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第27話 借金の完済
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「噂は聞いているわ。あの領地のクズ石がまさか…ふふっ。本当に貴女は拾い物だったわ。あ、違うわよ?モノ扱いではなくて、例えよ?」
「判っております。そこで相談が・・・ディララさんが夜会にご子息と出向くようになったのですが、私は控えた方が良いかと相談に参りました」
「いい機会では無くて?離縁まであと2年を切ったんだもの。夫が妻ではない女性をエスコートして夜会に出向く。それが何を意味するか、解らない貴女ではないでしょう?」
「判ります。ですがオルコット侯爵家の評判も落とすのではないかと」
「いいのよ。落とすなら地の底まで叩き落すつもりでやればいいわ。どうせ領地は領民の持ち物になるんだし収穫量が変わるわけでもない。貴女が来てもう3年。正直領地の話を聞いた時は勢いもあって、やり過ぎかとも思っていたの。でもね…国からの管理費は屋敷の維持でペイ、領地からの収益を貴女が言った通りずっと渡してるんだけど3年で28億。幾ら残っていると思う?」
「20億くらいでしょうか」
「まさか!3億も残ってないわ。半年に一度本宅の内装を一新、ドレスも宝石も見れば買い漁る。ここ2か月ほどは夜会三昧だけれど、その前は半年かけて新婚旅行ですって。帝国も含めて3か国を豪華ツアー。黙っていればいいものを夜会でペラペラ自分から貴族たちに話題の燃料を投下しているの。で、貴女は1人で参加しているでしょう?同情票も買えるんじゃないの?利用すればいいのよ」
アイリーンは呆れてしまった。
このままでは領地からの収益を上回る散財を続けることになり、領民達に所有権が移る前にベルガシュは金に困ってしまうのが目に見えている。
少しづつでも残し、領民の時効取得が成立する離縁した後の5年半にあてがってもらおうと考えていたのに。アイリーンが貧乏性だったからなのか。予想を上回るペースで資産を使っているとは思わなかった。
考え込むアイリーンに侯爵夫人は「気にするな」と言うが、そうもいかない。
気にしなくていいのは時効所得が成立してからの話で、それまでは何とか持ちこたえて貰わねばならないのだ。
――よし!ここはネイルアートで得た収益を使わないと――
そう考えて、「あっ!!」アイリーンは大きな声を出した。
すっかり忘れていたのだ。
カバンからごそごそと札束を取り出し、侯爵夫人の目の前にアイリーンは並べた。
「ど、どうしたの?!こんな大金」
「1億あります。道理で重いカバンだったと今、思い出しました」
「い、一億?!何のお金なの?」
「兄が夫人から借りた540万と利息です」
「計っ!計算が合わないわ。わたくし高利貸しではなくてよ!」
腰が抜けたのか、立とうとするものの腰が浮かない侯爵夫人。
相当の驚きで声まで裏返ってしまっている。
「いいえ。兄は自業自得でしょうが夫人が助けてくれなかったら、父も祖父も住処を失う所だったんです。祖父はもう高齢ですし、祖母のお墓もある領地で生涯を終えたいでしょうから。本当は侯爵家にいた昨年までのお手当で払おうと思ったんですが、侯爵様から頂いたお金をそのまま返すのは違うと。頂いた領地ですが収益も出ました。なので受け取って頂こうと持って参りました。引退まで運用すればゼロ金利近い金利でも1食分の食費にはなります」
資金の足しに受け取ってもいいと言ってしまっていた夫人は後悔した。
アイリーンの兄ペルタスに金を貸した時は、本当に返して貰うつもりは無かった。
なんなら、今更と言われるだろうがアイリーンを嫁にしてもらわなくて良かったのだ。ベルガシュとの結婚など白かろうが人生の汚点にしかならないのだから。
家族に対し申し訳ない事をしたとペルタスが心から反省をしてくれれば、それでよかったのだ。アイリーンの性格はこの3年が3年とは思えないほどによく判っている。
受け取らなければ、兄の借金はこの先もアイリーンの足枷にもなってしまうだろう。
「判ったわ。これで借金はなし。でも大丈夫なの?無理をしたんじゃないの?」
