしてしまった。
早速気を取り直しガスパルに売り込みを始めた。
が…ガスパルは強者だった。
「幾らですか?」
「えぇっと‥今はキャンペーン中なので機種代が無料なんです。で、毎月の契約のお支払いは加入料金が3万、保証金が1万、後はどれくらい通話されるかなんですけども、おおよそで15万前後かと。あ、翌月からは加入料金や保証金は必要御座いませんが」
「うーん‥それならピッチのほうが安いしもうすぐF●MA――」
「アァーッ!!それでしたら勉強させて頂きます!加入料金の3万と保証金の1万はこちらで負担を致しますよ」
もうすぐ発売になる新機種F●MA。
知っているとは侮れない!
まさか間もなく保証料も加入金も要らなくなる事を知っているのか?!
商人はガスパルに少し警戒心を抱いた。
ガスパルはアリステラを見てウィンクを一つ。
突然両手の手のひらを軽く握って、ぶりっこのように顎の下につけると・・・。
「社長~♡もう少し安くなりませぇ~ん?」
ドリーム芝居ならぬ、ドリームグループの通販レディになり切ってしまった。
商人の警戒心が一気に吹き飛んだ。
「で、でしたら‥‥(ぼそっ)機種代3万で!」
「わぁ♡安ぅい。でも社長~♡あそこに置いてある商品も欲し~い」
「あ、あれは・・・ポータブル・デーブイデーでして…6890・・・」
「社長~これならお料理しながらでも、お出掛け中でも便利ぃ~♡でも…お高いわぁ」
「わ、判りました‥‥(ぼそっ)2980で!」
「安ぅい♡社長ありがとぉ~♡」
「では、お買い上げ・・・?」
ガスパルは先ほどまでのぶりっこを解除すると男らしい声で言い放った。
「電気もねぇ、ガスもねぇ、喫茶もねぇ、まさにカラオケはあってもかける機械を見た事ねぇな地だ。携帯もデーブイデーも必要がない。本物の社長ならいざ知らず、貴様が売るのは夢ではない!パチモンを売りつけるにしても本家の夢を見習え!その上で電気が通ったらもう一度来てくれ。再考してやってもいい」
「で、ですよねー」
商人は携帯電話をカバンに入れるとついでに売り込もうとしたデーブイデーも取っ手を握り屋敷から帰って行った。
カタタン領。
居候でも屋号のない商会の会頭でもあるアリステラの元には業種も様々な商人が訪れる。
きっと明日も来るだろう。くる~きっとくる~。
Fin
☆~☆
これでホントにおしまいです<(_ _)>
長い話にお付き合い頂きありがとうございました。<(_ _)>
多くの領民を管轄するのはあくまでもカタタン伯爵。
アリステラとガスパルは所謂居候。
居候でも屋号のない商会の会頭でもあるアリステラの元には業種も様々な商人が訪れる。
「お試しで良いんです。1カ月間無料で貸し出しますので使ってみてくれませんか」
「それは構いませんが…」
根本的な問題があるとアリステラは言いたかったが、便利な機能にコンフィーが食いついてしまった。気を良くした商人はカバンからごそごそと5台の不思議な品物を取り出してテーブルに並べた。
「これはなんですの?」
「こちらはですね。我が商会イチオシの商品でその名もずばり!」
<< ズバリ?! >>
「携帯電話と申しますッ」
背中に”ジャジャーン”と吹き出しを背負うように商人は鼻の穴をフンフンと膨らませながら商品名を告げた。
「こちらはですね、離れた所にいても会話が出来るんです。今のところ1対1つまり1人としか会話は出来ませんが、ゆくゆくは複数の人間が同時に会話を出来る機能をつける予定です」
