32 / 43
第27話 まるでハクビシンねと彼女は笑う
しおりを挟む
トントントン。トントントン
リズムよく板を屋根に打ち付けているのはガスパル。
どこで習得した技なのか、誰に教えてもらったのか判らないがガスパルは高い所は平気だし、折れそうな枝も上手に体重移動しながら木の上を走るように歩ける。
そしてみんなが思わず「ほぉ」と感心してしまうのが垂直に立った壁を勢いをつけて走り込んでタタタっと上ってしまう事。
「気が付いたら出来ていた」と笑うガスパルは雨漏りをし始めた屋根を補修している。
「終わったよ!今から降りるから」
ガスパルは少し距離のある木に飛び移って枝をつたい、最後は幹をスルスルと降りて来た。
地上に降り立ったガスパルは涙袋の下に貼り付けたブドウの袋を剥がす。
こっそりポケットに入れようとしたが、アリステラにゴミ箱を差し出された。
「入れるのよ」
「いや、ま、まだ使えそうって言うか…」
「後で食べるつもりでしょう?ダメです。捨てなさい」
「ぁい…」
燦燦と照り付ける日差しに、屋根は光を反射して光る。
ガスパルは目の下に巨峰というブドウの袋(@中身なし)をペタリと張り付けていたのだ。所謂アイブラック。
葉っぱで代用をしていたが石灰が付いた葉っぱは汗と反応してヒリヒリし始める。
雪も太陽の光を反射するので日焼けをしてしまうが、屋根も同じ。
最初はゴーグルを装着していたが、流れ落ちる汗がたまり、体温でゴーグルの中が曇ってしまうのが難点だった。
葉っぱはやはりカブレを起こしてしまうので屋敷の補修に限らず、石灰を切り出す場でも対策が必要だった。
前日の夜の事である。
「どうしたらいいかしらね」
夕食後、全員でデザートを食べながらアリステラ達は対応策を考えた。
余りに眩しすぎて、手元、足元が見えにくいし作業が終わった後でも目がチカチカすると不調を訴える者もいる。
その日のデザートはガスパルだけは品が違った。
ガスパル以外はビワのコンポート。ガスパルは巨峰というブドウだった。
――ビワも好き。でもブドウはもっと好き――
アリステラはビワのコンポートを食べながら、向かいで皿に盛られた3房の巨峰に目を ぱぁぁ! と輝かせ、1粒プツンと千切るとパクっと口に放り込み、その後は一心不乱に巨峰を食べるガスパルをジィィっと見ていた。
1房目を食べ終わり、アリステラの視線に気が付いたのがガスパルの顔が巨峰の果汁より薄めの色を付けていく。
キョロキョロと周りの使用人を見て、自分以外がビワのコンポートだと確認をすると残った2房のうち1房を抓んでアリステラに向かって口をパクパク。「食べる?」と聞いているようだ。
「どうぞお召し上がりになって」とアリステラも目配せで応えると、ガスパルは少し考えたようで、1房を少し皿の横に寄せて、2房目を食べ始めた。
――おかしいわ――
アリステラの目が光る。真夜中のネコ科動物のようにキラッ☆彡
ブドウ果肉を包んでいる袋を食べる者もいる。目の前のガスパルがそうだ。
だが、いくら好きでも2房目も袋を残さないなんて‥‥アリステラはガスパルの果物愛を甘く見ていた。いい加減甘い果実をさらに甘く見ていた。
そしてガスパルが2房目を食べ終わる。
どうするのかと見ていると、プチプチと幾つかブドウの軸である果梗から実を千切ると皿に置く。どうやらアリステラに分けてくれるようだ。
皿の隅に置かれたブドウの実を見てアリステラは閃いた!
