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第34話 憤るルシアーノ、王妃の苛立ち
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ギリっと噛んだ唇から赤い血が滲む。
母の王妃に言いつけられて王都の郊外にある古びた教会に慰問をした帰りだった。
公園の近くまで来た時、馬車は速度を落とした。
来週には「立太子の儀」が予定されており、街はお祭りのように賑やかだった。この公園からは王族が挨拶をするバルコニーが見える。バルコニーに誰が立ってようと豆粒ほどの大きさにしか見えないが、それでも民衆は一目王族を見ようと既に公園は場所取りが始まっていた。
石にロープを括りつけて陣地のように囲っている者や、戸板を敷いて陣取っている者、四隅になる角に座って場所を確保する者もいる。
一足早く姿は見えなくても、挨拶をするバルコニーだけでも見ようと田舎からの旅行者もいて、人が多く出る事を目当てに露店も多く出ていた。
人が多かった事から御者は速度を落としていたのだが、それでもルシアーノが乗った馬車は急停止をした。
「申ス訳ございまスん。子ン供が飛び出しスつぇきまスて」
「死んだのか?」
「え‥‥い、いンえ。接触はスておりまスん」
御者はルシアーノが苛立っている事は判っていたが、あり得ない返しに驚きつつも、また馬車を走らせようとした。その時。
「止まれ!馬車を出すな!」
「は、はい!」
御者の席は高い位置にあるので公園がよく見渡せる。
今日も人が多いなぁと手で影を作って眺めていると、若い男女が見えた。若い男女なら他にも多くいるが女性は御者の目には目に映すのも畏れ多いと思うほどの美人だった。
「別嬪スんだぁ。どっかの娘スんけぇな?きンれぇなオナゴがいっぺぇだ」
遠い田舎から4カ月前に出て来たばかりの御者はアリステラを見た事がなかった。
静かな馬車の中は「見るな」と言われていて御者席に向かってついている小窓にはいつも布がかかっている。
宮の維持が困難になったルシアーノは国王に頭を下げて、城の中にあるかつての客間の使用を許された。
来週アンドレアスが立太子の儀を迎えるまでルシアーノは名目上の王太子であるのに、言いつけられる用事はかつて弟妹が行っていた辺鄙な地にある教会や孤児院、貧民窟に住まう者達に炊き出しを行う団体ばかり。
それまで視察や慰問に行けば「他所行き」の一張羅を着て、整然と並び出迎えてくれたものだが、今は距離があるのも関係するのか、到着をしても待たされるし、挨拶をしているところを子供が走り回ったり、何処から漂ってくる香りなのか鼻が曲がりそうになるような場所ばかり。
「まだ僕が王太子なのに」
そう思っても、誰もルシアーノを王太子として扱う者はいない。
部屋にいても聞こえてくるのは使用人が「ルシアーノはどの塔に幽閉になるか」という賭け事のオッズ。
なのに、目の前にあるあの光景はなんだとルシアーノは唇を噛んだ。
そこにはかつての婚約者アリステラが、事もあろうか側近だったガスパルと共にいた。
並んでベンチに腰を下ろし、ガスパルがアリステラの顔を覗き込んでいる。
「あの野郎‥‥こんな事ならジェセニアをあてがっておくんだった」
そしてアリステラへ向けても毒を吐く。
「僕と言う婚約者がいながらガスパルに股を開いたのか…僕はまだ清い体だと言うのに!騙された!僕を騙したのはジェセニアだけではなく‥‥知らぬところで繋がり僕を嘲笑っていたんだな。許さない‥‥絶対に許さない!」
アリステラが乗った馬車が動き出すとルシアーノも御者に声を掛けた。
「出してくれますか?」
「へっへぇ!」
まだ4カ月だがルシアーノにそんな言葉使いをされた事は一度も無かった。
中に乗っているのはルシアーノだけの筈。他に誰か乗せてしまったんだろうか?
