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第6話♠ 言い訳が見つからない
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世の生物で、「妻」という生き物は人類の謎を全て持ち合わせているUMAだと私に教えてくれたのは王太子殿下だ。
夫という役割も王族だからか9歳にして取得した王太子殿下。
婚約は生前6カ月というから王族はやはり住む世界が違う。
公爵家ですら生まれた後に婚約をするが、王太子殿下は王妃殿下の腹に宿った直ぐ後に婚約。現王太子妃は殿下より5歳年上の「年上のお姉さん」だが同性だったらどうするつもりだったのだろう。
男か女か。確率は2分の1・・・フッ。笑わせる。
だとすればシリアコはどうするのだ。男の体をしていても心は乙女。エディットの兄、ベルトラン殿の彼女として今日も隣で頬を染めていると言うのに。
いや、今はそんなのんびりとした草原でお昼寝的な考えをしている場合ではない。
エディットに禁断の扉が見つかってしまった。
鍵がないので開けらないという苦しい言い訳をしてみるが、言葉にしていると段々と頭がさえてくる。
――新築3年目だ・・・年数でウソがバレた?――
『妃の前で嘘を吐くのは無理だ。バレるまでの時間は即だ。もっても秒』
『それは妃殿下が生まれた時から殿下の事をご存じだからでしょう?』
『いや、妻という生き物は高性能な探知機も搭載している。気が付けば全てを掌握している。隠し事など出来ないと心しておけ』
今更に王太子殿下の言葉が胸に突き刺さる。
本当に即でバレたうえ、鍵など妻の前には吹けば飛ぶような駒。
嘘を吐く私にエディットは小指を立てる。
――私にその小指を吸ってくれというのか?ここで?!――
吸うのは問題ないが、ここで良いんだろうかと躊躇する私にサッと手をあげ、小指だけを立てて「チッチッチ」困った。エディットの心が読めない。
夫の嘘は妻に即バレなのに、夫は妻の小指の意味すら解けないとは!
理由を聞いて納得だ。その仕草は「否定」を意味する。
つまり私の嘘などとっくにお見通しよ!という訳だ。
――夫にはスケルトン機能が搭載されるということなのか――
奥深い結婚。知らぬ間に妻と夫には未知なる力が宿ると知った。
「待て!待ってくれ。その先は‥‥アァァーッ!!」
夫の抵抗など虚しいものだ。
なんとエディットは使用人に命じて扉そのものを取り外してしまったのだ。
――何重にも付けた鍵の意味を教えてくれ――
丁番すらなくなった扉は開くのに「キィィ」と音もしない。
無駄な努力、安物買いの銭失いとはまさにこの事だった。
開かれた扉。そこは私のエディットに言えない秘密が満載。
器具が大きくなればなるほど、世間的には変態度が爆上がりするがそれは賊用であり夫婦では使用しない。判ってくれるはずだ。
問題は私が長年、地道に集めた品だ。
が、使用人がカーテンを開けた順序にまだ私は活路を見出した。
光を浴びる拘束具。侵入してきた賊に誰に頼まれたかと白状させるため、大の字に体を壁に固定する枷が4カ所。
「これは‥‥」
「違うんだよ!これはッ!」
――何と言えばいい・・・拘束具なんて言えばエディットが怖がってしまう――
「何故壁にオブジェを?」
「オブジェ?」
何と言う事だ。純真無垢なエディットは拘束具などという野蛮なものは知らないのだろう。
これを見てオブジェと問えるのは世界広し、銀河が果てしないと言えどエディットだけだ。
そう思ったのもつかの間。
別のカーテンが開かれ、時間帯もあったのだろう。窓から入って来た光は鏡に反射し眩しい光で部屋を包む。
もう言い逃れは出来ない。賊とは言え拘束した者を辱めるための鏡。
適した言い訳が見つからない。手汗で部屋に池が出来そうだったが…。
「素晴らしいわ!ラウルッ」
「え?素晴らしい?・・・違うんだ。エディットこれはッ!」
「解ります。光の反射そして影を利用した芸術なのですね」
「芸術?!」
「えぇ。時々美術館に参りますが角度によって顔を変える造形美と申しましょうか。ラウルは女性ではなく芸術に傾倒されていたのですね。てっきり不貞‥‥」
――芸術?!これを見て芸術?!――
驚いたのだが、途切れたエディットの言葉の方が気になる。
――不貞?どうしてそんな事を?!――
しかし、天上の神も目の前の女神エディットも私に猶予は与えてくれない。
言葉が途切れたエディットの視線の先には・・・
――三角木馬?!――
どうしよう…尻を割るためと言えば誤魔化せるか?いいや。尻は殆どの者が最初から2つに割れている。敢えて割る必要などないのだ。
尖った座面に腰を下ろせば一部のガチな変態を除き大抵の者は断末魔のような悲鳴をあげる。私もどれほどの痛みなのか試そうとは思ったが、限界まで体が沈み込んだとて、つま先も床に届かないとなると恐怖を感じ未体験。
まぁ、私が恐怖を感じるくらいだから賊には丁度いいのだが‥。
何と説明をするか考えてしまったのが良くなかった。
何を思ったか、エディットは部屋を見渡し、禁断の小箱の蓋を開けてしまった。
――ダメだ!それは絵姿が!!――
プロから素人まで兎に角絵師にエディットを描かせた絵姿。
底に行けば行くほど私の汚い欲望にまみれた空想を絵にしてもらっている。
余りにも赤裸々で思い出すだけでも誤爆が激しくズボンごと闇に葬ろうと思ったのだが、思春期手前の男児が始めての「春画」を何故か捨てられないのと同じで結局捨てられず・・・底に封印したのだ。
不味い!それ以上捲っては!!