「ガスパル様、そのブドウ。中身をチュルンと食せば袋は残りますわよね」
「残らないけど?」
「・・・・」
即答するガスパル。
――そう、残らないわね。貴方なら!――
アリステラは気を取り直して、スプーンを置いた。
「残るんです!いえ、残すんです!そのブドウの袋を洗って目の下に付ければ日よけになりますわ」
「そんな!!食べ物を粗末にしちゃいけな――」
「貴方は粗末にしなさ過ぎなんですの。目は2つだからその皿の隅にあるうちの2つを使えばいいのです」
「いや、お残しは良くな――」
「普通は!2房も食べれば残るものです!」
そんなやり取りがあった。
その皿に取り分けた実が袋のみとなってガスパルの頬に張り付いていたのだ。
「このブドウの袋は使い終われば、おがくずなんかと土に埋めればいいわ」
アリステラはそう言ったのだが、何故かガスパルが「土に埋める?!」と驚く。
放っておけば埋めたものを掘り返しかねない。
ゴミ箱に入った袋は早々に処分しなければならない。
黒っぽい巨峰の果肉なしを目の下に貼り付けると違和感はあるものの領民にも好評だった。
汗を掻いても剥がれないものをメイドたちが布地を工夫して作っているが細かい作業になるので量産が出来ない。
「てん菜の煮汁みたいにベタベタするなぁ。甘いからいいけど」
涙袋の下に貼り付けていたブドウの果汁が残ったのかガスパルが指でペタペタとしているのを見てアリステラは閃いた!
てん菜の煮汁に限らず砂糖の原料となるサトウキビなどもベタベタする
――甘いって事が大事なのかも――
早速いろいろな植物を取り寄せて試してみなければ!
その日の夜、深夜までアリステラは屋敷にある植物図鑑から始まって植物の特徴を分析した資料を読み漁った。
喉の渇きを覚えたアリステラは水差しに手を伸ばした。
「あら、空っぽ。入れて来なきゃ」
真夜中に使用人を起こすのは気が引ける。水瓶から柄杓でくみ出せばいいだけの事にわざわざ起こす必要もないとアリステラは食堂に向かった。
廊下を歩いていると、食堂が薄っすら明るい事に気が付く。
――また?本当に好きなのね――
西辺境に住まうドミンゴの妻、ナディアから送られてきた大量のブドウ。
「傷んでないものを選り分けてください」と手紙も添えられていた。
距離があるので道中どうしても傷んでしまうものが出来てしまう。
完全に傷んでいたものは捨てるしかなかったが、それでも大量に残った。
ガスパルは水分補給と言い、夜な夜な一人でブドウを食べているのだ。
食堂を覗くとやっぱりガスパル。
「本当にブドウがお好きなのね」
声を掛けたアリステラだったが、何故かテーブルの上に皿は2つ。
「いらっしゃるかなと思って。あ、ちょっと待っててくださいね」
立ち上がったガスパルは厨房に行き、勝手口の扉が開く音がする。
何だろうと思っていると片手を受け皿のようにしたガスパルが1房のブドウを持って戻ってきた。
「冷やすと美味しいんですよ。来るかな~と思って井戸で冷やしてたんです」
はいと差し出されたブドウ。ポタポタと水滴が落ちている。
「床を見て朝、コンフィーが怒り出しますよ?」
「大丈夫。掃除しときますから。食べてみてください。ブドウはねいい奴を残しておいたんです」
確かに残り少なくはなってきているが、到着して数日。
発酵を始めてしまったのか、甘酸っぱい香りもどこか鼻を擽る。
「仕方ないですわね。少しだけ頂きますわ」