「へぇ。離れていても?どのくらいの距離かしら。例えば隣の部屋?」
「いえいえ、そんな近距離では御座いません。距離で言えば現在一番長距離の通話記録は800km」
<< 800kmッ?! >>
間違いなく顔の見える距離ではないし、「ヤッホー」と大声で叫んでも聞こえるような距離でもない。アリステラとコンフィー、そしてプレサーブスはそれぞれ1台を手に取って見た。
――見た目は小さいのに重たいのね――
手のひらからははみ出ているし、結構ずっしりとした重さがある。
が、番号の部分の上の透明な部分はなんだろう。アリステラは指で押したが変化がない。
「あ、その部分は液晶なんです。今、それぞれが1台お持ちですよね?それぞれに番号が御座いまして、話をしたい人の番号をピッピポピと押します。するとこの番号で間違いないですか~って感じで出るんですよ。逆に他の方がその操作をした時は‥‥なんと!なんとですよ?!」
<< なんと?! >>
「着メロでお知らせする機能を搭載しております!!」
またもや背中に吹き出しがあれば”どやぁ!”と商人は鼻をフンフンさせている。
「着メロとは何ですの?」
「よくぞ聞いて頂けました!例えばですね、通常はプルルル~なんですけども、ご自身で入力頂くと音楽のサビの部分などが呼び出し音として流れるんですよ」
「じゃ、じゃぁ、ヤン●・マー坊天気予報!なんかも?!」
「えぇ、モチのロン!この木何の木も燃える男の●いトラクターもイケます!」
食いつくコンフィー。年に3回巡業で回って来るヤン●・マー坊劇団が大好きなのだ。だがアリステラはまだ疑問があった。
「この手紙のようなマークは何ですの?」
「そちらはメールで御座います」
<< メール?! >>
「言葉ではなく文字で伝えたい。そんな時にメールを送れるんです。ただですね。新しいメール、誰か送って来てるかな?と言う時はサーバーに繋いで頂いて、新着メールがあるかを確認頂かねばなりません」
「確認しないとどうなるんです?」
「残念ですが読まれないままになってしまいます。その時はこちらの通話ボタンを押して頂き、よく通話をされる方は登録も出来ますので、通話をして頂いてメールを送ったと言って頂ければ」
――その通話で話したほうが早いんじゃないの?――
ニコニコとした商人は手ごたえを感じているのだろう。
余っている2台のうち1台を手に取ると「電源ボタンを長押ししてください」とアリステラ達に「ここです」と教えながら説明を始めた。
「電源、入りましたね?ね?この機種!実はもっと凄い機能があるんです」
「もっと凄い機能?」
「えぇ。午後の天気、明日の天気、王都の天気、最新のニュースなどを直ぐに知る事が出来ます」
「まぁ!それは便利ね」
「その機能の名前がですね。なんと!なんと!」
<< なんと?! >>
「i-m●de と申します!さぁ画面に表示されていますね。▲▼をピッピと押して真ん中の丸いボタンを押してみてください!」
全員が言われた通りにやってみるのだが‥‥変化がない。
「あれ?おかしいな‥‥あ!オプションのアンテナだ!」
商人はごそごそとカバンの中を探る。
コロンと落ちるストラップ。
隣国の王都では携帯電話にストラップを少なくとも30個以上装着させるのがトレンドだと言う。人によってはストラップの重量だけで3キロ超え。もはや会話は筋トレに近い。
商人が携帯電話に装着するアンテナという細い棒をカバンから取り出した。頂部に何か筒のようなものが付いている。通話中などに赤や緑のランプが点灯するのだと言う。
