王太子殿下の願いを叶えましょう

cyaru

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第35-2話  王太子殿下の願いを叶えましょう②☆最終話

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アンドレアスを急かし、バタバタと王妃らしくもなく廊下を小走り。
遅い朝食を済ませたルシアーノとすれ違った。

向かっているのが謁見の間だと言う事はルシアーノにも判る事。

――まさか、どこかの王族に先に知らせるつもりなのか――

アンドレアスが正式に王太子に任命されるまでは日がある事にルシアーノは最後のチャンスだと王妃とアンドレアスの後を追った。


「お待たせいたしました。遅れてしまい申し――」

アンドレアスと共にやってきた王妃はアリステラを見て動きが止まった。

「母上、どうされたのです?」

アンドレアスは王妃を見上げた。そして王妃の視線の先にいたアリステラを見て「アリー姉様!」と声をあげ、駆け寄ってきた。

「殿下、マナーをお忘れでは御座いませんか?」
「だって、デヴュタントもまだなんだ!いいだろ?」
「いいえ。何歳であろうと殿下は殿下。それにアリーと呼ぶのは私的な時とお約束したはずです」
「はぁい」

王妃は目を疑った。まさかアンドレアスとアリステラがこんな話をするほどの仲だとは思ってもみなかった。

「これは王妃殿下。謁見をしてくださるとの事でしたが…案内係に刺客とは。これはどうした事だと思いまして謁見の間に伺った次第にございます」

「謁見?聞いていないぞ?それに刺客と?!この城内でのことか!?」

アリステラの言葉に国王はアリステラと王妃を交互に見て「本当か?」と王妃を問いただした。王妃の顔色が悪くなったのは一瞬。直ぐに取り繕うようにを演じ始めた。


「へ、陛下!この者を捕らえてくださいませ!」
「何故だ?どうしてゴードマン公爵令嬢を捕らえねばならない?」
「調べたのです。この者は城の牢獄から罪人を脱獄させたのです。それだけではありません。近頃商会を立ち上げたようで御座いますが、元となる石灰はこの国の資産。国土を切り売りしているので御座います。その罪人は機密を盗み出すために送り込んだのですわ!」
「脱獄だと?」


国王がアリステラに「真実を述べよ」と告げる。
アリステラは「馬鹿馬鹿しい」とガスパルにだけ聞こえる呟きを漏らした。


「真実とは人の数だけ御座います。わたくしの知る真実は1つのみ。王妃殿下の仰ることに言明するならば冤罪で御座います」

「では聞くが、真実でないとすれば何があると言うのだ」

「事実です。この場で述べてよいなら申しあげますが、まだデヴュタントも済ませていない殿下の前です。それでも良いなら申し上げます」

むぅと考えた国王はアンドレアスと目を合わせ、アンドレアスを別室に控えさせるとして従者に命じた。不安げに瞳を揺らしたアンドレアスが謁見の間から出ていくと、国王は「申してみよ」とアリステラに命じた。


「先ず、自国の石灰を切り売りと申されましたが、それはおかしな話。王妃殿下のご実家は海産物を売る店の許可を隣国に出して居ります。品が違うだけで理屈は同じでございましょう?」

「うむ、確かにな。隣国の方が近いと言う利便性もあるし売買する際の為替のレートもある。しかし一切の納税をしないとなればそれも問題ではないか?」

「陛下の仰ることは判ります。ですが…そもそもで自国の石灰と言われましても国境線が引かれているのは地図の上。大地には引かれでおらず、何を持って自国と仰るのか理解に苦しみます」

「そ、それは・・・ですが!魚は獲ってもいなくなる事はありませんが、山は削れば無くなるのです!国防の問題も御座いますわ」


王妃の言葉にはカタタン領と国境を接する国の第1王子が口を挟んだ。


「それは我が国が武力にて攻めいると?我が国はかつてゴルド帝国に支配されていた時も共に手を取り合った仲。そのように考えられていたとは誠に遺憾だ」

「違うのです!そのような意味では御座いません!」

慌てて弁明をする王妃だったが、アリステラは構わず続けた。

「罪人を脱獄と申されましたが、そのような報告が騎士団から上がっているのでしょうか?」
「いや、知る限りでは上がっておらん」
「その上、機密を盗む?国家ですから大なり小なり機密はあるでしょうけれど、わたくしが登城しなくなりまだ1年も経っておりません。その間にどうやってわたくしががあると知る事が出来ましょう。また盗むとすればリスクも背負います。そのリスクを冒してまで平民のわたくしが得なければならない機密があったとは思えませんが」