ガスパルの隣に腰を下ろしたアリステラにプチっと1つ千切ったガスパル。
が、引っ張った拍子に手にしていない方のブドウの実がころころとテーブルを転がった。
「おっと!落ちる所だった」
転がるブドウの実を押さえたガスパルがアリステラに微笑む。
昼間、ブドウの皮を張り付けていた部分だけ日焼けをしていなくて白くなっている。
鼻筋の傷も塞がって何度目かの瘡蓋が取れたら傷跡がやはり残り、白っぽい筋になっていた。
「ハクビシンみたいね」
そう言ってアリステラはくすくすと笑った。
ガスパルはそんなアリステラをかつてエルナンドがオリビアを見ていたように目を細めて愛おしそうに見つめる。
「そうかなぁ・・・そんなに毛深くはないと思ってるんだけど」
「毛深さでは御座いません。こことここ、それからここが白くてハクビシンみたいだなと思ったんですわ」
白くなった部分をアリステラの指がプニっと押す。
その度に獰猛なオスになりそうなガスパルは必死で耐える。
「ハクビシン、結構可愛いんですのよ?」
「そ、そうなんだ」
可愛いと言われてここでオスになり押すわけにはいかない。
ガスパルから受け取った冷たいブドウの実をパクっと口にアリステラが放り込んだ。
「うっ・・・冷た」
果汁たっぷりのブドウの実。想像以上にジューシーで少しだけ流れ出てしまった果汁が顎の下に流れていく。手で隠そうとするアリステラにガスパルは微笑む。
「そそっかしい所もあるんだ?」
ガスパルはそっと流れた果汁を指で拭った。
すぐさま注意勧告が入った。
「舐めてはダメですからね」
そんなつもりはなかったが、そういう事も出来たんだと思うとガスパルの顔がジュボっと火が点いたように赤くなる。冷ますつもりで幾つか実を千切り、ガスパルは頬にあてた。
冷たいブドウの実はホットワインのように直ぐに温かくなった。
リズムよく板を屋根に打ち付けているのはガスパル。
どこで習得した技なのか、誰に教えてもらったのか判らないがガスパルは高い所は平気だし、折れそうな枝も上手に体重移動しながら木の上を走るように歩ける。
そしてみんなが思わず「ほぉ」と感心してしまうのが垂直に立った壁を勢いをつけて走り込んでタタタっと上ってしまう事。
「気が付いたら出来ていた」と笑うガスパルは雨漏りをし始めた屋根を補修している。
「終わったよ!今から降りるから」
ガスパルは少し距離のある木に飛び移って枝をつたい、最後は幹をスルスルと降りて来た。
地上に降り立ったガスパルは涙袋の下に貼り付けたブドウの袋を剥がす。
こっそりポケットに入れようとしたが、アリステラにゴミ箱を差し出された。
「入れるのよ」
「いや、ま、まだ使えそうって言うか…」
「後で食べるつもりでしょう?ダメです。捨てなさい」
「ぁい…」
燦燦と照り付ける日差しに、屋根は光を反射して光る。
ガスパルは目の下に巨峰というブドウの袋(@中身なし)をペタリと張り付けていたのだ。所謂アイブラック。
葉っぱで代用をしていたが石灰が付いた葉っぱは汗と反応してヒリヒリし始める。
雪も太陽の光を反射するので日焼けをしてしまうが、屋根も同じ。
最初はゴーグルを装着していたが、流れ落ちる汗がたまり、体温でゴーグルの中が曇ってしまうのが難点だった。
葉っぱはやはりカブレを起こしてしまうので屋敷の補修に限らず、石灰を切り出す場でも対策が必要だった。
前日の夜の事である。