「いえ、領地から出る石だけではなくて、昔の坑道を塞いでいたんですけど、砕石の質が良い事が判明して石の周囲にある砕石も買い手がついたんです。坑道を埋めるのではなく鉱山を切り崩す事にしたんです。平野になるのは生きている間には無理でしょうけど、平野になれば山越えをしなくて良くなるので隣国まで平坦なルートも整備出来ると思います」
「そ、そうなのね…(ごっつい宝の山だったのね…がっくり)」
肩を落とす侯爵夫人だったが、アイリーンは「勘違いしないでくださいね?」と続けた。
「勘違い?」
「はい。鉱山の領地は事業をあと2年で確立しますので、お返しします」
「ちょ、ちょ、ちょ・・・キュゥゥ~」
侯爵夫人は腰は浮かないままだったが、意識がふわりと飛んで行った。
★~★
どのくらいの時間だろうか。
ハッと目を覚ました侯爵夫人は目の前のソファにアイリーンがいた事に安堵した。
「びっくりしたわ…寿命、何年縮まったかしら」
「縮まっても元の長さが判らないので誰も気が付きませんよ」
「・・・・・判ってるわ‥例えよ。例え」
アイリーンはジト目になった侯爵夫人に考えを告げた。
アイリーンはセルジュが崖が好きなので、鉱山の領地でもいいかと思っていたが、実際に領地に行ってみて崖はあっても草原がない事に気が付いた。農作物の収穫が期待できないのは判っていたのに灯台下暗しである。
その為にネイルアートで得た利益を貯め、モストク伯爵領に帰り、こじんまりとした家でも買ったほうがセルジュにとっても楽だろうと考えを変えたのである。
離縁から5年半と言う事は今から7年半後。その頃にはネイルアートも主流が変わるだろうし、そもそもで掘り尽くした後の残骸を拾って売るのだ。5年後でも初年度の出荷量が見込めるとも思っていない。
唯一の産業が砕石となるが、長く収益が見込めるので侯爵夫妻に権利を戻せば、万が一ベルガシュが侯爵夫妻を頼って来ても侯爵夫妻が生活に困る事もないだろうと。
アイリーンにとっては領地や多すぎる財産などどうでもいい。
セルジュとゆっくり過ごせればいいのである。
だが、問題が出来た。ベルガシュがこのまま散財を続ければ時効所得が成立する前に財政的にパンクする。ならばネイルアートで得た利益を離縁後の5年半ベルガシュに流せばいい。
モストク伯爵家に戻ってコツコツと働けば1人と1匹が暮らせる小屋くらいは何とかなるかも知れない。
決してベルガシュに楽をさせようというのではない。
今、この時もあと何年だと自分の土地が出来る事を目標に田畑を耕す領民の為である。
「え?待って。セルジュって…恋人が出来たの?でも崖上りが好きな恋人って…変わってるわね」
「恋人ではないです。友達です。それにセルジュは女の子ですよ?」
「ヒュッ!!」
侯爵夫人は息を飲んだ。「恋人じゃない友達だ」不倫する者がよく使う常套句。
友達の部分が知り合いになったり同僚になったり、部下になったりする事もある。
だが…
――女の子って‥‥変わってる子だとは思ったけど‥そうなのね――
夫人は同性愛者を差別する気持ちは皆無。男でも女でも好きになるのが異性で無ければならないなんて決まりはないし、そもそもで貴族の結婚は男女で行なうが感情は必要ないのだから、同性であろうと相手を思う気持ちがあるほうが夢もあるし生き甲斐にもなるじゃないか…と肯定派である。
のだが、侯爵夫人は「あれ?あれれ?」首を傾げ始めた。
「わたくし・・・勘違いかしら・・・ずっと前にセルジュって聞いた事があるわ」
「はい、以前にセルジュを侯爵家に連れて来てもいいかと尋ねた事はあります。夫人はアライグマを飼えなかったと仰っておりました」
「思い出したわ!ヤギ!そう、ヤギよね?!」
「はい、セルジュはヤギです」
侯爵夫人ベスパーシェは思う。
「ヤギの為に領地も要らないなんて。やっぱり変わった子」
しかし、アイリーンが望むのならそれでいいじゃないかと1人納得した。
人には大なり小なり「欲望」がある。
アイリーンの欲望が「ヤギのセルジュとのんびり暮らしたい」のだから他人が是非を考える必要はない。
――なんだか夫に拘るのが馬鹿馬鹿しくなるわね――
侯爵夫人ベスパーシェはふと頭に思い描いた。
――余生はアライグマと・・・楽しいかも?――
侯爵夫人は「モフモフ~」とアライグマの頬や尻尾に脳内で顔を埋め、ほっこりと微笑んだ。
夫人の心の声はアイリーンには聞こえない。