「それもそうだ‥」
「そもそもで脱獄したという不名誉な記録も無い、つまり捕縛も収監も記録がない。なのに機密を盗んだ者と断言できるその根拠をお聞きしたいですわね」


全員が王妃の顔を見る。顔色を変えた王妃は勘違いだと言ったが、誰も信じる者はいない。
さらにアリステラは続けた。


「陛下、わたくし、本日は王妃殿下に謁見すると呼ばれましたの。ですがその途中、刺客に狙われました。事なきを得ましたが念の為、王妃殿下の執事を名乗っておりましたし、詳細を語ってくれるであろうと捕らえて御座います。ガスパル様、アレを」

ガスパルはポケットから鍵を取り出すと国王に手渡した。
国王もそのカギには見覚えがある。

封印をする為に敢えて壁に板を張り、そこに部屋があると判らないようにした拷問部屋。
刺客に、しかも王城内での出来事。国王はそのカギを王妃に投げつけた。

「納得のできる説明をしろ!」

王妃は答えられなかった。何も言わない王妃に国王の声が荒くなっていく。
そんな面倒な場にもう1人、面倒事を持ち込んだ者がいた。ルシアーノである。

「父上!この謁見お待ちく―――アリステラ!それにガスパル!!何故貴様らがここにいる!」

ルシアーノは大股で歩いてくるとガスパルを思い切り殴りつけた。
鼻血が出て、ガスパルは折れた歯をプッと手のひらに吐きだしポケットに仕舞った。

「親子で血気盛んですこと」

アリステラの言葉にルシアーノはアリステラに飛び掛かろうとしたが、ガスパルの拳がルシアーノの頬にめり込んだ。

ガダダダ!ガーン!横からの衝撃にルシアーノは吹っ飛び中央に飾られていた大きな花瓶をなぎ倒した。

「ルシアーノ。何をしているんだ!」

国王が壇上から降りてルシアーノに駆け寄る。
2国の王子は呆れ顔でアリステラに任せると手のひらを差し出し軽く横に滑らせた。


「陛下。謁見を始めてくださいませんか?王妃殿下に呼ばれたのですが陛下でも問題ございませんでしょう?」
「あ、あぁ…だが…」
「ルシアーノ殿下とこの先の国政。どちらが大事か考える必要が御座いまして?」

「なにを!貴様!僕と言う婚約者がありながら!ガスパル!貴様もだ!側近の身分を利用し王太子である僕の婚約者と密通していたとは!そんなお前が国政?笑わせるな!お前などいなくとも国は回る!黙ってみていろ!そうでしょう父上!」

「呆れた。わたくしとガスパル様が結婚をしたのはつい先日の事。それに貴方様の婚約者だったなんて事実は御座いません。そうそう、わたくしはただの平民に過ぎませんもの。国政など・・・差し出がましい事を申しましたわ」

「ちょっとばかり事業が上手く行ったと図に乗るなよ?お前の立ちあげた商会はこの無礼に対しての慰謝料として受け取ってやる」


してやったり!とルシアーノは得意げに言い切ったが、2国の王子が首を傾げた。


「それは我が国の商会を差し出せと?ルシアーノ殿は王太子殿下。その発言は国を代表してのものと考えて宜しいか?」


割って入った隣国の王子の言葉にルシアーノは国王の顔を見たが、目が合うと国王は俯き望む返事も、後押しもしてくれなかった。


「え?いや、この国の話でそちらとは何の関係も・・・」
「大ありですよ。ルシアーノ殿が仰っている商会は我が国の商会。先月国を出立した時点で大なり小なり屋号のない商会は我が国の6割に関係をしております。それを慰謝料と?国が傾きますし…王太子殿下の発言となればこれは外交問題いや、経済的な宣戦布告と受け取らせて頂くがよろしいな!」


表情を変えないアリステラはゆっくりとルシアーノに近寄った。
倒れたルシアーノとルシアーノを支える国王をアリステラは見下ろす。


「ちょっと口が滑っただけだ。本心じゃない。わかるだろ?」

「口が滑った?奈落の底まで滑り落ちている貴方らしいですわ。わたくし、ハムスターボールすら回せない貴方達に国が回せるとは考えておりません。ですが何と言っても王太子殿下のご命令、いえ、お願いですもの。今後も一切口を挟まず静観させて頂きますわ」