「どうしたらいいかしらね」
夕食後、全員でデザートを食べながらアリステラ達は対応策を考えた。
余りに眩しすぎて、手元、足元が見えにくいし作業が終わった後でも目がチカチカすると不調を訴える者もいる。
その日のデザートはガスパルだけは品が違った。
ガスパル以外はビワのコンポート。ガスパルは巨峰というブドウだった。
――ビワも好き。でもブドウはもっと好き――
アリステラはビワのコンポートを食べながら、向かいで皿に盛られた3房の巨峰に目を ぱぁぁ! と輝かせ、1粒プツンと千切るとパクっと口に放り込み、その後は一心不乱に巨峰を食べるガスパルをジィィっと見ていた。
1房目を食べ終わり、アリステラの視線に気が付いたのがガスパルの顔が巨峰の果汁より薄めの色を付けていく。
キョロキョロと周りの使用人を見て、自分以外がビワのコンポートだと確認をすると残った2房のうち1房を抓んでアリステラに向かって口をパクパク。「食べる?」と聞いているようだ。
「どうぞお召し上がりになって」とアリステラも目配せで応えると、ガスパルは少し考えたようで、1房を少し皿の横に寄せて、2房目を食べ始めた。
――おかしいわ――
アリステラの目が光る。真夜中のネコ科動物のようにキラッ☆彡
ブドウ果肉を包んでいる袋を食べる者もいる。目の前のガスパルがそうだ。
だが、いくら好きでも2房目も袋を残さないなんて‥‥アリステラはガスパルの果物愛を甘く見ていた。いい加減甘い果実をさらに甘く見ていた。
そしてガスパルが2房目を食べ終わる。
どうするのかと見ていると、プチプチと幾つかブドウの軸である果梗から実を千切ると皿に置く。どうやらアリステラに分けてくれるようだ。
皿の隅に置かれたブドウの実を見てアリステラは閃いた!
「ガスパル様、そのブドウ。中身をチュルンと食せば袋は残りますわよね」
「残らないけど?」
「・・・・」
即答するガスパル。
――そう、残らないわね。貴方なら!――
アリステラは気を取り直して、スプーンを置いた。
「残るんです!いえ、残すんです!そのブドウの袋を洗って目の下に付ければ日よけになりますわ」
「そんな!!食べ物を粗末にしちゃいけな――」
「貴方は粗末にしなさ過ぎなんですの。目は2つだからその皿の隅にあるうちの2つを使えばいいのです」
「いや、お残しは良くな――」
「普通は!2房も食べれば残るものです!」
そんなやり取りがあった。
その皿に取り分けた実が袋のみとなってガスパルの頬に張り付いていたのだ。
「このブドウの袋は使い終われば、おがくずなんかと土に埋めればいいわ」
アリステラはそう言ったのだが、何故かガスパルが「土に埋める?!」と驚く。
放っておけば埋めたものを掘り返しかねない。
ゴミ箱に入った袋は早々に処分しなければならない。
黒っぽい巨峰の果肉なしを目の下に貼り付けると違和感はあるものの領民にも好評だった。
汗を掻いても剥がれないものをメイドたちが布地を工夫して作っているが細かい作業になるので量産が出来ない。
「てん菜の煮汁みたいにベタベタするなぁ。甘いからいいけど」
涙袋の下に貼り付けていたブドウの果汁が残ったのかガスパルが指でペタペタとしているのを見てアリステラは閃いた!
てん菜の煮汁に限らず砂糖の原料となるサトウキビなどもベタベタする
――甘いって事が大事なのかも――
早速いろいろな植物を取り寄せて試してみなければ!