もし、聞こえていたら忠告はしただろう。
【凶暴な性格で、食いしん坊。じゃんじゃん頭数が増えますよ】
「判っております。そこで相談が・・・ディララさんが夜会にご子息と出向くようになったのですが、私は控えた方が良いかと相談に参りました」
「いい機会では無くて?離縁まであと2年を切ったんだもの。夫が妻ではない女性をエスコートして夜会に出向く。それが何を意味するか、解らない貴女ではないでしょう?」
「判ります。ですがオルコット侯爵家の評判も落とすのではないかと」
「いいのよ。落とすなら地の底まで叩き落すつもりでやればいいわ。どうせ領地は領民の持ち物になるんだし収穫量が変わるわけでもない。貴女が来てもう3年。正直領地の話を聞いた時は勢いもあって、やり過ぎかとも思っていたの。でもね…国からの管理費は屋敷の維持でペイ、領地からの収益を貴女が言った通りずっと渡してるんだけど3年で28億。幾ら残っていると思う?」
「20億くらいでしょうか」
「まさか!3億も残ってないわ。半年に一度本宅の内装を一新、ドレスも宝石も見れば買い漁る。ここ2か月ほどは夜会三昧だけれど、その前は半年かけて新婚旅行ですって。帝国も含めて3か国を豪華ツアー。黙っていればいいものを夜会でペラペラ自分から貴族たちに話題の燃料を投下しているの。で、貴女は1人で参加しているでしょう?同情票も買えるんじゃないの?利用すればいいのよ」
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このままでは領地からの収益を上回る散財を続けることになり、領民達に所有権が移る前にベルガシュは金に困ってしまうのが目に見えている。
少しづつでも残し、領民の時効取得が成立する離縁した後の5年半にあてがってもらおうと考えていたのに。アイリーンが貧乏性だったからなのか。予想を上回るペースで資産を使っているとは思わなかった。
考え込むアイリーンに侯爵夫人は「気にするな」と言うが、そうもいかない。
気にしなくていいのは時効所得が成立してからの話で、それまでは何とか持ちこたえて貰わねばならないのだ。
――よし!ここはネイルアートで得た収益を使わないと――
そう考えて、「あっ!!」アイリーンは大きな声を出した。
すっかり忘れていたのだ。
カバンからごそごそと札束を取り出し、侯爵夫人の目の前にアイリーンは並べた。
「ど、どうしたの?!こんな大金」
「1億あります。道理で重いカバンだったと今、思い出しました」
「い、一億?!何のお金なの?」
「兄が夫人から借りた540万と利息です」
「計っ!計算が合わないわ。わたくし高利貸しではなくてよ!」
腰が抜けたのか、立とうとするものの腰が浮かない侯爵夫人。
相当の驚きで声まで裏返ってしまっている。
「いいえ。兄は自業自得でしょうが夫人が助けてくれなかったら、父も祖父も住処を失う所だったんです。祖父はもう高齢ですし、祖母のお墓もある領地で生涯を終えたいでしょうから。本当は侯爵家にいた昨年までのお手当で払おうと思ったんですが、侯爵様から頂いたお金をそのまま返すのは違うと。頂いた領地ですが収益も出ました。なので受け取って頂こうと持って参りました。引退まで運用すればゼロ金利近い金利でも1食分の食費にはなります」
資金の足しに受け取ってもいいと言ってしまっていた夫人は後悔した。
アイリーンの兄ペルタスに金を貸した時は、本当に返して貰うつもりは無かった。
なんなら、今更と言われるだろうがアイリーンを嫁にしてもらわなくて良かったのだ。ベルガシュとの結婚など白かろうが人生の汚点にしかならないのだから。
家族に対し申し訳ない事をしたとペルタスが心から反省をしてくれれば、それでよかったのだ。アイリーンの性格はこの3年が3年とは思えないほどによく判っている。
受け取らなければ、兄の借金はこの先もアイリーンの足枷にもなってしまうだろう。
「判ったわ。これで借金はなし。でも大丈夫なの?無理をしたんじゃないの?」
「いえ、領地から出る石だけではなくて、昔の坑道を塞いでいたんですけど、砕石の質が良い事が判明して石の周囲にある砕石も買い手がついたんです。坑道を埋めるのではなく鉱山を切り崩す事にしたんです。平野になるのは生きている間には無理でしょうけど、平野になれば山越えをしなくて良くなるので隣国まで平坦なルートも整備出来ると思います」