いやいや、乗せたのはルシアーノ一人で急停止した時には確かにルシアーノだったと御者は1人で自問自答した。
☆~☆
バンッ!大きな音を立てて床に分厚い本がバサリと落ちる。
ビクッと肩を揺らした侍女が恐る恐る執務机に近寄って、王妃が天板に叩きつけ、床に落ちた本を拾った。
「どういうことなのよ!」
王妃の前には委縮する執事が2人。投げられるのが声だけならいいが、先週辞めていった執事は失神するまで本や扇で殴られてしまい鼓膜が破れ、歯も折れたと聞く。
アリステラとルシアーノの婚約が白紙になり3カ月ほどは王妃の機嫌は頗る良かった。
それから後は日を追うごとに機嫌が悪くなっていく。
執務の量が増え、苛立っているのだろうと国王が王妃に割り振られたルシアーノのすべき執務を全て引き受けていっても王妃の機嫌は悪くなるばかり。
と、言うのも本来であれば自国のモノであるはずのカタタン領の石灰。
切り出しや搬送などを隣国の商会が執り行っていると言う。
しかし、それを糾弾する事は出来ない。既に他国に店を構えて商売をしている商会もあるし、自国の中だけに売買を認めれば経済は立ち行かない。輸出もありきで誰もが商売をしていた。
なにより王妃の実家が自分の領で獲れる魚を売っていたのは隣国に開設した店。街までも距離があり魚が傷んでしまうからという理由はあったが、魚は良くて石灰はダメと言う理屈は通じない。
額が巨額だからと言っても、売れるかどうかは売ってみなければ判らない。
そもそもで売れたから文句を言っても遅い。自国にあった石灰をどうして今まで放置していたと問われれば、答える事も出来ない。
何より腹立たしいのはそれをしているのがアリステラだと言う事。
アリステラが登城しなくなり、各地に間者を派遣したがなかなか返事が返ってこなかった。
本当に屋敷に籠っているのかと思ったら、カタタン領にいた。
カタタン領に送り込んだ間者は直ぐに報告に来る事無く2か月間娼館を泊まり歩いて豪遊していた。捕縛し、拷問するとアリステラがカタタン領にいる事を吐いた。
「他に知ってる事は?素直に言わないと昨年生まれたばかりの娘がどうなるか判ってる?」
脅しても口を割らない間者。元々が間者なのでそう簡単に白状する筈も無いのだが、調べさせると2カ月前に間者の妻と娘は幾つも山を越えた隣国のまだ向こう側にある国に旅立っていた。
2カ月もあればもう到着しているだろう。間者は一緒に逃げれば追っ手が直ぐにでも来る事を警戒し娼館で豪遊し、妻と娘が逃げる時間稼ぎをしていただけだった。
「処分しておきなさい」
そう命じたのだが、翌日王妃の元に知らされたのは歩く事も出来ないほどに衰弱していた間者が脱走したというもの。直ぐに逃亡者として手配をしたが、その間者も未だに見つかっていない。
「アリステラね。城に忍び込んで罪人の逃亡を助けたに違いない」
ギリギリと力任せに捩じり、壊してしまった扇はもう何本になったか。
アリステラが財を蓄えていくのも腹立たしい。
苛立つ毎日を過ごしていた王妃は1カ月ほど前、ハッと天からの啓示を受けたかのようにニンマリと笑った。
「誰か、この手紙をカタタン領にいるゴードマン公爵家の娘に渡して来て頂戴」
「早馬で片道2週間ほどかかりますが…」
「日程には余裕を見ているから構わないわ。でも書いてある期日は守るようにと伝えて」
「畏まりました」
そして王妃はアンドレアス王子の部屋に行く。
甘ったるい声を出してアンドレアスの髪や顔を撫で捲ると頭にキスを落とした。
「アン。貴方の世はもうすぐ。お母様はあなただけの事を考えているわ」
「母上、僕には王位だなんて!まだ早すぎます!」
「大丈夫よ。お父様を支えているのはお母様なの。アンの事もお母様が支えるわ」