そしてアリステラは国王に視線を合わせた。


「陛下は国と王子どちらを取るかで即答されなかった。そんな国に肩入れするだけ無駄と言うもの。わたくしの手掛ける商会全てにこの国との取引は中止するよう申し伝えます。呼びつけておいて刺客を放つような国には未練も温情もかける情けも御座いません」

「待て、王妃の件とルシアーノの愚行は謝罪する!取引まで止められたら国は立ち行かぬ!」

「それがわたくしとどう関係が?陛下には弱き者には執務すら他者に丸投げし足繁く手厚い施しをするご子息がいらっしゃるではありませんか。国が傾こうが、立ち行かなくなろうがわたくしの知った事ではありません。わたくしに頼む前に順序を重んじるルシアーノ殿下にお願いするのが筋では御座いません?ねぇルシアーノ殿下?」

かつての言動全てがルシアーノに返ってきた。
しかし四面楚歌以上に追い詰められた状況で何も出来るはずが無いとルシアーノは言い返す。

「違うだろ!アリステラ!お前の方が金を持っているじゃないか!ノブレスオブリージュだ!」

「ノブレスオブリージュ?平民のわたくしが王族に施しをしろと?ご冗談でしょう。話にならないわね」


国王はルシアーノを早々に廃嫡にしなかった事が悔やまれてならない。
立ち去ろうとするアリステラを国王は呼び止めた。

「助けてくれないか?この通りだ!頼む!」

そう言いながらも国王は頭を下げる事はない。

「他人の不幸は蜜の味と申しますでしょう?天辺に上がれば、その上はなし。あるのは転がり落ちるだけだと言う事。静観させて頂きますので心置きなく、滑り落ち、最期はその首を存分に転がされませ」

「待ってくれ!国が危機なんだぞ!」

「お断りですわ。この国の事などどうでも。それより今は夫の怪我の方が心配ですの」


アリステラはガスパルと共に謁見の間を出ていった。

隣国の第1王子、また別の隣国第2王子は汚いものを見るような目で国王夫妻とルシアーノを見下ろした。

「国王、すまないが我々だけでなくこの国を囲む周辺4国、間もなく広がっていくだろうが貴国の国債は元本割れ承知で紙くずになる前に引き上げさせて頂く」

国王は返事が出来なかった。従者すら国を見限り去って行く。
2国の王子が帰った後、謁見の間には国王夫妻とルシアーノだけが残された。







国王はルシアーノを東の塔に幽閉をしたが、そこは塔の外へは出られないが従者もいて快適な生活を送れる場。王妃についても「人としてよくある事」と勘違いを責めてはならないと処分をしなかった。

この事に激怒した貴族達は王制の廃止を議会で可決したが国王は承認せずに差し戻しをした。

アリステラはその結果に予想通りとしながらもアンドレアスと2人の王女の身柄を預かってもらえないかと各国に働きかけ、アンドレアスと2人の王女は隣国の兵に護衛されながらその身を隣国に移した。


周辺4国の商会が取引を停止すると「なんとかなる」と最初は楽観視をしていたが、品薄になり商品の価格が高騰。国王は貨幣をばらまき、インフレが始まった。

ゴードマン公爵家を筆頭に民衆には王都から出て仕事のある領地に移住させるよう貴族が動き始めた。

流通がほぼ止まったのは謁見から半年後。
王都の食料は完全に底をつき、川に魚すら泳がないばかりか、道端に生えていた草も根から引き抜かれ王都は荒れ地が目立つようになった。王都に残っているのは破落戸ばかりで治安も悪くなった。


抜本的改革と称しアリステラの資産目当てに大増税を行われたがアリステラは資産のほとんどを隣国の商会預かりにしており、給金としては支払われておらず、完全に空振りに終わったかに見えたが、大増税は移住した多くの民衆を苦しめ、段々と民衆のフラストレーションを溜める結果になった。

国王は4つの隣国に対話を申し入れたが、各国の経済界が拒否。
カタタン領に何度も使者を送って来てアリステラに仲裁を頼んだ。
手渡された書簡は時に恫喝、時に泣き落とし、時に国への愛を説いていたが、アリステラはそれらを全て「雑」と書いたゴミ箱にいれ、一切返事をしなかった。

何度手紙を送っても返事を寄越さないアリステラに国王は勅令を出したがアリステラはそれも無視。窮地に陥った所に遂に民衆が暴徒化し遂に王城になだれ込んだ。
国王と王妃、ルシアーノは数少ない従者のうち年恰好が似ている者に手持ちの豪華な服を着せ、自分たちは農夫ような恰好で逃げ出したが、30分も歩く事が出来ずあっけなく捕まった。