「そ、そうなのね…(ごっつい宝の山だったのね…がっくり)」
肩を落とす侯爵夫人だったが、アイリーンは「勘違いしないでくださいね?」と続けた。
「勘違い?」
「はい。鉱山の領地は事業をあと2年で確立しますので、お返しします」
「ちょ、ちょ、ちょ・・・キュゥゥ~」
侯爵夫人は腰は浮かないままだったが、意識がふわりと飛んで行った。
★~★
どのくらいの時間だろうか。
ハッと目を覚ました侯爵夫人は目の前のソファにアイリーンがいた事に安堵した。
「びっくりしたわ…寿命、何年縮まったかしら」
「縮まっても元の長さが判らないので誰も気が付きませんよ」
「・・・・・判ってるわ‥例えよ。例え」
アイリーンはジト目になった侯爵夫人に考えを告げた。
アイリーンはセルジュが崖が好きなので、鉱山の領地でもいいかと思っていたが、実際に領地に行ってみて崖はあっても草原がない事に気が付いた。農作物の収穫が期待できないのは判っていたのに灯台下暗しである。
その為にネイルアートで得た利益を貯め、モストク伯爵領に帰り、こじんまりとした家でも買ったほうがセルジュにとっても楽だろうと考えを変えたのである。
離縁から5年半と言う事は今から7年半後。その頃にはネイルアートも主流が変わるだろうし、そもそもで掘り尽くした後の残骸を拾って売るのだ。5年後でも初年度の出荷量が見込めるとも思っていない。
唯一の産業が砕石となるが、長く収益が見込めるので侯爵夫妻に権利を戻せば、万が一ベルガシュが侯爵夫妻を頼って来ても侯爵夫妻が生活に困る事もないだろうと。
アイリーンにとっては領地や多すぎる財産などどうでもいい。
セルジュとゆっくり過ごせればいいのである。
だが、問題が出来た。ベルガシュがこのまま散財を続ければ時効所得が成立する前に財政的にパンクする。ならばネイルアートで得た利益を離縁後の5年半ベルガシュに流せばいい。
モストク伯爵家に戻ってコツコツと働けば1人と1匹が暮らせる小屋くらいは何とかなるかも知れない。
決してベルガシュに楽をさせようというのではない。
今、この時もあと何年だと自分の土地が出来る事を目標に田畑を耕す領民の為である。
「え?待って。セルジュって…恋人が出来たの?でも崖上りが好きな恋人って…変わってるわね」
「恋人ではないです。友達です。それにセルジュは女の子ですよ?」
「ヒュッ!!」
侯爵夫人は息を飲んだ。「恋人じゃない友達だ」不倫する者がよく使う常套句。
友達の部分が知り合いになったり同僚になったり、部下になったりする事もある。
だが…
――女の子って‥‥変わってる子だとは思ったけど‥そうなのね――
夫人は同性愛者を差別する気持ちは皆無。男でも女でも好きになるのが異性で無ければならないなんて決まりはないし、そもそもで貴族の結婚は男女で行なうが感情は必要ないのだから、同性であろうと相手を思う気持ちがあるほうが夢もあるし生き甲斐にもなるじゃないか…と肯定派である。
のだが、侯爵夫人は「あれ?あれれ?」首を傾げ始めた。
「わたくし・・・勘違いかしら・・・ずっと前にセルジュって聞いた事があるわ」
「はい、以前にセルジュを侯爵家に連れて来てもいいかと尋ねた事はあります。夫人はアライグマを飼えなかったと仰っておりました」
「思い出したわ!ヤギ!そう、ヤギよね?!」
「はい、セルジュはヤギです」
侯爵夫人ベスパーシェは思う。
「ヤギの為に領地も要らないなんて。やっぱり変わった子」
しかし、アイリーンが望むのならそれでいいじゃないかと1人納得した。
人には大なり小なり「欲望」がある。
アイリーンの欲望が「ヤギのセルジュとのんびり暮らしたい」のだから他人が是非を考える必要はない。
――なんだか夫に拘るのが馬鹿馬鹿しくなるわね――
侯爵夫人ベスパーシェはふと頭に思い描いた。
――余生はアライグマと・・・楽しいかも?――
侯爵夫人は「モフモフ~」とアライグマの頬や尻尾に脳内で顔を埋め、ほっこりと微笑んだ。
夫人の心の声はアイリーンには聞こえない。
もし、聞こえていたら忠告はしただろう。
【凶暴な性格で、食いしん坊。じゃんじゃん頭数が増えますよ】
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