「僕よりもお姉様や・・・お兄様だって心を入れ替えてくれれば!」
「優しい子ね。アンは何も心配しなくていいの。ただ玉座に腰掛けていればいいの」
何時になく優しい声を出す母の王妃にアンドレアスはもう何も言わなかった。
母の王妃に言いつけられて王都の郊外にある古びた教会に慰問をした帰りだった。
公園の近くまで来た時、馬車は速度を落とした。
来週には「立太子の儀」が予定されており、街はお祭りのように賑やかだった。この公園からは王族が挨拶をするバルコニーが見える。バルコニーに誰が立ってようと豆粒ほどの大きさにしか見えないが、それでも民衆は一目王族を見ようと既に公園は場所取りが始まっていた。
石にロープを括りつけて陣地のように囲っている者や、戸板を敷いて陣取っている者、四隅になる角に座って場所を確保する者もいる。
一足早く姿は見えなくても、挨拶をするバルコニーだけでも見ようと田舎からの旅行者もいて、人が多く出る事を目当てに露店も多く出ていた。
人が多かった事から御者は速度を落としていたのだが、それでもルシアーノが乗った馬車は急停止をした。
「申ス訳ございまスん。子ン供が飛び出しスつぇきまスて」
「死んだのか?」
「え‥‥い、いンえ。接触はスておりまスん」
御者はルシアーノが苛立っている事は判っていたが、あり得ない返しに驚きつつも、また馬車を走らせようとした。その時。
「止まれ!馬車を出すな!」
「は、はい!」
御者の席は高い位置にあるので公園がよく見渡せる。
今日も人が多いなぁと手で影を作って眺めていると、若い男女が見えた。若い男女なら他にも多くいるが女性は御者の目には目に映すのも畏れ多いと思うほどの美人だった。
「別嬪スんだぁ。どっかの娘スんけぇな?きンれぇなオナゴがいっぺぇだ」
遠い田舎から4カ月前に出て来たばかりの御者はアリステラを見た事がなかった。
静かな馬車の中は「見るな」と言われていて御者席に向かってついている小窓にはいつも布がかかっている。
宮の維持が困難になったルシアーノは国王に頭を下げて、城の中にあるかつての客間の使用を許された。
来週アンドレアスが立太子の儀を迎えるまでルシアーノは名目上の王太子であるのに、言いつけられる用事はかつて弟妹が行っていた辺鄙な地にある教会や孤児院、貧民窟に住まう者達に炊き出しを行う団体ばかり。
それまで視察や慰問に行けば「他所行き」の一張羅を着て、整然と並び出迎えてくれたものだが、今は距離があるのも関係するのか、到着をしても待たされるし、挨拶をしているところを子供が走り回ったり、何処から漂ってくる香りなのか鼻が曲がりそうになるような場所ばかり。
「まだ僕が王太子なのに」
そう思っても、誰もルシアーノを王太子として扱う者はいない。
部屋にいても聞こえてくるのは使用人が「ルシアーノはどの塔に幽閉になるか」という賭け事のオッズ。
なのに、目の前にあるあの光景はなんだとルシアーノは唇を噛んだ。
そこにはかつての婚約者アリステラが、事もあろうか側近だったガスパルと共にいた。
並んでベンチに腰を下ろし、ガスパルがアリステラの顔を覗き込んでいる。
「あの野郎‥‥こんな事ならジェセニアをあてがっておくんだった」
そしてアリステラへ向けても毒を吐く。
「僕と言う婚約者がいながらガスパルに股を開いたのか…僕はまだ清い体だと言うのに!騙された!僕を騙したのはジェセニアだけではなく‥‥知らぬところで繋がり僕を嘲笑っていたんだな。許さない‥‥絶対に許さない!」
アリステラが乗った馬車が動き出すとルシアーノも御者に声を掛けた。
「出してくれますか?」
「へっへぇ!」
まだ4カ月だがルシアーノにそんな言葉使いをされた事は一度も無かった。
中に乗っているのはルシアーノだけの筈。他に誰か乗せてしまったんだろうか?