心で強く念じたのが通じたのかエディットの手が止まった。
「まさか・・・私・・・」
「すまないっ!出来心などと言い訳は出来ないが説明させてくれっ」
「説明には及びません。私、指名手配されていましたの?(うるる)」
「指名手配?!そんな事はされていない!」
やはり心の美しいエディット。私と違って卑猥な事に使うのではないと思ったようだが「指名手配?」
私としては毎秒エディットを心で指名手配して、帰宅すれば「捕まえた♡」と思ったりもするのであながち間違いではないが・・・。
今は自分の事などどうでもいい!エディットの目がうるる&さららのように潤む。
除湿機能の「さらら」と加湿機能の「うるる」ダイ〇ンの傑作だ。
エディットの目がうるるとした。
涙が零れ堕ちる前に私がなんとかせねば!
慌てて駆け寄ったのが不味かった。手が小箱に当たってしまいさらに禁断の秘密が暴かれる。
コツコツと!集めたエディットの抜け毛。
結婚前は1本~2本~と数えて147本だったが、今は203本。昨夜抱きしめるついでに2本拾ったので205本。
流石にその数になると「束」になる。
毛先でコショコショと時折自分を弄んでいるなんてどうやって誤魔化せばいいんだ!!
秘密を吐露するか、癒しのコショコショを諦めるか。
私は人生の岐路に立った。
夫という役割も王族だからか9歳にして取得した王太子殿下。
婚約は生前6カ月というから王族はやはり住む世界が違う。
公爵家ですら生まれた後に婚約をするが、王太子殿下は王妃殿下の腹に宿った直ぐ後に婚約。現王太子妃は殿下より5歳年上の「年上のお姉さん」だが同性だったらどうするつもりだったのだろう。
男か女か。確率は2分の1・・・フッ。笑わせる。
だとすればシリアコはどうするのだ。男の体をしていても心は乙女。エディットの兄、ベルトラン殿の彼女として今日も隣で頬を染めていると言うのに。
いや、今はそんなのんびりとした草原でお昼寝的な考えをしている場合ではない。
エディットに禁断の扉が見つかってしまった。
鍵がないので開けらないという苦しい言い訳をしてみるが、言葉にしていると段々と頭がさえてくる。
――新築3年目だ・・・年数でウソがバレた?――
『妃の前で嘘を吐くのは無理だ。バレるまでの時間は即だ。もっても秒』
『それは妃殿下が生まれた時から殿下の事をご存じだからでしょう?』
『いや、妻という生き物は高性能な探知機も搭載している。気が付けば全てを掌握している。隠し事など出来ないと心しておけ』
今更に王太子殿下の言葉が胸に突き刺さる。
本当に即でバレたうえ、鍵など妻の前には吹けば飛ぶような駒。
嘘を吐く私にエディットは小指を立てる。
――私にその小指を吸ってくれというのか?ここで?!――
吸うのは問題ないが、ここで良いんだろうかと躊躇する私にサッと手をあげ、小指だけを立てて「チッチッチ」困った。エディットの心が読めない。
夫の嘘は妻に即バレなのに、夫は妻の小指の意味すら解けないとは!