しかしアンテナを携帯電話に取り付けて、再度 i-m●de に接続を試みるがやはり変化がない。
「おかしいな…電波を拾うはずなんだが…」
商人はピコッと伸びたアンテナの付いた携帯電話をあちこちにかざす。頭の上にも、窓際にも行って振ったりもしてみるが変化がない。
そうこうしているうちにコンフィーの携帯電話の画面がブラックアウト。
「えっ?!消えちゃった‥‥なんで?プレサーブスさんのは表示されてるのに!」
「あぁ、電池がなくなったんです。大丈夫。充電をすれば使えます。試しに充電もやってみましょう。えぇっと…コンセントはどちらに?」
<< コンセント?! >>
初耳のワードである。3人が驚いていると商人は国によって言い方が違うのだともう一度別の名前を口にした。
「アウトレットです。ほら、差込口は2つ縦の小さな棒状の穴があるやつです。左右の長さが若干違いますが基本的に差し込む向きは気にしなくていいですよ。どちらに?」
どちらも何も、そもそもでカカタン領に「コンセント」も「アウトレット」も屋内外問わず見た事がある者はいないだろう。
そしてやっと商人は気が付いた。
携帯電話の電波を拾うのに部屋のあちこちにかざしていたが、この部屋には「照明器具」がない事に。
商人は恐る恐る「まさか」と思いながらアリステラに問う。
「あの…この辺りに電気・・・と言いますか、電柱とか?あります?」
「あるかないか。その前に電気とは何ですの?」
ビクッと商人の肩が震えた。四方を幾つかの1枚岩に囲まれたカタタン領。電気も電波も無縁の地。カタタン領で携帯電話が使えるはずが無かった。
「申し訳ございません。勘違いをしておりまして、こちらはエリア外で御座いました」
「エリア外?エリ〇88でしたら全巻揃っておりますが」
ヒクっとする商人。
ブラック●ャックと同じく右目側が前髪で隠れているが髪の流れ方向が違う主人公風●真。
まさか電気も電波も無いカタタン領でその名を聞くとは!
驚きもさることながら、売込に来た商品が「使えねぇナァ!」状態である事を誤魔化すしかない!商人は捨て身の作戦に出た。
「えぇ~ぃ!踊ってしまえ~」
が!失敗だった。
商人が披露したのはファミリーが同じなだけのムーン・ウォーク!
――くっ!こんな所で涙のtake ● chanceッてしまった!――
窮地に陥った商人。アリステラ達のジト目が突き刺さり居た堪れない。
その時、ガチャリと扉が開き、主の夫であるガスパルが部屋にやってきた。
「あ、携帯っすね…」
ぱぁぁ!っと商人の顔が明るくなる。きっとこの夫は「単身赴任」でこの領ではない場所に勤めているんだろう!勝手な想像をしてしまった。
早速気を取り直しガスパルに売り込みを始めた。
が…ガスパルは強者だった。
「幾らですか?」
「えぇっと‥今はキャンペーン中なので機種代が無料なんです。で、毎月の契約のお支払いは加入料金が3万、保証金が1万、後はどれくらい通話されるかなんですけども、おおよそで15万前後かと。あ、翌月からは加入料金や保証金は必要御座いませんが」
「うーん‥それならピッチのほうが安いしもうすぐF●MA――」
「アァーッ!!それでしたら勉強させて頂きます!加入料金の3万と保証金の1万はこちらで負担を致しますよ」
もうすぐ発売になる新機種F●MA。
知っているとは侮れない!
まさか間もなく保証料も加入金も要らなくなる事を知っているのか?!