アリステラを閉じ込めようとした地下牢に刑が確定するまで放り込まれたのだが、入り口を守る兵もいない王城。同胞にあわやを救出された間者が深夜入り口の扉に戸板を嵌め込んだ。入り口は壁となり、翌日には隣国の軍隊が治安整備に乗り出した事もあって3人はその存在すら忘れ去られた。


扉の内部では親子、そして夫婦の小競り合いが続いた。

「あなたが一番若くて力があるんだからやりなさい!」
「どうして僕だけが!母上も叩いてくださいよ!誰か気がつくかもしれない!」
「嫌よ。手が痛くなるじゃない。陛下、何をなさっているの?扉を叩いてくださいませ」
「そのうち誰かが気が付く。国王なんだぞ?放っておくわけがないだろう。探し始めたらここにいると知らせればいい」
「それもそうね。そのうち食事も持ってやってくるわ」
「そうだな。アリステラだって僕たちがいない事にはすぐ気が付くだろうし、追っ手をさし向けてきたら平民なんだ。王族の尊さを以て今度こそ従えさせてやる」

しかし、誰も彼らの存在は愚かそこに部屋がある事も気が付かない。
水を求めて地下に降りれば良いがそこは漆黒の闇。飢えと渇きが3人の体力を奪う。

扉の向こうに使用人はいない。王都そのものに民は僅かしかおらず、その民もゆくゆくは遷都されると聞いて王都から出ていった。王城は色を残したまま廃城となりネズミすら城の住処を捨てて出ていった。

しみ出した水を啜るしかあるまいと意を決し地下に降りようとするももう動く事も出来なかった。
隣を見れば物言わぬむくろとなった国王王妃

ルシアーノはもう瞬きをする事も出来ず、その目には在りし日の光景が映っていた。
エルナンドとガスパルを従え、ジェセニアと出会う前、アリステラと茶を飲む光景。

――どうしてこうなったんだろう。僕は何も悪くないのに――

ルシアーノは目を閉じ生涯を終えた。







☆~☆

ピーヒョロロ~

カタタン領の空に今日も翼を広げてトンビが飛ぶ。

領地にやって来た時、父のゴードマン公爵に頼んでアルカリ性の土壌にも根付く植物の苗木を送って貰い植林などを行っていた。

「ステラ、花が咲いてる!」
「では受粉させないと。どの花でも良いけれど‥果実に影響するそうだから甘い花が良いわね」

ガスパルは幾つか花粉を入れた小瓶を腰に巻いたポーチから取り出すと、指でトントン。花粉をつけていく。


「え?ガスパル・・・それは杉の花粉ではないの?」
「あれ?やっちゃ・・・たったった・・・ハァックション!!」
「もう!ダメではありませんか」

折角つけた花粉もガスパルのクシャミで飛んでしまう。
でも、2人は最近、将来が楽しみな木を2本植えた。

ガスパルが好きな桃の木、そしてアリステラが好きな栗の木。

「桃と栗は3年。柿は柿8年。俺、柿も好きなんだよなぁ」
「では次にお兄様が来た時に柿も頼んでおきましょう」
「いいの?!」
「えぇ、8年。柿が実る頃には遷都された王都でアンドレアス殿下の世が始まるわ」
「その頃にはビワが好きな子供とか…いるとイイナ」
「ガスパル、そう言えばビワも好きだったわね」
「うーん…果物は好き。でもステラの方がもっと好き・・・かな」

アリステラの顔がリンゴのように色づく。
桃栗三年柿八年 梅は酸いとて十三年 柚子は九年花盛り 枇杷びわは九年でなりかねる。


Fin

☆~☆

長い話にお付き合い頂きありがとうございました。
最後は凄く長くなってしまいましたが、切れる部分が前半しかなくて・・・(;^_^A

その上、第35-1話を投稿した直後に本業の連絡が‥‥( ノД`)シクシク…
今回は「早めの盆休取っといて」と休みだったのにぃ!
平日の投稿でしたがダメだった_| ̄|○

次回からは2日くらいで終わる週末投稿に切り替えます。
完結が伸びてしまって申し訳ないです。<(_ _)>

遅くなったお詫び・・・にもならないかも?ですが完結表示にする前に、閑話としてアリステラとガスパルのその後を投稿します(*^-^*)
閑話‥‥なのでソッチ昭和系です。

読んで頂き、ありがとうございました(*^-^*)
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