理由を聞いて納得だ。その仕草は「否定」を意味する。
つまり私の嘘などとっくにお見通しよ!という訳だ。
――夫にはスケルトン機能が搭載されるということなのか――
奥深い結婚。知らぬ間に妻と夫には未知なる力が宿ると知った。
「待て!待ってくれ。その先は‥‥アァァーッ!!」
夫の抵抗など虚しいものだ。
なんとエディットは使用人に命じて扉そのものを取り外してしまったのだ。
――何重にも付けた鍵の意味を教えてくれ――
丁番すらなくなった扉は開くのに「キィィ」と音もしない。
無駄な努力、安物買いの銭失いとはまさにこの事だった。
開かれた扉。そこは私のエディットに言えない秘密が満載。
器具が大きくなればなるほど、世間的には変態度が爆上がりするがそれは賊用であり夫婦では使用しない。判ってくれるはずだ。
問題は私が長年、地道に集めた品だ。
が、使用人がカーテンを開けた順序にまだ私は活路を見出した。
光を浴びる拘束具。侵入してきた賊に誰に頼まれたかと白状させるため、大の字に体を壁に固定する枷が4カ所。
「これは‥‥」
「違うんだよ!これはッ!」
――何と言えばいい・・・拘束具なんて言えばエディットが怖がってしまう――
「何故壁にオブジェを?」
「オブジェ?」
何と言う事だ。純真無垢なエディットは拘束具などという野蛮なものは知らないのだろう。
これを見てオブジェと問えるのは世界広し、銀河が果てしないと言えどエディットだけだ。
そう思ったのもつかの間。
別のカーテンが開かれ、時間帯もあったのだろう。窓から入って来た光は鏡に反射し眩しい光で部屋を包む。
もう言い逃れは出来ない。賊とは言え拘束した者を辱めるための鏡。
適した言い訳が見つからない。手汗で部屋に池が出来そうだったが…。
「素晴らしいわ!ラウルッ」
「え?素晴らしい?・・・違うんだ。エディットこれはッ!」
「解ります。光の反射そして影を利用した芸術なのですね」
「芸術?!」
「えぇ。時々美術館に参りますが角度によって顔を変える造形美と申しましょうか。ラウルは女性ではなく芸術に傾倒されていたのですね。てっきり不貞‥‥」
――芸術?!これを見て芸術?!――
驚いたのだが、途切れたエディットの言葉の方が気になる。
――不貞?どうしてそんな事を?!――
しかし、天上の神も目の前の女神エディットも私に猶予は与えてくれない。
言葉が途切れたエディットの視線の先には・・・
――三角木馬?!――
どうしよう…尻を割るためと言えば誤魔化せるか?いいや。尻は殆どの者が最初から2つに割れている。敢えて割る必要などないのだ。
尖った座面に腰を下ろせば一部のガチな変態を除き大抵の者は断末魔のような悲鳴をあげる。私もどれほどの痛みなのか試そうとは思ったが、限界まで体が沈み込んだとて、つま先も床に届かないとなると恐怖を感じ未体験。
まぁ、私が恐怖を感じるくらいだから賊には丁度いいのだが‥。
何と説明をするか考えてしまったのが良くなかった。
何を思ったか、エディットは部屋を見渡し、禁断の小箱の蓋を開けてしまった。
――ダメだ!それは絵姿が!!――
プロから素人まで兎に角絵師にエディットを描かせた絵姿。
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余りにも赤裸々で思い出すだけでも誤爆が激しくズボンごと闇に葬ろうと思ったのだが、思春期手前の男児が始めての「春画」を何故か捨てられないのと同じで結局捨てられず・・・底に封印したのだ。
不味い!それ以上捲っては!!
心で強く念じたのが通じたのかエディットの手が止まった。
「まさか・・・私・・・」
「すまないっ!出来心などと言い訳は出来ないが説明させてくれっ」
「説明には及びません。私、指名手配されていましたの?(うるる)」
「指名手配?!そんな事はされていない!」
やはり心の美しいエディット。私と違って卑猥な事に使うのではないと思ったようだが「指名手配?」
私としては毎秒エディットを心で指名手配して、帰宅すれば「捕まえた♡」と思ったりもするのであながち間違いではないが・・・。
今は自分の事などどうでもいい!エディットの目がうるる&さららのように潤む。
除湿機能の「さらら」と加湿機能の「うるる」ダイ〇ンの傑作だ。
エディットの目がうるるとした。
涙が零れ堕ちる前に私がなんとかせねば!
慌てて駆け寄ったのが不味かった。手が小箱に当たってしまいさらに禁断の秘密が暴かれる。
コツコツと!集めたエディットの抜け毛。
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