商人はガスパルに少し警戒心を抱いた。
ガスパルはアリステラを見てウィンクを一つ。
突然両手の手のひらを軽く握って、ぶりっこのように顎の下につけると・・・。
「社長~♡もう少し安くなりませぇ~ん?」
ドリーム芝居ならぬ、ドリームグループの通販レディになり切ってしまった。
商人の警戒心が一気に吹き飛んだ。
「で、でしたら‥‥(ぼそっ)機種代3万で!」
「わぁ♡安ぅい。でも社長~♡あそこに置いてある商品も欲し~い」
「あ、あれは・・・ポータブル・デーブイデーでして…6890・・・」
「社長~これならお料理しながらでも、お出掛け中でも便利ぃ~♡でも…お高いわぁ」
「わ、判りました‥‥(ぼそっ)2980で!」
「安ぅい♡社長ありがとぉ~♡」
「では、お買い上げ・・・?」
ガスパルは先ほどまでのぶりっこを解除すると男らしい声で言い放った。
「電気もねぇ、ガスもねぇ、喫茶もねぇ、まさにカラオケはあってもかける機械を見た事ねぇな地だ。携帯もデーブイデーも必要がない。本物の社長ならいざ知らず、貴様が売るのは夢ではない!パチモンを売りつけるにしても本家の夢を見習え!その上で電気が通ったらもう一度来てくれ。再考してやってもいい」
「で、ですよねー」
商人は携帯電話をカバンに入れるとついでに売り込もうとしたデーブイデーも取っ手を握り屋敷から帰って行った。
カタタン領。
居候でも屋号のない商会の会頭でもあるアリステラの元には業種も様々な商人が訪れる。
きっと明日も来るだろう。くる~きっとくる~。
Fin
☆~☆
これでホントにおしまいです<(_ _)>
長い話にお付き合い頂きありがとうございました。<(_ _)>
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らんば●るが享年38歳って
驚きましたよね。
コメントありがとうございます。<(_ _)>
驚きですよねぇ…あの風格で30代というのも驚きで御座いますよ。
どう見ても60代…老け顔の選手権があればおそらく優勝だと思います(笑)
ギレン・ザ●が30代はまだ解るんですけど(;^_^A
ヤマ●の沖●艦長が54歳(52歳説もあり??)はギリギリそうかなぁと思うけど、古●とか訓練学校出たばかりなので18歳。。。なのにあんな大型戦艦の操縦しちゃう●航海長とか、波動砲を撃つのを任せて貰える古●…エリート過ぎ(笑)
まぁ‥個人的にはね、マク●スのマクシミ●アンが16歳ってのもすげぇな!!でございますよ(笑)
大人のお姉さんに憧れるのは聞くけど、大人を大きい人と読むのか?!なんて下世話な事を思っちゃったり(;^_^A
さらに!!ヤッター●ンのア●ちゃん…12歳って!!12歳って!!
ガ●ちゃんの13歳にも驚きますけど成長しすぎだろ!!(爆)
楽しんで頂けて良かったです。
ラストまでお付き合いいただきありがとうございました<(_ _)>
おもしろかったー
コメントありがとうございます。<(_ _)>
他の話に続きこちらも読んで頂きありがとうございます(*´▽`*)
面白かったと言って頂けてとても嬉しいです(*^-^*)
ラストまでお付き合いいただきありがとうございました<(_ _)>
頭御花畑ヒロイン、またヒドインは何故か癇癪持ちが多いですね~(笑)堪え性の無い、幼児的な部分が抜けないのが特徴かと存じます。ぐふふ…
コメントありがとうございます。<(_ _)>
そうだなぁ…多分可愛いとか持ち上げられてチヤホヤされることに慣れていると言いますか…。常にマウント取れると思い込んでいるところもあるから、上手くいかなくなると「キィィー!」ってなっちゃうのかも??
どうしても異性とかにモテると言いますか…囲まれるようになっちゃうとそうじゃない子とかを下に見たりしますしね(*^-^*)
そういうので「地味子」とかって言葉も周知されてるかな~と思うんですけども、ワシ的には注目を浴びない分、知られている部分も少ないので新しい発見とかあって男だったら好きになるかな(笑)
感覚的には・・・お花畑のヒロインとかは、感覚が広いようで公園にある回転遊具並みの半径しかないって感じかなぁ(-ω-;)ウーン
主役のヒロインは地図を広げ広げられるだけ広げたコンパスの描く円・・・かなり半径が変わっちゃうな(笑)
視野が狭いとどうしても知ってる範囲の知識に限られてしまうのでヒドインの幼稚さが顕著になっちゃう(笑)
誤字も沢山あったんですけども読んでくれてありがとうです♡
その上今回はいつもより文字数も多かった話なのに読んで頂き感謝。
ラストまでお付き合いいただきありがとうございました。<(_ _)>