いやいや、乗せたのはルシアーノ一人で急停止した時には確かにルシアーノだったと御者は1人で自問自答した。
☆~☆
バンッ!大きな音を立てて床に分厚い本がバサリと落ちる。
ビクッと肩を揺らした侍女が恐る恐る執務机に近寄って、王妃が天板に叩きつけ、床に落ちた本を拾った。
「どういうことなのよ!」
王妃の前には委縮する執事が2人。投げられるのが声だけならいいが、先週辞めていった執事は失神するまで本や扇で殴られてしまい鼓膜が破れ、歯も折れたと聞く。
アリステラとルシアーノの婚約が白紙になり3カ月ほどは王妃の機嫌は頗る良かった。
それから後は日を追うごとに機嫌が悪くなっていく。
執務の量が増え、苛立っているのだろうと国王が王妃に割り振られたルシアーノのすべき執務を全て引き受けていっても王妃の機嫌は悪くなるばかり。
と、言うのも本来であれば自国のモノであるはずのカタタン領の石灰。
切り出しや搬送などを隣国の商会が執り行っていると言う。
しかし、それを糾弾する事は出来ない。既に他国に店を構えて商売をしている商会もあるし、自国の中だけに売買を認めれば経済は立ち行かない。輸出もありきで誰もが商売をしていた。
なにより王妃の実家が自分の領で獲れる魚を売っていたのは隣国に開設した店。街までも距離があり魚が傷んでしまうからという理由はあったが、魚は良くて石灰はダメと言う理屈は通じない。
額が巨額だからと言っても、売れるかどうかは売ってみなければ判らない。
そもそもで売れたから文句を言っても遅い。自国にあった石灰をどうして今まで放置していたと問われれば、答える事も出来ない。
何より腹立たしいのはそれをしているのがアリステラだと言う事。
アリステラが登城しなくなり、各地に間者を派遣したがなかなか返事が返ってこなかった。
本当に屋敷に籠っているのかと思ったら、カタタン領にいた。
カタタン領に送り込んだ間者は直ぐに報告に来る事無く2か月間娼館を泊まり歩いて豪遊していた。捕縛し、拷問するとアリステラがカタタン領にいる事を吐いた。
「他に知ってる事は?素直に言わないと昨年生まれたばかりの娘がどうなるか判ってる?」
脅しても口を割らない間者。元々が間者なのでそう簡単に白状する筈も無いのだが、調べさせると2カ月前に間者の妻と娘は幾つも山を越えた隣国のまだ向こう側にある国に旅立っていた。
2カ月もあればもう到着しているだろう。間者は一緒に逃げれば追っ手が直ぐにでも来る事を警戒し娼館で豪遊し、妻と娘が逃げる時間稼ぎをしていただけだった。
「処分しておきなさい」
そう命じたのだが、翌日王妃の元に知らされたのは歩く事も出来ないほどに衰弱していた間者が脱走したというもの。直ぐに逃亡者として手配をしたが、その間者も未だに見つかっていない。
「アリステラね。城に忍び込んで罪人の逃亡を助けたに違いない」
ギリギリと力任せに捩じり、壊してしまった扇はもう何本になったか。
アリステラが財を蓄えていくのも腹立たしい。
苛立つ毎日を過ごしていた王妃は1カ月ほど前、ハッと天からの啓示を受けたかのようにニンマリと笑った。
「誰か、この手紙をカタタン領にいるゴードマン公爵家の娘に渡して来て頂戴」
「早馬で片道2週間ほどかかりますが…」
「日程には余裕を見ているから構わないわ。でも書いてある期日は守るようにと伝えて」
「畏まりました」
そして王妃はアンドレアス王子の部屋に行く。
甘ったるい声を出してアンドレアスの髪や顔を撫で捲ると頭にキスを落とした。
「アン。貴方の世はもうすぐ。お母様はあなただけの事を考えているわ」
「母上、僕には王位だなんて!まだ早すぎます!」
「大丈夫よ。お父様を支えているのはお母様なの。アンの事もお母様が支えるわ」
「僕よりもお姉様や・・・お兄様だって心を入れ替えてくれれば!」
「優しい子ね。アンは何も心配しなくていいの。ただ玉座に腰掛けていればいいの」
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