その日の夜、深夜までアリステラは屋敷にある植物図鑑から始まって植物の特徴を分析した資料を読み漁った。
喉の渇きを覚えたアリステラは水差しに手を伸ばした。
「あら、空っぽ。入れて来なきゃ」
真夜中に使用人を起こすのは気が引ける。水瓶から柄杓でくみ出せばいいだけの事にわざわざ起こす必要もないとアリステラは食堂に向かった。
廊下を歩いていると、食堂が薄っすら明るい事に気が付く。
――また?本当に好きなのね――
西辺境に住まうドミンゴの妻、ナディアから送られてきた大量のブドウ。
「傷んでないものを選り分けてください」と手紙も添えられていた。
距離があるので道中どうしても傷んでしまうものが出来てしまう。
完全に傷んでいたものは捨てるしかなかったが、それでも大量に残った。
ガスパルは水分補給と言い、夜な夜な一人でブドウを食べているのだ。
食堂を覗くとやっぱりガスパル。
「本当にブドウがお好きなのね」
声を掛けたアリステラだったが、何故かテーブルの上に皿は2つ。
「いらっしゃるかなと思って。あ、ちょっと待っててくださいね」
立ち上がったガスパルは厨房に行き、勝手口の扉が開く音がする。
何だろうと思っていると片手を受け皿のようにしたガスパルが1房のブドウを持って戻ってきた。
「冷やすと美味しいんですよ。来るかな~と思って井戸で冷やしてたんです」
はいと差し出されたブドウ。ポタポタと水滴が落ちている。
「床を見て朝、コンフィーが怒り出しますよ?」
「大丈夫。掃除しときますから。食べてみてください。ブドウはねいい奴を残しておいたんです」
確かに残り少なくはなってきているが、到着して数日。
発酵を始めてしまったのか、甘酸っぱい香りもどこか鼻を擽る。
「仕方ないですわね。少しだけ頂きますわ」
ガスパルの隣に腰を下ろしたアリステラにプチっと1つ千切ったガスパル。
が、引っ張った拍子に手にしていない方のブドウの実がころころとテーブルを転がった。
「おっと!落ちる所だった」
転がるブドウの実を押さえたガスパルがアリステラに微笑む。
昼間、ブドウの皮を張り付けていた部分だけ日焼けをしていなくて白くなっている。
鼻筋の傷も塞がって何度目かの瘡蓋が取れたら傷跡がやはり残り、白っぽい筋になっていた。
「ハクビシンみたいね」
そう言ってアリステラはくすくすと笑った。
ガスパルはそんなアリステラをかつてエルナンドがオリビアを見ていたように目を細めて愛おしそうに見つめる。
「そうかなぁ・・・そんなに毛深くはないと思ってるんだけど」
「毛深さでは御座いません。こことここ、それからここが白くてハクビシンみたいだなと思ったんですわ」
白くなった部分をアリステラの指がプニっと押す。
その度に獰猛なオスになりそうなガスパルは必死で耐える。
「ハクビシン、結構可愛いんですのよ?」
「そ、そうなんだ」
可愛いと言われてここでオスになり押すわけにはいかない。
ガスパルから受け取った冷たいブドウの実をパクっと口にアリステラが放り込んだ。
「うっ・・・冷た」
果汁たっぷりのブドウの実。想像以上にジューシーで少しだけ流れ出てしまった果汁が顎の下に流れていく。手で隠そうとするアリステラにガスパルは微笑む。
「そそっかしい所もあるんだ?」
ガスパルはそっと流れた果汁を指で拭った。
すぐさま注意勧告が入った。
「舐めてはダメですからね」
そんなつもりはなかったが、そういう事も出来たんだと思うとガスパルの顔がジュボっと火が点いたように赤くなる。冷ますつもりで幾つか実を千切り、ガスパルは頬にあてた。
冷たいブドウの実はホットワインのように直ぐに温かくなった。
49
あなたにおすすめの小説
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
婚約破棄の代償
nanahi
恋愛
「あの子を放って置けないんだ。ごめん。婚約はなかったことにしてほしい」
ある日突然、侯爵令嬢エバンジェリンは婚約者アダムスに一方的に婚約破棄される。破局に追い込んだのは婚約者の幼馴染メアリという平民の儚げな娘だった。
エバンジェリンを差し置いてアダムスとメアリはひと時の幸せに酔うが、婚約破棄の代償は想像以上に大きかった。
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi(がっち)
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
婚約破棄で悪役令嬢を辞めたので、今日から素で生きます。
黒猫かの
恋愛
「エリー・オルブライト! 貴様との婚約を破棄する!」
豪華絢爛な夜会で、ウィルフレッド王子から突きつけられた非情な宣告。
しかし、公爵令嬢エリーの心境は……「よっしゃあ! やっと喋れるわ!!」だった。
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる